魔法少女リリカルなのは ~若草色の妖精~   作:八九寺

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大学の期末考査の始まり&バイト&運転免許取得の三連コンボで更新が…orz
更新遅れて申し訳ありません。

細部の修正や、増量をしておりますのでお許しいただけると幸いです。

『目指せ、最悪でも3日に1度は更新! ……え、来週から期末考査の第2波!?』


04:やっく・でかるちゃー!

04:やっく・でかるちゃー!

 

「アリサ!アリサ!! アレは何だ!?」

「アレ? ああ、アレは信号機よ」

 

すごい!この世界すごいよ!?

僕は、いまとっても感動しているよ!!

 

僕がいま乗ってるヤツは『車』って言うらしいけど、金属の塊が動くなんて信じられないよ!!

 

わーい!!

 

 

……ごめんなさい、ちょっと取り乱しました。

 

 

僕は目が覚めた次の日、デビッドさんと交渉し、アリサの護衛として雇ってもらうことにした。

何もせずに、衣食住だけを貰うのは情けないからね、半ば強引にだけど仕事を貰った。

『働かざるもの食うべからず』、この国の口伝(くでん)らしいけど、この世の真実だ。

 

今は学校から帰る途中のアリサに説明をして貰いながら帰っているところ。

アリサの家の使用人、鮫島――「さん」はつけなくていいって言ってた――がアリサの迎えに行くって言ってたから、便乗させてもらったけど……ホントにすごい!!

 

「まったく、アンタの居た世界ってどんだけ遅れてるのよ? 移動手段ってなんだったの?」

「ん、遅い順に、徒歩、馬、――――」

「意外と普通ね」

 

……アリサが考える普通じゃない移動手段ってなんなの?

 

「――――飛行魔法、飛竜、…で、一番速いのが転移魔法」

「待てぃ!?ちょっと待てぃ!!」

 

アリサ、顔が怖い、あと近い。

あと、裏拳でツッコミ――漫才って伝統芸能における重要な要素らしい――を入れないで。

 

「なにか変?」

 

ごくごく一般的な移動方法だよね?

 

「なに?飛べるの?それ以前に飛竜って!?それに転移魔法!?

ワープなの?ワープなのね!?」

 

……重い。

ええい身を乗り出すな、押し倒すな。

 

「説明、する。鮫島、この『車』は、どのくらいの速さ?」

 

僕はこの世界の速度の基準がわからないから聞いてみる。

あ、ついでに言うと、鮫島にも『魔法』の存在は教えた。…同じ敷地でお世話になるから、教えといた方が楽だ。

 

「速度ですか?時速60kmほどですな」

 

……何たることだ、距離の感覚がわからない。

 

「普通の飛行魔法がこれくらいの速さ。飛竜は、この倍か、もっと速いくらい。

転移魔法は、発動条件があるけど、ほとんど一瞬」

「魔法って、魔法って……」

 

……アリサが頭を抱えて呻いてる。

僕、何かヘンなこと言った?

 

「頭痛?」

「違うわよ! はぁ、アンタの世界ってやっぱり『魔法』の世界なのね。ちょっと楽しそう」

 

……そう思える理由がわからない。

 

「僕は、こっちの世界の方が、……羨ましい」

「え、なんで?」

 

不思議そうなその顔に、僕は、ちょっと寂しくなる。

……アリサと僕は、科学とか魔法とか抜きにして、住んでいた『セカイ』が違う。

 

ほんの短い時間だけど、こうやって街の中を周って、気がついた。

この街には『死の臭い』がしない。皆が、笑っている。

 

……たぶん、この国は戦争とかも、無いんだろう。

 

「ジーク?」

「……なんでもない」

 

アリサの問いかけに、僕は首を振って、窓の外を見つめるのだった。

 

……今は亡き、故郷の街並みを、胸に、抱きながら

 

 

◇◇◇

 

 

結局、アリサは僕に無理にその理由を聞き出そうとはしなかった。

心の内を悟られたつもりは無いけれど、態度に…現れたのかもしれない。

 

僕は、まだまだ未熟だ。

 

「ねぇジーク、そういえば、今は『時空の乱れ』ってどうなってるの?」

「僕、居たら邪魔?」

 

……現状のところ、時空の乱れは治まる兆候すら見えない。

こんな事、これまでに無かった。

 

明けない夜、止まない雨、死なない人間。

……つまりは『ありえない事』、だ。

 

「あーもう! そういう意味じゃなくてっ! あの、その、ね?」

 

今のアリサは『あわあわっ』て感じで、顔も真っ赤だ。

……新種の病気?

 

「と、特にアテも無く旅をしてるなら、……ずっとうちに居てもいいわよ、って」

「迷惑掛けるから、いい」

「(……迷惑なんかじゃないのに)」

「? 何か、言った?」

 

何か言ったみたいだけど、声が小さすぎて聞こえなかった。

 

「バカ!」

「………」

 

……いきなり罵倒される理由がわからない。

 

 

◇◇◇

 

 

町並みに関する話題が尽きたので、僕はアリサに気になっていたことを聞いてみる。

 

「そういえば、あのアリサを助けた時、男が使ってたのは、なんて武器?」

「は? そんなのも……知るはず、無いわよね」

 

理解が早くて、結構。

 

「あー、『大砲』ってわかる?」

「うん。火薬で鉄の玉を飛ばす兵器。故郷に在った」

「それを個人が携行できるようにしたモノ、って言えばわかる?『ケンジュウ』っていうの」

 

この世界の科学力、恐るべし。

 

「……欲しい」

「…………は?」

 

アリサが硬直した。

 

「……高価?」

「いえ、高価とかそういう問題じゃなくって」

 

あぁ、護衛対象――アリサ――が頭を抱えだした。

武器屋に行けば、手ごろな物も売ってるだろうに?

 

「ふむ、ジーク坊っちゃん、非合法なのを除けば、この国では一部の公的な人間を除いて拳銃は持てないのですよ」

 

……なんですと。

あの時奪っとけばよかった。

……欲しかったなぁ、少し後悔。

 

「じ、ジーク? そんなに落ち込まなくても…」

 

落ち込んでなんか、ないから。

……ああ、欲しかったなぁ。

 

「……ああ、もう!! 鮫島! なんかいい方法ない!?」

「ふむ……ご主人様が明日からアメリカに出張ですので、それを利用するというのは?」

「その手があったわね!! 鮫島、ナイスよ!!」

「お褒めに預かり、光栄です」

 

『ケンジュウ』かぁ。

 

「私からパパに言ってあげるから、そうやって暗い雰囲気を纏わない!」

「!! 手に入る!?」

 

僕はアリサの手を取って、アリサを見つめる。

 

「ほ、保障は出来ないんだからね?(無表情なのに目だけがキラキラしてるし!?)」

「いい、それでもいい!」

「は、恥ずかしいからやめなさいよ!」

 

アリサが慌てた声を上げてたみたい――正直、聞こえてなかった――だけど、僕の耳には入らなかった。

 

……こんなに気持ちが逸ったのは、故郷で皆と一緒に過ごしていたとき以来かもしれない。

 

それに、再び剣を握る勇気は……今の僕にはないから、ちょうどいい機会なんだと思う。

護衛するからには、武器が欲しいし――筋力強化した状態で殴ったら…相手が死ぬかもしれないし(デビッドさんに、殺害は厳禁されたからね…)――、ね。

 




オマケ

「アリサ、アリサ!」
「ん? なに?」
「『ホテル』って…『宿<やど>』と一緒?」
「まぁ、おなじようなもんね。…で、それがどうしたの?」
「うん、あのホテルの看板に書いてある『宿泊』はわかるけど、『ご休憩』ってどういう意味?」
「…『ご休憩』? …私も意味がわかんない。…何で『休憩』なのか、鮫島わかる?」
「………お二人には、まだ(はよ)うごさいますよ」

「「ふ~ん」」

数年後、その意味を知り、ちょっとギクシャクしてしまうことになるとは思いもしなかった2人であった。

終わり


作者より皆様へ
移転に伴い改行間隔なども調整しておりますが、未だ試行錯誤の段階です。
改行に関して、皆様の意見を賜りたいと思います。
ご協力いただけたら幸いです。

『その手があったわね!! 鮫島、ナイスよ!!』
そこは、銃を入手しようとしてる自分の護衛を窘めるところでしょw!? by作者
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