ですが、放送中のアニメ『ブラック・ブレット』8~9話のティナのシーン集をエンドレスで3時間くらいループしてたら、なんだかどうでも良くなりました(白目
ふふふ、内定なんて、内定なんて無いんだ……
あ、1万文字超えたので、半分にカットしました。基本的に、3000~5000字前後になるよう調整していますので、ご容赦を。
カットした後半は、明日更新します。
もしかしたら、3つに分割するかも
27:揺れるセカイ
Side.Fate
その日、私とアルフは街でジュエルシードの探索をしていました。
ジュエルシードを強制発動させるために、アルフが魔力流を周りに打ち込んでくれたんだけど――――
「……アルフ、やっぱりこれってジークに迷惑かけちゃわないかな?」
「そうは言ってもねぇ…。これでフェイトに封時結界を張って貰っちゃ、アタシが代わりに魔力流を打ち込んだ意味が無いじゃないか」
うん、確かにそのおかげでジュエルシードも見つかったし、私は魔力を温存できた。
でも、……大丈夫かな?
「……怒られない? ジークが怒ったら……」
「そ、その時はその時さ。ほらそれに運良く近くにいた白い子の使い魔が、代わりに結界を張ってくれたみたいだし」
……ちょっとアルフの声に震えが混じった。
正直に言って、怒ったジークと戦いたくない……それに戦っても勝てる気がしない。
白い子――名前……というか顔が浮かんでこない――は私がジュエルシードを集めるのを邪魔してるんだけど、今はその子の使い魔にちょっと感謝。
そんなことを考えてる内に、ジュエルシードの反応がヒットする
「行こう、アルフ。白い子達より先に確保しよう」
「オーケー、フェイト。頑張ろうね!」
Side.End......
◇◇◇
僕は市街地に向けて走っていた。
すれ違った人がその早さに振り返るけど、その頃にはすでに視界の外へ出ている。
「この結界……ユーノか」
魔力的な何かに突っ込んだ感覚と同時、周囲から人間の姿が消える。
結界の張り方から、僕はユーノの姿を思い浮かべた。
一瞬足を止めて周囲の魔力を探る。
1、2……4つ。
最近よく見知った4つだ。
別れて二組、お漏らしとフェイト、ユーノとアルフの組み合わせ。
どちらに向かおうか考えて、今回真っ先に感じられた魔力――つまりは結界を張ろうとしなかった不届き者――につま先を向けた。
……取りあえず、生かさず殺さず。
叩きのめしてから聞いてみよう。
僕は足に力を込めるとそちらに向けて全力で跳ぶ。
地面が『べこり』とへこんだけど、結界が解除されたときに治る――これはユーノに確認済みだ――らしいから気にしない。
とにもかくにも状況を確認するために、僕は急いで移動しつつある二匹に向かったのだった。
◇◇◇
僕の眼下で橙の獣の爪牙と黄緑の魔力盾がせめぎあい火花が散る。
「……見つけた」
『――――どくん』
「…………?」
その瞬間、わずかに“セカイ”が揺らいだ気がして周囲を探るけど、原因がつかめない。
違和感を
道路で追撃戦を繰り広げていた二匹をビルの上から見つけた僕は、下に向けて飛び降りた。
速度を落とさない自由落下。その過程で僕は体に魔力を通し、戦闘態勢へと移行する。
上空から強襲した僕はアルフの首を掴むと、そのまま地面に叩きつけた。
「が……は…ッ!?」
「ア、アントワークさん!?」
「ん、ユーノ結界の展開ありがとう。……で、アルフ。言いたい事があるなら言って」
「……………………!?!?」
アルフはもがくだけで、口を開こうとしない。
僕よりも巨躯だけど、力を強化しているからその動きは無駄だ。
『仕方ない、もう少し痛めつけよう』そう思って、空いている手に
銃口をアルフに向けたとき、おずおずといった感じでユーノが口を開いた。
「……あ、あの、アントワークさん?」
「ん、なに?」
「えっと、その人が話さないのは……首が完全に締まってるからじゃ?」
…………試しに押さえつけを緩めてみた。
「――――ッ……はぁっ、はぁッ! 死ぬかと思ったよ!!」
「……お詫びにこれ以上の追撃は止めて、結界の件は不問にする。妙なまねしたら別だけど」
「ホントにこの至近距離で撃つつもりだったの!? 脅しとかじゃなくて!?」
押さえつけを完全に解除して立ち上がる。
この距離まで近づいたんだ、解放してもどうにでもなるし。
ユーノが『信じられない』って顔で戦慄してるけど、まあいい。
今は争う二人の間に僕が割り込んで、双方を牽制してる状態。
面倒になる前に――――
『――――どくん』
「…また……?」
空間が脈打つように揺れる感覚。
「……ふぅ。…? どうしたんだい、周りなんか見回して」
「…………何か、変な感じがした」
「僕は何も感じなかったけど……」
「私も感じなかったねぇ」
一息ついたのか、喉を鳴らすアルフとこちらを見上げるユーノ。
二人の反応に僕は内心で首を傾げたけど、どうにも原因が掴めない。
「…まぁいいや、現状を教えて。ちなみに拒否権はない」
ごりごりと、取り出したM92Fの銃口をアルフのわき腹に押しつけてみる。
「……あー、少し長い話し――――」
「――――3文以内かつ100文字以内で纏めろ」
「……『ジュエルシード強制発動。フェイトと近くにいたこのフェレットの相方が同時にジュエルシードを封印。そのままなし崩し的に戦闘……で今に至る』これでどうさ!?」
僕は視線でユーノに確認する。
「どう?」
「え、うん。大筋は合って――」
「いや、文字数」
「そんなの数える余裕あるわけ無いでしょ、ねぇ!?」
すごい剣幕で怒鳴られた。
「ただの冗談、そんなに怒られても困る。で、内容の方は?」
「……概ね間違ってないかと」
「そう。……で、今はどっちが暫定的にジュエルシードの保管を?」
僕の言葉に、2匹が目を見合わせる。
「わ、私はフェイトの戦いの邪魔にならないようにと思って移動しちゃったから――――」
「――――ぼ、僕もその、アルフさんに着いてきたから……」
「……つまり、封印して置きっぱなし? お前達、アレ危険なモノって認識ある?」
……きっと、今の僕の頬は引き攣ってるだろう。
2匹は無言、僕はそれを肯定と受け取った。
P90TRをしまい、M92Fを構えて安全装置を外す。
「……封印した場所に案内しろ」
「「……………………はい」」
先導して走り出した二人の後を追って走る。
『――――どくん』
……僕にはこの揺らぎが何なのか、薄々想像がつき始めていた。
◇◇◇
「――――見つけた」
「ッ!?」
「は、速いッ!」
僕は視線の先にジュエルシード、それを挟むように上空でにらみ合うフェイトとお漏らしを捕捉した。
案内役の二人を追い抜き、さらに加速する。
ジュエルシードに瞬動で一気に距離を詰められれば一番だけど、状況がそれを許さない。
瞬動を発動させたときに外部へ漏れる魔力、発動の余波で出る衝撃ですら、万が一を考えると恐ろしい。
そう考えると、強化した脚力だけで近づくのが最善の手段だ。
『――――どくん、…どくん』
ここまで来たら、もうハッキリとわかる。
アレが、ジュエルシードがこのセカイを、空間を揺らがせている原因そのもの。
二人が同時に封印したことが原因か、それとも封印したままで放置したのが原因か。
それともその両方が原因なのか。
僕にも判別がつかないけど、アレがマズいものだって事は、恐らくこの場の誰よりも把握できていた。
「…ッ! ジーク!?」
「え、アントワーク君!?」
「…………!」
「…あっ――――」
先に僕の接近に気づいたフェイト。
その言葉にお漏らしが一瞬、ほんの一瞬だけ完全に目の前のフェイトから意識をはずしてこちらに視線を向けた。
……そんな大きすぎる隙を、フェイトが見逃すはずもない。
その隙にフェイトが宙を駆けてジュエルシードに向かい、それにわずか遅れて状況を悟ったお漏らしがそれに追従する。
……どう足掻いても、僕の間に合わない距離だった。
せめてもと、大きく声を張り上げる――――
「――――止まれぇッ!!!!!」
――――……その声は、二人に届かなかった。
「「…………!?」」
二人の杖がジュエルシードに激突する。
目を焼くような白い閃光。
その瞬間、その蒼き宝石を震源に……セカイが、時空が、――――軋みとともに揺れ動いた。
激突で発生した衝撃に耐えつつ、僕の脳内が最大の疑問だった答えに至る。
この激突の衝撃が、セカイの、時空の揺れこそが――――
(ああ、なるほど。これが、これが原因だったのか……!)
――――時空を漂っていた僕を、このセカイにたたき落とした原因だ。
>『原作よりジュエルシードの危険性が上昇』
原作ではフェイトが強引に押さえ込んでましたが、アレはかなり運任せだったんではないかという私見です。
あと、ジークの影響で、原作よりもなのは&フェイトが力を付けたため、封印に使われた魔力が多かったから&魔力密度が跳ね上がってたから……という理由付けが有り。
いや、だってね? 原作の時点でフェイトは『手に暴走したジュエルシードを包んで、強引封印』という事をしてましたが、それでもバリアジャケットを抜いて、手にダメージが行くと。
あれより威力が高くなってたら、押さえ込んだ手と上半身がぱーんとはじけると思うんだ……(グロ