フォーサイスより愛を込めて(魔法先生ネギま!×EVOLIMIT) 作:瓶缶ペットボトル
拝啓
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
皆さんが地下洞窟の調査中に姿を消してから早一日が過ぎました。皆さんがいなくなってしまったのがまるで昨日のことのようです。実際に昨日の話なんですけど。
最初は何かの事故に巻き込まれたかと慌てましたが、レナート君の話を聞いた今では皆さんがはるか遠く麻帆良の地にいることをフォーサイス市民全員が信じています。コウさんは俺も行きたかったととても悔しそうでした。レナート君はツナミさんがいなくなって寂しそうです。レナート君よりもドミトリさんの方が寂しそうです。タイロンさんにタイムマシンを作れと泣きついていました。不知火さんと一条さんに続いて皆さんまでいなくなってしまい私も寂しく思います。ですがきっと、ある日いつの間にか戻ってきていて140年前の地球での思い出話を聞かせてくれるのではないかと期待もしています。
軍部ではリーティアちゃんの代理として新しい部長が就任しました。諜報部でも、アクアさんと環太郎さんに変わり、新しい部長と副部長に変わりました。リーティアちゃんは地球へ行けたことに感激して無茶してしまうかもしれませんから、アクアさんがしっかりしてくださいね。環太郎さんはきっと本物の忍者の方々から忍術を学んでいることと思います。せめて分身くらいできるようになって帰ってきてください。
ツナミさんはきっと懐かしい気持ちになるんだと思います。もしツナミさんが地球にもう一度立つことができた嬉しさで泣いていたらチャペックさんはしっかり写真に残しておいてくださいね。きっとレナート君が欲しがりますから。それと、ツナミさんだけが地球で暮らしていた大先輩ですから、他の方々のことをよろしくお願いします。
最後に、超鈴音さん。
過去へ挑み歴史を変えるというあなたの信念を理解することができましたが今もって納得することはできません。きっとそれは私が火星出身だからだと思います。
皆さん、くれぐれも体に気をつけて地球での生活を楽しんできてください。
P.S.「雫の師匠に会ったら俺の代わりに勝ってこい」とコウさんが言っておりました。勝負の結果もいつの日か教えてくださいね。
P.S.「ツナミちゃんが帰ってきたら僕プロポーズします」とレナート君が言ってます。死亡フラグというやつですね。レナート君はドミトリさんにどこかに連れて行かれてしまいました。
P.S.そういえばチャペックさんも見つかりませんが、もしかして一緒に過去へ行っているのでしょうか。もしそうなら次の写真集は延期ですね。
フォーサイスより愛を込めて。
火星学園都市フォーサイス市長 鷹星カズナ
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「鷹星君、さっきから何を書いているのかね?」
校長先生が話しかけてきます。そろそろ散歩の時間でしょうか。
「皆さんへのお手紙です」
「ふむ」
「市長ー! 仕事してください!」
あら、レナート君、無事だったんですか。
「書きなおしておかないとダメですね。レナート君、お父様への挨拶は終わったんですか」
レナート君が顔をくしゃっとゆがめてしましました。
「パッチ付けてないはずなのにボコボコにされました。あの人本当に人間なんでしょうか」
「親の愛は偉大ですね。その調子でもう一台タイムマシン作って欲しいですね。みんなで過去の地球へ旅行なんてロマンチックだと思いませんか? 一条さんと不知火さんも一緒に……なんて」
ため息を吐いて、窓から空を見上げました。
「市長ー! 現実逃避はやめて書類に判子を押してください」
書き終えた便箋のスペースだけぽっかり空いて、レナート君の姿が見えないほど山積みになった書類を見てげんなりします。
私も地下洞窟探査に行っていれば今頃地球にいたはずなのに。
「校長先生、お散歩に行きましょうか?」
「鷹星君、仕事をしなさい」
「……はい」
書き溜めが尽きました。
敬具