ラブライブ! ~The another story~   作:癸楓文音

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前回ついにμ’sが結成!
しかしファーストライブは大成功とは言えなかった…。
そしてさらに生徒会長であるエリチカから発せられた言葉によって少し落ち込んだレナ。
しかし彼は立ち直ることができました!

今回はまきりんぱな回です!
僕が書きたいと思った回ランキングトップ5に入ります!

それではお楽しみください!


5話:憧れと勇気

前川に誘われ教室で昼食をとっていると数人の女子が話しかけてくる。

 

「家業院くん!ここの英語これで合ってる?」ワークの解答欄を指差しながら聞いてくる。

「ん…ここはhadじゃなくてhad beenだね」笑顔で答える。

「あれ?…あ!そうか!ほんとだ!ありがとう!!!」笑顔に変わる女子。

「他にはない?」

「うん!ありがとう!」

「どういたしまして」

 

 

「さすが天才少年…。うらやましいわ」前川が細めた目で睨んでくる。

「何だよ。お前だって勉強すればわかるようになるはずだろ」

「勉強したくねーんだよ!まず第一にお前みたいな瞬間記憶能力なんてチート能力俺にはないの!」

「はいはい、少しは努力してから物を言え。ほら、もうすぐテストなんだろ?皆真剣に問題集と向き合ってるぞ?」

 

「むぅ…」

「じゃ、俺はまた屋上に行くから、なんかあったら呼びにきてくれ」

「おう!俺今日は部活もないしどっか遊びに行こうぜ!」

 

「了解、近くに人気のメイドさんが働いてる喫茶店があるらしい。行ってみるか?」

「お、いいねえ!バイト代も入った事だし!行ってみるか!」

「おっけ、じゃあ放課後メールでも送ってくれ」

「了解した!じゃあな」

 

 

教室を出ると以前見かけた眼鏡の少女が廊下に置かれている机の上のプリントを眺めていた。

 

(確か…かよちんとか呼ばれてたっけ?何見てるんだ?)

 

すると遠くから見覚えのある少女が走ってきた。

「かーーよーーーーちーーん!」元気な少女がかよと呼ばれる少女に抱きつく。

 

「あ、凛ちゃん!どうしたの?」

「かよちんを探してたんだよ!何してたの?」

「えーーと…」少し俯く少女。

「ん?あ!この前のスクールアイドル!メンバー募集してるんだ!…かよちん!やるべきだよ!」

「え!?無理だよ私には…」

 

「そんなことないよ!かよちんはとってもとっても可愛いもんっ!」

「…凛ちゃんのほうが可愛いよ」

「凛はアイドルみたいな可愛い格好似合わないよ!」

「そんなことないよ!」

「もう!かよちんもしぶといにゃ!もうすぐ体育始まるよ!」

「あ、もうこんな時間!?凛ちゃん急ごう!」

「うん!」

 

そうして二人は走って行った。

 

「…見たところ、かよって子はアイドルに憧れているのか?」一人でつぶやくレナ。

 

「そうみたいだなぁ!ああ、凛ちゃんかわいいなぁ!!!」

隣で拳を握りしめながら笑顔の前川。

 

「っ!?お前居たのかよ」

「居たも何も、お前教室から半身で廊下覗いてたら怪しいだろ!」

「…確かに」

「天才なのにこういう所は抜けてるんだな」

「うっせーよ!じゃあな」早足で屋上へ向かう。

 

 

 

 

◎メイド喫茶 放課後

 

フリフリの衣装を着たメイドがお出迎えをしてくれた後少し高めの注文が運ばれてきた。

「お待たせしました!ご主人様!ラブラブカプチーノと愛すココアでございます!」

「どうも」

「あざす!!」かなり元気のいい前川。

「うっせーよ」

「だって!あの伝説のメイド、ミナリンスキーさんがコーヒー持って来てくれたんだぞ!」

「ミナリンスキーさんねぇ…。ってあれ、南じゃないか!?」

 

「南?ことりちゃん?そんなわけねーだろ!第一ことりちゃんは今頃ダンスの練習を…って激似じゃねーか!!!!!!!」

「激似も何も、あれは南だろ!?」

 

「本当に本当なのか?確かに今ラブラブカプチーノを持ってきた時意地でも顔をこちらに見せようとしなかった…。ってきり俺に惚れたのかと思ってた」

「お前まじめに一回死んで来いよ」

「うっせーな!っでも、あれが本当にことりちゃんなら、すげーな」

「ん?すげー?」

 

「おう!こんなに人気出て、ダンスもがんばって偉いなって」

「お前の事だから音ノ木の皆にバラすって脅して何かしらすると思ってたわ」

 

「ちょっとまじめに酷くない!?」

「お前ならやりかねんだろ」

「なんて酷い印象なんだ俺は!」立ち上がる前川。

「周り見ろよ」

辺りを見回すと多くの客が前川を冷たい目で見ていた。

 

「うわああぁぁぁぁぁ!!!僕はそんな人間じゃありませーーん!!!」

 

男の切ない叫びが鳴り響いた。

 

 

 

 

翌日

 

◎中庭 昼休み

購買でパンを購入した後、校舎を歩いていると木陰のベンチに一人暗い顔をしたかよと呼ばれた少女が座っていた。

(行ってみるか…)

 

「…はぁ」ため息をつく少女。

「相席いいか?」話しかけるレナ。

 

「え!?あ、えっと、ど、、、どどうぞ!!!」

「ありがと」

 

「え、え、、っと確か、家業院さんですよね?」

「ん?名乗ったっけ?」

「い、いえ、家業院さんは1年生の女子から凄く人気があるんです!」

「んーそうなの?」

「はい!」

 

「そうなんだ。じゃ、お前の名前は何て言うんだ?かよ?」

「え!?かよ!?…あ!私小泉花陽といいます!きっと凛ちゃんがかよちんって呼んでるからそう思ったんですよね!」

 

「ああ、じゃあ小泉でいいや。(花陽を読み方変えてかよか)元気無いみたいだけど何かあったのか?」

 

「はい…。実は、私アイドルが大好きなんです」

「知ってる」

「え!?」

「あ、悪い。実は昨日の昼休みに小泉ともう一人の女の子がμ’sのプリントを眺めてたときのやり取りが聞こえてたんだ。だいたい、アイドルに憧れてるってのは聞いててわかったよ。それに、ゲームセンターの件もあるし」

 

「そうなんですか!?確かにあそこ、2年生のフロアですもんね」

「ああ、それで?アイドルが好きで困る事あるのか?」

 

「はい…。実は私μ’sに入りたいんです。でも、体力もないし、ハキハキと人前で話す事も出来ません。今日だって国語の朗読で途中で人を変えられるくらいに声が小さくて」

「なるほどね、んで、憧れてるのを知ってる凛って子が小泉に早く入れって急かすのか」

 

「はい…。でも、もう一つあるんです」

「もう一つ?」

 

「はい。今日の朝、飼育委員でアルパカさんのお水を交換しに行ったんです。そしたら高坂さん達がいて、私にμ’sに入らないかって」

「なんで承諾しなかったんだよ」

「怖くて…。私なんかが出来る訳ないって思っちゃって」

「なるほど」

 

「それならまだ良いんです。私本心でずっと思ってた事を言っちゃったんです」

「本心?何を言ったんだ?」

「西木野さんが…良いと思うって」

「に、西木野!?あいつをμ’sに!?」

 

「はい…。西木野さんはピアノも弾けるし、可愛いし歌も上手だしスタイルもいいから絶対アイドルになった方が良いって。でも昨日西木野さんは親の家業を継ぐために進路は医大に決めてるって…」

「なるほど。で、お前はどうしたいんだよ」

 

「欲を言えば、凛ちゃんと西木野さんと一緒に歌って踊ってみたいです」

「なるほど」

 

 

しばらく沈黙が続く。

 

 

「それを導けるのはお前だけじゃないかな」

 

「え?」

「アイドル、憧れてんだろ?そんでもって憧れの存在に近くなるためには、その2人が必要ってことだろ。ならお前しかその2人は導けない。お前にしか出来ない事なんだよ」

「私にしか出来ない事?でも、私体力もないし、踊りも全然踊れないし」

 

「そのことだけど、俺放課後はいつも屋上で本を読んでるんだ。音ノ木に入って1ヶ月、何もなかった。だけどいきなりあの3人が踊りの練習を始めた。最初は形にもなってない、歌が終わると息を切らしていた。でも毎日練習してるといつの日かそれが普通になって息を切らさなくなり、踊りにキレがでてたんだ。今でも放課後は屋上で練習してるんだよ」

「毎日の練習…」

 

「そう、やりたい事だから向き合える。やりたいから頑張れる。誰だって最初はできないもんだ。がむしゃらになって夢に向かって進むんだよ」

「夢に向かって進む…。そうですよね!!私今日、凛ちゃんと西木野さんに話してみます!!!」笑顔を見せる花陽。

 

「元気出たか。そう、アイドルは笑顔が大事だぞ」

「あ、ほんとだ」より笑顔になる。

「これ、一応俺のアドレス。何かあったら連絡して来い」

「わぁ!!ありがとうございます!!」

「おう!じゃあな」

「はい!!」

 

 

歩き出したレナ。

 

 

(これで良いはずだ。やりたいなら俺が背中を押してやれば良いんだ。ってか、アルパカってなんだよ!?めっちゃ気になるんだが…。後半もうそれで頭いっぱいだったわ!見に行こう)

 

 

 

 

◎アルパカ小屋

 

「?」白い毛をした目のつぶらなアルパカがこちらを眺め首を傾げる。

「…。はらしょー…」

「ふしゅーーー!!!」茶色い毛をしたアルパカが威嚇してくる。

「こいつも…可愛い」

「ヘッヘ〜!」褒められてご機嫌なのか威嚇をやめて少しにやけて歯を見せる。

 

「お、落ち着いたか。(マジでアルパカじゃねぇか)最近この学校に来たんすけど、これから2年近くお世話になります。よろしくお願いします!」

 

「ふぇ〜〜〜〜〜〜(くるしゅうない)」

「…多分喜んでる?じゃ、失礼します!」そそくさとその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

◎1-1教室 放課後

花陽が真姫と凛を呼び出していた。

 

「話ってなーに?かよちん?」

「そうよ、私に何か用?」

 

既に涙目の花陽。

 

 

「あの…実はね、3人でμ’sに入りたいなって」

「え!?凛が!?」

「ちょっと待って!昨日言ったでしょ!?私はもう進路決まってるって」

 

「っでも!!!この高校生活は人生で一度きりだよ!?最高にしたいの!西木野さんと凛ちゃんには可愛い服が似合うと思う!好きな事をして夢を叶えたいって思うんだ!」泣きながら強く言葉を発する花陽。

 

「かよちん…。凛はアイドルなんて似合わないよ…」俯く凛。

「そんなことない!」

「あるもん!」

 

「アイドルにずっと憧れてきて、たくさんアイドルを見てきて皆可愛いと思った!でもその可愛さにも負けない可愛さに元気をいっぱいもらったの!だから今度は私が凛ちゃんを笑顔にしたいの!」凛の袖を握りながら言う。

「かよちん…」

 

「西木野さんのピアノと歌声本当に好きなの!1年生にこんな素敵な人がいるんだって思った!」真姫の袖にも手をやる。

「…」

 

「私、2人と一緒にアイドルがやりたい!2人がいれば不思議と勇気が湧いてくるの!だから、お願いします!!!」

 

涙でぐしゃぐしゃになった顔。

初めて人に見せる表情だ。

 

 

しばしの沈黙。

 

 

「…負けたわ」切り出す真姫。

「え?西木野さん?」

 

「ちょっとやってみたいと思ってたのよ。ちょっとだけ。小泉さんの強い思いが伝わって来たって言うのかしら…」顔を赤める真姫。

「西木野さん…ありがとう!」花陽が笑顔になる。

「…凛もやってみたい。かよちんとなら頑張れる!一緒に頑張れる!」

 

 

「凛ちゃん!!!!」抱きつく花陽。

「ちょっと、悪いけど私も居るのよ!」

「じゃあ西木野さんもぎゅっとするにゃあ!!!」真姫を引っ張り抱きしめる。

「ちょっと、暑いわよ!」

「ぽかぽかだにゃ!」

「ありがとう2人とも!」

 

 

「じゃあ、明日にでも入りたいって申請しましょ?」真姫が切り出す。

「ううん!今すぐ行こう!!!屋上で練習してるんだって!」走り出す花陽。

「かよちんはスイッチ入ったら止まらないにゃ!」追いかける凛。

「ちょっと待ちなさいよ!」遅れて走り出す真姫。

 

 

 

 

 

◎屋上

いつもの本を読んでいた。下では穂乃果達3人の会話が聞こえる。

そんな時勢い良くドアが開いた。

 

「すみません!!!!」花陽の声だった。

「ん?どうしたの?」穂乃果が対応する。

 

 

「私たちをμ’sに入れてください!!」

 

 

「え!?」海未が驚く。

「あの日ライブを見て、感動して、やってみたいって思ったんです!」凛の声だ。

 

「私が曲を作らないと、新曲できないでしょ?」真姫の声も聞こえた。

 

 

「皆さん…」驚きを隠せない海未。

 

「3人とも!!!大歓迎だよ!!!」ことりが立ち上がり1年生3人の元に駆け寄る。

 

「今日からμ’sは6人だね!!!頑張ろう!!!」穂乃果が声を上げる。

『おー!!!!!』皆の声が響く。

 

 

 

『希先輩、今日でμ’sが6人になりました。加入した3人も夢や希望を持っていて、ますます応援したくなりました。エリチカの事頼みます』

 

「送信完了と」ケータイの電源を切る。

 

 

 

 

 

◎花陽の部屋 

お風呂上がりの幸せな時間にケータイを開く花陽。

「家業院さんに連絡しなきゃ!勇気を出せましたって!」

 

 

『家業院さん、小泉です!私達μ’sに入れました!凛ちゃんも西木野さんもアイドルがやりたいって言ってくれました!相談に乗ってくれてありがとうございました!』

 

「送信!」

 

 

数分後ケータイが鳴る。

「あ、返信だ」

 

 

『俺は放課後、屋上で本を読んでるって言ったろ?だから放課後の屋上での出来事は何でも知ってる^^ おめでとう!お前達なら夢を掴める!がんばれよ!』

 

「あの時、居たんだ!!家業院さんがいてくれなかったら私勇気を出せなかった…。結果は良い方向に進んだんだもんね!6人で頑張ろう!!!」

 

部屋の電気を切り、一日を振り返りながら幸せな眠りについた。

 




いかがでしたか?

アニメとは少し違った感じの加入決意シーン。
僕はレナがいることで少し勇気を出す花陽を書いてみたかったのです!

夕暮れの差す屋上で1年生組が2年生組に入りたいと頼んでいるのを笑顔で聞いている景色…。
なんだか素敵じゃないですか?


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