「ごめんなさい!カウス様!カトレアさん!」
訓練の為に庭に集合した時、開口一番にそう言った人物を俺もカトレアも唖然とした表情で見ていた。
「どうした?」
俺の問いにデネボラは、か細く答えた。
「実は、カトレアさんが倒れた時、その事を喜んでいました。悔しくもありました。」
あ。それで、ごめんなさいか。
「だが、デネボラ。それなら、カトレア様に言うべきで俺にまで謝る必要はないと思うんだが?」
「そ、それは、」
答えかけたデネボラだったが、視線を泳がせる。何故か、その顔は赤みがさしているようにも見える。
「ん?」
その態度に疑問を感じてデネボラのオデコに自分のオデコをくっつけた。
「か、カウしゅしゃま。」
呂律がまわってないし、ちょっと熱い。
「熱あるな。」
『ハイ?』
その一言に皆がすっとんきょうな声を発した。
「顔も赤いし、呼吸もちょっと早い。風邪の引き始めだろうな。今夜は暖かくして寝ておけ。」
「は………はい。その、ありがとうございます。」
俺の言葉に困惑した表情でデネボラが礼を言い、みんなが白い目で俺を見ていた。
「な、何?」
その視線の意味を理解出来ず、困惑した表情で問いかけたのだが、
「鈍感。」
「ニブイ。」
「デネボラさんが可哀想。」
「若。女心を理解してくださいと申したはずですが?」
???意味がわからない。何で非難されているのかわからず、困っているとヴァリエール公爵夫人が口を開いた。
「カウス君。いくつか聞きますが、いつトライアングルに昇格したのですか?」
………………………。
「へ?誰が何にですか?」
「カウス君がトライアングルにです。」
質問の意味がわからず問いかけたのだが、その答えが返ってきた。
「ホントですか?」
「気づいてなかったんですね?という事は昇格したのは昨日という事ですね?
トライアングルになったのは間違いないです。
カウス君とスバル君はラインで
「えぇ。その通りです。」
その答えに一拍の間をおいて答えた。
「そのラインメイジが杖を二つ使った二杖流とはいえ、スクウェアスペルに打ち勝てると思いますか?」
「あッ!!!!」
言われてみればそうだ。昨日はスバルに勝つことに夢中でランクアップなんて気にしてなかった。
「後、デネボラさんやアクベンスさんがつけていたあの仮面はなんですか?」
「
その言葉に納得したのか、次の質問に移った。
「カウス君が最初、素手で戦っていたのも?」
「えぇ。聖闘士が仕えるアテナは1対1。正々堂々を大切にして、武器の使用さえも嫌った程らしいです。その為、聖闘士は常に素手で戦っていたそうです。」
そのわりには、武器を使っていた人はいるけど。
○ ○ ○
特訓の前に確認してみたら、確かにトライアングルになっていた。やった♪と喜んでいた俺を凹ませる出来事が。何とスピカがカッタートルネードを使っていたのだ。聞いてみたら、耳では聞こえぬ囁きの主にお願いしてみたら出来た。と言っていた。なんかズルっぽいと思ったが、チートをもらっている俺が言えた義理じゃないか。エレンの属性が水だという事が分かった。となるとアレかな?ヴァリエール公爵と公爵夫人に許可をもらい一旦馬車で家に戻りあるものを持ち出す。
ヴァリエール公爵のお屋敷に戻ると、スバルとアクベンスが模擬戦を開始する直前みたいだ。
腰を落として深く構える。それに対してスバルは腕を組、仁王立ちしている。一見スキだらけに見えるだろう。しかし、実際は違う。
「………動かないわね?」
「アクベンスは迂闊に動けないんだ。下手に動けばグレート・ホーンの脅威にさらされる。」
生半可な攻撃じゃスバルにダメージを与えられない。それに対してスバルは相手に先手を取らせて
ダッ!!!!
先に動いたのはアクベンスだ。深く切り込もうとする踏み込みに対し、
「グレート・ホーン!」
スバルがカウンター狙いの衝撃波を放つ。
「甘い!」
アクベンスはその衝撃波を独楽の様に回転しながら右に避ける。その勢いのままに裏拳を繰り出すが、スバルに防がれてしまう。そこからはアクベンスの一方的な展開だった。間合いが近すぎてグレート・ホーンは打てず、カウンター狙いの攻撃も上手く立ち位置を変えて当たらせないようにしている。
「ヌウウッ!!」
スキをついて、大振りの一撃を繰り出すが、その一撃を腕をつかみながら半歩ズレてかわし引っ張る。そして、
「ヌォッ!!!!」
足を払われて、スバルは投げられる。
「スバル。俺の勝ちだな?」
「ああ。お前の勝ちだ。アクベンス。」
アクベンスの確認にスバルが同意した。その面前に拳が突きつけられている。
「見事なもんだな。アクベンス。スバル。」
スバルは俺の言葉に笑いながらこちらに振り向いた。
「若。お恥ずかしいところを見せてしまいました。」
「こればかりは相性の問題だからな。」
「それで、カウス様。何でいきなり戻られたのですか?」
デネボラが不思議そうに問いかける。
「あぁ。エレンとスピカにあるものを渡そうと思ってね。」
俺は
「これってまさか、
「そう。それで、エレン。スピカ。この二つの
その問いにエレンは一瞬硬直してから答えた。
「わ、私は、
その答えに頷いてからスピカに向き直る。
「スピカ。お前は
「さて?私は、ハルゲニアの人達を護りきれると、豪語できるような人間になった覚えがありません。されど、この手が届くのなら助けたいです。」
その言葉に水瓶を掲げた人物と娘のために祈りをささげる乙女の黄金のオブジェがより強く輝いたように見えた。二人に仮面を渡す。エレンとスピカは仮面をかぶったのを見て、
「二人とも、この
「はい!!
「
エレンとスピカの言葉に二つの