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すごく嬉しいです!\(^o^)/
シリアス回は今回で終わりの予定です。
初っ端からシリアス長引きました……(汗)
第8話 別れ
激痛で目が覚めた。
「ーーっ!!いたい」
骨が折れた右手首には包帯は巻かれず。
乾いた額の血はそのままで
身体中あざだらけだった。
朝か夜なのか時間は地下の為分からない。
牢獄みたいに鉄格子に四面を囲まれた部屋の入り口付近に黒いパンとコップに水一杯が置かれていた。
どうやらこれがご飯みたいだ。
お腹が減っていた。
「〜〜っ!」
パンを取ろうと体を動かしたら激痛がはしった。
動かしてもそれほど痛くない左手で進む。
僅か1Mの距離を数分かけて辿り着いた。
パンは長時間外気にさらされたせいで、すっかり硬くなっていて
到底食欲が湧くような物ではなかったが、それすらを空腹が上回っていた。
「……はむっ……かたひ……んくっ」
硬いパンを水で無理やり流しこんだ。
パンを食べては水で流す。
ただそれだけを繰り返し半分ずつ残し食べ終えると鉄格子の外に気付いた。
そこはまさに奴隷小屋。と言う言葉が合う場所だった。
向かいの部屋には古くぼろぼろになった服を着て力なく寝そべる少女、
隣を見てもそれは同じだった。
改めて自分の部屋を観察すると
自分以外の血の跡、爪で引っ掻いた跡。あまりの酷さに思考が追い付かず、思考が停止する。
すると隣の痩せ細った同じくらいの歳の女の子が話しかけてきた。
「……ねぇあなた新しい人?「えっ?……そう……だよ?」ならパンや水は取っておいたほうがいいよ?配られるのは1日1個と1杯のみだから……」
1日1個……
すると隣の女の子からくぅ〜とお腹の音が鳴る。
「……これ……食べる?」
少女は驚いた顔をした。
「えっ……いいの?」
「うん……いい」
その女の子はパンを半分に千切ると
半分返してきた。
「全部は……貰えないよ……その……ありがとう」
ぺこりと頭を下げお礼を言ってきた。
「僕は……しのあ……よろしくね」
「私は……86番……いえ、アーシャよ」
「アーシャ……いい名前」
「ふふっ……ありがとう。大好きなお母さんから貰った名前なんだ。しのあちゃんこそ可愛くていい名前よ」
「そうなんだ……。僕も……この名前……貰ったんだ……それと……僕は……男だよ?」
「えっ?……嘘!男の子だったんだ!……でも此処ってIS動かせる子が入れられる場所なのに……」
「僕も……動かせるんだ……」
「えっ?男は動かせないはずなのに……なるほど。男で動かせるから研究所に入れられたのね」
ちょっと違うんだけどね……
「アーシャは……ここにどれくらい……居るの?」
「私は……半年前、両親とイギリスへ旅行に行った時に列車事故で死んじゃって、IS適性があった私はデュノア社に買い取られたの」
「そう……なんだ……」
「そういえば……あの子元気かなぁ
「あの子?」うん。セシリア・オルコットちゃんって名前の金髪の女の子と仲良くなったんだけどね
話しているうちに事故に遭ったんだ。セシリアちゃんの両親も亡くなっていたから……今頃元気かなぁ……」
「きっと……元気だよ……」
「うん。そうだよね!」
それから毎日アーシャと会話した。
訓練という名の暴力を受け、疲れ切った時もアーシャと会話する。
それだけが唯一の楽しみだった。
ここから出れたら2人で行きたい場所や、食べたい物とか話したり、お腹が空いている時はお互い少ない食べ物を共有した。
いつからか鉄格子を挟んで手を繋ぎながら寝たりするようになった。
だがある日アーシャは帰ってこなかった。
だけど僕は待ち続けた。
次の日も
その次の日も
一週間経っても……
結局帰ってこなかった。
それからは独りだった。
真っ暗な鉄格子の中で。
手を繋いだ時に感じた温もりはもう感じられない
僕は決めた。
「……復讐しよう」
もし出来るのであれば
ここの研究員を皆殺しにしたい
もし出来るのであれば世界中の人体実験場を襲い
非道で残酷で愚かな人間共を粛清したい
僕はここで学んだ。
この世界は理不尽で醜くて
欲望に取り憑かれた人間の巣窟。
「壊す……」
そしてまた数日たった。
僕はまたボロボロだった。
一対多とかいう訓練でボゴボコにされたり
肺活量を増やすと言って
水槽に沈められたり
極限状態まで追い込むと言って
食料を貰えなかったり。
会う人会う人に人間として扱われず
同じ境遇の筈の女の人達にもストレスの捌け口にされ
言うことを聞かなければ鞭を打たれる。
人間を信用する事が出来なくなった
だが得る物もあった。
それはISコアの意識体(リン)だ。
僕はIS操縦に必死に頑張って慣れ
一次移行を成功させた
待機状態はあの兎の耳。
真っ白で何もない空間でリンに出会った。
ISには意識が存在する事を教えてくれた。
リンは大人しい子で今まで見守ってきたのだと言っていた。
(しのあ。元気出す)
(リンありがとう)
リンは時々心配そうに話しかけてくれる。
(しのあ。誰か来る)
(え?今日は訓練終わったし何もないはずなのに……)
(2人女性。うち1人少女)
少し急いでいるような足音が聞こえる。
そして鉄格子の扉が開かれ懐中電灯の明かりがつく。
それはシャルだった。
涙を流しながら駆け寄ってきて抱きついてきた。
「……シャル?」
「そんな……しのあぁ……遅くなって……ごめんね!!……早く逃げて。この人はオータム」
そこに居たのはロングヘアーで気が強そうな女性……シャルと逃げた時に追ってきた女だった。
「お前……!この前の……!」
「そんな警戒すんな。お前を助けに来てやったんだからよ」
「……たすけ?」
「ああ」
「ほんとう?」
「しつけーな。助けてやるって言ってんだろうが」
もう、ここに居なくてもいいの?
そうなんだ……
「ングッ……ぅ」
「泣くなよ。見つかる前にとっとと行くぞ」
「しのあ……また会おうね!」
「シャル……来ないの?」
シャル一緒に行かないの?
side out
side シャルロット
「シャル……来ないの?」
しのあにそう言われた。
正直一緒に行きたい
そしてずっと一緒に居たい
でも、私にその資格はない
計画ではこうだ。
しのあをオータムと私で救出する
そして一緒にオータムの所へ行く。
単純だ。
でも私は行かない。
ここへ来た時、しのあの姿を見て凄く後悔した。もっと早く助けたらよかった。と
顔はアザだらけの血だらけ
ボロボロになった服から見える肌も汚れきっておりそしてアザだらけ
右手はおそらく骨折。
重症、その一言に尽きる。
予想外だった。
しのあは唯一の男操縦者。
もっと大事に扱われていると
そう思い込んでいた。
だが現実は違った。
それに対して私はどうだ
毎日いい部屋で寝泊まりして
美味しいご飯食べて
お風呂に入って、寝る。
何かあればミッシェルがしてくれて
まるでお姫様だ。そしてそれに対して満更でもない自分が居た。
しのあが捕まっているのを知っていて呑気にいい暮らしをしていた。
私は最低な人間じゃないか!
これではあの最低な父親と何も変わらない!
だから私は決心した。
次、しのあと会う時までに強くなる!そして……しのあを"僕"が守る!
次こそは……!
力なく横たわる、しのあを抱き
連れて行くオータムの後ろ姿を見ながら僕はそう誓った。
side out
来週予定。
第9話に入る前に設定などを投稿する予定です。
次回。例のあの人……ヴォル……ゲフンゲフンではありませんが登場します。
そしてオリキャラも登場します。
☆お楽しみに☆
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