ラブライブ! ~The another story~ 作:癸楓文音
果たして凛・花陽とはいつ出会うのか…。
今回はスクールアイドルというものを知るお話です。
それではお楽しみください!
穂乃果達との出会いから数日が経った。
しかし放課後前川のゲームセンターへの誘いは続いていた。
◎渋谷ゲームセンター 新UFOキャッチャー前
レナと前川がいつものようにUFOキャッチャーの元へ向かうと、ツインテールの少女が店員にいちゃもんを付けている最中だった。
「何よこのアーム!強度ずっと最弱にしてあるんじゃない!?」
「いえ、そんなことはないです…。それにアームの強さは全て均等ですので…」
「ありえないわ!!!」
そこに足を進めるレナ。
「おい、家業院!順番待とうぜ」
前川が止めようとする。
「えーと…。矢澤先輩?」少女の顔を覗き込む。
「うお!!!!?あんたは確か家業院レナ!?なんでこんな所に居んのよ!?」
「あいつの付き添いです」(なんでこんなにツンツンしてんだこの人)そう言って前川を指差す。
「誰?あれ」目を細め前川を見る。
「あ、どうも前川と申します!家業院、お前知り合いだったのか!」
「一度話したことがあるんだよ」
「ふーん。えーと矢澤先輩?もA-RISEのぬいぐるみを取りに?」前川が訪ねる。
「ええ、そうよ!ってことはあなたもA-RISEを?」
「そうなんですー!俺は後あんじゅだけなんですけど全然取れなくて」
「そうなの?あたしはあとツバサだけ取れてないわ」
にこと前川の会話が弾む。
「あの二人とも。A-RISEって何?」
ポツンと出たレナの質問にに驚きながら二人が声を合わせる。
『え!??A-RISEを知らない!?』
「いや、俺1ヶ月前に日本に来たばっかだし」目をそらすレナ。
「あんたね!A-RISEを知らないでこの東京に住んでるなんて失礼よ!」
「大袈裟でしょ」
「大袈裟なんかじゃねーよ!!!A-RISEってのはな!今全国から注目を浴びている人気沸騰中『スクールアイドル』なんだよ!!!!」
2人とも目を輝かせている。
「スクールアイドル?」きょとんとするレナを見てため息をつくにこ。
「あんた…少しは日本のこと調べてから来なさいよ」
「すいません。いきなり帰国が決まったんで」
「それじゃ、明日A-RISE見に行くぞ!」
「私も着いて行くわ!A-RISEの魅力を教えてあげる!」
「はぁ…。わかりました」(なんなんだよこいつら)
2人の強引さに少し呆れていた。
すると後ろから声をかけられる。
「あの〜順番変わってもらっていいかにゃ?かよちんが今日こそはエレナちゃんを取るって張り切ってるんだにゃ」
猫目のショートカットの少女が立っていた。
「あぁ、すいません!」
レナの謝罪と共に3人がUFOキャッチャー前から退ける。
「ごめんなさい!」
猫目の子の横に居た眼鏡をかけた少女がUFOキャッチャー前に立つ。
するとその少女は深呼吸をして100円を投入した。
『Can I do? I take it,baby! Can I do? I make it,baby!』
歌が鳴り出す。
すると隣でにこと前川がリズムに乗っていた。
「これがA-RISEですか?」
にこが小さくうなずく。
「かよちん頑張って!」ぎゅっとガッツポーズを決める猫目少女。
「うん!!!」勢い良く返事する眼鏡少女。
スイッチに手をやり、まずは横の調整が開始される。
「お!上手い!」にこが叫ぶ。
「ここからだよ!!!!」前川も叫ぶ。
(うっせーよ…。俺この場に居るの辛い)顔に手をやり俯くレナ。
縦の調整が終わるとアームが下がる。
すると見事に眼鏡の少女が狙っていたエレナという女の子のぬいぐるみを持ち上げ景品を落とす穴へと運ばれた。
「やったーーー!!!!」猫目少女が叫びながら眼鏡の少女に抱きつく。
「やったーコンプリートだよ凛ちゃん!」眼鏡の少女も笑顔で抱きつく。
「すげー!!!!」前川が拍手をする。
「ありがとうございます!!」
「じゃあ凛達はもう行くにゃ〜!」
そう言って2人はその場から去って行った。
「今気付いたけどあの子達音ノ木坂じゃない」
「あんなかわいい子いたんですね!」前川が胸に手をやりうっとりとしていた。
「1年っぽかったな」レナが言う。
「なんでわかるの?」にこが意外そうな顔をして問う。
「いや、制服のリボンも青色で鞄も靴も新しかったから」
「お前観察力ぱねぇ…」驚く前川。
「そんな事より!次は俺が挑戦だー!」前川が勢いよく100円を投入。
その後にこと前川は2000円ずつ費やしたが景品は手に入らなかった。
「悔しいわ…」にこが苛立ちを表していた。
「ドンマイですよ」笑顔で話しかける。
「家業院…。少し痛い目を見てもらうわ!!」
「痛い目?」急な展開に驚く。
「来なさい!」
手を引かれて連れてこられた場所はダンスのゲーム機のある場所だった。
「何これ」
「ダンスダンスエヴォリューションよ!」
「これで遊ぶんですか…」
「遊ぶんじゃない!これであなたが負けたらこの後クレープを奢りなさい!」
「はぁ!?急に何ですか」
「良いからお金入れなさいよ!!!」
強引にゲームが始まる。
「曲は私が選ぶわ!」そう言って彼女は難易度星マックスの曲を選択した。
「鬼畜だ…」前川がつぶやく。
曲が始まった。
画面に表示される振り付けに合わせてタイミング良く足場を踏めば良いみたいだ。
テンポもそれなりに早くてやりがいを感じた。
数分後。
『PERFECT!!!!!』の文字がレナの画面に出されていた。
「そんな…。三ヶ月練習した曲なのに。」その場でにこが跪く。
「あ、ランキングインだ」前川が言うと画面が切り替わる。
『Your score is NO.1!!!!!!!』
「はぁ!?1位!?」にこがさらに驚く。
「ハラショー!」自分でも驚きを隠せないレナ。
「すっげー!!!」前川も驚く。
そしてレナは笑顔を見せる。
「先輩!クレープおごってくださいね!」
「むーー。今日はついてない!!!!!!」
にこの嘆きが鳴り響いていた。
すると遠くからそれを見ていた二人。
「凛ちゃん!あの人凄いね!」眼鏡の少女が言う。
「ほんとだね!完璧だったよ!」猫目少女も賛同する。
「凛ちゃん!あの人って家業院レナさんじゃないかな?」
「家業院って最近転校してきた天才少年?」
「そうそう!何でもロシアでいろいろ優秀な成績を残してるって先生が言ってた!」
「そうなんだ!じゃあダンスも上手いのも納得かも!」
「だよね!!!」
眼鏡の少女と猫目少女は二人で解決し盛り上がっていた。
「凛ちゃん!帰りにパフェ食べに行こ?」
「いいよーかよちん!」
そうして二人もゲームセンターを去るのだった。
翌日の放課後。
◎UTX高校前
A-RISEと言うグループが通っている高校に連れてこられたレナ。
どうやら定期的にスクールアイドルのライブが中継されており、校舎前は人で賑わっていた。
ビルにはめ込まれた大きなスクリーンにA-RISEと思われる3人組が現れる。
「キターーー!!!!!」にこが目を輝かせる。
「あんじゅー!!!」前川も負けずに声を張る。
周りの観客もそれぞれの推しメンとやらの名前を叫んでいる。
「んーで、スクールアイドルってなんすか」レナが切り出す。
「スクールアイドルって言うのは、文字通り同じ学校内のメンバーでアイドル活動をするグループのこと!スクールアイドルの発端はこのUTX高校のA-RISEなのよ!!」にこが誇らしげに言う。
「へぇ…」(妙なもんが流行ってんだな…)
「お、始まるぞ!!」前川がスクリーンに指を指す。
するとA-RISEのPVと思われる物が始まる。
まわりの人は皆魅了され言葉を無くし、ただ笑顔でスクリーンを見上げている。
PVが終わると皆拍手をし、それぞれの好きなメンバーの名前を叫ぶ。
「いやぁ、やっぱあんじゅは最高だな!!」前川が落ち着きを取り戻し始める。
「いいや、ツバサね!」腕を組みどこか誇らしげなにこ。
「あのー」レナが話を持ち出す。
「ん?どうした家業院?」
「何が良いんだこれ。踊りもそんなに上手い訳じゃないし」
「あんた!何言ってるの!?何を見てたの?馬鹿なの?」にこがガチトーンの罵声を放つ。
「おい家業院、お前見損なったよ」前川ががっかりした顔でこちらを見る。
「ごめん、前川やっぱり素人の目では見れない。テンポとか、リズムとか、歌とか」
「ああ…。そうかお前は言える権限があるよ…。お前は俺らなんかよりずっと音楽の事を知ってる。それにダンスだって格が違うほど上手い。
でも彼女達には彼女達の魅力があるんだ!踊りや歌も確かにある。でもそれだけではダメなんだよ。それなら誰にだって出来る。あの3人だからこそA-RISEであり、A-RISEにしかない魅力ってもんがあるんだよ!技術を見るんじゃない!感じるんだ!スクールアイドルという物を」前川が少し真剣に語る。
「すまん。わかってるよ。でも俺が日本に来た理由はスクールアイドルを見に来た訳じゃないし。俺があいつを支える日までの間、何をしようと俺の勝手だろ?A-RISEは確かに人気かもしれない。でも俺にはあんまし魅力は感じなかった。それじゃダメか?」
「むう…。そこまで言うなら仕方ないな」前川が了承してくれた。
しかしにこは少し不機嫌そうだった。
「どうしたんですか?矢澤先輩?」
「何もないわよ…。私だってアイドルになりたかった…」
「?」二人には何を言ったのか聞こえなかった。
「今日はもう帰るよ。前川、この辺に和菓子?っての売ってる所ないか?食べてみたいんだが」
日本に帰国して日本食という物に興味を持っていた。
「この辺ねぇ…。そうだなー穂むらってとこが有名だな」
「穂むらか、調べて行ってみるよ。ありがとう」
「おう!俺もう少し見て帰るから先に帰っててくれ」前川は再びスクリーンを見上げる。
「私も今日は帰るわ」にこはそう言って自分の帰路へとついた。
◎穂むら
「なんか、いかにも和って感じだな」
建物の外見に魅了される。
「すみませーん」ドアをくぐり店の中の人に話しかける。
「はーい!いらっしゃいませ!!」奥から出てきたのは中学の制服を着た女の子だった。
「あれ?中学生?」意外な人物が出てきた事で目が点になる。
「すみません、実は今お母さんが町内会の会議に行っちゃってて私が店番をやってるんです」女の子が申し訳なさそうに言う。
「そうなんですか。俺物心つく前からロシアに居て、つい先日帰国したんです。だから日本の料理とか和菓子ってのに凄く興味があって友達に聞いたらここがいいって」
「そうなんですか!?まぁこのへん和菓子売ってる店なんて少ないですからねー」
「じゃあ商売繁盛ですね」
「案外リピーターも居てくれるんですよ!」
「へー!じゃあおいしいんだ!おすすめってありますか?」
「んーやっぱり団子とおまんじゅうですかねぇ」
「団子とまんじゅう?どれですか?」
「あ、人気の商品はこれですね!」
そう言って女の子は丸い餅の様な物にひらがなの『ほ』とだけ書かれた物を指差した。
「穂むらまんじゅうってやつですか?」
「そうです!この店の最初の商品なんです!実はですね、家族の女性全員が穂むらの穂って字が入ってるんですよ!」
「そうなんですか!じゃあこの穂は大事な文字なんですね」
「そうなんです!どうしますか?」笑顔で聞かれる。
「うん!じゃあこの穂むらまんじゅう5個下さい!」
「まいどあり!ありがとうございます!」
会計を済ませようとした時、奥から銀髪の女の子が出てきた。
(どうしてここに!?)
目の前に現れたのはエリチカの妹、絢瀬亜理沙だった。
「もう雪穂遅いよ!はやくゲームの続きやろ!」
「ごめんごめん、お客さんいらっしゃったからさ!」
「え?お客さん?どこ?」亜理沙が周りを見渡す。
「なに言ってんの?ここに居るじゃ…。あれ?居ない!でもお金はおいてある!しかも一万円!?おつり渡しそびれたよ!」
「ハラショー!!!でも雪穂のお店、また来る人多いからきっとまた買いにきてくれるよ」微笑む亜理沙。
「だと良いんだけど…」少し不安な顔をする雪穂。
穂むらから数十メートルダッシュしてきたレナ。
「はぁ、はぁ。あぶねえ…。死ぬ…。なんでこんな所に亜理沙が居るんだよ…。今気付かれたらおしまいだ…。当分あの店行けねぇよ」
息を立て直し帰路に着いた。
いかがでしたか?
ゲームセンターにて凛と花陽との出会いがありました!
しかしまだ互いの名前も知らない感じですね!
UTXでアライズを見たときのレナの反応…アライズファンを全て敵に回す発言ですね(笑)
次回、ついに彼女たちが動きます!!!
感想・意見があればお願いいたします!!!