ラブライブ! ~The another story~ 作:癸楓文音
今月二回目の投稿です!
案外短いのですが、書いててとても深いなぁと思った回でした!
帰国してからμ’sに訪れる災難とは・・・?
少しずつ彼女たちに壁が迫っていました。
それではどうぞ!
午後11:00 リバティー空港。
「うう・・・気持ち悪い・・・」穂乃果がお腹をさする。
「昨日ことりに対抗してあんなにチーズケーキを食べるからです!」海未が呆れる。
「確かに昨日のことりはラストスパートかけてたからね」真姫が微笑む。
「結局こっちでどれくらい食べたんだろう」ことりも疑問を抱く。
「さ、これから飛行機に乗り込むわよ!」絵里がみんなに声をかける。
「前も言った通り時差があるからしっかりと寝ること」希が言う。
「あんまり機内で騒がないこと!いいな」レナが言う。
『はーい!』みんなが返事する。
「設楽技さんにも会えたし、ライブも成功!一件落着だな」前川が言う。
「その言い方とこの後また一難くるみたいじゃない」にこが突っ込む。
「ぶっちゃけきてくれた方が俺は嬉しいんすけどね。みんなといれるし」
「それは・・・そうだけど」少し切なそうな顔をする。
「暗い顔しないの!いくにゃ」凛が元気を出す。
「凛ちゃん待ってー」花陽がついていく。
機内 7時間後。
「ん・・・・?」穂乃果が目をさます。
隣に座って寝ていることりを起こさないように窓を開ける。
そこには盛大に広がる雲があった。
「ん?穂乃果ちゃん・・・?」ことりが目をさます。
「あ、起こしちゃった?」
「ううん。ずっと起きてたの?」
「ううん。今起きたところ。みて!すごく綺麗」
そう言われて景色を見ることり。
「うわぁ!すごい!!!」
「でしょでしょ?」
「うん!楽しかったなぁ・・・」外を見てうっとりする。
「そうだね!いつかまた絶対にみんなで来ようね!」穂乃果が微笑む。
そんな2人の話を聞いて微笑む絵里とレナだった。
成田空港 午後12:00。
「ついたー!」荷物を受け取り伸びをする凛。
「エコノミーで往復ってこんな感じなのね」少し首をさする真姫。
「何それ、嫌味!?」にこががっつく。
「違うわよ」
「二人とも元気やね」希が言う。
「別に元気じゃない」にこがふてくされる。
「そうよ別に・・・」真姫もそっぽを向く。
「真姫ちゃん、曲はできた?」耳元で呟く。
「あ、あれは!」否定しようとする。
「いい曲やと思うけどなうちは」微笑む希だった。
「レナ、あんた曲の方はどうなのよ」にこがレナに呟く。
「なっ!だからあれは・・・」レナが焦る。
「私は結構気に入ってるわよ?歌詞も」ウィンクをする。
「あのなぁ・・・」
「ちょっと・・・何・・・これ」絵里が周りをキョロキョロしながら呟く。
「すごく・・・見られていますね」海未も何かに気づきあたりを見回す。
2人の言う通り空港の至る方面から自分たちを見る女の子の姿があった。
「なんで見られてるの!?」花陽が言う。
「わかんない!どうしよう」ことりもテンパっている。
「まさかっスナイパー!?」穂乃果が驚く。
「ええ!?」花陽が驚く。
「スナイパー!?」凛が花陽と身を寄せる。
「アホか」レナが冷静に突っ込む。
「穂乃果何か向こうから持ち込んだりしてないですか!?」海未が穂乃果の肩を掴む。
「なんにもしてないよぉ!」穂乃果が全力で否定する。
「じゃあ前川がなんか持ってんじゃねーのかっ!」レナが前川の肩を掴む。
「いや、馬鹿キャラだしなんか問題起こしそうな感じしますけど今回に限っては本当に何もやってないっす!!!まじっす!」こちらも全力の否定を始めた。
「あの・・・!」みんなの前に1人制服を着た女の子が立ちはだかる。
「はいっ!」穂乃果の返事と共にみんなに緊張が走る。
「μ’sの綾瀬絵里さんですよね・・・?そちらは東條希さん・・・?」女の子が二人に確認する。
「はい・・・」震えている絵里。まさにポンコツ。
「そうですけど・・・」謎に流暢な標準語が出た希。
「そちらは南ことりさんに高坂穂乃果さん!そして園田海未さんですよね!?」続けて確認を取る。
『はい!』ことりと穂乃果の返事が重なる。
「違います」海未が否定する。
「海未ちゃん!なんで嘘つくにゃ!」凛が怒る。
「だって怖いじゃないですか!?」海未が対抗する。
「あの!大ファンなんです!サインをしていただけませんか!?」何も書かれていない色紙を思いっきり差し出す女の子。
「大ファン・・・?サイン・・・?」穂乃果がキョトンとする。
「ハラショー!是非してあげろよ!」レナが状況を飲み込み笑顔になる。
「いや、あの・・・家業院さんにもサインをお願いします」別の女の子が言い寄ってくる。「へ・・・・?」少し顔を引きつらせるレナであった。
数分後には3つのグループに分かれてサインをするということになり両方に多くのファンが並んでいた。
「一体何がどうなってるの?凛が驚きながらサインを続ける。
「もしかして夢かもしれない!?」穂乃果が驚く。
「一体どこからが夢なの?」ことりが聞く。
「ぬぬぬぬ・・・」海未が困惑しながらサインを書く。
「うーん、もしかしたら私たちの学校が廃校に!?から・・・」
「長い夢だにゃ〜」
「穂乃果ちゃん、ちょっとそれは・・・」ことりが顔を引きつる。
「ぬぬぬぬぬ〜」
もう一つのグループでは・・・。
「全く一体何があってこうなったの?」真姫が少し不満そうに言う。
「優勝してからもこんなこと一度もなかったのにな」レナが言う。
「確かに・・・。そんなにうちらの人気って今までなかったんやろか?」希が言う。
「いや、さすがに・・・」にこが頭を振る。
「すみませーん!家業院、東條、矢澤、西木野の列はこちらが最終尾となってまーす!」必死に案内する前川。
「かわいそうだけどあいつに人は寄らないんだな・・・」レナがそっと微笑んだ。
「ああーーー!!!!」花陽の大きな声が沈黙を生み出す。
「どうしたの花陽!?」絵里が驚く。
「あ・・・・あれ」そう言って空港内の大きなスクリーンを指さす。
「あれって・・・!」希が驚く。
大きなスクリーンには海外でのライブ映像が流れていた。
「ちょっとまて!ネットにも大きく記事にされてる!」レナがケータイを見て言う。
「急に人気になった理由って・・・まさか海外ライブ!?」真姫が気づく。
「とりあえず、サインを待ってる人を消費しましょう!」絵里が冷静になって判断する。
2時間後。なんとか空港から逃れたメンバー。
東京の至るところで自分たちのポスターが貼られていたり、μ’sのPVが流されていた。
午後17:00 路地裏。
「なんとか逃げ切ったわね・・・」にこが一息つく。
「そうだな・・・・」レナも肩を震わせていた。
「こんなに人気になるなんて・・・無理です!ハズカシィ・・・」海未が座り込み顔を覆う。
「まさか・・・夢を見てるんじゃ・・・」穂乃果が再びいう。
「穂乃果ちゃん!」ことりが突っ込む。
「冗談だって!!」
「昨日からのネットの書き込みもすごいことになってます。まさに大成功・・・」花陽がケータイをみんなに見せる。
「それにこんなポスターまで・・・」真姫が迷惑そうに剥がしたポスターを見る。
『みんなでμ’sを応援しよう!!!』9人が写ったポスターに大きく書かれていた。
「でも!こんなに人気が出たってことはライブが大成功ってことでしょ!?そしたらドーム大会も夢じゃないってことだよね!!やったー!!!うれしー!!!」穂乃果がその場で跳ねる。
「まだ、早いわ」絵里が言うと3年組がサングラスをかける。
「レナくん、お願いね」そう言ってウォークマンを渡す希。
「まじかよ・・・・」レナが呆れる。
「この状況をどうにかしないといけないわね・・・」絵里が続ける。
「だって私たち今はスターなんですもの!!!」嬉しそうに両ほほに手をやるにこ。
レナが再生のボタンを押すと70〜80年代を思わせるリズムが鳴り出す。
それと同時に走りだす3年組とレナ。
他のメンバーはそれについていくしかなかった。
『ランナウェイだ ランランナウェイだ
なんなんなんで突然?
ランナウェイだ ランランナウェイだ
いきなり人気者
ああ…まさかの大ブレイク
笑顔で切り抜けて ランランランナウェイ
おかしいな もう一回目を閉じて深呼吸
おかしいな ホントは夢見てるのかな
お互いをつねろう 痛いほどつねろう
消えないねこの街も追いかける人もね
消えない…消えないっ
ありがとうって思うヒマがないほど
びっくりしたままで ?←HEARTBEAT(ハテナハートビート)
幸せは突然すぎるときっと
ハテナから先へとなかなか進めない
さあ、どうしよう? 』
17:40 穂むら。
「本当にすごかったんだからね・・・。お姉ちゃんたちが帰ってくるまでに何人も何人もμ’sはいますかって訪ねてきたんだから・・・」雪穂が少し呆れて言う。
「確かにここはお店だしありえるな・・・」前川が申し訳なさそうにしている。
「でもお母さんもお父さんも売り上げが上がって喜んでるし・・・」
「え、本当に!おこづかいの交渉に行かないと!」穂乃果が机に身を乗り出す。
「そういう問題じゃないでしょ?」花陽が突っ込む。
「だって!私のおかげで売り上げが伸びてるんでしょ!?」穂乃果が反論する。
「馬鹿ね・・・。アライズを見習いなさいよ。いつでもプロの意識を持ち、誇り高く・・・そして優雅に・・・」にこがお茶をすすりながら言う。
『・・・・?』みんなが不思議そうににこを見つめる。
「・・・・うふふふ・・・にぃこぉにぃこぉぬぅい〜〜〜〜〜〜」しばらくすると急ににやけだし気味の悪いフレーズが飛び出した。
「何してるん?」希が呆れる。
「はっ!とにかく!常に見られているということを意識すること!街を出歩く時も服装に注意すること!」にこが我に返り注意する。
「それはさすがに・・・私も」ことりが困った顔で言う。
「めんどくさいにゃ」凛も疲れ果てているようだ。
『そんなことより、もっとやるべきことがあるでしょ?』絵里と真姫の声が揃う。
「やるべきこと・・?」海未が聞く。
「こんなに人気がでたなら・・・・・」真姫が神妙に言う。
みんなに緊張が走った。
翌日 音ノ木坂学院。
「次のライブ!?ないないないないーーー!!!!」全力で中庭を走って逃げる穂乃果。
「お願い!友達に知り合いだって言ったら是非って!!」ミカが追いかけて言う。
「私もなのお願い!!!」ヒデコも追いかけていた。
「はぁ〜大変そうだな」レナがそれを教室から眺めて災難そうに言う。
「本当に・・・真姫ちゃんと絵里先輩の言ってることは正しいわ・・・ってうおっ!!!」前川が振り返り驚く。
「なんだy・・・」振り返るとそこには紐とガムテープを持ち目を光らせたクラスメートが立っていた。
2分後。
「お願い家業院くん!前川!ライブして!」雨城がいう。
『ムーーー!!!!』ガムテープで口が閉じられているため全力で声を出しながら首を振る二人。
40分後 アイドル研究部部室。
「はぁ・・・・」穂乃果とことりが疲れ果てて座り込んだ。
「災難やったね・・・はい、お茶」希が二人にお茶を配る。
「希ちゃんありがとう・・・」そっとお茶を口にすることり。
「もう無理だぁ!!!」勢い良く部屋に入ってくる前川。
「・・・・はらせう・・・」朽ち果てているレナ。
「レナ!?」絵里が驚く。
「どうしたの?」にこも立ち上がる。
「俺たちもみんなに振り回されてたんですけど・・・家業院は特にひどくて・・・」
「・・・もう・・・帰りたい。トイレまで来ることないだろ」涙目のレナ。
「トイレまで来たの!?」穂乃果が驚く。
「人の本気は侮れませんね・・・」海未が呆れる。
しばらくの沈黙がみんなを不安へと導く。
「でもどうしよう・・・。みんな次のライブがあるって思ってるみたいだし」花陽が俯く。
「んー・・・」顎に手をやる前川。
「やるしかないんやない?最後を伝えるライブ」希が澄ました顔で言う。
「え!?」絵里が驚く。
「最後を伝えるライブ?」凛も驚いている。
「そう、結局3年生が卒業すればμ’sが終わるってことは私たち以外誰も知らないんだし。それを伝えるいい機会になるんやない?」
「なるほど・・・」穂乃果が感動する。
「それに、いい曲も準備できてるし」真姫の方を見る。
「!?ちょっと希?」真姫が立ち上がる。
「え?真姫ちゃん曲を作ってたの?」ことりが真姫を見る。
「はぁ・・・。別に歌いたくて作ってたわけじゃないの。ラブライブが終わってからも色々とあったでしょ?だから気持ちを整理するために書いてたのよ」諦めがついたのかウォークマンを取り出す。
穂乃果と海未が片方の耳にイヤホンをつけ音源を聴く。
「この曲・・・」
「いい曲ですね!!」
「いいな!凛も早く聴きたい!」
「私も!!!」
「お、エリチもやる気やね!」
「あ、いや、別に・・・」赤面する絵里。
「海未ちゃん、この曲で歌詞書けそう!?」穂乃果が期待の眼差しをむける。
「ええ!実は私も書き溜めていましたし!」海未も自信を持って穂乃果を見つめる。
「なら!!!レナの曲も聞きなさい!!!」自信満々に立ち上がるにこ。
「なっ!!!にこお前!!」にこなら言いかねないと思っていたのが的中し呆れるレナ。
「え!?レナも曲を書いていたの?」真姫が驚く。
「聞いてみたいわ!」絵里がこちらを見つめる。
「・・・・わかったよ・・・」そう言ってウォークマンを取り出そうとする。
『アイドル研究部の皆さん、至急理事長室まで来てください。繰り返します・・・』
せっかくの盛り上がりをかき消す放送が入った。
「理事長室・・・?」花陽が少し不安げな顔になる。
「行ってみるしかないな・・・」レナはポケットから手を出し歩き始めた。
理事長室に集められたメンバー。理事長は明るい顔で立っていた。
「理事長、お話というのは・・・?」絵里が切り出す。
「ええ、とりあえず皆さん海外でのライブお疲れ様でした。見て分かる通りの大成功でしたね」
「ありがとうございます。それで?」レナが少し冷めた目で見る。
「・・・やっぱり、続けて欲しいそうです。アライズやμ’sが大きく世界に羽ばたけばこれからもラブライブやスクールアイドルの存在が世界に知れ渡る。形はどうあれ続けることを前向きに考えて欲しい・・・と」少しの沈黙の後、理事長からみんなが見て見ぬ振りをしていた課題を持ちかけれた。
「そんな・・・でも、私たちは・・・」穂乃果が何かを伝えようとする。
「わかっているわ・・・」理事長も本心では反対なようだ。
「3年生が卒業するということはμ’sはスクールアイドルではいられない・・・」レナが言う。
「でもそんなことは案外みんなには関係ないのかもしれないわね」真姫が俯きながら言う。
「どうするかはあなたたちで決めてください」
「わかりました・・・」絵里の震えた声をみんなは気にかけることができなかった。
中庭 優しく日差しがベンチを照らしていた。しかしそれさえもみんなには切なさを増加させてしまうものだった。
「困ったことになっちゃったね・・・」花陽が座りこんで言う。
「続けることに意味が有る・・・」凛にもいつもの明るさはなかった。
「いずれ言われることだってわかってた」レナが言う。
「私は反対よ!」にこが切り出す。
「にこちゃん?」ことりが驚く。
「でも、私たちが活動をやめてしまうとドーム大会が・・・」絵里が戸惑う。
「わかってる!でもあの日みんなで決めたじゃない!あの日の想い、言葉は簡単には曲げられない・・・みんな分かってるでしょ・・・」にこが視線を下にそらす。
「私もにこちゃんに賛成。確かにμ’sをここまで大きくしてくれたのはラブライブだけど。そこまで私たちがやらないといけないってのはおかしいと思うわ」
「真姫・・・。穂乃果はどう思うのですか?」海未が穂乃果を見つめる。
「・・・・ごめん。わからないよ・・・」
その時レナと前川のケータイが鳴った。
「悪い、運営本部からだ」レナが言う。
「今日は・・・解散にしない?みんな気持ちが落ちすぎてる」前川が無理やり笑顔を作る。
・・・・・・・・・・。
「・・・・そうやね。じゃ、帰ろう?」無理をして言葉をかける希。
みんなは何も言わず帰路に着いた。
前川とレナは話すことなく本部へと向かう。
いかがでしたか?
ついに映画でいう重いシーンですね・・・。
書いていて切なくなりました。
しかし今回はもう少し暗くなる予定です!
なんだかんだ前川が絵里先輩と呼べるようになってること・・・。
前川を書いていて本当に楽しい!
次回はリフレイン編の本題です!
お楽しみに!
※7月30日にアイドル研究部での会話に変更を加えました!
感想・評価等あればよろしくお願いします!