スズ・クラネルという少女の物語   作:へたペン
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体を癒すお話。


Chapter06『体の癒し方』

 目を覚ましたベルの目に最初に映ったものは布地の天井だった。
 おそらくテントの中だろう。最後の記憶は怪物(モンスター)の群れに囲まれリリの悲鳴とヴェルフの叫び声を耳にミノタウロスの攻撃を避けきれずに壁に叩きつけられたところだった。そんな自分が生きていてテントの中にいるということはあの後誰かが助けてくれたのだろう。体が鉛のように重く体中が痛む中ベルはそんなことをぼんやりと思いながら天井を眺めていたが、意識がはっきりとした途端仲間達の顔が脳裏に浮かび上がった。
「スズ、リリ、ヴェルフ!?」
 仲間の安否を確認しようと慌てて飛び起きたことで体中が悲鳴を上げて倒れそうになるが、歯を食いしばり激痛に顔を歪めさせながらもなんとか足を踏ん張る。あの絶望的な状況の中、自分より【ステイタス】の低いリリとヴェルフ、そして意識のなかったスズが無事な可能性は低い。自分は運よくミノタウロスに吹き飛ばされたおかげでトドメを刺される前に助けられただけかもしれない。大切な者を失ってしまったかもしれないことへの恐怖にベルは死に物狂いで仲間の姿を探す。リリとヴェルフの姿は確認できた。手当てが施され毛布が掛けられている。だがスズの姿が見当たらない。空きの毛布はなく毛布一式が部屋の隅で綺麗にたたまれていた。一気に脱力して膝をつく。心が空っぽになったかのような感覚。大切な者を失った喪失感。ベルは呆然と折りたたまれた毛布を見つめていた。

「大丈夫?」
 不意な声に顔を向けるとそこにはアイズがいた。どうしてここに、という疑問を抱く余裕なんてなかった。
「アイズさんっ! スズは、スズは無事なん―――――――」
 スズの安否を必死に確認しようと縋り付くようにアイズの元へ駆け寄ろうとしたが足に力が入らずに足がもつれてアイズの胸に飛び込んでしまう。アイズはそれを優しく抱き止めてくれた。
「大丈夫だよ。白猫ちゃん、元気だから」
 冷たい胸のプレートとアイズの暖かい手の感触。子供をあやすように頭を撫でてくれる手と一番欲しかった言葉を貰えてベルは安心感から体の力が一気に抜けてしまった。そして安心したところで次に襲ってきたのは羞恥心だった。プレート越しとはいえ憧れのアイズ・ヴァレンシュタインの胸に顔を埋め頭を優しく撫でられている状況にベルの頭が沸騰する。
「スいマせンっッ!!」
 ベルは兎のごとく飛び上がりアイズの手から離脱して床に着地すると同時に土下座をするという見事なジャンピング土下座をした。嫌われたらどうしようと恐る恐る顔を上げるとアイズは不思議そう、というよりもどこか名残惜しそうにベルのことを見つめていた。
「え、えっと、アイズさんが助けてくれたんですよね。僕達のこと助けてくれて……治療までしていただいて……仲間を助けて頂き本当にありがとうございます!」
 今度は謝罪ではなく最初に言うべきだった言葉を言って深く頭を下げた。
「ううん。リヴェリア達が治療してくれたけど……君の傷も、危なかったから。無理に頭を下げないで?」
 大丈夫だから、そう言ってくれているかのようにもう一度だけアイズは優しくベルの頭を撫でてくれた。

「白猫ちゃんのおかげで、私達の仲間も大分楽になったから。すごいね、白猫ちゃん。ポイズン・ウェルミスの毒を和らげるなんて……」
「ポイズン・ウェルミス?」
「そっか。まだそこまで下りてないもんね。猛毒を持った怪物(モンスター)、だよ。リヴィラの街……ここにある冒険者の拠点で買ってきた普通の解毒薬と、【魔法】で和らげてくれたんだ。まだ動けないけど、大分楽になったって、私の仲間が感謝してたよ?」
 アイズは遠征の帰りに大勢の仲間が毒を受けて動けなくなってしまったことと、スズが助けてくれたお礼に朝から毒を受けた者の看病をしてくれていることを教えてくれた。
「白猫ちゃんから事情を聞いてるけど……フィン、私達の団長がベルからも話を聞きたいって。動ける?」
「はい。大丈夫―――――――」
 です、と言う間もなくテントの中に何かが飛び込んでベルの胸に体当たりを仕掛けて来た。大丈夫『だった』と訂正しなければならない。ただでさえ悲鳴を上げていた体に不意打ちを食らいベルは激痛に悶えてしまう。

「大丈夫かいベル君! ケガはもう大丈夫なのか!? 痛いところはないかい!? ヴァレンなにがしに変なことされていないかいっ!?」

 聞き間違えることのない声。悶えるベルに「うわあああああああっ!! ベル君ごめんよ! メディックメディィィィィィック!」と一人騒ぐ神は間違いなくヘスティアそのものだった。ベルはそんな慌てふためくヘスティアを落ち着かせようと「大丈夫ですから」と言い聞かせてあげると、今度は「無事でよかったよぅ」と泣き付かれてしまった。『神の力』を使えない神は外見相応の一般人と変わらないのに、ダンジョンに神が潜るのはいけないことだと知っているのにヘスティアはこうして危険なダンジョン、それも中層まで足を運んでくれたのだ。言葉では言い表せないほど心配を掛けてしまったことだろう。心配を掛けてしまって申し訳なく思ってしまう反面、ここまで自分達のことを心配してくれているヘスティアの好意を嬉しくも感じてしまうのは不謹慎だろうか。
「……君達のこと、心配で来たみたい。優しい神様、だね?」
「はい。僕達の、自慢の神様ですから」
 頬を緩ますアイズにベルははっきりとそう笑顔で答えるのだった。

§

 【ロキ・ファミリア】のエンブレム入りの旗が立てられた小屋の中、ベルとヘスティアは緊張していた。

 団長であるパルゥムの『勇者(ブレイバー)』フィン・ディムナ。
 副団長であるエルフの王族、そして迷宮都市(オラリオ)最強の魔導士の『九魔姫(ナイン・ヘル)』リヴェリア・リヨス・アールヴ。
 迷宮都市(オラリオ)で力と耐久はオッタルと並び一位二位を争うとまで言われる超前衛特化ドワーフの『重傑(エルガルム)』ガレス・ランドロック。

 いずれも迷宮都市(オラリオ)の超有名人であり、物語に出て来る英雄のような強さを誇るLV6冒険者達である。そんな三人を前に駆け出しの冒険者であるベルと規則を破ってまでダンジョンに潜ってしまったヘスティアが緊張するなと言う方が無理があった。
「さて、神ヘスティアとは既に挨拶を交わしているが、こうして君と話をするのは初めてだね」
「おぬしらの話はロキから聞いておるぞ。『レスクヴァの里』初の冒険者だそうじゃな。酒の席でミノタウロスと正面から戦ったと聞いた時から気になっておったが、こうして話が出来る日がこうも早く来るとはのぅ! アイズ以上にやんちゃな面白い冒険者じゃわいっ!」
「ガレス、この場は身内だけではないんだ。控えてくれ」
 迷宮都市(オラリオ)の代表ともいえる一流冒険者達の何でもない会話が目の前で繰り広げられていることがベルはいまだに信じられなかった。
「こっ、こっ、この度は助けて頂いてっ、ほほほほほほ本当にありがとうございましたっ……!!」
 とにかく土下座で乗り切ろう。敬意を持って土下座をすれば気持ちが通じるはずだ。多少の粗相は笑って許してくれる筈だ。しかし勢い余ってベルはそのまま床にゴンと頭を打ち付けてしまい、それを見たガレスが高らかに大笑い、もとい大爆笑した。
「ふふ、そう畏まらないで楽にしてくれ。こちらの方こそ君の妹が団員達の苦しみを和らげてくれたことを感謝したいくらいだ。冒険者とはいえこんな時くらい助け合おう」
「それにお前達はロキのお気に入りというだけでなく、アイズとレフィーヤの知人だ。神ヘルメスとの交渉で既に神ヘスティア共々滞在を認めている。安心するといい」
 フィンとリヴェリアが気を楽にしていいと言ってくれるのだが、ベルの知らない名前が出て来た。首を傾げるベルにヘスティアが「一緒について来てくれたボクの神友だよ」と教えてくれる。
 その後軽くお互いの情報交換をしたが【ロキ・ファミリア】の団員達が猛毒で行動不能になり、足の速い冒険者に特効薬を取りに行ってもらっている間18階層に滞在中なこと。スズのおかげでまだ動かせないものの高熱程度まで症状が抑えられたことを教えてくれた。その辺りはアイズから教えてもらったことと変わりはない。一方でフィンからの質問は黒い怪物(モンスター)という異常事態(イレギュラー)を同じ冒険者として警戒しているのかそのことに関する質問が多かった。
 黒い怪物(モンスター)に追われている時に誰か他の冒険者を見たか、どう対処してどういう状況だったのか。スクハの所はスズに置き換えて覚えている範囲で説明していく。冒険者の姿は見ていないことを告げると「ありがとう、参考になったよ」とフィンは一瞬だけ悩む素振りを見せるも穏やかな笑顔でそう言って情報交換の話をそこで切った。

 今朝17階層にゴライアスが生れ落ちた為、非戦闘員である主神を二人も抱えたベル達だけで帰るのは困難だ。早ければ明日には特効薬を取りに行ったベートが戻ってくるとはいえ、それまで【ロキ・ファミリア】はここから動けずにいる。安全に一緒に地上を目指すなら数日間【ロキ・ファミリア】と共に安全階層(セーフティポイント)で過ごすことになるそうだ。
 幸いリヴィラの街に滞在していた【ヘルメス・ファミリア】の団員にヘルメスが声を掛けて、「【ヘスティア・ファミリア】は安全階層(セーフティポイント)に滞在している」と既にギルドへ文を届けてもらっているので、『白猫ちゃん』人気絶頂中の迷宮都市(オラリオ)で無用な混乱が起こることもないらしい。
 何から何まで【ロキ・ファミリア】とその【ヘルメス・ファミリア】にお世話になりっぱなしでベルは申し訳なく感じてしまった。
「短い間だけど、君達を客人としてもてなすことは既に団員達に告げてある。君達に限ってないとは思うが、周囲と揉め事を起こさなければ、あのテントは好きに使ってもらって構わない」
「すみません、本当に、何から何まで。ありがとうございます」
「ボクからも改めて。ベル君達を助けてくれたのに加え、ボク達を受け入れてくれてありがとう。少し癪だけど、日を改めてスズ君に自家製の酒を持たせてロキの所に向かわせるよ」
 それはロキも喜びそうだ、と笑いながらファンが言ってくれる。そんなフィン達にベルとヘスティアはもう一度頭を下げてアイズと共に小屋を後にした。

§

 周りの団員達が幹部であるアイズに「お疲れ様です」と頭を下げている中、複数の人影が駆け寄って来た。
「アイズさんお疲れ様です! ベルさん、お怪我の方はもう大丈夫なんですか?」
「ごくろうさま、アイズ。団長のところに行ってたんですって?」
「わぁー、アルゴノゥト君目が覚めたんだ! 良かったねー、アルゴノゥト君!」
 アイズ共々特訓でお世話になったレフィーヤと、ベルは初めて見るアマゾネスの姉妹。髪の長いティオネはアイズに話しかけているが、髪の短く胸が平らなせいもあり年よりも幼く見えてしまう妹のティオナの方はベルに一直線に向かって気さくに話しかけて来る。【英雄願望(アルゴノゥト)】というスキル名がなぜばれているのかとベルは冷や汗を垂らしている一方、ヘスティアは「まさか4号!?」と謎の驚きをしていた。
「えっと、アルゴノゥトって、ど、どういう意味でっ……?」
「ああ、気にしないでちょうだい。このちゃらんぽらんが勝手に言ってるだけだから」
「あたし達、君と白猫ちゃんがミノタウロスと戦ってるところを見てたんだ! それであたし、昔好きだったおとぎ話思い出しちゃってさー! 白猫ちゃんがお姫様で君が主人公のアルゴノゥト君っ! うん、すごかったよ!」
 どうやら偶然の一致な渾名だったようだ。冒険者の情報はその冒険者の生命線だとエイナから耳にタコが出来るくらい教え込まれていたベルはそのことを聞いて、『エイナさんに怒られずにすむ』と安堵の息をついた。心配する方向性が違っているのは連携以外は力押しで突き進んできたツケだろう。
 お互いに自己紹介をして、怪物祭(モンスターフィリア)の時にティオネとティオナもスズと面識があったことを教えられ、その時レフィーヤを助けてくれたことと今団員達の苦しみを和らげてくれていることのお礼を言われた。そこでぼんやりとだがレフィーヤと出会った時にティオナという名前が出てきた気がする。なによりもアマゾネスのヒリュテ姉妹と言えばアイズと並ぶ迷宮都市(オラリオ)の有名な第一級冒険者だ。顔を知らないとはいえ名前を聞いて即座にピンと来なかったのはフィン達に面会した時の緊張がまだ抜けきらないのと、目の前のアマゾネス姉妹の服装が薄着過ぎて目のやり場に困り上手く頭が働かない為だろう。
「ちっこい妹から聞いたよ。LV2になったんだって? ミノタウロスを仕留めたことと言い、やるじゃない、あんた達」
「あ、赤くなってるー。可愛いー」
 アマゾネス姉妹に褒められからかわれベルの顔がさらに赤く染まっていく。
「こ、こらぁー! 命の恩人とはいえボクのベル君を誘惑するんじゃないっ! 初心なベル君には君達の格好は刺激過ぎるぞっ!!」
 そんな中ヘスティアが助け舟を出してくれた。長いツインテールを両手に持ってぶんぶんと振りまわしアマゾネス姉妹に謎の威嚇を行なっている。第一級冒険者の美少女達に囲まれるベルを嫉妬の目で見ていた団員達がその突然の奇行に「ぶっ」と噴き出した。

「あははははっ! あんたのところの神も変わってるわね。私は団長一筋だから別に取って食おうなんて思っちゃいないから安心しなさい。ティオナなんて胸と一緒に男への情熱なんてストンと落としてるし」
「あー、酷い! 私の胸は全部ティオネに盗られただけだもんっ!」
 むーと膨れるティオナにティオネは「はいはい」と軽くあしらっている。
「賑やかで良い【ファミリア】ですね」
「……うん。大切な……私の居場所、だよ」
 ベルの言葉にアイズはそう僅かに口元を緩ませた。それに対してティオナが満面の笑みを浮かべてアイズに抱き着いた。
「やっぱりアイズは笑ってた方が絶対に可愛いよ!」
「ティ、ティオナさん! だから抱きつく必要はっ」
「あー、やっぱりレフィーヤ羨ましいんだ。でもアイズの隣は私の特等席! えへへ」
 抱きつくティオナをアイズは少し照れているものの嫌がっていない。仲の良さをアピールされているレフィーヤはガクガクと明らかに動揺していた。ベルの方はというと友達と笑い合うアイズが斬新でついつい見とれてしまっている。

「レフィーヤ、『白猫ちゃん』すごいね。ヒューマンなのに猫っぽい……じゃなかった。『白猫ちゃん』の解毒作業終わったから連れて来たよ」
 ティオナがアイズにじゃれついていると、長い黒髪をしたキャットピープルの女性が少し眠たそうなスズの手を引いてやって来た。
「スズさんお疲れさまです。すみません、疲れている中解毒作業をさせてしまって」
「あ、アキが白猫ちゃん連れてきてくれたんだ。白猫ちゃんお疲れっ! 眠そうだけど大丈夫?」
「白猫ちゃん……仲間のこと、ありがとう。疲れて、ない?」
 レフィーヤ、ティオナ、アイズがスズに駆け寄る中、キャットピープルのアキと呼ばれる女性がベル達の方にやって来てスズも疲労しているのに治療を行ってもらった謝罪とお礼をされる。
「私がお礼をしたくて言い出したことですから。それに免疫を高めることで症状を和らげることしか出来ませんでしたし……」
「十分だよ! あの毒は本当に厄介でさ。白猫ちゃんが用意してくれたお薬と【魔法】は好評だったよ。ありがとう、白猫ちゃん!」
 少し申し訳なさそうにするスズにティオナが抱き着いてそのまま頭を撫でまわす。
「あ、おはよう、ベル。もう体は大丈夫?」
「まだちょっと体が重いけどこのくらいなら平気だよ。スズは?」
「私は大丈夫だけど、ちょっと精神力(マインド)使い過ぎたせいか眠たいかな。【カルディア・フィリ・ソルガ】の消費は少ないけど、遠征ってあんな大人数で行くんだね。ビックリしちゃったよ」
「あれを使ったんだ……」
 電気マッサージこと【カルディア・フィリ・ソルガ】は筋肉をほぐし体のツボを刺激し、そして【魔法】の効果で自己回復能力を高める効果がある優れものだが、疲れていれば疲れているほど気持ちいい恐るべき【魔法】だということを身をもって体験しているベルは思わず苦笑してしまった。毒の辛さが和らぐ代わりに声を必死に抑え気持ちよさに耐える団員達の姿が容易に想像できてしまった。
「その薬ってのは?」
「リヴィラの街で普通の解毒薬を買ってきて、それにジェムを溶かしただけで大したものじゃないよ? 【カルディア・フィリ・ソルガ】の効果をジェムで底上げしただけだし」
 どうやらスクハが作っているジェムはスズの【魔法】の効果を底上げする作用があるようだ。漆黒のミノタウロス戦の後にポーチの中のジェムが割れていたのは使い終わり役目を終えたから砕けてしまったのだろう。ジェムの効果で【カルディア・フィリ・ソルガ】の自己回復能力を高める効果を向上させて普通の解毒薬でもある程度毒を緩和出来る様にしたのだろうが、気持ちよくなる効果まで底上げされていないか心配だ。主に団員達の下着が心配だ。後で「なんて恐ろしい【魔法】を掛けたんだ」と天下の【ロキ・ファミリア】からクレームが来ないかがものすごく怖い。

「えっと、スズ……治療した【ロキ・ファミリア】の人達は何か変なこと言ってなかった?」
「【魔法】の効果については何度も聞かれたけど……どうして?」
「あははははっ、白猫ちゃんは無自覚だもんね。安全確認の為にあたしが先にしてもらって、気持ちいい【魔法】だって皆に伝えてたから心配しなくても大丈夫だよ、アルゴノゥト君! あたしはあの感覚好きなんだけどな。疲れも飛んでくし、白猫ちゃんがいたらいくらでも暴れられそうだよっ!」
 何の悪気もないティオナの満面の笑み。おそらくティオナが興味本位で最初に未知の【魔法】を受けて今浮かべたような満面の笑みで絶賛したのだろう。そして団員達は気持ちよくなるかこのまま毒で苦しむかの二択を迫られた。あるいはあそこまでの快楽が全身に駆け巡るとは思わなかったのか。結果的には体は楽になったのだろうが、今頃団員達は別の意味でぐったりとしていることだろう。
 スズが団員達に変な目で見られなければいいのだが、フィンやティオナの反応を見る限りは大丈夫だと信じたいところだ。
 思わぬところで発生してしまった【カルディア・フィリ・ソルガ】による大惨劇にベルの口から乾いた笑いが出てしまうのだった。




命ちゃんやヘルメス様まで出すと長く成り過ぎる気がしたので、今回も短いですが分割しました。

遠征に出た三分の一の団員を襲う【カルディア・フィリ・ソルガ】による大惨劇。
善意で行なわれ、毒の苦しみは和らげられ、なおかつ質問している内に無自覚なんだなと悟ってしまった団員達の症状はずいぶんと軽くなったもののぐったりしているようです。
流石に高熱までは引かず動かせないのでベートさん待ちは変わらず。
ベル達やヘスティア様達が少し早めに到着したことで日常成分は多少増えるものの、さほど日程に変わりはありません。

原作でベル君とベートさんが入れ違うようにやってきたとありますが、外伝ではベルの出発直前である神会から10日目の朝にベートさんがロキ様の所に戻って来ているので、日程基準はそちらを重視しております。