ラブライブ! ~The another story~ 作:癸楓文音
@kagyouinnrena
前回、穂乃果がスクールアイドルをやめると発言し絶望したメンバー。
穂乃果の発した言葉に深く傷ついたレナはしばらく登校を拒否していた。
それではどうぞ!
朝の日差しを閉ざすように閉ざされたカーテン、布団に潜り込み眠るれな。
そんな彼を少し怒った顔で見つめる少女。
「・・・起きなさいっ!」そう言って布団を取り上げる。
自分の部屋に何者かが知れずに入った恐怖と布団のあたたかさがなくなり勢い良く起き上がる。
「何だ!・・・エリチカか・・・」そう言ってまた横になる。
「もう5日も学校に来てないって聞いたわよ」
「別に良いだろ。もう行く意味も無くなったんだし」壁の方を向いて寝転がる。
「一人にしてくれって言ったからそうしてみたけど・・・・。やっぱり怠惰な生活になってるじゃない」辺りを見回すエリチカ。机の上には昨日に食べられた形跡のあるカップ麺の容器が置かれていた。
「もう良いんだ。何もかもやる気をなくした。あんな事言われてすんなり学校なんて行ける訳ねえだろ。また深く傷ついたよ」
「れな・・・穂乃果は悪気があってあんな風に言った訳じゃないはずよ」
「俺はにこの過去を知ってる。グループが崩壊するのが怖いって言ってた。それが現実になったんだ。にこも俺より傷ついてるはずだ」
「にこは学校に来てるわよ」
「そっか・・・」
「放課後に花陽と凛と神社で練習してるんですって」
「うん、そっか・・・・」気力を失っているためか返事も素っ気ない。
「ん〜仕方ないわね・・・。最終手段ね」
「え?」謎の発言に対して疑問を抱いた時にはもう行動が行われていた。
ぎゅっとれなを後ろから抱きしめるエリチカ。何故かそのままでいたくなった。
「エリチカ・・・」
「私ね、ついさっきまであなたに勇気付けてもらおうと思ってた。どうすれば良いか聞こうと思ってた。でも、今私がやるべき事はあなたを抱きしめる事だって思ったの」
「・・・」
「希がね、れなは抱きしめたら元気になるって教えてくれたのよ」
「なっ!希が!?」
「ええ、一度抱きついたら喜んでたって言ってたわよ」
「何だよそれ・・・。…フフッ、あはははははは」急に笑い出すれな。
「何よ急に」
「なんだか面白いな・・・。ありがとう、元気出たよ。月曜・・・学校に行くよ」
「れな・・・。ありがとう」
「え?」
「結局私も元気もらっちゃったわ。それに次は私が穂乃果に手を差し伸べないとね」
「エリチカ・・・。ああ!!!」
月曜日(アメリカへの出発の前日)、教室で前川と顔を合わせる。
「おう!久しぶり!」笑顔を見せる前川。
「おう、皆元気か?」
「ああ、元気だよ!皆お前の手術の事心配してんだぜ?」
「なんでその事を・・・」
「俺が言ったんだ!」
「なんで言うんだよ・・・言わなくても良いのに」
「仲間だからだよ」
「え?仲間・・・・?」
「ああ、ここの皆はお前の仲間なんだよ。お前の帰りを待ってくれる仲間だ!」
「・・・そうだな。そうだよな、何だろう、俺馬鹿だな」微笑むれな。
「は?お前は賢いだろ」きょとんとする前川。
「俺、皆のことをしっかりと見てなかった。ここは俺の居場所なんだ」
「そう!ここはお前のもう一つの家!」
「・・・ありがとう、なんか元気出たわ」
「おう!それより・・・穂乃果ちゃんと海未ちゃん、喧嘩したみたいだな」
「ああ、知ってるよ、俺もその現場に居たからな」
「なんか、凄い険悪なムードだぜ?クラスの皆も言ってるよ。笑い合わない二人はなんだか落ち着かないって。ことりちゃんも留学の準備で忙しいから学校には来ないし」
「ことりは来てないのか」
「ああ、お前と同じでこないだからずっと休んでる」
「そっか、まぁ、そのうちなんとかなるだろ」
「何だよ、お前μ’sの支えなんだろ?すげー投げやりだな」
「まぁな、今回は俺は『待つ側の人間』だから」
「え?待つ?何をだよ」
「ま、俺じゃない誰かが解決するのがわかるからな」
「何だよそれーーー」
「じゃ、俺は屋上に行くよ。お前次体育だろ?皆行っちまったぞ?良いのか?」
「あ!?マジだ!!!いっけねー!!!!!じゃあな!」
「ああ!また向こうから帰ってきたら話そう」
「おう!!死ぬんじゃねーぞ!」そう言って教室から走って出て行く前川。
「体育か・・・やった事無いな。ずっとずっと心臓の事で受けるさせてもらえなかったし、バレーだって限度があったからな・・・。帰ってきたら、出来るのかな」
そうつぶやいて教室を後にした。
放課後:神田明神。夕日が差す階段を上ると3人の少女がテンポを口にしながら踊っていた。
「にこ、凛、花陽、ここで練習してるって本当だったんだな」
「れなくん!久しぶり!」花陽が微笑む。
「ええ!3人でアイドル活動を続けるのよ」にこが言う。
「れなくんにライブを見てもらえないのは少し残念だにゃ」残念がる凛。
「大丈夫!ネットで生放送配信してくれたら見れるよ」れなも微笑む。
「本当!?絶対見てね!」凛が明るくなる。
「ああ、連絡してくれよ?生放送するときは!絶対見るから!」
「ありがとう!!!」花陽が礼を言う。
「でも・・・」花陽がうつむく。
「でも・・・?」顔を覗き込むれな。
「やっぱり9人でライブがしたいです。私じゃどうしようもないから・・・。どうにも出来ない・・・」
「そうだな、今は誰にもどうすることも出来ない」きっぱり言うれな。
「え?」意外な言葉に驚く花陽。
「今、お前がしないといけない事は何だと思う?」
「しないといけない事?・・・穂乃果ちゃんと海未ちゃんを仲直りさせる事?」
「残念だけど不正解だ。答えは簡単。『ただ、待つ』事だ」
「待つ・・・?事?」
「実はエリチカが今回の事を自分で穂乃果に手を差し伸べたいって言ってるんだ。だからあの時エリチカに手を差し伸べたのは皆だろ?皆が手を差し伸べる環境をエリチカが作るまで、待つんだ」
「待つ・・・。うん!わかった!」笑顔になる花陽。
「それで良い」れなも笑う。
「れな!あの時ありがとう」にこが礼を言う。
「あの時?いつの事だ?」
「屋上で穂乃果をしかってくれた事、私の事、ううん。皆の事を考えてくれて、穂乃果を怒ってくれてありがとう」
「にこ・・・」
「私ね、あの時感情で穂乃果に手を出しそうになった。でもそれは間違いだった。れな、あなたがあの時怒ってくれなかったら二度ともとに戻る可能性は無かったと思うの」
「・・・」
「だからありがとう。絶対に戻ってきなさいよね」
「・・・ハラショー!絶対に帰ってくるよ」
「約束にゃ!」
「ああ、約束」4人で約束を結んだ。
夜10時:れなはアメリカへの荷物の準備をしていた。
そんな時、電話が鳴る。相手は海未だった。
「海未?どうした?」
「遅くにすいません」
「全然良いよ。どうしたんだ?」
「明日、賭けをしませんか?」海未の口からは出ない言葉No.1のセリフが出てきた。
「いきなり何だよ、それにお前らしくないな」笑うれな。
「今日穂乃果からメールが来ました。『絵里からいろんな話をされた。私は色々間違っていた、私に明日講堂に来てほしい。話したいことがある』という内容です。明日私は講堂に行くつもりです。そこでれなに頼みがあるのです」
「頼み?」
「明日穂乃果と12:30分に講堂に待ち合わせなのですが。13:30分までことりを空港に止めてほしいのです」
「どうして?」
「ほのかには私には出来ない事が出来てしまうんです。だから明日私は穂乃果を13:30分までに空港に走らせる事を宣言します」
「なっ!走らせる!?」
「もし、穂乃果が13:30分までに来なければ私の負けでどうでしょうか」
「・・・なるほど、賭ける物は何にする」賭けを買って出るれな。
「お昼ご飯をごちそうする!なんてどうでしょう?」微笑みながら問いかけてくる。
「乗った!じゃ、明日もし空港に穂乃果がことりを迎えにこなかったら俺の勝ちで海未がごちそうしてくれるんだな」
「はい!でもごちそうはれなが帰ってきてからになりますね・・・」
「絶対に帰ってくる!」
「・・・はい!待っています!ずっとずっと待っていますからね!」
「ああ!」
「あと一つ提案なのですが・・・」
「ん・・・?何だ?」
「実は・・・明日の事で・・・」
翌日(出発の日)れなとことりは空港に到着していた。付き添いで理事長も同行していた。
「本当に皆にさよならしなくていいの?」理事長がことりに聞く。
「うん!きっと皆に会うとまた泣いちゃうから」涙目で言うことり。
「そう・・・」
そうやり取りをするとことりは歩き出した。
「家業院君、あの子は行きたがっているように見えますか?」
「全然見えません」
「ですね・・・。あの子には後悔はしてほしくない、止めてくれても構いません」
「はぁ・・・そうして欲しいんでしょ?」笑って答える。
「ええ・・・」涙目の理事長。
「もう、あなたが泣いてどうするんですか?」
「ごめんなさい・・・。家業院君、お願いね」涙を拭きながら出口に向かう。
「また、10月に帰ってきたら学校でお世話になります」
「待っています」そう言って空港を去った。
ことりの座っているとなりに座る。するとれなのケータイがなる。
「よし・・・ことりこれ付けてくれるか?」そう言ってイヤホンの片方を差し出す。
「え・・・?」戸惑いながらイヤホンを手に取り耳に付ける。
すると階段を下る音が聞こえる。
「何?これ」ことりがれなに聞く。
「しーー」人差し指を鼻に当てるれな。
するとイヤホンから会話が聞こえる。
『穂乃果・・・』海未の声だった。
「海未ちゃん!?」ことりが驚く。
「ああ、今、海未と電話が繋がっている。これから穂乃果と話すそうだ。」そう言ってケータイの画面を見せる。画面にはこちら側の会話は聞こえぬようにミュートされた表示が出ている。
「今から話す事、しっかり聞いておいてくれ」そう言って椅子にもたれかかる。
「海未ちゃん!ごめんなさい!私自分に嘘をついてた。学校とか、ラブライブだけのためじゃなくて、もっと歌って踊りたい!スクールアイドルがやりたいの!また一人で突っ走って皆に迷惑かけるかもしれない・・・。でもアイドルを続けたい!だから!ごめんなさい!!!」
「穂乃果・・・。もう慣れっこですよ?」
「え・・?」
「穂乃果のわがままにはもう慣れました。それに昔からそうです、穂乃果は無茶ばかり言って私たちの言う事を聞かないんです」
「海未ちゃん・・・」
「でも、あなたはその無茶を実現させてくれる。連れて行ってくれるんです、その場所に。本当に最初は嫌だったんですよ?アイドルなんて。本気でやめようとも考えていました。でも、あなたは連れていってくれました」
「じゃあ・・・」
「ええ、私もアイドルを続けたいです。あなたと!」
「海未ちゃん!!!!」
『だって可能性感じたんだ、そうだ進め〜』海未の歌う声が聞こえる。
『後悔したくない目の前に』穂乃果が続く。
『僕らの道がある〜・・・』涙をこらえて歌うことり。
「さぁ、行ってください!ことりの元へ!」
「え!?」
「あなたしかわがままは言えないんです!あなたが言うからこそ、意味があるんです!さぁ!ことりの元へ走ってください!!!」
「・・・・うん!!!!!!」そう言って走り出す音が講堂に響く。
「え・・・?穂乃果ちゃんが・・・くるの?」ことりが涙を流す。
「さぁ、残り30分お前はどうする?」れなが聞く。
「・・・そんなの・・・決まってるよ・・・・」そう言ってことりが立ち上がる。
受付へと向かうことり。受付の係員と話した後帰ってくる。
「ずっと、ずっと待つに決まってるよ!!!!」涙を流しながら笑顔を見せる。
「ことり・・・・!」
「キャンセルしちゃった!」そう言ってパスポートの取り消し証を見せる。
「ああ!」れなも涙を浮かべる。
「れなくん!元気になって帰ってきてね?9人で待ってるから!」
「ありがとう!」
しばらくして穂乃果の大きな声が聞こえる。
「ことりちゃん!行かないで!私もっともっとスクールアイドルをやりたい!μ’sの皆で笑いたい!だから!1人でも欠けちゃ嫌なの!一緒に笑いたいの!だからいかないで!!!!」そう言ってことりの腕を握る。
「穂乃果ちゃん・・・・。行かないよ!絶対に何処にも行かない!!!!」
「ことりちゃん!!!」ことりを抱きしめる穂乃果。
抱きしめ返すことり。
「れなくん!あの時はごめんなさい!私、感情で物事を考えて・・・」頭を下げて謝る穂乃果。
すると穂乃果にデコピンの刑罰が降される。
「いたっ!!!!」
「今のでチャラで良い」そう言って笑うれな。
「・・・・ありがとう!!!」
「ああ、皆が学校で待ってるんだろ?早く行けよ」
「・・・うん!!!ありがとう!ライブ配信するから絶対に見てね!!!」
「ああ、待ってる」
「じゃあ!待ってるから!!!元気でね!」そう言ってことりと穂乃果は走って行った。
音ノ木坂学院:講堂。
「穂乃果ちゃん!ことりちゃん!間に合ってよかったニャ!」凛が喜ぶ。
「うん!放送の準備もできてるんだね!」穂乃果がグッと拳を握る。
「ことり、残ってくれてありがとう」エリチカが礼を言う。
「ううん!私も皆といたいから!」
「ことり・・・」微笑む海未。
「もう始まるわよ!」真姫が声をかける。
「やっぱりこの曲しかないやんね!」希が皆に呼びかける。
「初めての曲・・・始まりの曲!新しいμ’sの始まり!」穂乃果が大きく声をかける。
『START:DASH!!!!』
『〜彼方へと 僕はDASH!!!! Hey!hey!hey! START:DASH!!!!』
ライブが終わった後、すぐに皆屋上に走る。
屋上から空を見上げて日本を発つ飛行機を待つ皆。そこに皆のケータイが鳴り響く。
「れなくんからだ!」花陽が皆に言う。
『俺が帰るまでずっとずっと9人で進む事!言わなくてもお前達なら進めるはずだ!お前達なら夢をつかめる!
10月に会う日を楽しみにしているよ。
До свидания!!!!』
「最後の文字なんて読むのかにゃ?」困った顔をする凛。
「ロシア語みたいね」真姫も読めないようだ。
「フフッ」エリチカが笑う。
「あーエリチ一人で笑って!!!」希がエリチカを見て言う。
「どういう意味なのよ!教えなさい絵里!」にこがエリチカの両腕をつかみ揺らす。
「秘密よっ」
『えーーーー!!!!』皆が不満を口にする。
空港:自分の便の時間が来た。立ち上がると自分の声を呼ぶ声が聞こえる。
「おい!!!家業院!!!!」息を切らす前川。
「前川!!!!」
「これは最後の別れじゃない!送り出すだけだ!絶対に!絶対にお前の事皆で待つからな!!!くたばんじゃねーぞ!!!」
「・・・・そう言えばお前には言ってなかったな」そう言って笑う。
「何をだよ?」
『До свидания.』
「ダス・・・・ビダーニャ?何だよそれ!!」
「『また会おう!』ってことさ」そう言って前川の横を通る。
「家業院・・・・。約束だぞ!!!!!!」大きく手を振る前川。
片手を上げて空港の改札を通るれな。
「・・・まだ死んでたまるか」そうつぶやいて微笑む。
屋上に吹き抜ける風。
駆け抜ける飛行機。鮮やかな青色のそらに一筋の雲が描かれる。
空を見上げ祈る少女。
『待ってるからね、れな』
あとがき
こんにちは家業院零七(作者葵楓文音)です!
この作品はある日に僕が見た夢を文にしたものです!(ガチで)
しかし僕が見た夢は絵里が仲間に入るまでだったのですが・・・先輩がそれの続きも書いてみては?という事なので書いてみる事にしました!
1期を見返し話を確認してから書いたので会話は出来るだけ忠実に再現したつもりではいます。
誤字、脱字に関してはぜひご指摘ください!編集を出来る限り尽くします!
この作品を読んでいただいた感想、意見、リクエスト等はTwitterにて受け付けたいと思います!
@kagyouinnrena こちらがTwitterです!(シンプルですね)
今回の作品・・・1期まででしかもレナがアメリカに・・・。
これからのμ’sは!?と思いの方も数人はおられるでしょう(居て欲しい)
大丈夫でございます!今回だけでなく、2期の製作もしっかり始めております!(現在キラキラセンセーションが終わった辺りまで・・・)
そして、本題のあとがきでございます。
今回僕が見た夢を作品にしたのですが本当に文にするのが難しいなと思いました!
それに少し話を変えている点があります。
まきりんぱなのお話ですが、花陽に勇気をだして2人を導いて欲しいなと思っていたのでそのようにしてみたり・・・。アニメでは絵里に手を差し出す穂乃果はどうやってきたの?と思ったのでレナが希にそうするよう伝えたりと・・・。僕の妄想、理想を含めて作った作品でございます!
そして、なにより思った事は『絵里を救う夢を見て良かった』です!
この作品は絵里が最後に味方になる話でないと成り立たないんです。最初からμ’sに関わって行くには何かきっかけを作らないとダメだし、それに、希の視線的な・・・いわば支えの方向を描いてみたかったので、愛する絵里を最後に持ってくる事で完成させる事が出来ました(ありがとう公式さん)
チートじみた家業院さんですが名前にはしっかり由来がありまして・・・(内緒)
彼のチート要素をあげると
•ロシア人と日本人のクウォーター
•バレエの経験ありで踊りがプロレベル
•勉強が出来すぎて授業にでなくていい
•カメラアイ(瞬間記憶能力)を持っている
ぐらいですかね・・・(2期にはなんともう少し設定が追加されます!)
より多くの人に僕なりに裏話を合わせ、矛盾を無くしたこの話を読んで欲しい!
ぜひみなさまこの作品を友達に広めてください!
そして皆様からの感想を読めたらなと思います!!
それでは2期で合いましょう!
ダスビダーニャ!!!!