ラブライブ! ~The another story~   作:癸楓文音

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前回、みんなで真姫の別荘に合宿に!
そして心臓移植の話を受けることを決意しました!

今回は文化祭の回です!
果たしてラブライブ出場なるか・・・!?


それではどうぞ!


12話:空回りの決裂

◎学院長室

 

レナは詳しい資料をもらって説明を受けていた。

 

「この資料をしっかり見とくようにね」

「はい(心臓移植……。唯一のドナーが見つかった!か……)」

 

資料にはレナに対しての早急に手術を受けるようにという言づてともう一つ伝えたい事があると書いてあった。

「なんだもう一つ伝えたい事って……」

「向こうに行けばわかるわ。もう皆には伝えたの?」

「いえ……タイミング伺ってるんですけど、なかなか切り出せなくて」

「そう、自分の思うときに伝えれば良いわ」

「ありがとうございます。では、失礼します」

 

しばらく渡り廊下で中庭をボーっと眺めながら手術の事を考えていた。

するとそこに海未とことりが来た。すると予期せぬ言葉がことりから発せられた。

「レナ君も……言えてないんだよね……」うつむいたことりと海未。

「え!?どうしてその事を……もって?ことりも何かあるのか?」

「うん……。実はね、私進路の関係でアメリカに留学しないといけないの」

「え!?海外留学!?」

「うん……。以前からお母さんに服飾の仕事に就きたいって言ってたの。海外に学校をやっている先生がお母さんの知り合いで……」

「やってみないかという声がかかったのです」海未が続ける。

「なるほど……いつ発つ予定なんだ?」

「3週間後の26日かな」

「俺と全く同じじゃないか……。時間は?」

「13時30分に飛行機が出るの」

「俺の便より1時間早いのか……。つまり9人のμ’sは残り3週間」

「……どうしたら良いんだろう……」涙目になることり。

「穂乃果に伝えようとするのですがラブライブの事で話を聞かなくて……」

「俺も似た様な状況だ……。皆のやる気を削ぎたくないしな」

「そうなんだよね……」

「次のライブは3日後の学園祭か」

「きっとその日がことりの最後のライブの日になるはずです」

「なるほど……。学園祭がラブライブの20組まで決めるオーディション最終日なんだろう?それが終わってから俺は言おうと思う……。」

「だよね……私も頑張って終わったら伝えてみる!」ことりが少し元気を出した。

「もう何度も話をしようとしたのですが……」海未はまだ不安なようだ。

「いざとなれば、俺が切り出すさ、大丈夫!さ、皆の所に戻ろうぜ?」

「そうだね!」ことりが海未の手を取り屋上へと向かった。

 

 

屋上。

「ラストライブはこの屋上でする事になったみたいよ」真姫がレナとことりと海未に言う。「確かにここなら多くのお客さんが来れそうだね!」ことりが微笑む。

「日頃の感謝を込めてこの場所にもお披露目しようやん」希がガッツポーズを決める。

「うん!頑張ろうね!!!それでね!サビ後の振り付け昨日徹夜で考えたんだ!こんな風に変えてみない!?」穂乃果が嬉しそうに振り付けを披露する。

「穂乃果……。それはさすがに……」海未が止めようとする。

「これ絶対いいよね!!」海未の言葉に耳を貸そうともしない。

ラブライブは上位20組のグループが出場できる。μ’sは現在19位になっていた。  学園祭で20組以内への確定を得るために学園祭でライブをやろうとしていた。

その張り切りとともに穂乃果は自分の思うがままに発言する毎日だった。

 

「穂乃果、少しそれは無理があるわ」エリチカが言う。

「いいじゃんいいじゃん!!」穂乃果は言う事を聞かない。

「そんな急に変えようって言ってもむりにゃ!」

「今日と明日と明後日で3日あるんだよ!?簡単だよ!」

「穂乃果ちゃん……」花陽が不安になる。

 

「完全に貸す耳を持っていませんね……」海未がレナに言う。

「ああ、最近出場に向けて張り切っているとは思ってたが……。ここまでくると酷いな……。少し調子に乗りすぎてる」

「穂乃果は熱中すると周りが見えなくなるんです……」

「昔からか……」

「最近は一人で夜も練習しているみたいです」

「体に負担をかけすぎなければ良いんだけどな……」

 

その日も次の日も穂乃果の提案する振り付けにあわせる事を課題としていた。

そして、本番前日、レナは20組までに入れるようにと神田明神に参拝に来ていた。

参拝が終わり帰ろうとすると少し雨が降り出す。次第に雨は強くなり屋根で雨宿りをしていた。

「明日のライブ……晴れるのか……?」

「そうやなぁ……」

「うお!?希!?いつの間に!」いつの間にか横に巫女服を着た希が立って行った。

「それより心配なんはあれよ……」希が指す方向を見ると、雨の中で一人傘もささず踊りの練習をしている穂乃果だった。

「あれは……」

「穂乃果ちゃん、最近この時間になると一人で練習してるんよ。あまり無理はしない方が良いって言っても聞かなくて」

「ちょっと行ってくる」そう言って穂乃果の元へ向かった。

 

穂乃果の元へ向かったレナ。

「おい!穂乃果!何やってんだ!明日はライブだろ!昨日も徹夜したって言ってたろ!今日は明日に備えて早く寝て健康で挑まないとダメだ!」

「でも、しっかり踊れるようにしたいもん!」

「それは今やる事じゃない!」

「でも!」

「お前がやるべき事は明日皆でライブをする事だろ?」

「だから今練習してるんだよ!」

「もし体を壊したらどうするんだ!雨の中練習する必要は無いだろ」

「いいの!!!やらせてよ!」

「ずっとそのままで良いと思うな!」

「え……?」

「ずっと海未やことりに甘えて、自分の事だけを押し通す!周りに視野を向ける事が出来ないのか!今お前がここで体調を崩してみろ!お前が考えた振り付けも、無理に覚えてくれた皆の努力を踏みにじる事になるんだぞ!?」

「……」

「少しは頭冷えたか……」

「うん……今日は帰るよ」

「ああ……」

そう言って穂乃果は雨に打たレナがらゆっくりと帰って行った。

 

「あんなにきつく言うて大丈夫かな?」

「誰かが言わなきゃずっとあのままだったろ……。なら、俺で良いんだ……。汚れ役は」

「汚れ役?」

「ああ、この世界にもいる時間も長くないかもしれないからな」

「……何を隠してるん?」

「皆に話す時が来る。その時まで内緒だ」

「いつ!?」珍しく大きな声を出す希。

「出来れば……明日、ライブが終わってから話そうと思ってる」

「わかった……」

 

レナも雨に打たレナがら帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

翌日学園祭:控え室。μ’sの出番まで後30分となった所で穂乃果が控え室にやってきた。

「穂乃果、珍しいわね遅刻なんて」エリチカが声をかける。

「うん……ちょっとね」フラッとする穂乃果。

「穂乃果ちゃん大丈夫!?」花陽が支える。

「大丈夫だよ……。それよりも今日のライブ頑張ろう!」笑顔を見せる穂乃果。

 

「穂乃果……」海未がうつむく。

「昨日、雨の中で一人練習してたんだあいつ。それで俺が怒ったんだ」

「そうなのですか?」

「案の定風邪引いてんじゃねーか……」

「レナ、ありがとうございます」

「え?」

「もしレナが止めていなければもっと悪化していたかもしれません」

「なるほど」

「ありがとうございます」

「礼言われるほどの事じゃねーさ。仲間なら普通の事」

「仲間……そうですね」少し微笑む海未。

「どうした?」

「レナとこんな話をするとは思いませんでした。正直、にこの加入のときからレナが居なかったらμ’sは無かったかもしれません」

「……」

「だから、今の私はあなたがいなければ無かった自分なんです。ありがとうございます」

「……おう。ライブ頑張れよ」そう言って控え室を出て行く。

「これは海未ちゃんルートもありかな?」希がにやにやしながら海未に言う。

「な、なんの話ですか!」

「海未!アイドルは恋愛禁止よ!禁止!」にこが言う。

「れ、恋愛!?そんな破廉恥な……」

「破廉恥……レナくんとあーんなことやこーんなこと……?」希が誘導する。

「もう!やめてください!!!」赤面しながら振り切る海未。

「海未ちゃんもかわええなぁー」希が微笑む。

 

控え室を出てすぐに前川と会った。

「何だよ、話って」前川が問う。

「いきなりだが、26日から、アメリカに行く」

「は!?アメリカ!?」

「ああ、この資料、読んどいてくれ」そう言って移植手術の資料を渡した。

「……なんだよこれ」

「大丈夫!すぐに帰ってくる!1ヶ月以上、また男子一人になるけど許してくれ」

「お前は受けたいのか?この手術」

「じゃなかったら受けねーよ。それに俺このままだと2年も持たないらしい」

「え?」

「余命だよ。余命が2年も無いんだってさ。昨日医者に言われたよ、移植の話が出ていたらすぐに受けろって。死にたくないし、μ’sの事も見守っていたい。だからこの手術を受けたいんだ」

「なるほど……死ぬ可能性は?」

「0じゃないけど……。スペシャリストらしいぜ?心臓移植の。普通の医者よりかは、確率は低いはずさ」

「絶対に帰って来いよ……」

「……ああ」

 

「じゃ!ライブ見に行こうぜ!」ニッと笑う前川。

「前川!」

「なに辛気くさい顔してんだ!早く行こうぜ!凛ちゃん凛ちゃん!」歌いながら歩き出す前川。

「前川……」微笑むレナ。

「お前とはまだ笑うんだ。最後の別れにはなりたくない!だから俺は今回の手術は成功すると祈ってる」

「ありがとう」

「おう!さ、見守るんだろ?皆を」

「ああ!行こう!」

二人は屋上へと向かった。

 

屋上:天気は最悪の雨だった。しかし観客は大勢で雨の中傘をさしてμ’sの出番を待っていた。

「あ!家業院さん!こっちこっち!」雪穂が手を振る。

「雪穂ちゃん!」手を振って前川とそっちに向かう。

「あれ?知り合い?」ひょいと顔を出す亜理沙。

「あ……亜理沙!」レナが驚く。

「……お兄ちゃん!?お兄ちゃんなの!?」そう言って傘を放り出しレナに抱きつく。

「亜理沙!久しぶりだな!」(まぁ以前見たとは言えねー)

「うん!お兄ちゃんだ!ほんとにお兄ちゃんだ!」抱きつくながら頬ずりしてくる。

「こらこら、離れろw」

「だって……えーと……4、5、6、7?年ぶりだよ?」指を折って数える亜理沙。

「また後で話をすれば良いさ。さ、始まるみたいだぞ」

「お姉ちゃん大丈夫かな」雪穂が心配する。

 

μ’sと書かれた大きな旗をバックに特設されたステージの幕が開く。

多くの観客のかんせいが響く。

 

「こんにちは!今日は足下の悪い中、私たちのライブを見に来てくれてありがとうございます!早速ですが、聞いてください!『No brand girls』!!!!」

 

軽快な音楽がなり始める。穂乃果が考えた振り付けも皆の努力のおかげで揃える事が出来ていた。

 

『勇気で覚悟を見せて! そうだよ覚悟は出来た〜!Oh yeah! 全身全霊!Oh yeah~』

 

曲の終わりと同時に歓声が鳴り響く。しかし数秒後その歓声も消える。

センターの穂乃果が倒れたのだ。

「穂乃果!?」エリチカが上半身を抱き上げる。

「お姉ちゃん!」雪穂が傘を投げ出し舞台に走る。

「穂乃果!!!!」レナも走り出す。

「穂乃果さん!!!」亜理沙が走り出そうとする。しかしそれを止める前川。

「今は……見守ろう……」

「そんな……」

 

「次の曲は!?」にこが叫ぶ。

「穂乃果がこんなんになったら無理に決まってるだろう!」レナが言う。

「でも、やっとここまで来たのに!」にこが対抗する。

「それに……もう……」花陽がステージを見ながら言う。

ステージからの景色は前川と亜理沙と数人の観客だった。

「これじゃ……ラブライブは……」真姫がうつむく。

「足をくじいてる……」レナが穂乃果をおんぶする。

「お姉ちゃん……」雪穂が穂乃果の手を握る。

「雪穂ちゃん……亜理沙のそばに居てやってくれ」

「……はい。お姉ちゃんの事お願いします」

 

 

保健室への道を歩いていると穂乃果が口を開く。

「まだ……でき……るよ……踊れる……から」息を切らしながら言う穂乃果。

「ふざけるな、これ以上回りに迷惑かけてどうするつもりだ」

「でも……皆の夢……ラブライブが」

「誰もお前のいないμ’sでラブライブに出たくなんて無いさ」

「でも……」

「しっかり休め……」

 

保健室で穂乃果を寝かせた。

 

 

数日後、穂乃果のお見舞いのために皆で穂乃果の家に訪れた。

「ここです」海未が案内を終える。

「ありがとう海未」礼を言うエリチカ。

 

穂むらのドアを開けると穂乃果の母がレジに立っていた。

「あなた達……」暗い顔をする母。

しばらく緊迫した空気が漂う。

「なーんてね!よく来てくれたわね!あがって行って!もう一昨日くらいから熱も引いて元気になってるのよ」パッと笑顔を見せる。

「でも……」凛が戸惑う。

「良いのよ!どーせあの子のことだから一人で突っ走って壁にぶつかっただけでしょ?わかってるわよ」

「……」皆くらい顔をする。

「大丈夫よ!今上でプリン食べてるから。あがって行って!あの子も喜ぶわ!」

皆押されるように穂乃果の部屋にあがった。

 

ふすまを開けると3つ目のプリンに手を掛ける穂乃果がベッドに座っていた。

「あ!皆!来てくれたんだ!」意外と元気な様子だった。

「穂乃果……ごめんなさい、あなたの体調に気付いてあげらレナくて」エリチカが謝る。「大丈夫!」笑顔で返す穂乃果。

「もう体調は大丈夫なの?」花陽が聞く。

「うん!熱も下がったから明日から学校行っても良いって!」

「足はどうなのよ」にこが聞く。

「軽くひねっただけだから、大丈夫だよ!」布団からくじいた足を出す。

「良かった」希が安心する。

「あれ?ことりちゃんとレナ君は?」

「ことりとレナ君は下で待ってるって言ってたわよ」真姫が言う。

「なんか二人とも元気なかったにゃ……」

「大丈夫かな?」穂乃果が窓を開けて下を見る。

「ことりちゃん!レナ君!来てくれてありがとう!!!」手を振る。

 

「おう!もう大丈夫なのか?」下から声をかけるレナ。

「うん!ありがとう!明日から学校行けるよ!」

「よかったね!穂乃果ちゃん!」ことりとレナは笑顔を作って手を振る。

(明日……言うのか……ことりも……。)

ことりは明日に穂乃果に留学の事を伝えようとしている事をレナに話していた。

レナもそのつもりだった。

(二人して一度に言うのは大丈夫か?ラブライブの事もあるし、相当落ち込むんじゃ……)

その日は穂乃果の元へは向かわず帰宅した。

翌日、学院長から放送で知らせが入る。

『これ、もうマイクはいってるの?大丈夫?え?もう聞こえてる?あ、皆様ごめんなさい。今年度の進路希望調査アンケートの結果、来年度も音ノ木坂学院の受験者募集を行う事を決定しました!これは皆さんの日頃の頑張りのおかげです!感謝しています!これからも日々精進して行ってください!』

 

その放送のあとすぐにアイドル研究部の元に部員全員が集まった。

「今の放送!私たちの頑張りの成果だよね!」穂乃果が言う。

「そうに決まってるじゃない!」にこが誇らしげな顔をする。

「お前達……本当に頑張ったよ!」レナが笑顔で言う。

「レナくんも協力してくれてありがとう!レナ君のおかげでもあるなぁ」感慨深そうにうなずく穂乃果。

「私アイドルやってよかった!」花陽が言う。

「凛もかよちんと歌えて踊れて楽しかったよ!」

「こらこら、もう終わりみたいな言い方じゃない」エリチカがいう。

「ってことはしばらくは無理矢理にライブを増やさなくていいね!」穂乃果が言う。

「そうやね……」少し残念そうな顔をする希。

「大丈夫!ラブライブはもう気にしてないよ……」穂乃果がうつむく。

「穂乃果……」海未が心配そうな顔をする。

「今日の放課後学校の廃校危機を救ったお祝いをしようやん!」希が切り出す。

「お祝い!おにぎりが食べたいな!」花陽が言う。

「いいわね!放課後またここにそれぞれおかしやジュースを持って集合しましょ!」エリチカが言う。

「じゃ、また後でね」真姫が部屋を出て行く。

「じゃ、放課後ねーー!」にこも嬉しそうに出て行く。

ことりと海未とレナ以外が部屋を出た。

 

「やっぱり言えないよ……」ことりが涙目になる。

「ことり……」海未が暗い顔をする。

「皆、喜んでるし、皆の元気を壊したくないよ」

「それは俺も思う。でも言わないで、実はもう行っちゃったよりは良いだろ」

「レナくんも言えてないんだよ?」

「俺は……言おうと思えばいつでも……」目をそらすレナ。

「レナも皆の事を考えて居るのですね」

「ああ……。でも言わないと戻れない気がする。俺は放課後に言うよ。じゃ」そう言って部屋を出た。

「どうしよう……」ことりも海未もうつむくのだった。

 

 

 

放課後:アイドル研究部部室。それぞれが持ってきたお菓子やジュース、またおにぎりが並ぶ。

「それじゃ!音ノ木坂学院の存続を祝って、かんぱーーい!!!」穂乃果が声をかける。

『かんぱーい!』ことりと海未だけ離れた位置に座っていた。

 

「ことり今じゃないですか?」

「でも……」ことりは言おうとしない。すると海未が皆に話しかける。

 

「皆さん、すみません……。盛り上がっている所ですが」

「どうしたの?海未ちゃん?」お菓子を口に含みながら海未に返事する穂乃果。

「実は……。ことりが服飾の勉強のためにアメリカに留学する事になりました。2週間後に……」

『え……?』皆の声が重なる。

「ことりはずっと言おうとしていました。しかし皆ラブライブに集中していましたし、気をそらしたくないと……」

 

すると穂乃果がうつむいたまま立ち上がりことりのもとへよる。

「ねぇ、ことりちゃん?どうして言ってくレナかったの!?海未ちゃんには言えて、どうして私には言えないの!?」ことりを責める穂乃果。

「言おうとしたよ……?何度も何度も……。でも、穂乃果ちゃん……夢中で聞いてくレナかったから……。穂乃果ちゃんに相談したかったよ!?一番始めに言いたかった!そんなの当たり前だよ!!!!!」そう叫んで泣いた顔を伏せ教室を出て行く。

「ことり……!」海未が止めようとするが諦める。

『…………』しばらくの無言が続いた。

「俺、帰るわ……」レナが出口に進む。

「待って……。どうしてことりちゃんは言ってくレナかったの」穂乃果が聞いてくる。

「俺は一度言ったはずだ」そう言って出て行く。

 

渡り廊下に出てから屋上を見つめる。

『1・2!1・2!ことり!少し遅れています!』

『はい!』

頭の中に始めて3人が練習していた風景を思い出す。

「……何だよこれ。なんだなんだよ……。また俺から全部奪ってくのかよ……。くそっ!!!」廊下の壁を殴りつける。

 

「皆が……バラバラになるのは……嫌だ……」一人涙を浮かべ崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

翌日。放課後の屋上。3年生からの呼び出しでことり以外のメンバーが集められた。

メンバーの集まる中少し距離を置いて柵にもたれかかっているレナ。

「ごめんね、急に呼び出して。私たち考えたの……。ことりが居なくなっちゃう前にもう一度だけ皆でライブをやらないかって」エリチカが提案する。

「皆と最後に笑顔の思い出を残そうって」希が続ける。

「どう思うのよあなた達」にこが皆に聞く。

 

「凛は賛成だよ」凛はわざと明るく接しているようだった。

「私も賛成です」不安げな顔をみせる花陽。

「私も賛成で」すました顔を作る真姫。

 

すると穂乃果が口を開く。

「私があの時、ちゃんと皆の言う事を聞いていればこんな事にならずに済んだんだ……。私が周りを見ていたらことりちゃんの顔色も見れたはずなんだ……。私が自分勝手に自分の事だけを見ていたから倒れて、皆の夢を壊したんだ!」

「穂乃果!一人で背負い込むのは傲慢よ」エリチカが言う。

「そんな事無い!私が全部悪いの!私が皆を見ていなかったから……」

「そんなこと言ったって何も始まらないわよ!どうしたいのよ!?」真姫が感情的になる。

 

『やめます。スクールアイドルをやめます』その言葉を聞いた瞬間空気が止まる。

 

「ラブライブだってまだこれからあるかもれないんだし!」花陽が言う。

 

『良いんじゃないかな……。もう学校も廃校にならないんだし。やったって意味ないよ』穂乃果の目には光がともっていなかった。

 

「あんたそれ、本気で言ってる……?」にこが小さくつぶやいた。

 

「私はね!あんたが本気でアイドルやってるって思ったから私も信じてあなたに着いて行こうと思ったの!本気で!本気であんたがアイドルを目指していたからあなたにかけたのよ!取り消しなさい!今の言葉!取り消しなさいよ!」穂乃果に手を出そうとするにこを希が止める。

すると穂乃果の元に寄ったのはレナだった。

 

「……だと思ったのに……」小さくつぶやくレナ。

 

「え?」穂乃果が聞き直す。

 

「仲間だと思ってたのに。お前はずっとずっとお前とアイドルのなる夢を追っているにこや花陽を!支えようと決めた希を!学校を救うだけじゃなくアイドルとしてより良い方向を考えたエリチカを!夢を追う友達と一緒に夢を追おうとした真姫や凛を!何よりもずっとずっと昔からお前の味方であり!ずっと着いてきてくれた海未とことりをたった一言で引き裂いたんだ!!!やっと仲間の大切さ!皆と居る楽しさを知った俺を!見捨てたんだ!ずっとずっと仲間だと思っていたのに!!」その時心臓に痛みが走る。

「うっ!!!!」バランスが一瞬崩れ倒れそうになる。

「レナ!!!」エリチカがレナを支える。

 

「仲間だと思ってた。俺がアメリカから帰ってきたら『おかえり』っていって笑顔で迎えてくれる仲間だと信じてた!」息を切らしながら叫ぶ。

 

『アメリカ……!?』穂乃果と海未とエリチカを除いたメンバーが声を揃える。

 

「おれの心臓移植のドナーが見つかった……。アメリカで手術がある。ことりと同じ日にこっちを発つ。10月に帰ってくる予定なんだ」

そう言うとしばらく沈黙が続く。

 

『レナ君も、ことりちゃんの事知ってたんだよね。それに自分の事も結局黙ってたんだ』穂乃果から発せられた言葉に戸惑うレナ。

 

「……もう……いい」そう言って校舎に戻ろうとするレナ。

 

「レナ!」エリチカが止めようとする。

 

「Я хочу, чтобы вы оставить меня в покое(一人にしてほしい)」初めてみる冷たい目をしたレナだった。

 

「……」うつむいて止める事が出来なかったエリチカ。

 

 

屋上に吹く冷たい風が皆を嗤っていた。




いかがでしたか?

決して穂乃果が倒れても責めないメンバー。
忠告しても聞かない穂乃果は今後どうなるのか。

穂乃果にこれからのことを話せずにいるレナとことり。
次回、1期最終回!

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