細かい所は追々ちゃんと説明します。
改行がおかしいのは気にしないで下さい…。
国土全てが海に囲まれた完全なる海洋国家。
この国においての最大の武力(ちから)、それがヒトの形を模した艦艇であるモノ。
外見は全くのヒトそのものであるが、その体は敵を穿つに必要な力をもち、弾をも
通さぬ鋼鐵の肉体を持ち合わせ、どの船よりも有利に、そして自由に海上を駆け巡
ることのできる実力を持ち合わせる。
“彼女”等はヒトであってヒトではない、戦うことを義務付けられ、戦の中に没す
ることが宿命とされた列記とした軍艦。
通称、俗称『艦娘』。
ただし、人類が武力(ちから)として“ヒトなるもの”も所持した代償とも言うべき
存在が、この海には既に存在していた。
機能、能力ともに軍艦ではあるものの、その姿形は明らかに人類のものとは違う武
力(ちから)、“ヒトならざるもの”。
さながら世界が人類へ掛けた制御装置(リミッター)とも言うべき忌むべき存在。
その“彼女”等もまた敵であって敵ではない、しかし人類に対等し、この海に確か
に存在する、その面妖な姿から通称『深海棲艦』。
種類は様々で組織的な動きを可能にしており、人類の外洋進出を拒む大海の番人。
陸地への侵攻は現状認められないが、数多くの島嶼が彼女等の支柱になった。
これらに対抗し得る手段として、一般船舶での攻撃は悉く失敗、航空機の攻撃は外
洋に潜む彼女等には不可能。
よって必然的に、『艦娘』と『深海棲艦』は、この海を専守すべきための唯一の勢
力となり、全人類はこの完全なる海洋国家に、この世界の生命線とも言うべき海を
託さざる得なかったのだった。
しかしなお自体は平行線を保った。
互いに消耗戦、殲滅戦、掃討戦、撤退戦、防衛戦を展開しながら数十年進展は無く、
人類は衰退もせず、繁栄もしない均衡な世界となった。
だがその平行線を先んじで崩したのは人類の側であった。
彼女等自身によって統帥されていた彼女等を、国家は戦力と看做し、専守のためで
はなく攻守のために用いられるようになった。
それに呼応するかのように『深海棲艦』は依然とした侵攻を始める。
それから僅か数年の間に、この国以外の海洋国家はみるみる衰退へと向かい、僅か
な内陸国のみが生存するのみとなった。
各国の思惑によって動かされるようになった“彼女”等のように、『深海棲艦』も
また、誰かの意思によって動かされているようであり、まるで今まで人類がこの世
界を席巻してきたように、『深海棲艦』は海上における勢力を確かなものにしてい
た。
だが人類も衰退への対策を企ていた。
完全に組織、統制された『艦娘』の実力は確かなものであり、戦力と戦略が相まっ
て、十分に対抗し得る“海軍”として反攻の狼煙を揚げんとしていた。
そしてその海軍を統制するのは、僅か数十名からなる司令官。
階級こそ高貴ではないが、知力、戦略、実力、経験全てに秀でている人類の守護者
たるに相応しい人物ばかりである。
各地方に区画分けされた戦線に派遣され、それぞれ配属された『艦娘』を駆使して
勢力を確保していった。
人類は再びこの世界を手に入れるべく、反攻を燻らせていた。