ラブライブ! ~The another story~ 作:癸楓文音
今回もアニメと同じタイトルです!
レナがこの話に入るとどうなるのでしょうか。
また今回少し大切なシーンがあります。
それでは、どうぞ!
除夜の金が鳴り響く特別な夜。新たな年の訪れを告げる鐘。
神田明神に皆集合と声がかかっていたため、レナと前川は到着していた。
「さみー・・・」レナがコートに身を縮こまらせる。
「ロシアはもっと寒いんじゃなかったのか?」前川が笑う。
「実際問題、そんな事はあんまし関係ないんだよ。今が寒けりゃ寒いんだ」
「はは、なるほどな」
そんなやり取りをしていると1年生組が2人の元に現れる。
「お!3人ともあけましておめでとう!」前川が大きな声で言う。
『おめでとうございます!』3人が頭を下げる。
「まぁ、家業院は喪中だけどな」
「いや、いいよ。別に、それに心臓は動いてるんだし」
「真に受けていいのかそれ」前川が苦笑いする。
「ああ、きっと本人もそうして欲しいって思ってるから。3人ともおめでとう」
「おめでとう!穂乃果ちゃん達は少し遅れるって」花陽が言う。
「穂乃果が何かやらかしたに違いないな」笑うレナ。
「あり得そうだな。ところで真姫ちゃんなんでそんな凛ちゃんに隠れてるんだ?」
「真姫ちゃんは一人でバチッと決めた服装だから恥ずかしいんだよ」真姫を追い払う凛。
「ちょ、ちょっと・・・・。あんまし見ないで。ママが勝手に用意しただけなんだから」
「そうなんだ・・・」前川がニタニタする。
「どうして前川君にやけてるの?」凛が聞く。
「いやぁ、必死にお母さんに頼み込んでるの想像すると面白いなって」
「確かにそれは・・・萌えるな」レナが認める。
「勝手に想像しないでよ・・・。ってか頼んでないわよ!」真姫が否定する。
「みんなー!」穂乃果達が走ってくる。
「穂乃果ちゃん海身ちゃんことりちゃんあけましておめでとう!」花陽が笑顔で言う。
「おめでとうございます!遅れてすみません」海未が新年早々頭を下げる。
「そんな新年早々頭下げなくても」前川が笑う。
「私なんて新年早々怒られたよ!」穂乃果が不満げに言う。
「穂乃果ちゃんなんで怒られたの?」凛が聞く。
「穂乃果ちゃんが寝ぼけてて・・・。着替えを待ってる間に新年をむかえちゃったの」ことりが言う。
「やはり穂乃果がやらかしてたか」レナが言う。
「真姫ちゃんは?」穂乃果が皆に聞く。
「また・・・・。あっちに居るよ」花陽が指を指す。
その方向には恥ずかしくて再び隠れた真姫が居た。
「真姫ちゃんビューチホー!!!」穂乃果がほっぺを手で包み言う。
「・・・どうして皆着てこないのよ!」真姫が逆ギレする。
「別に・・・そんな約束してないし・・・」きっぱりという穂乃果。
「お母さんが着ろってしつこかったんだってさ」レナが言う。
「ま、真姫ちゃんが言った事だからお母さんに頼んだに違いないけど」前川が言う。
「だから・・・頼んでないわよ」真姫が再び否定する。
「はいはい、わかったよー。それじゃ、行こう」花陽が真姫の背中を押して言う。
神田明神の階段はを上り始めて少しすると下ってくる3つの影。
「あけましておめでとう!μ’sの皆さん!」ツバサが8人に言う。
「A-RISEの皆さん!おめでとうございます!」穂乃果が頭を下げる。
『おめでとうございます!』皆も頭を下げる。
「いいのよそんなに堅苦しくなくて」あんじゅが言う。
「えへへ・・・。皆さんも初詣に?」穂乃果が聞く。
「まぁ、地元の神社だからね」恵令奈が言う。
「そうですよね!」穂乃果が言う。
「・・・・それじゃ、私たちは行くわね」ツバサが歩き出す。
『・・・・』8人に戸惑いの顔が現れる。
数段降りると3人が振り返る。
「優勝しなさいよ!ラブライブ!」ツバサが言う。
「応援しているよ!」恵令奈が手を振る。
「決勝、見に行くから」あんじゅが微笑む。
『・・・はい!!!!』皆が笑顔になる。
8人はまた階段を上りだした。
本堂前。2礼2拍をして祈りごとをする8人。
しばらく周りの人間の会話が静かに聞こえる。
「かよちん、どんなお祈りしたの?」凛が聞く。
「内緒だよ」花陽が微笑む。
「それでは、行きましょうか」海未が声をかける。
「穂乃果ちゃん?」ことりが穂乃果の方を見て言う。
未だ祈りを捧げる穂乃果。
「・・・・よし!」穂乃果が目を開ける。
「ずいぶん欲張りなお祈りをしたようですね」海未が言う。
「ううん!願い事は1つだよ!ラブライブ優勝!」
「それにしては長過ぎるわ」真姫が言う。
「それだけ大きな願い事なの!」穂乃果が笑う。
帰り道。少し本堂から歩いた場所で希が巫女服をきて何かを運んでるのを見つけた8人。
「希ちゃん!」穂乃果が呼び止める。
「あ!皆!あけましておめでとう!」希が微笑む。
「新年早々忙しそうだな」レナが言う。
「毎年こんなもんよ?それに今年は少し楽な方やね。お手伝いさんも居るし」
「お手伝い・・・?」前川が首を傾げる。
「ちょっとー!!希ー!これどこまで持ってけばいいのよ」段ボールを抱え必死に叫ぶにこ。
「にこちゃん!」ことりが言う。
「うわぁっ!!!あんた達!来てたの!?」にこが驚いて荷物を落とす。
「にこちゃん巫女服似合うにゃ!真姫ちゃんとユニットとか組めそう!」真姫をにこに近づける。
「・・・・和風ユニット・・・。『うふ〜ん!おいでやす!』・・・それだ!」何かいやらしい想像をする穂乃果。
「それだじゃないわよ!」
「色物じゃない!」にこと真姫が拒絶する。
「にこー希ー」遠くからエリチカが歩いてくる。
「絵里ちゃんの巫女服姿・・・かっこいい!」ことりがほれぼれする。
「憧れます!写真良いですか!?」海未が写真を撮ろうとする。
「ダメ。お仕事中なんだから」舌を出していたずらっぽく言うエリチカ。
「3人ともすごく似合ってる」花陽が言う。
「どうだ?綾瀬先輩の巫女服姿・・・。お前たまんないだろ」前川が嬉しそうに言う。
「・・・・バカ」感動しすぎて言葉をつぶやけないレナ。
「レナ完全に持ってかれてるじゃない」にこが呆れる。
「ここまで露骨なのはビックリにゃ」凛も呆れる。
「それじゃ、私たちは行くわね」エリチカが手を振る。
「うん!それじゃ、明日の練習で!」穂乃果も手を振る。
3人が荷物を持って歩き出す。
「仲いいな・・・3人とも」花陽が言う。
「そうですね。姉妹の様です」海未も共感する。
「・・・でも後3ヶ月も無いんだよね」花陽がうつむく。
「その話はラブライブが終わるまでしないって言ったじゃない」真姫が言う。
「うん・・・。でも・・・・」
「その話は今日はしない!帰るぞ」レナが歩き出す。
「うん」花陽も歩き出す。
皆少し重い雰囲気を感じていた。
翌日 朝9:00 屋上。10人が集まり2人組を作り本大会に向け話をしていた。
「自由?」ことりが聞き直す。
「はい!自由です!1曲だけやるという事以外は特に決まっていません!」花陽が言う。
「曲の長さも、衣装も自由なんだって」エリチカが言う。
「そうなんだ・・・。自由か・・・。そう言われると難しいな」穂乃果が言う。
「でも全国から集まるなら47グループ有るってことだろ?それに、全てのグループを見るって人もそんなに居ないだろう」レナが言う。
「ネット投票と現地投票制ですけど、皆全てを見る訳じゃないですし・・・」花陽が言う。「曲は新曲が有利になりそうだな」レナが言う。
「そうね!」真姫が元気に言う。
「なんでそんなに自信ありげなん?」希が言う。
「実はもう二人で考えてるんだ」レナが言う。
「でも、ちょっと詰まっててね」真姫が言う。
「歌詞も二人で考え始めたのですが・・・少し詰まっています」海未が言う。
「早いね!」穂乃果が感心する。
「でも、新曲だけじゃなんかインパクト少なくない?」にこが言う。
「そうですね。これからどんだけ先にインパクトをつけるかが勝負ですし・・・」
「でもA-RISEを破ったというのは少しインパクトが有るんじゃない?」エリチカが言う。
「そこで一つインパクトを与える方法が有ります!」花陽が言う。
「インパクトを与える方法?」凛が首を傾げる。
アイドル研究部部室。花陽が部室にあるパソコンを立ち上げる。
「これを見てください」花陽が画面を皆に見せる。
「・・・キャッチプレーズ?」希が画面に書いてある文字を読む。
「はい!本大会に出場するグループは1つずつキャッチプレーズを決める事が出来るんです。例えば・・・『With 優』、『はんなりアイドル』等など・・・」画面をスクロールして読み上げる花陽。
「μ’sを一言で紹介できる言葉がキャッチフレーズに良いかな」ことりが言う。
「一言で・・・・。石けんじゃない!」穂乃果が言う。
「今更何言ってんだ」レナが首を振る。
「・・・9人!」リベンジを果たそうとする穂乃果。
「・・・バカか」
「そんな事言うんだったらレナ君もなんか考えてよ!」
「考えてるけど・・・思いつかんなぁ」残念そうな顔をするレナ。
「もともと皆一度に集まった訳じゃないから難しいね」ことりが言う。
「皆が共通している事・・・それなら『ラブライブ優勝!』・・・何様ですか」海未が一人でツッコむ。
「とりあえず今日の夜考えてみましょう!」エリチカが言う。
『はい!』皆練習に戻った。
夕方。練習が終わりキャッチフレーズを考えるため一人屋上に残ったレナ。
夕焼けに染まる町を見て考える。
「・・・何も思いつかないな」かれこれ1時間何も思いつかず悩みふける。
そんなとき自分の手を引っ張られる。
「ん?」引っ張る正体を見ると赤い髪をした少女が手を握っていた。
「子供・・・!?」驚くレナ。
「シー!お兄ちゃん!」静かにという合図を出すと抱きつく少女。
「うおっ!君は・・・」誰だと聞こうとする時ふと以前の前川との会話を思い出す。
『妖精?』
『ああ、何でも音ノ木の妖精ってのが居るらしい』
『妖精・・・。七不思議的なやつか?』
『いや、それだと八不思議になっちまう。なんでも赤い髪をした女の子らしいんだ』
「音ノ木の妖精!?」驚くレナ。
「えへへー!私音ノ木の妖精!って呼ばれてる!」元気に返事をする少女。
「・・・いきなりどうした・・・?」本当にいきなり現れ信じられないレナ。
見た目は本当に幼い真姫の様である。
「お兄ちゃん!しゃがんで?」言われるがままにしゃがむ。
トンッ 人差し指を額に当てる少女。
すると色々な景色が頭に流れ込んでくる。
「・・・!?何だこれ・・・・μ’sの・・・ライブ・・・いや、今までの事」
流れ込んでくる景色は全てμ’sの事だった。しかしその景色の中にはμ’sだけでなく生徒の姿が多くあった。
「・・・支えがあって・・・μ’s?」レナがぽつりと言う。
一度だけうなずく少女。
「・・・これを見せるために出てきてくれたのか?」
「うん!お兄ちゃんいい人だもん!μ’sの皆も大好き!」笑顔になる少女。
「・・・ありがとう。でも、答えは皆で見つけるよ。今日の事は俺と君だけの秘密」
「皆で・・・?」
「ああ、皆と答えを見つけて歩きたいんだ。だから、良い言葉が見つかるように俺達をこれからも見守ってくれないかな?」
「・・・うん!大好きだもん!」少女が言う。
「ありがとう!これからも音ノ木の事をよろしくな」少女の頭をなでる。
「えへへへ。バイバイ!」喜んだ後スッと姿を消す。
「・・・マジだったんだ・・・妖精」ぽつりとつぶやくが風が吹く音だけが響いていた。
かすむ景色の中、波打ち際に座るひとりの女性。
そこに現れる一人の男性。夕日の逆行により顔をしっかりと認識できない。
「何だ・・・?誰だ・・・・?」つぶやいたつもりが声が出ない。
女性に手を差し伸べる男。
それに手を差し出し笑みを見せる女性。
二人が夕日を見つめる。
「・・・・この景色・・・あの海だ」心でつぶやく。
「父さんに会った海だ。あれは・・・父さんと母さん!?」
「父さん!!!母さん!!!」必死で叫ぶが二人に聞こえはしない。
「なんでこっちを見てくれないんだ!父さん!母さんを見つけたの!?」
すると大きな波がこちらに押し寄せる。
青い海が自分を飲み込む。二人の影はこちらに見向きもせず話している。
「くそ・・・」必死に手を伸ばすが波にさらわれ距離が遠くなる。
遠くなる二人が手をつなぎ夕日を見る。その姿を最後に波に連れ去られた。
「・・・ナ!・・・レナ!!!!起きて!」女性の声が聞こえる。
「!?・・・・ラミア・・・?」ぼやける視界。自分の発言を確認する。
「・・・・ラミア?お母様がどうかした?」エリチカが驚いている。
「・・・・エリチカ・・・?どうしてここに」体中に汗をかいていた。
「悪い夢でも見たの?」心配そうに見つめるエリチカ。
「・・・夢か。良かった。ありがとう、落ち着いたよ」眼鏡をとるレナ。
「大丈夫?穂乃果が穂乃果の家に12時に集合ってメールを送ってきたのよ。それでレナだけ返信が無かったから様子を見てきてくれって」エリチカがそのメールを見せる。
「・・・そっか。完全に寝ちゃってた。昨日ちょっと遅くまで起きてたから」
「もう・・・無理しちゃって・・・。汗、流してくれば?待ってるわよ?」
「・・・悪いな。ありがとう。皆まだ向ってないなら呼んでくれて構わないよ」
「わかった。声はかけてみるわね」
「じゃ、ちょっとお言葉に甘えて」着替えとタオルを持って風呂場に向う。
上の服を脱ぎ少し深呼吸をする。
「・・・何だよさっきの夢。あの海に何が有るんだ」鏡に映る自分を見ると感覚のない右目から涙が流れていた。
シャワーを浴びている間も夢の事を考えていた。
汗を流し終わり脱衣所にでると部屋の方から声が聞こえる。
「にこちゃんったら寝癖酷かったんだよ!」凛の声だ。
「うるさいわね!アイドルにもプライベートはあるの!」にこの声も聞こえる。
「フフッにこらしいわね」エリチカが笑うのが聞こえる。
「お待たせ」片目を隠すようピンをとめて3人の元に出てくるレナ。
「レナ君おはよう!ピンつけてるにゃ!」凛が元気に言う。
「傷はもう見たんだからいいわよ隠さなくて」にこが言う。
「やっぱ長い事隠してると見せるのが怖いんだ」ためらうレナ。
すると凛が立ち上がりそそくさとレナの元に向う。
「な、なんだ?」戸惑うレナ。
「シャー!!!!」威嚇の声を上げピンを取り上げる。
「ちょっと・・・凛!」ピンを取り返そうとするレナ。
それを取り押さえるエリチカ。それを手伝うにこ。
「・・・・」恥ずかしそうに目をそらすレナ。
「私たちの前では心配しないで良いのよ」にこが言う。
「そうよ。レナ、隠しても意味ないわ」エリチカが言う。
「凛はこっちのレナ君も好きにゃ!」凛がドライヤーを持ち出す。
「な・・・それ」レナが全力の拒否の顔をする。
「行くのよ凛!」エリチカが叫ぶ。
「やりなさい!この未開の地に旋風を起こすのよ!」にこが言う。
「やめろ・・・!」
「キュートスプラッシューー!!!!!」大きな声でドライヤーのスイッチを入れる。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」レナの悲鳴が鳴り響く。
「今日も家業院君は元気じゃの」大家のおじいさんがその悲鳴を聞いて微笑ましい顔をする。
「わん!(ですな!)」大家のおじいさんの飼っている犬も喜ばしそうに鳴く。
12:00 穂乃果の家。少し拗ねたレナを笑顔で眺める3人が到着した。
「お!いらっしゃーい!」穂乃果が餅つき用の臼を店前に持ち出していた。
「ん?なんだそれ?」レナは見た事が無いらしく珍しそうに眺める。
「レナ君臼を知らないの?」花陽が驚いている。
「臼?なんだそれ」レナがきょとんとする。
「お餅をつくための器ですよ」海未が言う。
「ちなみに真姫ちゃんもさっき初めて見たって言ってたよ」ことりが言う。
「真姫も見た事無かったのか」レナが真姫を見る。
「まぁ・・・。話には聞いてたけど」真姫が少し恥ずかしそうに言う。
「サルカニ合戦にも出てたよね!」希が言う。
「そうね。ところで穂乃果、どうしてお餅つきを?」エリチカが聞く。
「在庫処分?」希が聞く。
「違うよ!地区予選の時皆に協力してもらったのに、御礼出来てなかったでしょ?だから皆にできたてのお餅をプレゼントしようって思って!」
「なるほどね。皆に御礼か」にこが納得する。
「皆が居ないとμ’sはあの日揃ってライブできなかったはず。だから感謝の気持ちをいっぱい届けたいの!」
「なるほど・・・」レナが納得する。
「はい!お待たせ!」穂乃果の母が餅米を臼に入れる。
「餅米だぁ!」花陽が嬉しそうに言う。
「食べる気満々じゃない」真姫が言う。
「これが餅米・・・ハラショー・・・」レナが感動する。
「穂乃果、ちゃんと出来るの?」母が心配そうに言う。
「出来るよ!お父さんに教えて貰ったもん!」法被を着て張り切る穂乃果。
「私がこねましょう!」海未も張り切って臼の隣に座る。
「こねる?」不思議そうに見るレナ。
「良いから見てて!すごいから」ことりが嬉しそうに言う。
「はい!」穂乃果が杵で餅をつく。
「はい!」海未が餅をこねてかけ声を出す。
再び穂乃果が餅をつく。
「これが餅つき・・・」目の前の光景に目を輝かせるレナ。
「ロシアではないからね」エリチカが微笑む。
「でも、どうしてお餅なのよ」にこが言う。
「皆に御礼をするって考えると何となくこれが思いついたの」穂乃果が言う。
「・・・思いつく・・・・お餅つきだけに?」にこが言う。
全力で全員がにこから離れて冷めた目を向ける。
「ついよ!つい思っちゃっただけよ!面白くないのはわかってるわよ!」にこが全力で謝罪する。
「さすがにこれは寒すぎるにゃ」凛がいう。
「うるさいわねー!」にこが赤面する。
「私なら絶対言わないわ」真姫がさらっと言う。
「わかったわよ!わるかったわね!」
「ハハハハ!初笑いだ」レナが言う。
「にこっちが初笑い?いい事有るかもね」希が言う。
「凛ちゃんやってみる?」穂乃果が凛に杵をわたす。
「やってみるにゃ!海未ちゃんよろしくにゃ!」凛が張り切る。
「はい!レナもやってみますか?」海未がレナに聞く。
「ああ!やってみたい!教えてくれ」レナも腕をまくり海未の隣に座り込む。
凛が杵を振り上げるとともに勢いよく少女が走ってくる。
少女は海未に勢いよく飛びつきかばうように体を凛に向ける。
「μ’sが怪我したら大変!」少女は亜理沙だった。
「・・・プフッ!」エリチカが吹き出す。
『フフフフフ』皆笑う。
「え?」亜理沙がきょとんとする。
「叩こうとしてたんじゃないにゃ」凛が言う。
「そうなの・・・?」
「お餅つきよ。亜理沙もやった事ないんじゃない?やってみる?」エリチカが言う。
「お餅つき?」臼を覗き込む亜理沙。
「よし!亜理沙、俺と一緒についてみるか」レナが言う。
「凛と一緒にハンマー振るにゃ」凛と亜理沙が杵を振り上げる。
1時間後。多くの生徒が集まってきた。
「お餅は逃げないよー!並んでー!」花陽が列を正す。
「きな粉はこっちであんこはこっちでーす」穂乃果が看板をあげて列を誘導する。
「お餅人気だね!」ことりが言う。
「はい!ことりはもう食べましたか?」海未があんこの餅の乗った皿を持って言う。
「うん!きな粉食べたよ」
「きな粉・・・おいしい」亜理沙が言う。
「あんこも美味い!」レナが笑顔で言う。
多くの生徒がお餅を食べ笑顔になっていた。
「家業院君!一緒に写真撮ろ?」女子生徒が言う。
「ん?いいよ」レナが女子生徒にぐっと近寄り写真を撮る。
それを遠くでにこが冷めた目で見る。
「ねぇ絵里、あんたあれを許せるの?」
「え?どういう事?」エリチカがきょとんとする。
「あんなに距離つめて写真とってるの見て何とも思わないの?」
「んー私はレナの彼女じゃないわよ?」微笑むエリチカ。
「むぅ・・・。あんた達なんでそうなのよ。絵里が男子と会話しててもきっとレナは何とも言わないんでしょうね」
「だって、付き合ったりしてないもの。それに、友達よ?」
「それはそうかもしれないけど、こんな運命的な事あり得ないわよね?真姫」真姫に話を振る。
「まぁ、実際ロマンチックな再開よね」案外話に乗る真姫。
「それに、エリチは結構レナ君のこと気にしてたんよ?」希が割り入って話す。
「もう、希!余計な事言わないで良いのよ」エリチカが照れながら怒る。
「心の隅に家業院を思う気持ち、家業院の心の隅にある綾瀬先輩への気持ち・・・。この二つの糸は結ばれる時が来るんでしょうかね」前川が餅をくわえて言う。
「前川!?来てたの!?」にこが驚く。
「来てるよ!?ってか全校生徒呼び出しといておかしいでしょ!それにこの作品からして俺をμ’sに入れない事自体おかしいと思うぐらい重要人物ですけど!?」前川が餅を手にもって思いっきり叫ぶ。
「前川君ってそう考えるとドラムのレコーディングやってくれてるのよね」真姫が言う。
「そう言われればいつもお世話になってます」エリチカが頭を下げる。
「いやいや、そんな」頭を下げる前川。
「矢澤先輩!写真とって下さい!」ファンである多くの生徒からお願いをされる。
「良いわよ!でも私だけじゃなく、μ’s全員で撮るわよ!」にこが誇らしげに言う。
「わぁ!やった!」生徒達が喜ぶ。
「凛!花陽!穂乃果!そこの海未達も!早く来なさい!」にこが招集をかける。
「にこちゃん部長っぽく仕切ってるにゃ」凛が笑顔で寄ってくる。
「撮りますよー!はい!チーズ!!!」穂乃果母がシャッターをきる。
皆が笑顔でそれぞれの推しメンのポーズをとっている。
「・・・これだ」穂乃果がボソッとつぶやいた。
数時間後。
「皆来てくれてよかったね!」花陽が言う。
「皆お餅大好きなんだね」凛が言う。
「そりゃ、穂乃果ちゃんが作ってくれるお餅なんやしおいしいに決まってるよね」希が言う。
「在庫処分にしてはいい味してた!」前川が言う。
「在庫処分じゃない!」穂乃果が怒る。
「すみません!」ビックリして謝る前川。
「それで、何かつかめましたか?穂乃果」海未が穂乃果に何かを聞く。
「うん!ちょっとだけ・・・・」穂乃果がぎこちなく言う。
「キャッチフレーズ?」ことりが聞く。
「うん!いつもお世話になってる皆に御礼を言ったら何かわかるかなって」
「なるほど。穂乃果にしては名案だな」レナがうなずく。
「確かに。それで、どんなキャッチフレーズが思いついたの?」真姫が言う。
「・・・ここまで出てるんだけど」喉を指差しながら言う穂乃果。
『ジー・・・・』皆が疑問を込めた目で見る。
「ほんとだよ!」必死に否定する穂乃果。
「よかったらこの後練習して行かない?」エリチカが言う。
「私は全然良いけど」にこが言う。
「久しぶりに階段ダッシュやるか!」レナが言う。
「え・・・」凛が気まずそうな顔をする。
「お餅食べた後に階段ダッシュ?」花陽も嫌そうに言う。
「最近基礎トレーニングをしていないとレナと話していましたし、良い機会ですね」海未が言う。
「・・・本当にやるの?」ことりが確かめる。
「俺もやるから!皆でやろう!」レナが言う。
「え?レナ君もやるん?」希が意外そうに言う。
「ああ、心臓治って体育に参加できるようになって、そっから体動かす事が凄く嬉しいんだ。お前達と一緒にトレーニングした事もダンスでしかなかったし良い機会かなって」
「そこまで言うならやるしかないんじゃない?」真姫が言う。
「・・・やろう!今後のためにも!」穂乃果が決死の判断を下す。
「それじゃ、今から練習着に着替えて神田明神集合だ!」レナが言う。
『おー・・・・』数人元気が無い声で拳をあげた。
夕日が差す頃。神田明神に集合したメンバー+前川。
「じゃあ、俺は上でストップウォッチ持ってたら良いんだな?」
「ああ、5往復したタイムを読み上げてくれ」レナがゴムで前髪を完全にあげる。
「レナ君!」凛が嬉しそうに言う。
「皆の前なら怖くない。仲間なんだから」少し照れくさそうに言う。
「レナ・・・それでいいのよ!」にこが言う。
「それじゃ、行くぞ!よーいスタート!!!!」前川の合図で皆が走り出す。
早い順に階段を上ってくる。
「よし!家業院終わり!」前川がレナのタイムを切る。
「何分だ?」
「ぶっちぎりの4分28秒!」
「よし!皆に勝った」ガッツを決める。
「はえーな。皆まだ最後の1周に入ったとこだぞ?」
「なんか、体育とかしてると体力ついたっぽい」
「もともとバレエの体力も有るんだろう」
「ああ、・・・皆と励まし合って頑張るって事。たまにぶつかり合ったり。でも、結局は皆同じ事を考えてるんだよ。μ’sが目指すのは優勝だ」
「急にどうしたんだよ」
「一緒に走ってるときに思った事だよ」
「なんか、歌詞見たいだな」
「・・・歌詞か。そうだよ!この感覚だ!」何かをひらめいたように笑うレナ。
「お、良い曲書けそうっすか」前川が嬉しそうに言う。
「ああ、とびっきり良いのが出来そうだ!最後なんだし楽器もこだわらないとな」
「プレッシャーすぎるわ・・・ドラム」前川がうなだれる。
「家に帰ったら考えてみよう。じゃ、水飲んでくるわ」
「あいよー」
そう言ってその場を去るレナ。
数分後 水を飲み終え少し余韻に浸っていると穂乃果が現れる。
「早いよレナ君・・・」息を切らして言う。
「ハハ、案外早く走れたよ」水を差し出すレナ。
「ありがとう。お餅ついた後だとちょっとしんどかった」水を飲んでから言う穂乃果。
「確かにあれは腰にも来るし案外体力使うもんなんだな」
「うん!でも、皆喜んでくれてよかった!」満面の笑みで言う穂乃果。
「ああ、俺も皆が笑ってるのを見て嬉しかった。それに、少し良い歌詞を思いついたんだ」
「本当!?後は・・・キャッチフレーズだね」穂乃果が少し困惑した顔をする。
すると遠くの方から2人を呼ぶ声がする。
「おーい!こっち来てぇ!!!」花陽の声だった。
「ん?どうしたんだ?」
「行ってみよう!」走って向う穂乃果とレナ。
花陽の呼ぶ場所に着くと皆が集まっていた。
「花陽ちゃんどうしたの?」穂乃果が聞く。
「これ!見て!」花陽が指を指した方には、たくさんの絵馬が飾られていた。
「絵馬・・・ですね」海未が言う。
「でも・・・書いてある内容・・・」エリチカが涙をこらえる。
『μ’s優勝!!!がんばれ!!! まるそら』
『μ’sがラブライブのステージで最高のパフォーマンスが出来ますように! E.N』
『μ’sありがとう♡そして頑張れ! Byゆきみ』
『μ’sが 好きっ!!! にもりん』
その他にもたくさんの絵馬にμ’sを応援する言葉、感謝する言葉が書かれている。
「・・・・これだ」穂乃果がつぶやく。
「何かわかったのかにゃ?」凛が聞く。
「希ちゃん、絵馬には自分たちの夢を書くんだよね?」穂乃果が聞く。
「そうやね。絵馬は不思議な力が宿ってて、夢を実現してくれるんよ」希が答える。
「決めた!」穂乃果が元気に言う。
「早く言いなさいよ!気になるじゃない!」にこが言う。
「スーハー・・・・」深呼吸をする穂乃果。
夕日が輝き辺りが黄金色に染まる。
『皆で叶える物語!』
「・・・・皆で叶える物語・・・ですか」海未が嬉しそうに言う。
「μ’sって感じがするね!」ことりが言う。
「μ’sの力はμ’sだけの物じゃないってことか」レナが納得する。
「そうね。皆と一緒にここまで来たんだから」真姫が笑う。
「俄然やる気出てきたじゃない!このまま一気に夢実現するわよ!」にこが言う。
『おー!!!!』輝く金色に11つの影が拳を高くあげる。
(皆で叶える物語・・・・。夢物語。一つになる心。輝き!!)
レナの目には今までに見たことが無い光を帯びた太陽が映った。
いかがでしたか?
悩みに悩んでだてきたキャッチフレーズ『皆で叶える物語』
最高のことばですよね!
レナくんが見た夢は少しだけ大事なものとなります。
そして相変わらずの前川・・・。最高ですね!
ますます絆が深まっていく中、最後の時間は近づいてきています。
次回、全ライバーが泣いた回です。
お楽しみに!
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