……以上」
束「それだけっ!?」
第15話 死神
夜襲が終わり本部へ帰った。
そして今の時間は夜中の2時。
誰もが寝ているであろう時間に僕は今、屋上から見える綺麗な星を眺めている。
だが頭の中で考えている事はこの綺麗な星には到底似合わないものだった。思い出すのは、遠くから聞こえた僕が撃った迫撃砲の爆音。
ヘリを撃ち落とした時の無線から響く
クロタルが爆発し吹き飛ぶ人間。
人を殺した。それも大勢。
本部の図書館で戦争について本を読んだ事があった。そして最後の締め括りに
《戦争に正義はない。それは戦勝国も敗戦国も同じだ。あるのは人が大勢死んだと言う悲劇だけだ》と。今日、少なくとも300人の人生が終わった。そして300人の家族も悲しむ。
「しのあ。こんなところにいたのか」
「……オータム?」
「そんな薄着で屋上に居たら風邪ひくぞ?」
「オータム……どうして……ここに?」
「ん?ああ。なんとなくだ」
「僕は……悪者?」
「……いきなりどうしたんだ?」
「今日……いっぱい……殺した……から」
オータムは、ああ。と言うと頭を撫でてくれた。たば姉様達と違って少し乱暴だった。だけど安心する。
「そうだな。どんな理由があっても人殺しは人殺しだーー」
「そう……だよね……」
「だが、気にするな。人間ってのは複雑だ。時には反目しあい、時には手を取り合うだろ?意見が合わないなら喧嘩だってする。しのあはなんで今日戦ったんだ?」
「みんなを……危険な……目に……合わせたく……ない」
「あるじゃんか。立派な理由だ。誰かを守りたい。それだけで十分だ。私は思うんだ。殺し合いってのは理由によるが人間らしいと思う」
「人間……らしい?」
「ああ、生きてりゃ喧嘩もする。当たり前だ。誰もお前を責めないよ」
「そっか……人間……らしい」
人間らしい。僕はちゃんとした一人の人間なんだね……。
そう思うと不安が少し薄れていく。
「オータム……ありがと……」
夜更かししすぎだのか少し眠くなってきた。
「気にすんな。元気出たか?ーーって寝てんのか。可愛いな。こんなところで寝てたら風邪ひくぞっと」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「……あれ?……ここは?」
「起きたか?」
「オータム?」
目が覚めるとオータムの部屋だった
確か……昨日そのまま寝たんだよね?
「ああ。昨日屋上で寝たから連れてきた」
「えっと……ありがとう」
「別にいいぞ。寝てる間に悪戯できたしな」
最後の一言で感謝の気持ちが吹き飛んだよ……。
「昨日働いたんだし、今日はゆっくり休めよ」
「今日は……ISの訓練……する」
「そうか。程々にしろよ」
「分かった」
みんな今日は忙しいらしい
たば姉様とマドカはイサやミーナに何か頼まれ、オータム、スコール、カメリアは昨日の後始末。クロエはたば姉様の手伝い。
なので今無人島に一人できている。
この無人島は亡国機業の訓練島で、戦車に見立てた動く的や空にはドローン。そしてその一部は反撃してくる。
最初にするのは榴弾を戦車に当てる訓練。昨日外したのは悔しかった。
(照準完了。いつでもいい)
戦車との距離は射程距離ギリギリの8000m。
まずは止まって当てる。
(了解。リン行くよ!)
ポンという迫撃砲特有の音を上げ2発の榴弾が飛ぶ。
止まっている時は当てやすい。
(命中)
(よし。次は動きながら)
(分かった)
次は左に横移動しながら撃つ
少しずれて戦車の左側で爆発した。
(少し修正して)
(ん……修正した)
(次は当てるよ)
榴弾はそのまま戦車に命中し爆発した。
(もう一回やる……偶然かもーー)
(しのあ。何か来る。識別コードなし。味方ではない。マッハ1で接近中)
(距離は?)
(距離約300km後15分弱で到達する)
(装備は……全部揃ってる)
(しのあ迫撃砲外す。IS戦闘。迫撃砲邪魔)
(分かった)
迫撃砲を外し、機体を軽くする。
(システム異常なし。機体装備異常なし)
(……)
ゴクリと喉の音がなる。
近づいてくるISは敵かもしれない
思えばISとの実戦は初めてかもしれない
(しのあならやれる)
(……うん)
最後に装備を試射し準備万端。
(……!くる!)
(黒い機体……?)
500m程離れた場所に現れたのは禍々しい程の一面黒の機体。死神のように大鎌を持ち顔には仮面を被っている。
「誰」
「私か?お前を黄泉へと導く者だ」
声は人間のような声ではなく機械の声で、不気味さを増していく
「なんで……僕を……狙う?」
「……」
答える気はないのか、大鎌を振り上げスラスターを蒸し襲い掛かってきた。
「そう……なら……仕方ないね!」
僕もスラスターを蒸し死神に近づきながら76mm重機関銃を連射する。
だが消えるかのように左右に避けられる。
「当たら……ない!」
76mm重機関銃を仕舞い
「無駄だ」
と馬鹿にするように言うと大鎌で重斬刀を防ぎ、そのままペン回しのように回転させ斬りかかってくる。
「かかった……ね!」
重斬刀を防がれるのは予想していた。大鎌にワイヤーを絡め動けなくし電気を流す。が電気が効かない、そこでさらに力を加え大鎌を切断する
「くっ!貴様!」
すると死神が黄金の柄の剣を取り出す。
「ティルヴィングの錆にしてくれる!」
「ティル……ヴィング?」
以前読んだ神話に出てきた。
ほとんど覚えていないけど
確か悪しき願いを3つ叶えると所持者が死ぬ魔剣。
「1回目だ!くらえ!……っ」
「っ!」
一瞬、スピードを落とす必要はないのに死神のスピードが"落ちた"。
その隙に重斬刀応戦するが
鉄を容易く切り落とす重斬刀が綺麗に切断された。
(しのあ。敵の武器、シールドエネルギー1/3を武器に注ぎ威力をあげる)
「だから……ティルヴィング……なんだね」
「次で最後だ!」
まともに応戦したら負ける……
「まて!逃げるな!」
スラスターを全開にし一気に離れる
マッハ1.2。少し余力を残す。
当然死神も追ってくる。
マッハ1.2程。
このままいけば追いつかれる。
だけどそれが狙いだ
「逃がさんぞ!」
死神がティルヴィングを両手で降りかかってくる。
僕はスラスターを足以外止める。
そして宙返りし死神の後ろに付く
そこでワイヤーを出し機体に絡め
両手を塞ぐ。
「離せ!」
死神は逃げるべく必死にもがく
スラスターを全開にして。
「答えて……なんで……狙ったの?」
「……義姉の仇だ」
「義姉の……仇?」
「そうだ!昨日お前が伏兵を撃破しなければそのまま復讐出来た!」
「復讐は……何も生まれない」
「五月蝿い!お前に何がわかる!?3年前、居場所のない私を拾ってくれた!毎日寒い中外で寝て、食べるものがなくても誰も助けてくれなかったのに!」
「……」
「……!なぜ離す!情けをかけたつもりか!」
死神は僕の機体の肩を掴み大きく揺らす
「君の……お義姉さんが……イサのお父さんを……殺した……事は……知ってるの!?」
「……義姉はそんな事しない!」
「君だって……君だって!お義姉さんの事……何も……知らない!」
「ーーっ!そんな訳ない!」
「なら……お義姉さんの……仕事は!?」
「……そんなの知らない……けどそんな人じゃない!」
「ほら……何も……知らない!……君の義姉は……亡国機業の幹部……総長が男でーー」
「黙れ!」
死神は足で僕の腹部を蹴ると後ろへ下がった。
「最後の一撃で殺す!いくzーーなんだ?……わかった帰投する……。運が良かったな。次会った時それがお前の最期だ!」
死神は仲間からの連絡か何かを受け全速力でこの場を離脱していった。
コルク「ちょうど3000文字」v(*'-^*)ゞ
束「途中名言出てきたけど誰の?」
コルク「え?自分のですけど?」
束「……一気にありがたみが薄れたよ〜」
コルク「酷っ!?そういえば今日は終戦の日だね。改めて考えさせられるよ」
束「だね〜。平和を維持して70年。これからも平和国家として国際社会に貢献してほしいね〜」
コルク「うんうん」
コルク「誤字・脱字等あれば指摘お願いします」
束「感想・評価等待ってるね〜」