ラブライブ! ~The another story~ 作:癸楓文音
絶好調にも思えたが一人悩みを抱えたメンバーがいました。
今回はことりがメインです!
それではお楽しみください!
いつもの放課後、最近ことりのバイトが忙しいようだ。
ことりはしばらくμ’sの練習には参加せず、一人で帰るのだった。
そんな事もあってか、本日の練習は無しという事に。
レナは前川と久しぶりに遊ぶという事になりことりの働いているメイド喫茶へと足を運んだ。
◎メイド喫茶
「南は今日もバイトみたいだな。忙しすぎて練習に参加できないほどシフトが組まれてるんだとか」
「伝説の秋葉メイド『ミナリンスキーさん』だもんな」
「皆には内緒って言われてんだよな…。こんなに頻繁に休まれるとさすがに勘付く奴も出てくるはずなんだが…」
「見つかったときは見つかったときだろ」
二人はそれぞれ頼んだコーヒとココアを飲みつつことりを見つめ話していた。
そんな時、勢い良く店のドアが開く。
「ことりちゃん!」ドアをあけたのは穂乃果だった。
「高坂!?」レナは意外な人物を目にし、ココアを吹き出しそうになった。
「あれ?家業院君?」きょとんとする穂乃果。
その後ろには他のメンバーも居た。
「どうしたんだよいきなり」
「それはこっちの台詞だよ!なんでメイド喫茶に家業院君がいるの?」
「家業院君?どうしてこんな所に居るのかにゃ?」凛がひょいと顔を出し訪ねる。
「前川と来てるんだよ。それより皆は?」
「ここにことりちゃんが居るんです!」花陽が言う。
「家業院…これはまずいぞ」前川が言う。
「見つかったときはどうなるんだっけ?」
「見つかったら…きっと修羅場…」
「やっぱり居た!」希が指を指した方向にはことりが立っていた。
「あ…皆…!?」驚きを隠せないことり。
「ことりちゃん!こんな所でなにしてるの?」穂乃果がことりの前に出る。
「穂乃果…きっとことりにも理由があるのよ。話を聞いてみましょう?」エリチカが仲介する。
「ことり、どうしてバイトしてる事を黙ってたの?」にこが聞く。
「お店のみんなに迷惑かけちゃうから席に案内するね」引きつった笑顔を見せることり。
数分後。
案内された席に着くとことりからコーヒーが出された。
「実はね、3人でスクールアイドルをやろうってなった時くらいから声をかけられて、やってみようと思ったの…。私穂乃果ちゃんみたいに皆を引っ張る力なんて無いし、海未ちゃんみたいにきちっとしてないし…。私には取り柄なんてないから。家業院君達には前々から働いてる事はバレてたんだけど、この事話すのは初めて…」暗い顔をすることり。
「ことりに取り柄が無い?そんな事はありません!」海未が否定する。
「ずっと悩んでたの?」真姫が聞く。
「うん…」
「そっか…。ごめんねことりちゃん、私何も声をかけてあげられなくて」穂乃果も落ち込んだ顔をする。
「ううん、謝らないで穂乃果ちゃん。皆は何も悪くないから」
「ことりちゃん…」希も気にかけているようだ。
「今日はまだ、お仕事の時間だしごめんね。戻らなきゃ」
そう言ってことりは厨房へと戻って行った。
「今日はもう帰りましょう」エリチカが提案する。
「そうですね…」海未もことりの事を考えて賛成する。
「俺達も一緒に帰るよ」そう言ってレナと前川も立ち上がる。
◎公園
帰ろうとはしたが皆の心の中にはことりの言葉が引っかかり足を止めてしまっていた。
「ことりには何も無い事なんて無いのに…」にこがうつむく。
「ことりちゃんは自分を変えたくて、あのバイトを選んだんだよな」前川が言う。
「俺達には、ずっと黙っててくれって言ってた」
「どうにかして元気をあげられないかな?」凛が皆に問いかける。
しばしの沈黙。
「そうだわ!良い事を考えた!」エリチカが大きな声を上げる。
「何?」真姫が聞く。
「秋葉でライブをしましょう!」
「秋葉で!?あなた何考えてるの!?秋葉はA-RISEの膝元なのよ!?下手に行動したら干されるわよ!?」にこが驚愕する。
「でも、やってみなきゃわからないわ!今回はことりに歌詞を書いてもらうのよ!」
「また無茶な事を…」レナが呆れる。
「どうしてそうなるのよ!?」にこが再び突っかかる。
「ことりは伝説の秋葉メイドミナリンスキーと呼ばれるまでこの秋葉で必死に頑張ってきたのよ!その頑張りは、秋葉だからこそだと思うの」
「どういうことですか?」花陽が聞く。
「考えてみて?全くの田舎にメイド喫茶があっても意味ないと思わない?」
「たしかに!絵里先輩かしこいにゃ!」凛が立ち上がる。
「考えが単純すぎる…」レナが顔を痙攣らせる。
「ははは、それ面白いですね!なんか俺それ賛成です!」前川が言う。
「前川!?」にこが驚く。
「おれμ’sの皆とはそんなに深く関わった事無いけど絢瀬生徒会長の言う事は何となく、惹かれました!」
「どういう事ですか?」海未が聞く。
「単純だけど、提案してる事は新鮮でなんか惹かれるんです。ことりちゃんにしか書けない歌詞で歌う皆、見てみたいな!」笑顔で前川が答える。
「南が書いた歌詞か…。想像できないな」レナが笑う。
「なんか新しい感じがしてまたμ’sの方向性も増えそうやね!」希が賛成する。
「凛もことりちゃんの甘々な歌詞で歌いたいニャ!」
「ことりちゃんが作詞…。面白そうだね!」穂乃果も元気になる。
「じゃ、明日早速言ってみましょ!」エリチカがグッドサインを決める。
『おー!!!』
翌日の放課後
◎2ー2教室
ことりは一人で一枚の白紙とにらめっこをしていた。
「五本指ソックス…気持ちいい…」思いついた単語をぶつぶつとつぶやく。
「あーー!!無理だよー作詞なんてーー!」うなだれることり。
「ことりちゃん!」穂乃果が走ってくる。
「穂乃果ちゃん!どうしたの?」
「悩んでるなら、自分が好きな事をやれば良いと思う!」
「好きな事…それなら…」
◎メイド喫茶。
「どうしてこうなるんだよ…」メイド服を着せられ苛立ちに眉を動かすレナ。
「女装も似合うね!」希が写真を撮る。
「撮らないでください!似合ってるとか言う問題じゃないでしょ!それに、なんで高坂と園田と俺だけなんですか!?」
ことりがメイド喫茶で働いてるときが楽しいと言ったので着いて行く事になった一行。
そしてことりは穂乃果と海未とともに働きたいと要求した。
そこから謎の成り行きでレナの女装が見たいということになったのだった。
「レナ…かわいいわ」エリチカが感心する。
「何がかわいいだ!これはただの公開処刑だろ」赤面するレナ。
「いや。家業院…アリだ」ガッツを決める前川。
「お前殺す…。絶対殺す!」
「まぁまぁ!とりあえず接客からだね!」ことりがニコニコしている。
「家業院君もメイドかぁ!似合うなぁ!」穂乃果が笑う。
「私より似合うのでは…」海未がうつむく。
「いや、そんなことない。園田も似合ってる…」少し目線をそらして言う。
「ありがとう…ございます」海未も少し照れてレナの方を見ることができなかった。
「じゃ!お仕事頑張ろう!」ことりが声をかける。
『おー!』
数時間後
ことりが海未にアドバイスしているのが聞こえてきた。
「海未ちゃん!裏方でもメイドさんはいつでもスマイル!」
「でも…」
「でも?」笑顔で見つめることり。
「…わかりました」微笑んでみせる海未。
「おっけー!」ことりも微笑む。
「やっぱりメイドの時の南の雰囲気はいつもと違うな」レナが寄って話しかける。
「そうかな?」
「うん!ことりちゃん!ずっと笑顔だもん!」穂乃果もやってきた。
「この街に居るとね、元気が沸いてくるんだ!今日も頑張ろうって!だからこの街が大好き!」
「南、それって」
「それだよことりちゃん!」レナが言う前に先に発言する穂乃果。
「あ、俺のセリフ…」
「穂乃果ちゃん?どういう事?」
「その気持ちを歌にすればいいんだよ!思う事を素直に!」
「…!そっか!!!私できそうな気がする!」ことりがやる気を出す。
「良かったです!ことりに元気が出て」海未が喜ぶ。
「そうだね!ことりちゃん、ファイトだよっ!」
「うん!!!」
喜ぶ三人をよそにレナが体育座りでぶつぶつとつぶやく。
「俺のセリフ…」
「よしよし、泣かないにゃ!」撫でる凛であった。
数日後
◎秋葉電気街
夕日が射し、眩しいほどの光が満ちた頃、ライブが始まろうとしていた。
「この曲は、この町に、皆さんに思いを込めて作った曲です!」ことりがそう言って一礼する。
『聞いてください!『ワンダーゾーン』』皆がタイトルコールをする。
『Hi! はじめるよ! 不思議だよ! 最高の夢さ!!!』
盛大な拍手とともに歓声が上がる。
『μ’s最高!!!』『ことりちゃーん!!』『みんな可愛い!!!』
「大成功だな!」前川が言う。
「ああ!南に何ひとつ取り柄がない事なんてない。皆それぞれが素晴らしい物を持ってる!だからμ’sは最高なんだ!」
μ’sへの歓声の中ライブは幕を閉じた。
いかがでしたか?
今回はアニメで言うワンダーゾーン回!
自分には特別なものなんてない!と思い込んでいた彼女ですがみんなと行動すること、好きなことをとことんできる力があると気づけましたね!
メイド服のレナくん…アリなのかもしれません!
そして着実にμ’sの人気も出てきていますね!!
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