Fate/the alter   作:zaregoto

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#25 待ち受ける脅威

「どうしてアナタがいるのかしら」

 

 遠坂は、ライダースーツを着ている男に問う。男は、さも興味なさそうに答えた。

 

「貴様には関係ない、小娘」

 

「大いに関係あるわよ!アーチャーに言われて帰ってきてみれば、こんな状況になっているなんて!まさかとは思ったわよ。本当にアンタがここにいるなんて」

 

「フン」

 

 ライダースーツの男は遠坂をちらりと見て、すぐに別の対象へと視線を移した。そしてそのまま、ニヤリと笑って、口を開く。

 

「ようセイバー」

 

「・・・アーチャー」

 

 前戦争のアーチャー、ギルガメッシュは不敵な笑みを浮かべたまま、立ち上がりセイバーの元へと近づいた。

 

「お前がまだ、ここにいるとはな。騎士王のヤツがお前との契約を絶ったのは知っていたが、まだここに未練があるのか?」

 

「だまれ。貴様には関係ない。事と次第によっては、この場で貴様を切るぞ!アーチャー!」

 

 セイバーは鎧を纏い、目に見えない剣を構える。それにギルガメッシュは、まったく動じなかった。

 

「フン。今のお前ごときに、この我を切り伏せることが出来るものか」

 

「やってみるか?英雄王」

 

「まあ待てって!セイバーも、挑発に乗るな」

 

 まずい状況だと判断した士郎は、これ以上悪化する前に、二人を止めた。しかし、そんなことで止まる二人でもなく。

 

「黙れ贋作者、これは我のすべきこととは別のことだ。贋作がこの場に2つもある状況が我慢ならん」

 

「止めないで下さいシロウ。英雄王の言う通りだ。貴方には関係のないこと!」

 

「俺たちはキリツグを止めるんだろ!?こんなところていがみ合っていても意味ないじゃないか!」

 

 それにこの場所でドンパチ始められるのは、そういうこと以前に困る、と士郎は続けた。

 

「しかし・・・!!」

 

「そうよ、セイバー。キリツグを止めるためには、不服だけど、コイツの力が必要だわ」

 

「・・・クッ!」

 

 セイバーあからさまに悔しそうな表情を浮かべ、剣を消し、鎧を消した。

 

「フン・・・、止めるなどという甘い考えでは先は見えたようなものだ」

 

 それを見たギルガメッシュ意味深な言葉を残し、その場で霊体化した。

 

「はぁ・・・」

 

 あからさまなため息をつく士郎。遠坂が呆れたように、口を開く。

 

「ため息をつきたい気持ちは分かるけど、衛宮くん。ため息をつくと、幸せが逃げるわよ?」

 

「分かってるけど、つかずにはいられないというか」

 

「そんなことしてる暇はないってこと。とにかく!どうしてこんな状況になったか、説明してもらわないと」

 

「あぁ。実は、さっき・・・・・・」

 

----------

 

 遠坂たちが衛宮邸へ到着する少し前、遠坂を含む4人は消えていった影のいたところを眺めていた。

 

「影は消えたようね」

 

「ハイ。ランサー、ありがとうございます」

 

「そんなこと言ったらアイツ、礼を言うくらいならやるべきことをやれ!ってどやされるわよ」

 

「・・・そうですね」

 

 ランサーが体を張って、勝機を見出だしてくれた。格好のつく勝利とは言えなかったけど、それでも勝利は勝利だ。

 

 しかし。

 

 しかし妙な点がある。ランサーたちが消える瞬間、二人が何かを言っていたこと。その後のランサーの表情。

 

 まだ何かある。凛にはそう思えて仕方がなかった。しかしそれでもこの場はもう転がることはなく、戦いのあとの静けさが流れていた。

 

「とりあえず、士郎を探しにいきましょう」

 

「わかりました」

 

 凛はそう言って、後ろを振り向いた。

 

「慎二、それに桜」

 

「なんだよ・・・」

 

 不機嫌そうに応じる慎二。それもそのはずだ。ともに戦った仲間が消えた。そうならざるを得ない。そうするしかないのだ。もう戻っては来ないのだから。

 

 代わって桜は、応じることなく空を見つめていた。

 

「あなたたちは帰っていなさい。この先、あなたたちは足手まといになるわ」

 

 凛の瞳を見つめる慎二。先程の表情とはうって変わって、真面目な表情になる。

 

「大丈夫なのかよ?遠坂」

 

「当たり前でしょ。それより、桜を頼むわよ。またこんなことがあったら承知しないから」

 

「今回ばかりは礼を言ってほしいね」

 

「そうね、ありがとう。・・・早く帰りなさい」

 

 くるりと振り向いて、先程光の柱が見えたような気がする方面を眺める。確かあっちはイリヤ、というかアインツベルンの城がある方向だ。

 

 士郎だけではなく、恐らくキリツグもいるだろう。凛はそう予想していた。あの光は、きっと・・・。

 

「じゃあ、いきましょう。セイバー」

 

「ええ」

 

----------

 

「これは・・・」

 

 アインツベルンの城に来てみれば、もぬけの殻。そもそも、対人の魔力感知符が作動していなかった。何者かに壊された後だったのである。

 

 庭に出てみれば、穴ぼこだらけだった。明らかにここで戦闘が行われている。

 

「何かがあったことは分かったわ。だけど、どこに行ったの?」

 

「戦闘が行われてから、少し時間がたっているようです。しかし、この感覚は・・・」

 

 セイバーが訝しげな表情を浮かべる。

 

 懐かしいような感覚だ。生前、に感じたことのあるような感覚。

 

 いや、待て。何をいっている?

 

 私は。

 

 私は、何故死んだと錯覚した(・・・・・・・・・・)?私は死んでいない。死んでいるはずがない。しかし。しかし、どうしてだ。何故私は霊体化できるのだ?

 

 何故今まで気付かなかった?これまでは全く違和感を感じていなかった。しかし、これは。

 

「どうしたの?セイバー」

 

「・・・いえ。しかしどうしましょう。すでにここにはいないようですが」

 

「そうね・・・。」

 

 

 

 

 

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