有明鎮守府に到着し、光武・海Fを外して司令室に改めて到着した大神を待っていたのは、有明に残っていた大淀たちの出迎えだった。
「隊長、欧州からのパラオの救援、研究所の制圧とお手を煩わせてすいませんでした! 今日はゆっくりとお休みください!!」
大淀は、休みもロクに与えず日欧を往復させて、大神をこき使ったように思えて仕方がない。
とにかく頭を下げっぱなしだ。
「ありがとう大淀くん、事件などが起きない限りは少しの間そうさせてもらうつもりだよ。流石に俺も今回は少し疲れたからね。大淀くんも永井さんも不在の間の対応ありがとうございました」
そんな大淀の頭を撫でて、永井へと向き合う大神。
「礼には及ばんよ、肝心なところでしてやられてしまったからの。痛感したよ、やはり深海棲艦に対するには大神大佐の存在は必須なんじゃと。まあ、とにかく今日は風呂にでも入ってゆっくり休んでくれ」
「はい、そうさせていただきます。曙くんも化け物と化した火車との戦いで、触手に嬲られて体中が気持ち悪くて仕方がないと言う事なので、お風呂に入れさせますね」
そこで大淀は曙が顔を真っ赤にして、大神にしがみついている事にはじめて気が付いた。
まあ、でも触手に嬲られたと言うのなら仕方がない話だろう。
確かに曙の体は粘液まみれだし、気持ち悪くて仕方がないのも納得できる。
「承知の通り有明鎮守府の風呂は24時間使用可能じゃ、気にせず疲れと汚れを落としてくれ」
「はい、では俺は曙くんとお風呂に入ってきますね」
出来るだけ気づかれないように言って、大神は曙を抱えたまま司令室を出てお風呂場へと向かう。
大淀も最初はなんでもない事のように聞こえて、永井と共に業務に戻ろうとした。
だが、何かが引っかかる、気になって大神の発言を頭の中で繰り返す。
「曙くんもお風呂に入れさせますね」
別になんて事はない発言のはずだ。
汚れてしまった曙をお風呂に入れさせる、それは当然の話だ。
けれども――次の発言は、
「俺は曙くんとお風呂に入ってきますね」
……ちょっと、待て。
それって大神が曙と一緒にお風呂に入るって事じゃないだろうか?
「大変です! 大神さんが曙ちゃんと一緒にお風呂って!? 大神さんがピンチです!!」
大神が秘そうとした事に気が付いて、立ち上がってお風呂場に突撃しようとする大淀。
曙がピンチと言わない辺りが有明鎮守府の実情を良くあらわしている。
「まあ、待ちなさい大淀。大神入浴時は艦娘は風呂場に入らないのがルールの筈じゃぞ」
「しかし、曙ちゃんは淑女協定を破って!」
「大神がああ言ったんじゃ、お互い納得済みのことじゃろう。これ以上はやぶ蛇じゃよ」
そう言われると、大淀はぐうの音も出ない。
大神さんが曙の誘惑に落ちないことを祈りながら、大淀は業務に戻るのであった。
お風呂場の脱衣所に到着する、大神と曙。
だが、お風呂場を使用するのは大神と艦娘だけであるので、男湯、女湯の区別は勿論ない。
大神と曙は同じ部屋で服を脱ぎ始め――ようとしたのだが、曙ははじめて見る大神の裸体が気になって仕方がない。
「うわぁ……」
広い背中、
鍛えられ引き締まった肉体、
それでいてスラッとした身体、
はっきり言って曙の好みにどストライクだった。
いや、それは正しくは違うのかもしれない。
「曙くん?」
大神の身体が曙好みの体形なのではない、大好きな大神の身体だから好みなのだ。
「お風呂に入るのに、曙くんは服を脱がないのかい?」
そんな事を延々と考えているうちに、気がついたら大神はタオルで腰周りを隠した以外は服を脱ぎ終わっていた。
大神は振り向いて曙の方を見ている。
「え、あ、あぅ……今から着替えるから、大神さんはしばらくあっち向いてて……大神さんに見られたままじゃ、服脱げないわよ。それとも、わ、私の裸が見たいの?」
「あ、ゴメン、曙くん!!」
そう言って反対側に向き直る大神。
それで、服を脱ぎ始める曙であったが、体を動かすたび、服に、下着に、体に付着した粘液がニチャニチャと音を立てて気持ちが悪いことこの上ない。
火車の触手に陵辱されそうになった事を思い出して、震えそうになる曙。
でも、この場には大神がいる、それだけで弱気になりそうな心を取り戻せる。
「服脱ぎ終わったわ。タオル巻いたし、もうこっち向いてもいいわよ」
曙のほうに向き直る大神。
しかし、曙とは普段とは一つだけ異なっていた。
髪飾りを外してロングヘアーにしていたのだ。
「あれ、髪飾りは外すのかい?」
「勿論よ、お風呂に入るんだし。何よ、私のロングヘアー、変?」
口調こそいつもどおりではあるが、曙の心の中では『変って言われたらどうしよう!?』と不安が渦巻いていた。
「いや、すごく可愛いよ、曙くん。たまにはその髪型にしていてもいいんじゃないかな?」
「え……」
『可愛い』、そのたった一言で曙は真っ赤になってしまう。
「わたし、かわいい……の?」
「うん。ロングヘアーの曙くん、可愛いよ」
「……うれしい…………たまにはこの髪型にしようかな。さ、大神さん、私のこと綺麗にしてね」
他の艦娘の目がないからなのか、今の曙は凄まじく素直だ。
曙自身はいやだろうが、この曙なら世の男性陣の人気もうなぎのぼりだろう。
「……分かったよ。このままここにいても風邪を引いてしまうし、お風呂に入ろうか」
「うんっ♪」
大神と腕を組みながらお風呂場の中に入る曙。
しかし、次に気をつけなければいけないのは風呂に入る順番だ。
大神一人であれば、先ずはかかり湯をしてからお風呂に入って、改めて身体を洗うところである。
けれども、今の曙は触手の粘液で汚れている。
先ずは身体を洗わないといけないだろう、その場合も髪を先に洗うか、身体を先にするか。
「曙くん、髪の毛から先に洗うかい?」
「ううん、髪の毛は自分で洗えるから大丈夫。大神さんは……身体を洗って」
そう言って、曙は体に巻いてたバスタオルを外して、髪をまとめて大神に背中を向ける。
先ずは背中を洗ってほしいと言う意思表示だろう。
「分かった、じゃあ……」
大神は身体を洗うためのタオルにボディソープをふくませようとする。
ところが、
「待って!」
「え? どうしたんだい、曙くん?」
「あ……あのね、タオルじゃイヤなの、身体に小さい傷がついちゃうから」
「いや、でも、タオル以外となると……ああ、そうかスポンジがあったか」
しかし、その答えにも曙は首を振って答える。
「スポンジもダメなのかい? 困ったな、他の洗い方なんて……」
困惑する大神の手を曙が掴む。
「どうしたんだい? 曙くん」
「……手で」
「手で……って、まさか!?」
察しが付いて驚愕する大神に頷いて答える曙。
「うん、大神さんの手で直接洗って欲しいの。大神さんに直接……触れて欲しいの」
誰だお前www>曙
ヤヴァい、止まらない。
一歩間違えれば曙エンド直行便なのに書いててすげー楽しいwww
さあ、曙の瑞々しい肢体に直接触れて理性が耐えられるか大神?Www
自分はこんなん言われたら理性死ぬwww
さあ、次回R-15にならないよう気をつけないと。
今日中に更新できたらいいな。