あ、あと。
更新するまでの間に、FGOのマシュが、宝具を真名解放したようで、それ見て思ったんですが、私が作ったオリジナル宝具にかすってません?オブ、がないだけというか。
私も型月脳になってきたかな?
月は曇に隠れて、輝きを失っていた。ここ最近は雲ひとつない天気が続いていたのに、まるで自分の気持ちを代弁しているかのようだった。
あのあと、ギルガメッシュとの戦闘を終えたキリツグは、なにも言わずどこかへ行ってしまった。
俺は、何もできなかった。イリヤを守ることも、キリツグと共に戦うことも、何も。これじゃあ切嗣に顔向け出来ない。
「くそっ・・・!!」
士郎は、壁に拳を放った。拳からは血すが流れる。
痛い。そう、痛いんだ。キリツグもイリヤも傷ついた。
「うっ・・・」
「お嬢様!」
布団に寝かせていたイリヤが目を覚ました。それを庇うように、従者のセラが駆け寄るが、士郎の方が少し早かった。
「大丈夫か、イリヤ!?」
セラはどこか悔しそうな顔をして元の体勢に戻った。
「うん。ありがとう、シロウ」
そう言ったイリヤは、辺りをキョロキョロ見回した。
「どうした?」
「バーサーカーは・・・」
イリヤはバーサーカーを探しているようだった。
あの戦闘の最中、バーサーカーは消滅してしまった。だから、もう。
「イリヤ、バーサーカーは・・・」
「分かってる、分かってるわ。私は、負けたのね。そう。あーあ、お祖父様に叱られてしまうわ。そうでしょう?セラ、リズ」
「それは・・・」
「・・・」
セラは何も言えなくなり、リーゼリットは何も言わなかった。
「もしかしたら、私は廃棄されてしまうのかもしれないわね。聖杯を持ち帰ることができなかったのだもの。あーあ、失敗しちゃった」
茶化すように呟くイリヤ。しかし、彼女の唇は、小刻みに震えていた。
「大丈夫だ。イリヤ」
「え?」
イリヤは俺がいきなり言い出したので、目を丸くした。
「俺が、なんとかする。きっと救ってやるさ」
そう言って、士郎は立ち上がり、部屋を後にした。
そうだ。くよくよしていても仕方がない。俺はなんのために毎日鍛練をしてきたんだ?ただ強くなるためじゃない。こういうことがあっても、動じない心を作るためだったはずだ。
士郎は屋外へと出る。
微かな魔力を感じ、その方向を見る。
「あっちか・・・」
恐らく、その方向で誰かが戦っている。幸い、この家にはセラとリズがいてくれている。二人とも戦闘能力は高い。だからこそ、ここは任せ、その魔力の根元へと向かおうとしていた。しかし、その時だった。
「!?」
一本の矢?がものすごいスピードでこちらへ向かってくるではないか。
「くっ!同調開始」
士郎はすぐに、夫婦剣を投影し、その攻撃をいなした。
「アーチャー!」
強襲者の正体の名前を叫ぶ。
「ふん。外れたか」
「いきなりなにをするんだ!」
アーチャーは衛宮邸の屋根から、地面へと跳躍した。それから、士郎を一瞥し、口を開く。
「今さら何をいう。貴様も気づいていたのだろう?衛宮士郎」
そう言って、アーチャーはニヤリと笑った。
「何を言っている!?遠坂たちはどうした!一緒じゃ・・・」
そう伝えている最中、アーチャーは双剣を構え間合いを詰めた。そして、切りかかってくる。
「私は話し合いに来たのではない。貴様の信念。そのものを潰しに来たのだ」
「何を・・・」
アーチャーがどうしてこんなことをするのかは分からない。しかし、彼が自分を本気で殺しに来ていることは事実だった。
「来い」
「・・・やってやる。アーチャー、お前のことは前から気に入らなかったんだ」
にやりと笑うアーチャー。
「フン。それはお互い様というものだ。さぁ衛宮士郎、理想を抱いて溺死しろ」
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「はぁ!」
ランサーの槍が、影をなぎ倒していく。慎二も蟲を使って倒している。
「くっ、これじゃあきりがないわね」
「リン、私は大丈夫です。何故か、力が戻った。今なら行けます」
先程まで不調だったセイバーもどうやら力を取り戻したらしい。
「やっちゃいなさいセイバー!ちょうど私の宝石も尽きかけたところだったわ。まったく、宝石って高いんだからね!」
とは言ったものの、凜はセイバーの不調に対し、疑問を抱いていた。
この状態はライダーと戦闘を行った時と同じだ。いや、それ以上に力を失っていた。士郎から聞いた話では戦闘を行えないほどに力を失ってはいない。
それに、あのときのキリツグ。もし彼のあの状態と関係性があるのなら、キリツグは・・・。
考えているうちに、ひとつの結論に行きつく。いや、しかしだ。それはあり得ない話。英霊に魔力を供給するのは当たり前だが、その逆は。英霊から魔力を奪う、なんてことあるのか?
偉大な魔術師でさえも危ういだろう。しかし、彼が人間じゃあなかったら?セイバーから魔力を、いや、存在をも吸収してしまうような、あり得ない存在だとしたら。
彼については、知らないことが多すぎる。前に聞いた情報だって、嘘みたいな話ばかりだった。
「さっぱり分からないわね、まったく」
「リン!危ない!」
セイバーが私に向かって叫ぶ。嫌な予感がして振り向くと、そこには無数の影が忍び寄っていた。
「くっ!宝石は、もう!」
「はぁ!」
万事休すかと思われた瞬間、赤い槍が、その影たちを全て突き刺していた。
「大丈夫か!嬢ちゃん」
「助かったわ、ランサー。・・・ランサー!危ない!」
ランサーの投擲した槍が凜を救ったのもつかの間、ランサーの背後には黒い腕が迫っていた。
「なっ!?」
「ランサー!」
ランサーは影に取り込まれようとしていた。慎二は救おうと駆け寄るが、ランサーが制止させる。
「やめとけ、坊主。こいつぁ英霊にとって毒そのものだ。ただの人間が触れれば、精神を保っていられないだろう。・・・ってめぇ。気配なんて感じなかったぞ」
「当たり前だ。俺たちは、何でもない。何もない。言うなれば、無。厨二みたいな発想だが、そうなんだから仕方がない。悪いが、俺たちになってもらうぞ」
「くそ・・・。へへっ、仕方ねぇか。こんな終わり方、格好つかねぇんだが」
そう呟くと、ランサーは宙に何かを描く。
「!?・・・これは」
「てめぇが親玉だろ?てめぇを封じれば、コイツらは動けねぇ。てめぇをぶっ倒しゃあ、こいつらも消滅する。・・・セイバー、俺がルーンでこいつの動きを止めているうちに、撃て」
「し、しかし!ランサー!」
「俺の意識もすぐになくなっちまう。その前に、一思いにやれ。こいつらは無尽蔵に湧き続ける。関係ねぇやつらを巻き込むのは、俺の道理に反する。だから、撃て!」
セイバーは、動きを止める。そして、聖剣を強く握り締めた。
「あなたに敬意を!リン、宝具を使います」
「ええ。ランサー!ちょっとかっこよかったわよ!」
「てめぇみたいな小娘に、そんなこと言われても嬉しかねぇよ!10年たったら出直してきな!」
セイバーが、聖剣に力を込める。
目も眩むような光が、辺りに広がっていく。
「行くぞランサー!
「・・・ックソ!」
槍兵と悪に、光が届く。言うなれば、浄化の光。辺り一面の毒を洗い流す。
「はぁ・・・キリツグ、てめぇと戦うことを楽しみにしていたんだが、仕方ねぇな。また、また次の機会があれば、今度こそ・・」
「ランサー・・・怖くないのか?」
消滅を間近に控えた二人の会話。
「馬鹿かてめぇは。俺はケルトの戦士だぜ?これほどのこと、屁でもねぇ。そう言えば、俺が最後に恐怖したのは確か、お師匠様と・・・」
「ふは・・・そうか。そうだったな。お前は、そうだった。ありがとう、ランサー」
悪が礼を言った。ランサーは、そいつの目を見据え、首をかしげた。
「何がありがとう、だ。てめぇは今から消えるんたぜ?・・・いや」
ランサーは訝しげな表情を浮かべる。
「お前の間違いは2つだ、ランサー。消える瞬間にそれに気付くとはな。これもあの神父のお陰か。それに、こんな形にはなったが、最後にお前と戦えてよかったよ、ランサー」
アヴェンジャーは意味深なことを口にした。
言峰とグルだったことには驚いた。しかし、俺の違和感はそんなことじゃない。あの男ならやりかねない。だが、この差異は・・・。
「だが、
「てめぇ!まさか!」
ランサーは悪と共に消える瞬間に、気付いてしまったのだ。
「はは!アイツがまた同じ道を辿るのか。それは、アイツ次第だな。しかし、今回の戦争は、少し」
そして、二人は、光の中へ消えていった。
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「・・・・・・」
「どうした、アヴェンジャー」
薄暗い空間で、神父は、復讐者に問う。
「いや、俺がやられた」
「お前が送った使い魔か?」
「まぁな」
そうアヴェンジャーが答えると、神父は何も言わなかった。
「だが一人英霊が聖杯に帰ったぞ。後は、霊格の高さから考えて、セイバーが相応しいだろう」
そして一呼吸置いて、アヴェンジャーは口を開く。
「それか、ギルガメッシュ、あんただろうな」
「その汚い口を閉じろ、雑種」
あろうことか、アヴェンジャーはギルガメッシュに喧嘩を売っていた。
二人の視線が混じり合う。
「怖い怖い。さすがは人類最古の英雄王。俺のような悪には容赦なしか」
「・・・・・・」
それ以降、ギルガメッシュはなにも言わず、霊体化して、その場を後にした。
「おかしいな」
言峰は異変に気付いていた。ギルガメッシュの。これまでのギルガメッシュとは違う。何か、いや、どこかが。
異変の原因を挙げるとすれば、あの男、ペンドラゴンの子孫か?しかし、あの英雄が、あれに感化されるとは思えない。
「何があった、ギルガメッシュ」
そう言って、言峰は結晶化された女を見上げた。
憐れなものだ。このような姿になっても、生きることを強要させられている。いや、これで生きているとは言えないか。
その時、言峰は背後から発せられる異質な魔力に気付いた。すぐに振り向くが、姿はない。しかし、魔力は以前として残っている。むしろ、大きくなる一方だ。
近づいてきている。そう考えた言峰は間合いを取った。
「おうおう、やっとたどり着いたか」
アヴェンジャーは魔力の方向を見ることなく、その存在が何者なのかを理解しているようだった。
「何か知っているのか?」
「アンタも知っているやつさ」
「何を知ったような口を」
暗闇から、声が届いた。
ふむ、なるほどそうか。いや、しかし。
言峰は、その異質な存在が何なのか分かったようだ。しかし、それでも、なぜそれがこうなったのか、それの解決には至っていなかった。
その時、暗闇から魔力の玉が発射された。
「くっ・・・」
「こんなもんじゃないだろうが、神父さま。キャスター、あれが、核か?」
「そうね。恐らくあれが・・・?いえ、あれは、人間?」
「人間?」
現れたのはあの男。キリツグの名を語った異端児である。
キリツグはサーヴァントとボソボソと何かを話し合っている。
「お前ら、ただの人間を聖杯の器に据えたのか?よくそんなこと・・・」
「ハッハ・・・」
笑ったのはアヴェンジャーだった。
言峰は言葉を発さなかった。この場は、アヴェンジャーに任せることにしたようだった。
「悪い悪い、そう言えば俺、お前に嘘をついていたんだよ、キリツグ?」
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「はぁ・・・はぁはぁ」
「どうした?この程度か、衛宮士郎」
士郎は方膝をつき、アーチャーにひざまづく形でいた。
「くそっ・・・」
しかし、一番驚いていたのはアーチャーであった。何故ならば、士郎の強さが自分が経験したものよりも遥かに上であったからだ。
セイバーとの稽古?いや、これは間違いなくあの男の仕業か。何をした?
「トレース・オン!」
士郎は双剣を投影する。そしてそのまま、アーチャーに切りかかった。
「フン!」
アーチャーは、それを軽く往なす。
しかし、だ。それでも自分に衛宮士郎が勝利することなど、あり得ないことだった。遥かに強くなったとしても、実力も経験も自分のほうがまだまだ勝っていると考えていたからだ。
それについては、士郎自身も気付いていた。いや、気付かされていた。セイバーとの稽古と、キリツグから受けた身体強化の魔術をもってしても、互角にすらなっていない。
この男の覚悟を身をもって感じていた。いや、感じさせられていた。この男の体は、これほどに巨大だっただろうか?今はひどく高い壁に見えて仕方なかった。
その時だった。
ドガァァァアアァァアンッッッ!!
大きな音と共に、無数の刀剣が降り注いだのである。
「くそ・・・
アーチャーが投影した、7枚の光の盾が、アーチャーと士郎を刀剣から救った。
「偽物同士の殺し合いとは、見物だと思ったが、何をしている。貴様ら、それが本気か?まさかそうだとは言わんよなぁ?
金色の王が姿を現したのだ。
「何をしに来た、英雄王」
「黙れ贋作者、誰が口を開いていいと言ったのだ。しかしまあいい。そうだな、我はこの聖杯戦争を・・・」
ヤツの宝物庫から無数の武器が姿を表す。
「終わらせに来た」