ラブライブ! ~The another story~   作:癸楓文音

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前回、改めて秋葉という場所が好きと気づき自分らしさをことりが見つけました!


今回はアニメと同じ題名!
しかしレナにある話題が訪れます・・・。


それではどうぞ!


11話:先輩禁止。

にこからの要望でアイドル研究部に入る事になったレナ。その手続きには学院長からの承認印が必要だった。

 

◎学院長室

「良い所に来たわね、家業院君」椅子から立ち上がり資料が挟まれたファイルを持ってくる。

「え?あの、俺部活動入部の手続きに来たんですけど……」

「ええ、わかってるわ。でもこれを見てほしいの」

「何ですか?これ」渡された資料を見る。

 

『心臓病のスペシャリスト!アメリカに帰国!』と大きな文字で書かれていた。

 

「これがどうかしたんですか?」

「ええ、家業院君、この人の手術を受けてみない?」

「え!?どうしてですか!?」いきなりの話に戸惑う。

 

「家業院君の事を少しおばさまから聞きました。あまり体調は良くないと……。それに無理に体を動かそうとしていたこともことりから聞きました。だからこそ、完治をさせるべきではないかと」

 

「そんな必要はありません!第一にこんな事のために時間を使ってたら、この学院に来た意味がないじゃないですか」

 

「そうかもしれないわね、でも現にあなたの体調は悪い。それでも廃校に待ったを掛けたのよ?まだ時間はあります。この資料に目を通してください」

「こんな金、俺は払いたくないです。少なくとも…今は」

「お金は音ノ木が全額負担します」

 

「どうして!?音ノ木は言いたくないですけど廃校寸前の高校です。そんなお金を出したら真っ先に廃校が決まってしまう!」

 

「生徒一人を守れない学校なら、私は必要ないと思っています」

 

「え……?」

「ことりはもちろん家族です。しかし、この学院の生徒も私は家族だと思っています。家族には健康で、笑顔で居てほしいのです」

「……。どうして、その学院の未来が危険だってのにそんなこと言えるんですか」

 

「え?」

「もしかしたら、失敗して俺が死ぬかもしれない!俺が治らないかもしれない!無駄なお金になるかもしれないんですよ!?」

「それでも構いません。私は家族のために最前を尽くしたいのです」

学院長はまっすぐとレナの瞳を見つめていた。

 

「……わかりました。資料見ておきます…。また話しましょう」

そう言って承認印が押された入部届けと手術に関する資料を持って部屋を出た。

(……俺がここに来た理由は心臓病を治すためじゃないのに……。でも、皆の前では笑顔でいよう。心配はかけたくない)

 

 

 

 

◎アイドル研究部部室

「入部手続き終わらせてきました!」ニッと笑って紙を出すレナ。

「これで全員入部したわね!」にこが言う。

「10人も部員がいるってなんだかうれしいね!」ことりが笑う。

「確か陸上部も10人だったにゃ!」凛も嬉しそうだ。

 

そんな時勢い良くドアが開いた。

 

「はぁ……はぁ……」ドアを開けたのは花陽だった。

「小泉、どうした?そんな真剣な顔して」レナが驚きながら聞く。

「た、大変です!!」

「どうしたの?花陽ちゃん」穂乃果も心配しているようだ。

「なんと、開催されるんです!」

「何がよ?」にこが聞く。

 

「ら……」

「ら……?」希が復唱する。

「ラブライブです!!!!!」花陽が笑顔になる。

「ラブライブ!?」にこが過剰に反応する。

 

「ラブライブって……何?」エリチカが首を傾げる。

「ラブライブは全国のスクールアイドルがそれぞれのパフォーマンスを披露しあって1位を決めるスクールアイドルの夢の舞台です!」

「スクールアイドルの大会ですか……」海未が関心する。

 

「……全国となるとかなりの数がいるんでしょ?」真姫が花陽に問う。

「はい!この東京だけでも少なくとも30組は居ます!」

「30!?そんなに学校あったっけ?」凛が立ち上がる。

「ばかね、同じ学校でも別々にグループを組んでる学校がいくつもあるのよ」にこが指摘する。

「なるほど!!」

「あ〜楽しみだな!いろんなスクールアイドルが見られるのか〜最前列とれるかなぁ〜」花陽が笑顔で揺れている。

 

「え……?出ないの?」レナが唖然として言う。

「え!????」花陽が現実に帰ってきた。

「いや、μ’sも出るんじゃねーの?」

「え……?ラブライブに?」花陽がもう一度問う。

「いや、出ねーなら良いけど」そっぽを向くレナ。

 

「出ようよ!!!」穂乃果が立ち上がる。

「穂乃果ちゃん!」ことりも立ち上がる。

「チャレンジする事は良いと思うわ!私たちの実力を試してみましょ?」エリチカも賛成した。

「ラブライブに……私たちが……」花陽が固まる。

 

「なにぼーっとしてんのよ花陽!目指すは優勝よ!」にこが言う。

「え!?優勝!?」凛が叫ぶ。

「当たり前じゃない!優勝してこの学校を有名にすれば廃校問題も一瞬で消し去って?にこちゃんも有名になるじゃない!」にこが笑顔で語る。

「後者はおいといて、高見を目指すのは良い事だと思う!」希が言う。

「だよねだよね!あああ!!!練習したいな!うずうずしてきちゃった!」そう言うと屋上へと走り出した穂乃果。

「うずうずしてる様子を見せる暇なく行きやがった……」呆れるレナ。

 

 

すると数十秒後帰ってきた穂乃果。

「あれ?どうしたん?」希が聞く。

「……あつぅい……!!!あついよ!暑すぎるよ!馬鹿でしょあんなの!」

「確かに、最近は気温も高いですね……」海未が困った母をする。

「どうしよう……」ことりも困った顔をする。

 

「合宿とか出来ると良いんだけど……」エリチカがぼそっとつぶやく。

「……それだ!!!」穂乃果が勢い良くエリチカの方を向く。

「え?合宿?」ことりが驚く。

「そうだよ!合宿だよ!なんでそんないいこと思いつかなかったんだろう!」

「でも、そんなお金何処から出てくるのよ?」エリチカが聞く。

「……むむぅ……。ハッ!ことりちゃんいつバイト代入るの!?」

「え!?バイト代?」ことりが尚更驚く。

「まさか穂乃果、ことりにせがもうと言う気ですか?」海未が呆れた顔をする。

 

「借りるだけだよぉ!」言い訳にもほどがある。

「真姫ちゃんの家なら別荘とかあるんじゃないの!?」穂乃果の矛先が変わった。

「え!?……別に無くはないけど……」俯く真姫。

「そうよ……。そんな無茶な事言える訳ないわ」そう言いながらも頼み込むように真姫の方を眺めるエリチカ。

 

「……なによ」周りを見回すとレナを除く全員が真姫に希望の眼差しを向けていた。

「……わかったわよ!聞いてみるわ」真姫が仕方なく了承した。

「ありがとう!!!!」穂乃果が真姫に抱きつく。

「ちょっと!離れなさいよ!」必死に離そうとする。

 

「合宿か……。いいな!がんばって来いよ!」笑顔を見せるレナ。

『え……?』9人の声が揃った。

「え……?……え?俺も行く感じ……?」

『当たり前!!!』再び9人の声が重なった。

 

 

 

数日後

 

 

◎秋葉原駅

朝早くから駅に集合した10人。

エリチカから合宿にあたっての、目票が発表された。

「今回の合宿の目標は、先輩後輩の関係をなくす事よ!」

「え!?先輩後輩をなくすのですか!?」海未が驚く。

「ええ、前々から思ってたのよ、ダンスや歌うときに遠慮しがちな所があったから」

「実際どうやって上下関係をなくすんですか?」凛が首を傾げる。

「全員下の名前で呼び合って、敬語をなくす!なんてどうかな?」希が提案する。

 

「なるほど!じゃあ……絵里ちゃん……」少し顔を赤めてエリチカを呼ぶ穂乃果。

「はい!」元気よく返事をするエリチカ。

「じゃ、凛も!……ことり……ちゃん?」凛も顔を赤める。

「はい!真姫ちゃん?」ことりが真姫の方を見る。

「え!?」真姫がとっさの出来事に困惑する。

『じーーーー』真姫を残すメンバー全員が真姫を見つめる。

「べ、別に無理に呼ぶことないでしょ!」そっぽを向く真姫。

「まぁ、確かにな。それに園田は皆にもとから敬語だし……」レナが切り出す。

「親からのしつけでもう癖になってしまいました……」

 

「海未の敬語はなんだか自然な感じがするから認めましょう」エリチカが言う。

「あと、レナ君?いま園田っていったね?」希が手をくねくねしながら言う。

「え!?俺もやるんですか!?」

「当たり前やん!!!ん?やるんですか?また敬語やん!」レナの方に向かって行く希。

「ごめんごめん!!!大丈夫!大丈夫だから!!!」必死に謝るレナ。

「わかればよろしい!」納得し、元の配置に戻る希。

 

「では、ここで部長から合宿にあたっての意気込みを!」そう言ってにこを指差すエリチカ。

「え!?にこ!?」驚くにこ。

「部長なんだから」

「……むぅ……しゅっぱーーつ!!!!」出来る限りの頭の回転させ発せられた言葉がそれだった。

「え……?おしまい?」凛が聞く。

「考えてなかったのよ!!!!!」

 

「じゃ、行こうか」レナが声をかける。

 

 

皆それぞれの荷物をもち改札を通った。

 

 

 

◎西木野邸別荘

大きな別荘と大きく広がる海に感動する真姫以外のメンバー。

「すごい……!これが真姫ちゃん家の別荘!?」穂乃果が聞く。

「そんなに凄い事じゃないわよ」真姫が誇らしげに言う。

「中に入ってみるにゃ!」凛が真っ先に中に入って行った。

「あ!凛ちゃんまって!」花陽も着いて行く。

「はしゃぎすぎよ」悔しそうな顔をしながら後を着いて行くにこ。

「真姫、凄いわね!ありがとう!協力してくれて」エリチカが真姫に礼を言う。

「ま、まぁ!仕方なくだから」そっぽを向く真姫。

 

 

皆建物の中に入った。

「じゃ、俺は皆に迷惑かけないように上に居るから」レナが階段に足を掛ける。

「だめだよ!家業院君!家業院君も皆と行動するんだよ!」ことりが引き止める。

「皆と行動って……。テンポや踊りは見れるけど、それ以外の練習は各自で出来るだろ」

「だめなの!」

「なんでだよ……」少し照れくさそうにことりをみる。

「お願い……」か弱そうな目で見つめてくる。

「う…!?(なんだこの親子揃っての小動物のような上目遣いは!?)」

 

「……わかったよ。荷物だけ置いてくる」そう言って階段を上ろうとすると続いて凛が腕を引っ張った。

「レナくん!ことりちゃん!お互い下の名前で呼ばないとダメだよー?」

「あ、ほんとだ!家業院君って言っちゃったね」

「俺は呼んでねーけどな。じゃ、待っててくれ、ことり、凛」

『はーい』二人揃って返事をした。

 

 

「皆、外に集合です!!!」花陽が声をかける。

「先輩禁止!」エリチカが花陽の口を押さえる。

「はっ!ごめんなさい!」慌てる花陽。

「いいのよ、徐々に慣れて行きましょ」エリチカが笑う。

「うん!外に行こう!」花陽が笑顔で答える。

「それじゃ、海未ちゃんも行こうか」希が海未を呼ぶ。

「はい!!」希と海が揃って外へ向かう。

「凛達も先に行ってよー?」ことりの手を取る凛。

「うん!!家業……レナくん!!先に行ってるね!!!」

 

 

皆の声がだんだんと遠のいていった。

「『臓器移植の天才、アメリカに帰国。一人の少年を探している。名は家業院?』何なんだこの記事……。家業院を探している?叔母さまによると家業院は俺で絶えてるらしいし……俺を捜している……。それに俺も心臓病……。偶然か?とりあえず……下に向かうか」

 

 

外に出ると海未以外のメンバーが不満を口にしていた。

「どうしたんだ?」皆に聞いてみる。

「このメニューに皆が不満を垂れているんです!」海未がメニューに指を指す。

「……遠泳10キロ、その後ランニング10キロ……?ハラショー……」顔を歪めるレナ。

「レナはどう思いますか!?合宿ですし、皆の熱いハートがあれば行けるはずなのですが」

「やる気スイッチがいたい方向に入った…」にこがぼそっとつぶやいた。

「あ!海未ちゃんあれ見てー!」凛が海未の背中を押して注意をそらした。

「なんですか!?」辺りを見回す海未。

「いまだーー!!!」穂乃果のかけ声と共に海へと走り出すメンバー。

「あ!ちょっと!あなたたち!」海未が引き止めようとする。

「いいんじゃない?こうやって遊ぶ事で、心の壁が薄まれば」エリチカが言う。

「しかし……」戸惑う海未。

「そんな可愛い水着きてるんやし、遊んだ方がお得やん?」希も海未を説得する。

「……仕方ありません、しかしやるときはしっかりやりますよ?」

「ええ!行きましょう!」海未と希の手を引っ張るエリチカ。

3人も遅れて皆の元へ走って行った。

 

 

浜辺のベッドに腰を掛け学院長に渡された資料を目にする。

『家業院という少年を探している。理由は彼にしか言わない。これは早く解決するべき事態である。この記事をもし家業院君が目にした場合私の元へ訪れてほしい。君の病を治すと誓おう』……なんなんだよ全く……。もし今俺がこの場を離れたらμ’sはどうなる。廃校を防いだ訳じゃないし…。ラブライブに出場するためにも俺が居なくちゃ全体を見られない……」

 

「レナくーーん!!!ボールとってぇ!!!」遠くから手を振る穂乃果が見えた。

「オッケー!!」拾ってボールを穂乃果の方へと投げる。

「レナもやりなさいよ!」にこがふてくされる。

 

「いいよ俺は…。皆で楽しめよ」微笑みながらベッドへと腰を下ろす。

 

すると真姫がこちらに向かって来た。

「どうした?西木……真姫?」

「わ、わたしもやらされてるんだから参加しなさいよね!」そういって戻って行った。

意外な言葉に笑みがこぼれる。

 

「よし!お前達、俺の豪速球スパイク見せてやる!」

勢い良く皆の元に走るのだった。

 

 

夕暮れ時、一通り遊び終わり別荘に戻った皆。

夕飯の支度をしなければならないという話になり、希と真姫が買い出しに行ってきた。

 

夕飯の食卓を皆で囲う。

「これ全部にこちゃんが作ったの?」穂乃果が驚く。

「あれ?でも今朝料理人が居て、料理したことないって言ってなかったっけ?」ことりが思い出す。

「言ってたわよ……プロの料理人が居るって」真姫も追い打ちを掛ける。

「あれ?俺前おかゆ食べた気が…」レナも不思議そうな顔をする。

 

「むぅ……今時のアイドルは料理の一つや二つ出来ないと売れないのよ!」

「こいつ開き直った!」レナが唖然とする。

「こいつ!?誰にもの言ってんのよ!」にこがレナを睨む。

「先輩禁止!」エリチカがニコッと笑いながらにこ見る。

「……平等になったというより先輩である私が不利になった気しかしないわ」ふてくされながら座るにこ。

「冷めないうちに食べましょう!」海未が切り出す。

「ところで花陽……どうしてご飯とルーが別なの?」エリチカが聞く。

「気にしないでください!」目の前の炊きたての白米に見とれている花陽。

「では、いただきましょうか」海未が手をあわせる。

「いただきます!」希が号令をかける。

『いただきます!』

 

にこのカレーのおいしさに皆驚きながら普段の会話が再開する。

そんな時、凛がとある話題を持ち出した。

 

「ねぇ!絵里ちゃんとレナ君はいつから仲良しなの?」

「え……?いつから……?いつからかしら?」エリチカがふと疑問に思う。

「出会ったのは小学校3年かな……。実際にペアを組まされたのは4年生でそれまでは関わりはなかったし」レナも自分の記憶が曖昧なっている事に驚く。

「小学校4年生ってことは……レナ君が今年17歳で……7年近く離れてたの!?」花陽が驚く。

「それでも、互いにどこかで繋がってるって思ってたのよ」エリチカが微笑む。

「現に二人して同じ口癖があるもんね」希が二人を見る。

 

「あ!前から気になってたんだけど、ハラショー!ってどういう意味なの!?」穂乃果が二人に聞く。

「本当は素晴らしい、凄いとか嬉しいときとかに使うのよ。でもレナがどんなタイミングでも使うようになって……」

「またそれを使うようになったのはエリチカだけどな?俺は叔母の口癖がうつったんだよ」微笑むレナ。

「そんな意味があったんだ」ことりが感心している。

 

 

皆会話をしているのを一人、眺めるだけの少女が居た。

すると小声でエリチカとレナに話しかける希。

(今晩、真姫ちゃんを変えよう大作戦やね)

(え?真姫を変える?)

(うちに良い考えがあるんよ)

(なになに?)

(実はね……)

(なるほど!やってみましょう!)

 

 

30分後

 

 

「お腹いっぱい!雪穂ーお茶〜」食べ終わるとすぐにソファーに寝転がる穂乃果。

「家ですか!?」海未が指摘する。

「だってーーお腹いっぱいになると眠くなるもんー」

「だらけ過ぎです!」

「じゃ、この後花火するにゃ!」凛が花火を出す。

「でも、その前に食器を片付けなきゃ」エリチカが言う。

「それなら私がやるよ?」ことりが切り出す。

「そんな不公平はいけないよね」希が止める。

 

「ダメです!練習します!」海未が新たな案をだす。

「レナ、あんたが決めなさい!」にこが指名する。

「なっ!?俺!?……花陽はどうしたい?」花陽に頼るレナ。

「わ、私はお風呂に……」

「お前に聞いた俺が馬鹿だった……」

「第4の意見出してどうすんのよ!」にこが花陽を叱る。

 

「じゃ、私はこれ片付けたら寝るわね」真姫が立ち上がり言う。

「第5の意見が出てきた……」レナが驚愕する。

「確かに、今日早く寝て、明日練習して、明日の夜に花火すればいいんじゃない?」希が言う。

「……それなら効率も良さそうですね」海未が考えて納得する。

「それで決まりだね!」ことりも賛成する。

「それじゃ、皆でお風呂だ!」穂乃果が走り出す。

「まって!凛が先だにゃ!!!」凛も走り出した。

「こら、あなた達……」エリチカが止めようとする。

「お前も行って来いよ。その間に俺は皆の布団敷いておくよ。食器も俺が片付ける。出来る事はやりたいんだ」

「……いいの?」

「ああ、皆がいてμ’sだろ?俺はその支えなんだよ。俺に出来る事は俺がするから」

「ありがとう。じゃあお願いするわね」そう言ってエリチカも大浴場へ向かった。

 

「よし、やるか!!」

レナは皆の食器を片付け、テーブルを隅へ寄せ9枚布団を並べておいた。

 

 

1時間後

 

 

「あがったわよ、『家業院くん』入ってきていいわよ」真姫が部屋に入ってきた。

「おう!ありがとう、布団敷いといたからもう先に寝てていいからな」そう言って浴場へと向かった。

 

 

◎脱衣所

上の服を脱いだ時に気付いたレナ。

 

「あ……家業院君……。先輩禁止……」

少し気にかかりながらも浴場のドアを開けるととても大きな露天風呂があった。

「ハラショー……」

まず体を洗おうとした所の鏡に『リンガベー!』と書かれていた。

「……?何だこれ」謎の気分に覆われながらも体を洗った。

 

 

浴槽に浸かりながらいろいろな事を考える。

「……前川呼べば良かったかな…。凛とお泊まりって怒られるよな」

「あ……。向こうにはこんな風に思える奴も居なかったっけ……」

不思議とあたたかい気持ちになってお風呂を後にした。

 

 

皆寝ているだろうと思い廊下を歩いていると何やら騒がしい声が聞こえる。

 

「ゴロゴローー!広い布団でこれやるの憧れてたんだーー!」

「ふかふかで気持ちいいにゃーー!!!」穂乃果と凛の声だった。

「掛け布団を置くのでどいてください!」海未の声が聞こえる。

 

「……起きてたのか」そうつぶやいて皆の居る広間のドアを開けた。

 

するとそこには本来無かったはずの10枚目の布団と自分の荷物がその場にあった。

 

「え……?なんですかこれ」棒読み気味で言う。

「何って……皆で寝るのが合宿でしょ?」希がにたにたしながら言う。

「いや……9:1はさすがに……ね?」

「ハーレムやん!」ガッツポーズを決める希。

「いや、頼んでねーし」

「まあ良いやん!」

 

しばらくして電気を消した。

 

 

しばしの沈黙の後穂乃果の声が聞こえる。

「ことりちゃん……起きてる?」

「起きてるよ」

「寝られないの」

「穂乃果ちゃんいつもは眠れる方なのにね」

「明日は早いのよ、海未を見なさい、もう寝てるわ」エリチカが言う。

「はーい」穂乃果の返事の後また沈黙が続く。

 

バリボリ……バリボリ……ぼりぼり……謎の音が鳴り響く。

 

「な、なんの音?」エリチカが怯えながら聞く。

「私じゃないよ」花陽が否定する。

「凛でもないよ」凛も怯えているようだ。

「もう!電気付けて!」エリチカの発言により電気がついた。

 

 

音のする方を見ると布団に潜り込みせんべいをかじる穂乃果が居た。

「穂乃果ちゃん!?何してるの!?」ことりが驚く。

「んーー!!!」のどを詰まらせトントンと自分の胸を叩く。

 

「何か食べたら寝れるかなって思ったの」穂乃果が残念そうな顔をする。

 

「まったく……騒がしいわね!!」怒り気味でこちらに顔を向けたにこ。

にこの顔には美容ためのピクルスが貼られていた。

 

「にこ……それは何?」エリチカが顔を歪めせながら聞く。

「美容法よ!美容!」

「ハラショー……」再び顔を歪ませる。

 

その瞬間、にこの顔に枕が飛んできた。

 

「ブッ!!!!何すんのよ!!!」枕をどけて飛んできた先を見る。

「真姫ちゃんいきなりそんな事しちゃダメだよー」希が言う。

それと同時に希がエリチカとレナにウィンクをした。

 

(作戦開始!)

 

「このバカ!」にこが真姫を目掛けて枕を投げる。

「ちょっと危ないじゃない!」枕を避けて言う。

 

すると第2の枕が飛んできた。投げたのは凛だった。

 

「おしいにゃ!」

「なによ!」

「投げ返さなくていいの?」希が真姫を煽る。

「……やってやろうじゃない!!!」

 

数分後

 

海未を除いたメンバーで枕投げが開催された。

するとレナと穂乃果が弾いた枕が海未の顔面に直撃する。

『あ……』穂乃果とレナの声が合わさる。

 

「うぐぐぐぐぐぐ……」俯いたまま海未が立ち上がる。

「あわわわ……。わざとじゃないのよ!」エリチカがフォローする。

「何事ですか……。明日の早朝から練習すると言いましたよね……?」海未の怒りのスイッチが入る。

 

「海未ちゃん昔から寝てるのを起こされると怒るんだよ」ことりが涙目になる。

 

すると超音速級の枕がレナの目の前を通り過ぎる。

「ブフッ!!!!!!」一瞬でにこが吹き飛ぶ。

「にこ!?」エリチカが呼ぶ。

「もうだめにゃ!手遅れにゃ!!!」にこをみて判断する凛。

「……ごめん海未!」そう言って枕を投げようとするエリチカも瞬殺された。

「ぐっ!!!!!」

 

「次は誰ですか……?」海未が不適な笑みを浮かべる。

すると標的の名前も言わず次の枕を投げる。

相手はレナだった。

 

「は……ら……しょ______」

「レナ君も死んじゃったにゃーーー!!!!」

「どうしよう……」泣き出す花陽。

 

すると海未の後頭部に枕が飛んできた。

「うっ!」ばたんと倒れるとスーっと寝息を立てる海未。

 

投げたのは真姫と希だった。

「間一髪にゃ……」

「ばかばかしい……」真姫が座り込む。

「元はと言えば真姫ちゃんが発端にゃ!」

「あれは希が……」

「うちはなんにも知らないけどねーー」笑ってごまかす希。

「え!?」

「自然に呼べるようになってるやん。名前」微笑む希。

「あ……」気がつく真姫。

 

皆落ち着き眠りについた。

 

 

 

早朝

 

 

レナが目覚めると真姫と希とエリチカの姿が見当たらなかった。

しかしエリチカはすぐに見つける事が出来た。

彼女が居た場所はレナの荷物の前だった。

「どうした……エリチカ」少し寝起きのボーっとした感覚と戦いながら聞く。

「これ……。何?」そう言って一枚の紙を差し出す。

 

その紙は心臓移植の提案資料だった。

 

「……それは……」

「どういうこと?」

「学院長に勧められてるんだ……。おれは拒んだんだけど……」

「……受けるの?」

「受けるとなると8月中にこっちを発たないと行けない。アメリカにも1ヶ月近く滞在する事になる。ラブライブの事も、これからの音ノ木も見守れなくなる。俺はそんなの嫌だ……」

「……でも、体調は悪いんでしょう?」

「正直、悪くなる一方だ……」

「なら受けるしか無いじゃない」

「でもそれじゃ皆に心配をかける!」

「一生心配するよりマシよ!」

「え……?」

「完治しないまままた無理をして倒れたら……μ’sの皆がまた練習に力が入らなくなる!ずっと心配するのよ?」

「……」

「だから、完治して元気な顔を見せて?」

「賛成するのか?手術に」

「少なくとも私は賛成よ?それに10月までにラブライブが終わってしまってもμ’sは続くのよ?あなたと夢見る事は可能なの。ラブライブが全てって訳じゃないわ」

「エリチカが言いたい事はわかった。また皆に話す機会が出来たら話すよ。ありがとう」

「ええ」

 

 

すると穂乃果が起きあがった。

「んーーーー!おはよ……」

それに続くように皆が起きだした。

 

「真姫ちゃんと希ちゃんが居ない」花陽が口にする。

「本当だ!探しに行こう!」ことりが立ち上がり外へ向かう。

「私も行く!」穂乃果も立ち上がり向かった。

 

「皆行くしかなさそうね」エリチカがレナにいう。

「え?」

「一人でも欠けたらμ’sじゃない。それはあなたもよ?心臓病を完治させて皆元気なμ’sにしましょ?」笑顔を見せる。

「……そうだな。(簡単な事だった。皆と居たいから完治させる……それで良いんじゃないか)」笑うレナ。

 

少し遅れ気味で皆の元へ向かった。

 

 

◎音ノ木坂学院学院長室

学院長のケータイが鳴る。

「何かしら?」メールの送り主はレナだった。

 

『俺、手術を受ける事にします。皆とこれからも笑うために。皆と夢に向かって走り続けるために』

 

そっとケータイの電源を切り微笑む学院長。

「青春してるわね」

 




いかがでしたか?

今回はアニメと同じ題名でだいたいの話の流れも同じでした。
しかし大きく違うのはレナへの心臓移植の手紙。

名指しで書かれた資料・・・。一体どういうことなのか。

真姫もレナもしっかり下の名前で呼べるようにもなりました!!


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