ラブライブ! ~The another story~ 作:癸楓文音
今回はついに私が一番泣いたアニメ回の場面です!
ずっと支えてきてくれた彼女がついに報われる回です。
レナさんの立ち位置も個人的に好きなので!どうぞ!
ラブライブ!運営本部。
『さーて!続いては前回ラブライブ優勝を果たしたA-RISEに聞いてみましょう!』元気いっぱいのアナウンサーがツバサにマイクを向ける。
「はい!今回の予選は、本大会における最もレベルの高い地区だと思います!私たちはここで負ける訳にはいきません!絶対に勝ち進みます!」勢い良く答えるツバサ。
するとおおくの観客が拍手をする。
『いいですねー!!気合い入ってるよー!!!さあ、ラストは音ノ木坂学院のμ’sに聞いてみましょう!』マイクを穂乃果に向ける。
「はい!私たちはラブライブ優勝を目標に練習に励んでいます!なので、今回の地区予選決勝では必ず勝って、ラブライブを優勝します!!!」
『おーと!いきなりの優勝宣言だ!!!これは熱い展開が期待できそうだ!以上、ラブライブ東京地区予選決勝進出グループでした!スタジオにお返しします!』アナウンサーがカメラに手を向ける。
「はい、以上です!ご協力ありがとうございました!」カメラマンが頭を下げスクールアイドル達がはけていく。
「さすがね、高坂さん。いきなりの優勝宣言だなんて。でも勝ち進むのは私たちよ」ツバサが穂乃果に言う。
「それはわかりません!私たちだって負ける訳にはいかないです!」
「クリスマスを楽しみにしているわ!じゃ」そう言ってメンバーの元に戻って行くツバサ。
「あ、レナ君!見てた?」近寄ってくるレナに話しかける穂乃果。
「・・・。やらかしたな・・・」冷静にそうつぶやいた。
アイドル研究部部室 皆が集まり穂乃果を囲む。
「どうしてあんな挑発的な発言をしたんだ・・・」レナが呆れたように言う。
「その場のノリで・・・。ツバサさんだって大きな事を言ってたから・・・」穂乃果が恥ずかしそうに言う。
「馬鹿か!あんだけ大きな発言したら無駄に目を向けられる!もしくはただの笑い者だ・・・」肩を落とすレナ。
「でも実際優勝を目指してるんだからいいんじゃない?」真姫が言う。
「確かにそうですね・・・」海未が言う。
「それじゃあ、地区予選決勝で歌う曲を決めましょう?」エリチカが本題を持ち出す。
「私は新曲が良いと思うわ」にこが言う。
「新曲!いいね!」穂乃果のテンションがあがる。
「楽しみにゃ!」凛も喜んでいるようだ。
「新曲の方が新鮮味があって有利になりそうですし」海未が言う。
「でも、そんな理由で曲を作るのは・・・」花陽が少し心配する。
「それに、新曲が有利って保証はないんだし・・・」真姫も少し反対のようだ。
「この間みたいに無理に新しくしようとすると大変な事になっちゃうよ」ことりも残念そうな顔をして言う。
「・・・例えばやけど、 このメンバー全員でラブソングを歌ってみたらどうやろか?」希が案を持ち出す。
『ラブソング!???』レナ以外の全員が声を合わせて驚く。
「・・・!なるほど!アイドルにおいて恋の歌すなわちラブソングは必要不可欠。定番曲の中に必ず入っている歌の中の一つなのに!それが今までμ’sの中には存在していなかった!?」花陽が急に大きな声を上げる。
「希・・・」意外そうな顔をするエリチカを見て微笑む希。
「でも、どうして今までちゃんとしたラブソングって無かったんだろう?」穂乃果が疑問を口にする。
「それは・・・・」ことりが何かを察したように海未の方を向く。
「何ですかその目は!?」海未が不満そうな顔をする。
「だって海未ちゃん恋愛経験無いやん?」希が断言する。
「そんな事・・・・」海未が皆から目をそらす。
「あるの!?」穂乃果が驚く。
『あるの!?』希と絵里とレナを除く全員が海未を囲み問いつめる。
「・・・・ないです」くたびれてひざまづく海未。
「なーんだ、やっぱり無いんだ!やめてよーそんなにためられたらあると思っちゃうじゃん」笑いながら海未の肩をぽんぽんたたく穂乃果。
「あなた達に言われたく有りません!穂乃果やことりだって、経験無いでしょう!?」海未が2人に問う。
「それは・・・」穂乃果が気まずそうに目をそらす。
「無いけど・・・」ことりも申し訳なさそうに言う。
「でも、ユニット曲とかには恋愛に近いものはあるわね」にこが言う。
「それはレナが書いてるからでしょ?」真姫が言う。
「じゃあレナ君は恋愛してるの?」凛が聞く。
「何の話だよ!」焦りだすレナ。
「してるの?」エリチカが聞く。
「あ、いや・・・、どうだろうな。ははは」無理やり笑うレナ。
「まぁいいやん。皆わかってるやろ?」希がおもしろそうに言う。
「まぁね!でも、実際ラブソングってどうやって作れば良いんだろう・・・?」穂乃果が言う。
「そうやね・・・こんなのはどうやろか?」希が案を出す。
10分後。2年1組教室前。
「これ!受け取ってください!!!」必死にプレゼントを渡そうとする花陽。
受け取るレナ。そしてそれをビデオカメラで撮影する希。
「いいやん!」希が笑顔で言う。
「・・・なによこれ」真姫が冷静に言う。
「必死に思いを込めたプレゼントをあげるって想いを再現したらいけるかなと思って」
「カメラを使う必要はないでしょう?」にこが言う。
「緊張感があっていいやん?それに良い映像が撮れるかもやし!」嬉しそうに言う希。
「絶対後者が本音だろうな」レナが言う。
「まぁ、いいやん!」
「ばかばかしい」真姫が冷めた口調で言う。
「じゃあ次は真姫ちゃんね!」希が真姫に振る。
「え!?私!?」驚く真姫。
中庭。
「はい、これ、受け取りなさいよ!べ、別にあんただけに渡した訳じゃないんだから!」真姫が恥ずかしそうにプレゼントを渡すシチュエーションをする。
『お〜』複数人が感動の声を上げる。
「もう、これでいいでしょ?」真姫がめんどくさそうに言う。
「完璧やん!」希がオッケーのサインを出す。
「なに調子乗ってんのよ」にこが不満そうに真姫を見る。
「別に調子なんて乗ってないわよ」軽くあしらう真姫。
「それじゃあにこっちもやってみる?」希が聞く。
「も〜しょーがないわね〜」やれやれと言った顔をしてやるそぶりを見せる。
アルパカ小屋中。
「髪、おろした方が好きって言ってたでしょ?だから、今日はおろしてあげる・・・・。
もう、わかるでしょ?今日は特別な日なんだから。今日だけ特別ににこからのスペシャルなプレゼントを・・・」妖艶さを出そうと必死のにこがリボンをほどいてカメラに近づく。
「あ、電池きれた」希がカメラを眺めて言う。
「なんでなのよ!?」にこが怒る。
「・・・アホだ・・・」冷めた目でつぶやくレナ。
「寒すぎにゃー」凛も納得いかなかったようだ。
「良くそれで私に物いったわね」真姫が言う。
「あー!なんで皆そうなのよー!!!」地団駄をふむにこ。
皆にこを囲んで笑うのだった。
校門前 下校時間。
「結局何もつかめなかったね」ことりが残念そうに言う。
「だね・・・恋愛って難しいな〜」穂乃果がうなだれる。
「でも、もう少し頑張ってみたいわね」エリチカがポジティブに言う。
「絵里?」真姫が異様なエリチカの対応に疑問を抱く。
「私は別に構いませんが・・・」海未が言う。
「それじゃ、明後日の日曜日に皆で案を持って集合しましょ?」エリチカが提案する。
「それでダメならもう既存曲でいく。それで良いわね?希も」にこが希に聞く。
「え?ああ、うん」どこか上の空の希。
「それじゃ、ここで」にことエリチカと希は信号をわたり皆と別れを告げる。
「レナ、花陽、凛ちょっと付き合って?」真姫が3人に言う。
「ん?別に良いけど」レナは意外そうな顔をしながら許可する。
「いいよ!」花陽は乗り気なようだ。
「真姫ちゃんから誘うなんて珍しいにゃ!」凛が跳ねる。
「それじゃ近くの喫茶店でもいくか?」レナが提案する。
「そうね、それが良いわ」真姫が了承する。
「それじゃあ、私たちは喫茶店に行くね」花陽が2年組に言う。
「わかったー!それじゃ、日曜日ね!」穂乃果が言う。
「おう、また集合場所は皆で決めよう」レナが言う。
「はい、それでは」手を振る3人。4人もまた手を振りかえす。
喫茶店バルコニー 真姫が不満げに紅茶を飲み干す。
「おかしい!おかしい!」真姫が先ほどからそれしか口にしない。
「真姫ちゃんどうしたの?」凛が聞く。
「おかしいと思わない?絵里と希!」真姫が言う。
「そうかな?」花陽が言う。
「そうよ、今から新曲を作ったって新しい振り付けも考えないといけないし、完成度が低くなるだけよ」
「新曲を作りたいほど今回の地区決勝に真剣なんだよきっと」花陽が真姫をあやそうとする。
「それにずっと一緒に居る2人だからなぁ、希が占いで何か言ったのかもしれないぞ?」レナが笑いながら言う。
「もしかして・・・絵里ちゃんが裏切ってアライズに・・・!?」凛が謎の被害妄想を膨らます。
「ハラショー・・・・」花陽がつぶやく。
「それこそあり得ないだろう」レナが笑う。
「もう、レナも凛も真剣じゃないの?」真姫が言う。
「とりあえず、日曜で様子を見てみるしか無いだろう」レナが言う。
「まぁ・・・そうだけど」真姫が仕方なしに言う。
「日曜日までに何か案を練らないとね」花陽が言う。
「恋愛ってした事無いからわかんないよー」凛が諦めたように言う。
「それは皆だよ」花陽が苦笑いする。
「レナはしてるじゃない」真姫がさらっと言う。
「んぐっ!!!」口に含んだコーヒーを必死にこらえるレナ。
「焦ってるにゃ」
「ゲホッゲホッ!何だよ急に・・・」
「事実でしょ」真姫がからかうように言う。
「まったく・・・。私情は持ち込む気なんて無い」
「でも、絵里ちゃんを思った曲とか無いの?」花陽が聞く。
「んー。ロシアに居た時の気持ちは歌にした事は有るかな」
「どの曲?」凛が嬉しそうに聞く。
「それは内緒だ。1曲とは限らないけどな」微笑むレナ。
「恋愛っぽい曲は大概レナ君が書いた曲だもんね」花陽が言う。
「まぁ日曜日期待してるわ」真姫が笑いながら立ち上がる。
「何だよさっきまでエリチカにおかしいって不満ばっかだったのに」
「日曜に様子をみるんでしょ?」真姫が笑う。
「はいはい。それじゃ、帰るぞ」レナが皆のゴミを集めて捨てに行く。
「それじゃ、俺はこっちだから」レナは3人とは違う方向に向かう。
「ばいばーい!」凛が手を振る。2人も小さく手を振る。
「おう」手を挙げるレナ。
「ふぅ・・・。全く、今回なにげに苦労するのは俺の方かもな。まぁ、たまには良いかもな・・・。でもなんかむずむずするなぁ」一人でつぶやきながら帰るレナ。
『なぁ、恋愛ってどんな感じだと思う?』前川にメールを入れてみる。
『いきなりなんだよ!?恋愛かぁ・・・。居ても立っても居られなくなってその人に会いたくなるんじゃね?』返信が帰ってくる。
『なるほど・・・。サンキュー!』ケータイの電源をオフにする。
すると追加でメールが届く。
『凛ちゃんはやらん』
(・・・・。何言ってんだこいつ・・・)
ケータイを冷めるように見つめるレナ。
家でゲームをしながら妙に寒気のする前川であった。
日曜日 穂乃果の家に到着したレナ。インターホンを押すと穂乃果の母親が中にあがるよう言ってくれた。
リビングのドアを開けるとレナ以外の皆がそろっていた。
「・・・。結果的にエリチ!大成功するよ!」希がカードをエリチカに見せながら言う。
「もう、そんなこと聞いてないわよ?」エリチカが困った顔をする。
「でも絵里ちゃんならいけるにゃ!」凛が絵里にすり寄る。
「何の話してるんだ?」レナが3人に聞く。
「うえっ!?レナ君!いつ来たん!?驚いたなぁ」あまりの驚きに急いでカードをしまう希。
「な、何でも無いのよレナ!」エリチカも何かをごまかそうとしている。
「レナ君あーん!!!」急にこちらに向かって何かを口に含まそうとする穂乃果。
「んぐっ!?うまっ!なんだこれ」口に含まされたものを味わう。
「新商品考案の羊羹だよ!」
「羊羹・・・。おいしい!」
「でしょ!?さっき皆もおいしいって言ってくれたんだよ!」
「これなら売り場に出てたら買いたくなるな」
「お父さんに伝えとくね!」にっこりする穂乃果。
「ああ、悪いな遅れて」
「全然大丈夫にゃ!」凛がオッケーサインを出す。
「それじゃ、本題に入りましょう。何か恋愛に関する案は出た?」エリチカが皆に言う。
「レナ君は?」ことりが真っ先に聞く。
「悪い・・・。実は何も思いつかなかったんだ」申し訳なさそうに言う。
「ええー!レナ君が何も思いつかなかったの!?」凛が驚く。
「実は私も・・・。恋愛と言う物を考えると何かムズムズして向き合えませんでした」海未も謝る。
「作詞班が・・・・」穂乃果が絶望的な顔をする。
「まったく・・・。なんであんた達が案を出せないのよ」にこが言う。
「そう言うにこっちもノート真っ白やん」希が指摘する。
「い、今から書こうとしてるの!」意地を張るにこ。
「それじゃあ、家から持ってきた恋愛映画でも見てみる?」ことりがビデオを取り出す。
「恋愛映画?見てみたい」花陽が言う。
ことりがビデオプレーヤーにビデオを入れた。
1時間30分ほど経過。
画面の中では男性と女性が悲しくも親の反対で愛していながらも別れなければいけない場面になった。
「なによ・・・安っぽいストーリーね!」ぼろなきしながら言うにこ。
「にこっち涙で過ぎ・・・・」微笑む希。
「うう・・・・こんなのかわいそうだよ・・・・」花陽がハンカチで涙を拭く。
「そうだね・・・」ことりも涙を拭く。
「・・・・」いつもの少し冷めた目つきで見るレナ。
「!?」右手に違和感を感じるレナ。
(エリチカ!?)映画に感情移入しすぎてレナの手を反射的に握った事に気付かないエリチカ。
「うう・・・・」エリチカも涙を流している。
「うう・・・・・うう・・・・」座布団で頭を隠し部屋の隅でおびえる海未。
「海未ちゃんどーしたん?怖い映画じゃないよ?」希が言う。
「こんなの・・・。破廉恥です!」そう言ってキス寸前の場面の中テレビの電源を落とす。
「・・・?んーー終わったー?」穂乃果と凛が眠りから覚める。
「穂乃果ちゃんたち開始3分で寝てたね」ことりが苦笑いする。
「ふわふわした感じだったから眠くなっちゃった」凛が笑う。
「もう!今更こんな事をして何になるの?今新曲を作ったって、踊りも今から考えて、完成度が下がるに決まってるじゃない!」真姫が突然立ち上がり言う。
「実は私も先ほどから思っていました」海未が真剣な顔つきで言う。
「でも・・・。もう少し・・・」エリチカが何かを言おうとする。
「エリチ。もういいんよ」希がそれを遮る。
「希・・・!?」
「うちはもう充分満足。カードも改めて見ると、既存曲でやった方が良いって出てる」希がカードを見て言う。
(・・・・嘘付け。どうしていつもそうなんだよ)
レナが冷めた目で見た物は『Challenge』と書かれた兵隊が王様に向かって発言している絵が描かれたカードだった。
それからしばらく今後の活動についての話し合いが行われた。
既存曲で何の曲をやるか。メンバーの編成はどうするかなど、真剣に話し合ったが希とエリチカとレナは案を出す事が無かった。
「それじゃ、今日はこの辺で」エリチカが立ち上がり言う。
「そうだね!じゃ、明日の練習頑張ろう!」花陽が言う。
「うん!ばいばーい!!!」穂乃果が皆を送り出す。
「あれ?レナ君そっち方面だっけ?」凛が希とエリチカと一緒に信号をわたろうとするレナに言う。
「ああ、今日は寄る所があってな」
「そっか!じゃあねー」凛が手を振って別れを告げる。
帰り道。エリチカと希とレナが信号が青に変わるのを待っていた。
「本当に良かったの?」エリチカが希に言う。
「良いって。皆と出来る。それだけで良いの!」希が笑ってみせる。
「全く・・・・どうしていつもそんな風に無理するんだよ」レナが言う。
「無理なんてしてないよ」レナにも笑いかける。
「ちょっと!どういう事!?」真姫の声が3人の注意を引く。
「真姫!?」エリチカが驚く。
「あなた前に私に面倒な人って言ったわよね!?あなたの方こそよっぽど面倒な人じゃない!」真姫が希に向かって言う。
「そうやっけ?」しらをきって笑う希。
「・・・フフ。同感だわ」エリチカが笑う。
「エリチ?」希が少し驚く。
「これはもう隠せないんじゃないか?」レナが笑う。
「・・・そうやね」観念した顔をする希。
20分後 希の家。
「お邪魔します・・・」真姫が少し戸惑いながら言う。
「いいよいいよ、遠慮せずあがって?」
「一人暮らし・・・?」真姫がつぶやく。
「そうなんよ。幼い時から転校ばっかやったから、親が一人ぐらしするか?って」
「そうなんだ」
「お茶で良い?」
「ええ。で?それで何を考えてるの?」真姫が本題を持ち込む。
「何も考えてないよ」希が笑う。
「もう、ここまで来て何も言わない訳にはいかないでしょ?」エリチカが言う。
「エリチが大事にしてるだけやし」
「そんな事無いわよ」
「いい加減にして。ちゃんと話してよ」真姫が少し怒る。
お茶を3人に配り椅子に座る希。
「うちはね、小さな頃はずっと親の仕事上転校ばっかやったんよ。やからいろんな地方の学校に行った。だからこそ、ちゃんとした友達なんて居なかった。家に帰っても誰もいない。家の前に置いてる植木鉢の下の鍵をとって自分で鍵を開けてたのを今でも覚えてる。でも、音ノ木坂って居場所が出来て、入学してクラスの自己紹介の時、エリチと出会った。自分を大切にしすぎて、周りと関わるのが苦手なプライドの高い女の子。私に少し似てる様な気がした。階段で勇気を出したのを今でも覚えてる。」
「そうね、いきなり踊り場から大きな声がして振り向くと今よりずっとか弱そうな希が立ってたのよ」微笑むエリチカ。
「そこからエリチと関わりを持って、仲良くなって。それだけでもうちにとっては大きな出来事だった。初めてちゃんとした友達ができたんだから。
でも、途中で以前の私と同じ女の子を見た。それはにこっちやった。アイドル活動を諦める寸前のにこっちやね。何故か声をかけられなかった。怖かったんよ・・・。何かを壊してしまいそうで。
真姫ちゃんの歌だってずっと聞いてたよ?放課後にわざわざ音楽室をあけてピアノを弾く姿。口紅を塗るのを戸惑う凛ちゃんもトイレで見かけた事もある。何かをためらって、勇気が出ずに居る女の子はここにも、あそこにもいたの・・・・。そんな皆を結んでくれる奇跡が起こった。それは家業院零七という少年とμ’sと名乗る前の3人の女の子をグループ。カードで占ってみるとレナ君は『Chain』のカード。硬く結ぶ暗示。だからこそレナ君にμ’sを作り上げて欲しいって頼んだの。勇気のでない女の子達を救って欲しいという願いを込めて」
「つまり、レナが私たちをμ’sに入るように動いてたの?」真姫がレナに聞く。
「んー。まぁ希にはμ’sを7人にしろって言われて集めたのは本当かな」
「・・・何よそれ」真姫がうつむく。
「そしてエリチもうちもμ’sに入る事が出来た。『仲間』が出来た。結成した時から、9人で何かをしてみたいって思ってた。ラブライブって貴重な物に向かって皆で考えて行動する。それが出来ただけでうちはもう満足」お茶を飲み一息つく希。
「ならどうして泣いてるんだよ」レナが言う。
希の瞳には涙がこみ上げていた。
「うちにとっての奇跡だから・・・・」涙を拭く希。
「・・・どうしてそうなの?」真姫が震えた声で言う。
「真姫・・・?」エリチカが心配そうな顔をする。
「話聞いてたらずっと影から物を言ってて自分では何もかも我慢してるじゃない!どうしてそんなにいい人なの!?周りを自分より優先し過ぎじゃない!?」真姫が少し感情的に言う。
「そう思うだろ?だからこそ今回の事があったんだ」レナが言う。
「え・・・?」
「今回希がね、レナの力を借りずに自分たちで何かをしたいって言ったの。9人で何かをしたいって」
「今日の凛ちゃんが言った事覚えてる?真っ先にレナ君に頼ったよね。うち達で何かを出来る事を証明したかったのよ」希が言う。
「だから俺は何も言わなかったんだ。穂乃果達のダイエットの後に話をしてな。9人で何かを成し遂げてみたいって」
「なるほど・・・・」真姫が納得する。
「本人はもうコレで満足って言ってるけど、どう思う?」エリチカが真姫に微笑みかける。
真姫は微笑みながらケータイを取り出す。
「ここに皆を呼ぶの!?」希が驚く。
40分後皆が希の家に到着する。
「えー!?結局新曲を作るの!?」凛が驚く。
「急にどうしたのよ」にこが真姫に聞く。
「別に、何も無いわよ。ただちょっとしたプレゼント!」真姫がウインクする。
「いつも支えてくれてる女神様のね!」エリチカもウインクを決める。
「・・・何が起こったのですか」海未が戸惑う。
「あ!コレ!」花陽がタンスの上の写真立てに立っている写真を見て言う。
「お!俺が空港で見てた配信のやつか」写真はことりを止めた後の行動で行われた後のライブの最後の決めポーズをしている皆の写真だった。
「ちょっと!それは!」写真を取り上げベッドに逃げ込む
「希もそう言うの飾るのね」にこが笑う。
「べ、別にいいやろ!?」希が必死で顔を隠す。
「にゃー!!!希ちゃんが照れてるニャ!!!!」ベッドに乗り込む凛。
「もう!やめてって言ってるでしょー!」希が凛を追い払おうとする。
「話し方変わってるニャ!」それを取り払い進もうとする。それをクッションで阻止する希。
すると後ろから優しく抱きしめるエリチカ。
「たまには、こういうのも良いんじゃない?」微笑みながら言うエリチカ。
「エリチ・・・・。そうやね」優しく目をつぶり抱きしめている手を握る希。
「希、あのときに引いたカード、『Challenge』だったろ」レナが言う。
「・・・・うん」諦めた顔をする希。
「良かったら俺にも、希のチャレンジに協力させてくれないかな?」
「え・・・?」
「9人のサポートじゃなく、『10人目』のμ’sじゃダメかな?」
「10人目・・・・」希がつぶやく。
「俺にとっても奇跡なんだ。この仲間って存在が。だからこそ、俺もその枠に入りたいんだ」
「そんなのうちが決める事じゃないよ。でも、うちは賛成!」
『賛成!』皆が声を上げる。
「10人で曲を作るってことでいいかな?」レナが言う。
「うん!うちもそれが良い!」
「ありがとう」するとレナは希の額にキスをした。
『!?』一同が驚く。
「レナ君!?」希が焦る。
「前に一度俺を抱きしめてくれた事があったよな?あれ、スッゲー落ち着いたんだ。だから、その御礼。皆を支えてきてくれた御礼だ」
「・・・・もう、なんか照れちゃうな」希がうつむく。
「あ!見て!!!」穂乃果が妙な緊張した空気をぶちこわす。
「雪だ!」ことりが言う。
「皆行こうよ!!!」穂乃果が走り出す。
「あ!」真姫が慌てる。
「真姫ちゃんいくよ!」希が嬉しそうに走って行く。
「ま、待ちなさいよー!」真姫も急いで走り出す。
マンション下公園 雪が降りぴりぴりと肌を刺激する寒さ。
10人がそれぞれ外を向き輪を作る。
『想い・・・』手のひらに振る雪を包み込み胸に手を当てる穂乃果。
(さっき言ったよな・・・・)
『メロディー』花陽も手を胸に当てる。
(奇跡だって・・・・)
『予感』目を閉じる海未。
(ずっとずっと思ってたんだ)
『不思議』微笑む凛。
(皆がそれぞれの道を歩いてるって)
『未来』空を見上げる真姫。
(でも、今皆は同じ道を歩いてる)
『ときめき』手のひらに乗る雪を見て微笑むことり。
(それは俺も同じなんだ)
『空』目を閉じて上を向くにこ。
(それが俺にとっても奇跡なんだ)
『気持ち』両手を空にのばす絵里。
(だから俺は今この瞬間に思う事。俺を変えてくれた物)
『好き』両手を胸の前で組み祈る希。
(それは・・・・)
『出会い』笑みを浮かべて空に向かって言い放つ。
『飛び込む勇気!!!!!』真姫と絵里とレナと希が大きく叫ぶ。
皆が祈りを捧げる空には満天の星が輝いていた。
いかがでしたか?
ついに希の報われる時がきましたね!
そしてレナさんはアニメでいう絵里と同じ立ち位置。
でもこれで正式に10人目のμ’sとなりました!
今回はレナがすでに希の心境を知っているということと最後の一人ずつコメントしていくときにレナの心の声を入れたいなというのがポイントでした!
書いていて本当に感動していました。
次回、ついに地区予選大会決勝です!!!
お楽しみに!
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