やはり俺の魔物の王を決める戦いは間違っている。 作:ホッシー@VTuber
気が付けば気味の悪い浮遊感を覚えていた。浮遊感を覚える前後の記憶はおろか今自分が何をしているのかもわからない。そんな微睡む意識の中、確信を持って言えることがいくつかあった。
それは誰かを深く憎んでいること。その誰かが近くにいること。そして、その誰かを倒す
最初は胸の中で燃える憎悪の炎のあまりの熱さに体が燃え尽きてしまいそうになるほど苦しかった。こんな苦しみをいつまでも味わい続けるのかと恐怖した。
だが、あいつを見て苦しみも恐怖も何もかもが憎悪の炎を燃やす薪に変化した。気味の悪い浮遊感も、身を焦がす辛さも、燃え尽きることのない炎に苦しむのも、変わらない現状に対する恐怖も、全部あいつが悪い。あいつがいたからこんな目に遭っているのだ。あいつのせいで、あいつがいたから、あいつの、あいつのアイツのアイツのアイツの!!
微睡んでいた意識は殺意に変わり、あいつを攻撃した。血反吐を吐いたあいつを見て喜びを感じた。ああ、きっとこの日のために生きていたのだと自分に酔った。本能のまま、願望のままに、自分のためにあいつを傷つけた。
しかし、そんな中、あいつを守る群青色が目に映った。追い詰めているのはこちらのはずなのにあの子はあいつを守るために戦い続けていた。
おかしい。何かがおかしい。何が? だってあいつは悪党で、あの子はその被害者のはずなのにどうしてあの子はあいつを守るのだろう? だからこそ、“ウチ”は皆に訴えたのだ。あいつは悪者なのだと。間違っているのは向こうなのだと。ウチは被害者である群青少女を救ったのだと。
でも、もし――もし、間違っているのがウチだとしたら?
あいつは悪党じゃなくて、あの子が被害者じゃなかったら?
あり得ない。違う。ウチが正しい。悪いのはあいつだ。あの子はあいつに利用された可哀そうな女の子なのだ。間違いない。間違っちゃいない。
だって、もし本当にウチが間違っているのなら今、ウチがしている行為、思考、想い、考え全てが悪者そのものではないか。
そう、思いたかった。でも、無理だった。あの天に昇った群青色の光を見た時、ウチは理解した。
間違っていたのはウチだった。
愚かだったのはウチだった。
悪者はウチだった。
しかし、それに気付いたのがあまりに遅かった。今更気付いたところでウチの学校の評判は変わらないし、あいつとあの子にした
ウチは何もかも遅かったのだ。やり直せる時期はとっくの昔に過ぎていた。
――別に謝らなくていいよ。どうせもう関係ないでしょ。
帰国する前にそう言った群青少女の冷め切った瞳をウチは一生忘れられないだろう。
「……」
ゾフィスの妨害を何とかやり過ごした俺たちは途中で休憩を入れながら遺跡の中を進み、また広間に辿り着いた。だが、その広間に入った直後、目の前に広がった光景に思わず体を硬直させてしまう。
「ウヌウ……あれは、何なのだ?」
「さぁな。でも、魔物の何かであることは間違いない」
ガッシュは上を――宙に浮く無数の星型の物体を見ながら首を傾げた。広間を見渡しても魔物の姿はないがあんなヒトデが宙に浮くなど魔物のしわざに決まっている。
「問題はあれが我々を監視するものなのか……それとも」
サンビームさんが声を漏らした時だった。宙を漂っていたヒトデが一斉にこちらに中心に空いた穴を向ける。
「……ガッシュ、下がれ。あれは俺たちを攻撃してくるものだ!」
俺が叫ぶと同時に無数のヒトデからレーザーが放たれた。咄嗟に回避するが四方八方から放たれたせいでその場で転倒してしまう。見ればガッシュもレーザーに狙われたようで俺と同じように地面に倒れていた。
「清麿、ガッシュ!」
急いで体を起こそうとした矢先、サンビームさんが俺とガッシュを抱えて横へ飛び、先ほどまで俺たちがいた場所をレーザーが突き刺さる。助けてくれたサンビームさんに短くお礼を言った後、体勢を整えて再びヒトデを見上げた。今の段階でわかったことはあのヒトデはレーザーを放つこと。そして、放つ直前に光ること。四方八方から放たれるレーザーを躱すのは難しい。とにかく今はあのヒトデを何とかしなければ。
「ガッシュ、呪文らしき声は聞こえたか!?」
「ウヌ、全く聞こえなかったのだ!」
俺よりも五感の優れているガッシュでも声は聞こえなかった。つまり、この広間には本の持ち主はいないのか? そもそも、魔物の本体自体、ここにいるとは限らないか。
「なら……『ザケル』!」
ヒトデが密集している場所へ電撃を放つがヒトデたちは素早く移動して雷撃を回避した。あれでは『ザケル』よりも速い『ザケルガ』でも躱されてしまう。
「はぁ……はぁ……くそ、小さい上に速さまで……」
「いや、それほどのスピードではない。奴らは常にこちらと一定の距離を取っているんだ」
俺の独り言を否定したのは隣でヒトデを観察していたサンビームさんだった。思わずそちらへ視線を向けると彼は何一つ焦ることなく、ジッと宙に浮くヒトデを見つめていた。
「いわゆる『何があっても対応できる距離』だ。それより問題はあのヒトデがどうやってその距離を取っているか、だ」
「……なるほど、魔物の本体がいないのに何故、俺たちの位置がわかるのか」
「そうだ、清麿」
頷いたサンビームさんだったがすぐに左腕を広げて俺たちに下がるように指示を出す。慌ててその場から後退するとヒトデからレーザーが放たれ、地面を穿った。俺と会話している最中もヒトデの動きを注意深く観察していたからこそ事前に回避するように指示することができたのだ。
「あのヒトデ一つ一つが目の役割を果たすのか? それとも音で探っているのか? はたまたそれ以外か」
「……」
「まずは落ち着くんだ。敵の姿が見えないと緊張と焦りで頭に血がのぼるものだ」
「ッ!」
未知の攻撃にすっかり怯えてしまったウマゴンのお腹を何度も擦りながらサンビームさんは言い聞かせるようにそう言った。彼の指摘で自分の呼吸が荒くなっていることに初めて気付く。
そうだ。何故、俺は忘れていたのだろう。
「頭の血が下がったら相手をよく見るんだ。こんな時こそ、君の頭脳が必要なのだから」
「……ありがとう、サンビームさん」
敵の姿が見えない今、敵の場所を考えてもさほど意味はない。まずは目の前にいるヒトデをどう攻略するか考えた方がいいだろう。
まず、このヒトデの厄介なところは四方八方からレーザーを放って来ること。幸い、ヒトデそのものが小さいのでレーザーも細く、攻撃の起こりもわかりやすい。そのため、飛んで来る方向さえわかれば躱すのはそこまで難しくはないはずだ。なら――。
「みんな、部屋の隅へ……壁を背にすれば奴らの攻撃も前方からしか来ない」
「ウヌ」
俺の指示に従って部屋の隅に移動した後、真っ直ぐヒトデを見つめる。これで飛んで来る攻撃の方向を固定することができた。あとは敵がどうやって俺たちの位置を把握しているか検証すること。
(そうだ、こんなところで焦ってなんかいられん)
俺たちはこの先にある『月の光』を出す石まで辿り着き、ゾフィスの企みを阻止しなければならない。バラバラに別れたみんなもきっと同じ思いで頑張っている。ならば、俺たちだってこんなところでいつまでも足止めを受けているわけにはいかないのだ。
「ガッシュ、すまんが手探りで戦うことになる。少しの間、付き合ってくれ」
「ウヌ、任せるのだ!」
俺の言葉にガッシュが頷くと同時にヒトデからレーザーが放たれる。さぁ、
今週の一言二言
・アズールレーンで瑞鶴翔鶴イベが来ましたね。とりあえず、建造したら瑞鶴以外来たので満足です。後は絵馬を回収して瑞鶴を貰うだけですね。
・FGOでもハロウィンイベが来ました・・・来たけど、どうしてああなったとしか言いようがないです。あと、段蔵ちゃん来ません。どうしてですかね・・・うちのカルデアにいる小太郎君は宝具レベルも5だし、最終再臨もしているし、レベルもマックスなのに。さすがにスキルと聖杯はまだ手つかずですが・・・え? スキルマ、聖杯突っ込まないと来ない感じですか?