黄金の闘技を模倣する者   作:0・The Fool

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感想頂きました、虚十戈 言遣様、並びにこのお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。


その頃のアンリエッタ姫は

 

SIDE ヴァリエール

 

「税を増やしましょう。」

 

「アホですか?」

 

 姫様に呼び出され、開口一番に出た言葉にそう返してしまったワシは悪くないもん。現に一緒に出席しているマザリーニ枢機卿殿も頭を痛そうにしているし。確かに、トリスティンの国庫は空に近いが、かといって平民を苦しませるような真似を許すわけにはいかぬ。

 

「コレを見てはいかがでしょうか?」

 

 そう言って、姫様が紙束を渡した。その中身を見てムゥゥと呻いてしまった。

 

「水のメイジを使ってビョウインなる施設を開こうとは、考えもしませんでした。。」

 

 水のメイジを集めて無償で傷や病の治療してくれる設備の設置。今までも、確かに、領主が水のメイジの場合は治療して貰えた。しかし、それには多大な額の金を支払わねばならないらしい上に心無い貴族だと、金だけ奪ってなにもしないという事もあり得るらしい。だけど、コレなら税金という形で治療費は支払っているので追加で請求出来ない。後は、治療費だけもらってなにもしないような貴族だが、複数監視の目を光らせ手当てをしないで帰すような真似をさせないようにするしかない。この紙束によると、トリスティンの国民は無料でも、他の国は無料にはしないらしい。不公平かもしれないが、他国の人間の治療をタダで行う義理などないからな。

 

「他にも、トリスタニアの街中を定期的に掃除させて出たゴミを錬金で肥料に変え農家の皆さんに格安でお売りする。」

 

 コレは、ゴミを集めたものだから格安で売ったとしても利益が見込めしかも、平民からも信頼を得られるだろう。それだけではなく、貴族側も魔法の腕が上がる可能性もふくまれている。

 

「申し訳ありません。このようなことを考えていたとは、思わずあのような暴言を言ってしまいました。」

 

 頭を下げて謝罪する私に姫様は首を横に振った。

 

「いえ。途中を話さず、ただ税金を増やしましょうだけ言った私が悪いのです。その代わりと言ったらなんですが、、ひとつお願いが。」

 

「なんでしょうか?私で出来る事なら喜んで。」

 

「ありがとうございます。ヴァリエール公爵には、病院の院長兼見張り役になって欲しいのです。」

 

 ………なるほど。ビョウインなる施設が無料でも、そこで働く人達はそうもいかない。平民から金銭を脅しとるかもしれない。だからこそ、見張りの存在が必要なのか。だけど、この紙束を最後まで見てわかったこともひとつある。

 

「姫様。コレを考えたのはカウス君ですな?」

 

「ええ。私が税をあげても、皆さんが苦しまないで済む方策はありませんか?と訪ねたら、この紙束が届きました。」

 

 紙束には、絶対に姫様かもしくは陛下が考えた事にすること。子供の自分の言葉よりも姫様か陛下の考えにした方が通りは良いだろうし、『上が下を常に考えている』という良いアピールになる。という書き込みも記載されていた。これだけでも姫様以外の人物が姫様に指示を出した事は明白だし、子供の自分の言葉よりもと明記されていること、そして、見張り役にワシを指名し、ヴァリエール領に建てさせる程にワシを信頼している子供はカウス君しか思い付かない。ならばこそ、

 

「彼の期待を裏切る訳にはいきませんな。」

 

 誰にともなく呟いた言葉がこの場に響いた。




 正直言ってこのお話、あり得ないかな?と思ってちょっとびくびくしてます。
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