魔法少女リリカルなのは ~若草色の妖精~   作:八九寺

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次回更新は割りとすぐだと言ったな……
ア レ は ホ ン ト だ 


誤字脱字などありましたら、ご指摘お願いいたします。


39:三つ巴の戦場&墜ちる雷光

39:三つ巴の戦場&墜ちる雷光

 

 僕たちが転送された先は、高層ビルの屋上。周囲の景色は高層ビルやその残骸が点在する海上だった。

 

「先に行くわね!」

『んむ』

 

 離れた空中に浮かぶフェイト達を見つけたアリサが足下のコンクリートを蹴って突貫する。

 身につけたインカム越しに返事を返しつつ、僕も準備を開始した。

 

『術式展開、鋼の翼を持つ軍勢よ、我が元に顕現せよ』

 

 速度重視で極力削った詠唱を一言。

 ウェストポーチから引き出したワイヤーの端が二条、シュルシュルと擦過音を立てて溢れ出し、鋼の鷹を生み出していく。

 海鳴市街を巡回させている物同系統。違いは大きさが1mに届きそうな程に大きいことと、戦闘用にワイヤーをふんだんに用いて耐久性を上げたことだ。

 二羽ずつ大体10秒足らずずつで高速展開していく。

 

 これとは別口でワイヤーの丸い束を4束、各30kgほど転送魔法で取り出すと足下へと投げる。

 

『重ねて展開、四方を守る大いなる海竜よ、顕現せよ』

 

 僕の言葉に従い、4束のワイヤーがそれぞれ延びていき、海中へと吸い込まれていく。……後は完成を待つばかり。

 それを見守りつつ、僕は別の術式を発動する。

 

『強化術式、『筋力強化』、『防御強化』、『速度強化』、『自動回復』』

 

 パンと柏手(かしわで)を一つ、発動した強化魔法を自身に掛ける。先んじてアリサに飲ませた薬を通じて、彼女にも僕の8割ほどの効力で同じ効果が発動しているはずだ。

 

「アリサ、援護の魔法を発動した。いつもと感覚が変わるから、心にとめといて」

『らーじゃ♪』

 

 イヤホンから軽い返事が返ってくる。声を聞いた感じ、悪い意味で緊張はしていなそうだ。

 少しだけ安心すると、アリサの援護のために完成していた鋼鷹を12羽向かわせる。

 

 戦闘型のこいつらの速度なら、アリサの接敵前には直援に入れるはず。

 

 そして次が最後の一手。

 広い屋上に魔力を込めたチョークで屋上ぎりぎりの大きさに真円を描き、その中に自動筆記で精緻な魔法陣を書き込んでいく。

 

 さて、そろそろ――――

 

「チェーンバインド!」

「おっと」

 

 屋上の縁から這い寄るように、幾条かの緑色の鎖が僕の足下へと延びてくる。

 それを僕は跳んで避けた。下手に迎撃して、魔法陣を傷つけるわけにも行かない。

 

「ディバイン……バスターっ!」

 

 空中に跳び上がった僕を狙いすまして、隣のビルの屋上から放たれた桃色の魔力砲撃を、障壁を斜めに張ってアリサとフェイト達が戦っている空域へ受け流す。

 無線でアリサに『砲撃行ったよ』と伝えることも忘れない。避けて当然、その流れ弾を利用して自分の攻撃を当てられれば及第点だ。

 

「んむ、二人ともこっちに来たか……重畳重畳」

「最終的にジークさんもフェイトちゃんも倒さなくちゃいけないなら、最初の万全の状態で一番強いジークさんを相手取らなきゃいけない……ってユーノ君が」

 

 まぁそれもそうか。

 最善の策は『僕達とフェイト達をぶつけ、勝った方と戦うor隙を見て介入』なんだろうけど、今回の僕の目標からは外れるので、これが一番の策になる。

 

「ふむ……妥当な策。じゃあそっちに戦力を増やしたげる」

「「?」」

 

 いいタイミングで、アリサ方面に向かわせた鋼鷹達からの連絡が入る。

 

『お膳立てはした、あとは実力次第。……じゃ、武運と幸運に恵まれることを』、そう通信を一方的に送って切る。

 

 二対一のこの現状、第三勢力を交えたらどうなるだろうか?

 どう転ぶにせよ、多少の混乱は免れまい。

 

「……強制転移」

「――ィト!? …………やられたッ!」

 

 僕と管理局組の間に現れた銀線の魔方陣。

 その中から現れたのは、彼方(かなた)で自身の主人と共にアリサと戦っていたアルフの姿だった。

 

 僕と背後を見て事態を察したか、アルフが盛大に顔を(しか)めると悪態を吐く。

 

 さぁ、管理局組とアルフは『敵の敵』をどう扱うか。

 敵味方に分かれていた戦場は、第三勢力の出現により混迷を増そうとしていた。

 

 

◇◇◇

 

 

 僕がやったのは単純明快。

 

 フェイト達の戦域に派遣した鋼鷹12羽に命じたアルフの引き剥がし。その手段として僕が選んだのは、アルフを強制転移させる方法だ。

 

 鋼で編まれたの使い魔達、その素材は言わずもがな“ワイヤー”。

 

 フェイトとアルフが離れた瞬間を狙って鋼鷹の群を殺到させ、接触した個体を一時的に鷹状態から解いてワイヤーとして一気に身動きがとれないように縛り上げる。

 そしてアルフを中心に5羽の鋼鷹を円上に等間隔に配置、各個体の翼部分を部分的にワイヤー状態へ戻した上でそれぞれを連結。そうすることでアルフを中心に据えた円形五亡星の魔法陣の完成だ。あとは僕が魔力を送り、転送魔法を

発動させるだけ……というわけ。

 唯一の懸念は、フェイトによる妨害だったけど、そちらはアリサが押さえ込んでくれたらしい。

 

 アリサ方面の戦況は、使い魔を通して見た限りでは一進一退。

 そして僕の方面は――――

 

「ディバインシュートっ!」

 

 魔法陣を展開したビル屋上に足を着く僕は、放たれた光弾を防御せずに(・・・・・)受け止めて、着弾の際の爆煙に視界が塞がれつつも、待機させておいた魔力刃で反撃を掛けた。

 着弾に併せて自動発動していた足下の魔法陣から発していた光がスッと消える。そして、その瞬間に屋上の端の一部が音もなくさらりと崩れ落ちた。

 高町はいきなり煙を破って現れた攻撃に回避行動を取る間もなく、辛うじて張られた障壁に守られる。

 

「ありがとう、ユーノ君!」

「サポートは任せて! なのはは攻撃に専念を! でも、間違いなく当たったはずなのにどうして……」

「……随分と硬い障壁だ」

 

 あわよくば撃墜しようと思っていたこともあり、僕は小さく舌打ちする。

 

 でもまぁ、魔法陣の効果に気づかれなかったのでよしとする。

 

 この魔法陣の効果は、受けた攻撃を陣の書かれた物体に肩代わりさせる……と言ったものだ。便利そうだけど、もちろん欠点は存在する。

 それは第一に『魔法陣が書かれた物体に触れていなければならない』。

 第二に『魔法攻撃以外は防げない』……つまり魔法の弾や炎以外、例を挙げるなら剣や弓矢、投石などの直接攻撃は自力で防ぐほかない。

 

「っらぁああああああ!」

「む……」

 

 空中に浮かぶ僕の頭上から、気合いの入った雄叫びと共にアルフが殴りかかってくるのを視界に納め、障壁を展開して迎え撃つ。

 

「バリア……ブレイクッ!」

 

 僕の障壁と激突したアルフの拳が僅かに拮抗した後、障壁の方が引き裂かれた。

 

「覚悟ぉおッ!」

「――――するのはそっちだよ」

 

 左手から離れた銃が、肩紐に釣られて揺れる。

 僕を掴もうと伸ばした腕を空いた手で取り、柔道の投げ技の変則系で背中から屋上のコンクリートへ叩きつけた。そしてそのまま流れるように、ぶつけた反動と僕の腕の力とでアルフの体を一瞬宙に浮かせる。

 

「ぐ……ぁ!?」

 

 離した手を引き、掌底(しょうてい)でアルフの体を打つ。体に触れる寸前に、アルフに速度加速の術式を掛ける。

 

「ぷれぜんと・ふぉー・ゆー」

「ぐっ!?」

 

 アルフの体を弾丸に、管理局組の二人が居るところめがけて殴り飛ばした。

 

「にゃ!? ユーノ君、受け止めてっ!」

「ちょっ――!?」

 

 いきなりの言葉に慌てつつも、ユーノが魔法で網のような物を展開して受け止めて見せる。

 うむぅ、とっさの反応で見事な対応だ。体で受け止めようものなら、そこを狙って鋼鷹に強襲させて二人纏めてぐるぐる巻きにしてしまおうと思ってたのに。

 

「……うぅ、アントワークさんあの位置から動いても居ないのに手も足も出ない」

「……()っつう」

「大丈夫ですか?」

「……ああ、怪我しない程度に手加減されたっぽい、ありがと」

 

 転送された当時は一対一対二だったのだが、最初の内はバラバラに攻撃してきて居たのだが、10分もすると念話で話し合ったのかいつしか一対三へと状況が変わっていた。

 無論、最初はアルフも隙を見てフェイトの援護に戻ろうとしていたのだけど、悉くそれを妨害してこちらに釘付けている。

 

 逃がさず倒さず現状維持、僕が動くのはアリサ方面に動きが出たとき。

 僕がアリサ方面の動きに思考をやっている隙に何かを打ち合わせたのか、再度アルフがまっすぐこちらへ突っ込んでくる。

 

「考え無しに突っ込んで――――っ!?」

 

 さっきと同様に腕を掴んだ瞬間、アルフが自分から投げに先んじて飛んだ。僕の視界に現れたのは、アルフの体を死角に追従する形で放たれていたユーノの鎖状の魔法。数は――6本っ!

 数と速度から銃での迎撃を諦め、右手のP90を投げつけてその内の1本をぶつけて相殺。

 

 アルフを離して迎撃しようとするも、今度はアルフ自身が空いた手で僕の腕を掴んで離さない。

 彼女を見てみれば、してやったりと言わんばかりの表情だ。

 

 鋼鷹がこちらへ急行するが距離がありすぎて間に合わない、滞空させていた魔法刃を走らせて迎撃したが、寸前で鎖がうねって数本を迎撃し損ねる――――残り3本!

 ここでようやくアルフが僕の手を離す。

 

「ち……っ!」

 

 両手に一つずつ、コートの内からP90の弾層を取り出して鎖を左右に打ち払いつつそのまま投棄。長さ約30cmほどの真っ直ぐの弾層が鎖に絡め取られた。――――残り1本!

 この距離まで近づかれては、体を動かして避けるほかない。左右に避けては鎖をうねらせる事で対応されるし、背後に下がるだけでは意味もない。

 体を斜めにして被弾面積を極力減らしつつ、一歩前に踏み込んで片足で斜め上へ跳躍しつつ体を(ひね)って体操のひねり前方宙返りに似た動きで鎖を回避する。

 

 予想通り急激な方向転換は不可能なのか、鎖が寸前まで僕の居た地面を打って跳ねるのを、空中の上下逆になった視界に収める。こんな状態で高町なのはの魔力砲撃まで撃たれてはたまったものではない。

 確認しようと彼女に視線をやった先で僕が見たものは、道化師の様にニヤリと(くちびる)を釣り上げた笑みをこぼす姿だった。

 

 少し前まで僕との戦闘に恐怖を表情を浮かべていた彼女が、今じゃその最中で笑うか――! 僕は彼女の適応力に驚愕する。

 

 だがしかし、砲撃の準備は為されていない。

 ――――それが意味することは……?

 

 とにもかくにも体勢を整えて屋上から5mほど上の空中に立って、高町とユーノが居る方向に向いた瞬間に、今度は僕が先ほどまで居たビルの屋上がその階下から魔法陣ごと爆散する。

 

 ――――建造物の中に、誘導弾を通してきたか……!

 土煙から出てきたのは桃色の弾丸、数は……15。

 鎖を6本防いだと思ったら、今度は誘導系の弾丸15発か!

 

 集めた数羽のうち手元に二羽残すと、鋼鷹の翼を硬化させると突撃させてすれ違いざまに弾を切り裂かせて迎撃させる。どうしようもない物に関しては、鷹自体をぶつけて相殺。

 戦闘用とはいえ、数発も食らえば壊れてしまう。耐えきれなかった数羽が海面へと墜落していった。

 

 手元の一羽に後ろ腰のバッグから取り出したある物を持たせると、ちょっとした魔法を掛けて放つ。

 

 その合間に、向かわせた鋼鷹で相殺仕切れなかった弾丸8発が僕へと迫る。

 手元にいた最後の一羽を完全に元のワイヤーへと分解し、魔法陣型へと編み変えて障壁を発動する。

 

 もう鷹形態へは戻せないが、使い魔にする際に仕込んだ魔力に加え、障壁の為に追加で注いだ魔力のぶん、迫る攻撃を防いでみせた。

 爆風だけが僕へと吹き付ける。

 

「「チェーンバインド!」」

 

 投げ飛ばしたアルフ、高町の元のユーノが二方向から同時に鎖を僕へと放つ。

 

「……ええい!」

 

 幾つかは残っていた魔力刃で迎撃したものの、対応が間に合わずに左手と右足に鎖が巻き付いた。

 

 

「――――ディバイィーン、バスタァアアアアア!」

 

 

 この瞬間を待ち望んでいたのだろう。高町なのはの攻撃が僕へと撃ち込まれ、直撃した。

 

 

「「「――――やった!?」」」

 

 ――――そういうセリフ、この世界では“フラグ”というらしいぞ?

 

 

 管理局側の二人の眼前にフッと鋼鷹が現れ、脚で掴んでいた空き缶ほどの大きさの物を離す。何事かと離された物体に視線をやった二人を、目を焼くような閃光と大気を震わせるような爆音が襲った。

 

 認識阻害の魔法を掛けた鋼鷹に持たせたのは、いわゆる閃光手榴弾。 

 その名も『M84』、百万カンデラの閃光と160デシベル超の音を発生する、対テロや突入の際に使用されるアメリカ軍で制式採用されている一品だ。

 

 何の準備も気構えも無しにそんな物の一撃に晒され、平静を保てるものなど存在しない。――ましてや、気を失わないまでも、魔法を維持できる者なんて。

 僕の右手を縛っていた翠色の鎖が消失した。

 

 体を硬直させ、動けない二人を急襲させた鋼鷹を分解して二人仲良く簀巻(すま)きにする。

 魔法じゃなくワイヤーでの物理的な拘束、力付くでちぎれるならやってみろ。 この僕だってそれほど巻かれたら、力技じゃちぎれないぞ?

 

「な――――!?」

 

 目を見開き、反射的に共闘していた二人に視線をやってしまったアルフ。

 その隙に足に巻き付いた鎖を飛ばした魔法刃で切断、肉薄する。

 

 ほぼ同時に、耳のインカムから興奮したアリサの声が飛び込んできた。

 

『私の勝ち! ジーク、勝ったわ! あとフェイトが墜落したから回収に向かう!』

 

 

 ――――最ッ高のタイミングだ。

 

 

「素晴らしい、さすが僕の弟子、愛してる。あとで何でもしてあげる」

『ちょおおおおぉ!? そ、その言葉、忘れないでよね!』

「ん!」

 

 短くそう返し、右手で腰の拳銃を抜くと至近距離でアルフの胴体へ一発撃ち込んだ。

 着弾と同時にアルフの体に青白い電撃が走り――力無く崩れ落ちたのを抱き止める。

 

 これをもって、本戦闘の勝者は確定した。

 

『――……勝者、師弟組』

 

 目の前に現れたウィンドウに、苦虫を噛んだような表情の黒服が映る。

 

『フェイトの回収完了っ! あと、意識も戻ったわ』

「んむ。管理局、急いで転送準備を」

『いまやってる、30秒ほど待ってくれ』

「――いや、それじゃ間に合わない」

 

 僕は結界内の空を睨む。

 元々厚い雲に覆われた空だったが、戦闘の終了に端を発して急激に雲が黒く、稲光を走らせていた。

 

 僕は仕込んでいた仕掛けを発動させる。

 

『――え? フェイト、『母さん』って……?』

 

 アリサの無線越しの疑問の声。

 急激に高まった上空の雷雲から、僕たちへ向けて極大の(いかずち)が放たれ――――ドーム状に散らされると海上を電気で青白く染め上げた。

 

「……四龍海帝四方陣(しりゅうかいていしほうじん)。間違いなく仕掛けてくると思ってたし、その方法も予測済み」

 

 ここからでは僕にも目視できないが、近くに行けばはっきりと分かるだろう。

 結界の端まで行けば、網目に編まれたワイヤーとその表面に薄く張られた海水に気づくはずだ。

 

 僕が最初に鋼鷹と同時に海中で創造し、結界の端の四方に向かわせた使い魔達。

 彼らは四方へ散った後、鋼鷹で行ったように体の一部を(ほど)くと、4体は海中で結界の直径より僅かに小さい円を作った。

 それから誰にも気取られないよう細心の注意を払わせつつ、僕たちの戦闘する戦域を覆うように椀状のワイヤーの籠を形成させた。その状態で放置し、雷撃の前に海水を表面に張って壁としたのだ。

 海水もワイヤーも人体より電導率は高い。それ以前に張られたワイヤーの一条一条、張った海水の一面一面に対電系・避雷の防御魔法が込められている。

 

 一度この身に受けた攻撃、対策に抜かりなど無い。

 

 当然、近くで見れば存在はバレてしまうだろう、だが少しでも距離を取れば目視は急激に困難になる。さらにはこの結界内は曇り空でワイヤー自体も見にくく、視認は困難極まり無い。

 九割九分九厘、見つかるはずは無いと確信を抱いていた。

 

『……! 転送を急げ、次元跳躍攻撃だ!』

 

 画面の向こうで、状況を察したらしい黒服が矢継ぎ早に周囲の人員へ指示を飛ばす。

 

 僕が事前の契約で、管理局へ勝利ボーナスとして求めたのは『僕たちへの不干渉』。対してフェイトの側に求めた勝利ボーナスは、勝負である以上当然で、わざわざ明文化する必要も無い条件。

 円卓協議の際に、フェイトが困惑の表情を浮かべていたのはそのせいだ。

 

 ――――僕の提示した条件、それは『戦闘の結果を受け入れること』。

 ――――そして、その文言に続き『これが破られた際は“         ”となる』と記載している。要求が空白なのは、白紙の小切手……というのは変だけども、破られた際にこちらの裁量で要求を書き加えるためのものだ。

 それを警戒して規則破りを自重してくれることを狙ったのだけど……読み違えたか。

 

 ともかく戦闘後に攻撃という形で介入してきた以上、条件の無視と判断できる。 

 僕の足下に管理局の魔法陣が現れて、転送が開始される。

 

 契約違反確定だ、言い訳の余地はない。

 

 

 ――――それになにより、フェイトを抱いたアリサも狙ったのはいかんせん許しがたい。

 

 

「――さぁて、どうしてくれようか」

 

 

 転送により体が消える瞬間、僕の顔は完全な無表情であった。

 

 




というわけで39話でした。

いつもより、200文字くらい大目の6700文字超えです。

以下、いつものように説明など。
>『強化術式、『筋力強化』、『防御強化』、『速度強化』、『自動回復』』
弟子に対して厳しいこと言いつつ、かなり過保護な主人公

>アリサの援護のために完成していた鋼鷹を12羽向かわせる。
弟子に対して(ry

>『らーじゃ♪』
アリサの中の人つながりのネタ。
ググらずに分かった人は立派な釘宮病患者。

>桃色の魔力砲撃を、障壁を斜めに張って
個人的にリリカル世界最大のナゾの一つ。
なぜ、直射砲撃に対し垂直にシールドを張るのだろうと。

>無線でアリサに『砲撃行ったよ』と
なお、この砲撃はフェイトの右足を飲み込んだ模様

>魔法陣の効果は、受けた攻撃を陣の書かれた物体に肩代わりさせる
便利そうに見えて、結構使いどころが少ない魔法。
自身の防衛拠点に書こうものなら、防衛拠点の崩壊待ったなし。
使うとすれば、自身の身につけた鎧とかに展開して、生身への被害を鎧に転写するとか……。

また、作中のように魔方陣への直接攻撃にも弱い。

>アルフの体を弾丸に、管理局組の二人が居るところめがけて殴り飛ばした。
『超級覇王アルフ弾 』……このネタ分かる人何人居るんだろう。

>アントワークさんあの位置から動いても居ない
その理由に気づければ勝機があった。

>いわゆる閃光手榴弾
実は、レイジングハートさんは危険を察知して障壁を展開していたのだが、いわゆるグレネード(破片手榴弾)の想定で障壁張ってたので、光と轟音にマスターのほうは耐えられなかった。
M84:『バルス!』
なのは:『目が、目がぁああ!?』
レイハさん:『センサーが、センサーがぁあああ!?』

>何の準備も気構えも無しにそんな物の一撃に晒され、平静を保てるものなど存在しない
筆者はサバゲー(室内戦)で、目の前の仲間がポロっと落としたピンの抜けたグレネード(BB弾を数百発撒き散らす代物)を見て、一瞬思考停止に陥りました。……ええ、痛かったです。

>二人仲良く簀巻き
なのは:にゃ!? ユーノ君どこ触ってるの!?
ユーノ:ご、ごめん!?

向かい合わせで簀巻きになった二人の一幕。

>目を見開き、反射的に共闘していた二人に視線を
密室での仕様ではなかったので、アルフの所まで閃光手榴弾の被害は及びませんでした。

>ジーク、勝ったわ!
決まり手:フェイトのみぞおちに、強化した筋力+重量増加した杖での一撃。
フェイト談:『お腹に穴が開いたかと思いました
バルディッシュ談:『攻撃を受けるたび、折れるんじゃないかとヒヤヒヤしてました』

>「素晴らしい、さすが僕の弟子、愛してる。あとで何でもしてあげる」
盛大な次回以降への、読者参加型フラグ。
詳細はあとがき最下部へ。

>フェイトの回収完了っ! あと、意識も戻ったわ
実は、人工呼吸する事態になってました。

>ドーム状に散らされると海上を電気で青白く染め上げた。
下手に防ぐと電気にやられるので、全て海に受け流してみた。

>「――さぁて、どうしてくれようか」
主人公が激おこぷんぷん丸状態。
万が一アリサが怪我してたら、激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム状態になっていた。

以上、説明など終わり。

さて、読者様方の参加企画のお知らせです。
『素晴らしい、さすが僕の弟子、愛してる。あとで何でもしてあげる』
と言い放った主人公……さて、何をさせますか?というアンケートです。
こちらは、活動報告のほうでアンケートを行っておりますので、どしどしご意見お待ちしております。

では、ご意見ご感想お待ちしております。

P.S:PSPシナリオの件に関する活動報告へのご意見もお待ちしております。
また、書き込みをして頂いた方々、誠に有難うございました。

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