SIDE デネブ
私達が指示された方向に向かいちょうど良い茂みを見つけたので、隠れた時、、スバルが何かを囁いていた。
「こんなのでしっかり聞こえているのだろうか?」
私がそう呟いた時、空から爆発音が響いてスバルが茂みから飛び出した。
「グォォッ!!」
私達を見て、オーク鬼達が私達に襲いかかろうとする。しかし、
「ハッ!」
手にしていた凶器を降り下ろす暇を与えずオーク鬼の首を切り裂いた。それで一人は倒したがスバルの方は、豪快な闘いだった。オーク鬼の手を取り、押合いをしている。
「バカな!人間がオーク鬼に勝てる訳が………。」
言いかけた私の言葉に反してオーク鬼の体が後退していく。オーク鬼に力比べをすることは、赤ちゃんが大人に力比べを挑むようなものだ。
「ば……バカな。奴は本当に人間か?」
驚いている間に、オーク鬼達がスバルを包囲しようとしている。
「危ない!」
叫んで加勢に加わろうとすると、
「加勢は無用!むしろ、そちらに来るオーク鬼達を仕止めて!」
そう言われ、その場に立ち止まる。スバルは腰を捻ってってまさか、
「ヌオォォォッ!!」
スバルは自身を軸にオーク鬼を棍棒のように振り回し、オーク鬼達を殴り飛ばした。中には骨折しているヤツもいるかもしれない。
「スバルは本当に人間なのか?」
非常に判断に悩む問いを洩らしながら、オーク鬼達の首を切り裂く。
「っせいッ!!」
スバルが投げたオーク鬼が物凄い勢いで飛んでいき、オーク鬼達に激突した。
「来い!タウラス!」
スバルの呼びかけに黄金の牡牛のオブジェが答えた。何だ?アレは?戸惑っているうちに、牡牛のオブジェはパーツ毎に分解、変形して、スバルに装着して、スバルを護る鎧となった。黄金の鎧を着たスバルは正に暴風だった。私を決してキズつけさせず、敵を倒していく。
『もし』。私はその言葉は言わないようにしていたが、それでも思わざるを得なかった。もし、私がアレを手に入れたら、私は至れるのだろうか?決して折れず、敵のみを切り裂き、護るべき者達を護りぬく。楯のような剣に。
○ ○ ○
SIDE アクベンス
「あのさ、ちょっと疑問に思うんだけど。」
俺は、共に行動しているデネボラに声をかけていた。
「何かしら?」
「俺は、カウスに信頼されているのかな?」
「え?」
俺の言葉に、キョトンと首をかしげながらコチラを見る。
「だってさ、スバルはグレート・ホーン、デネボラはライトニング・ボルトとかいった魔法を教えてもらっているけどさ、俺はアイツからは何も教わってない。だからさ、時々、信頼されているのかわからないんだよ。」
俺の言葉にデネボラはクスリと柔らかく微笑むと、
「アクベンス、可愛い♪」
そんなことを言いながら、俺を豊満な谷間に押し付けやがった。
「モゴモゴッ!!(放せ!!)」
「あぁ。ゴメン。」
腕を軽く叩いたら放してくれたけど、苦しかった。
「大丈夫。アクベンスはカウス様に信頼されている。そもそも、信頼してなかったら、
俺はその言葉に、静かに首を縦に振った。
「私もカウス様に聞いた事が有るんだけど、
そっか。それぐらいに信頼してくれているのか。デネボラの言葉に、安堵していた。
「後、カウス様がアクベンスに何も教えてないのはカウス様が教える魔法は
「そっか。ありがとう。デネボラ。」
俺がそう礼を言うと、空から爆発音が響いた。
SIDE ボルクス
ボク達はただ、その光景を見ていた。黄金の鎧を着たアクベンスさんは力と技で、オーク鬼達の攻撃をかわして、オーク鬼達を沈めていく。デネボラさんは攻撃させる暇さえなく雷で倒していく。
「お姉ちゃん。ボク達は弱いね。」
「うん。そうだね。あの時、黄金の鎧を手にいれていたら、お父様もお母様も守れていたかもしれないのに。」
ボク達のお父様もお母様も自分達と意見の対立する貴族達に殺された。確かな証拠がある訳じゃない。でも、ボクもお姉ちゃんもあの貴族達に殺されたと感じた。その時のボク達は逃げるだけで精一杯だった。
「ボルクス。頑張ろうね。今度は大切な人たちを守れるように。」
「………うん。」
お姉ちゃんの言葉に、そう頷いた。