「おお。元気そうだな。」
地下室に響いた叫び声にスバルはそう声をかけていた。
「す、すす、スバルさん!ど、どうしてここに!」
「ハマル。喜べ。ここを出ていいことになったぞ。」
その瞬間、叫びが響いていた。
「イヤァァァァ!!!!出たくない!!出たくない!!お外怖い!!」
「あ、あの、カウス様、ハマルさんの問題って、」
俺はエレンの言葉に頷いてから答えた。
「ああ。外恐怖症、というか人恐怖症だ。」
答えた瞬間、アクベンスからブチッと聞こえてはいけない音が聞こえた気がした。
「ダァァッ!!ウザい!出たくないなら引きずり出す!!」
切れたアクベンスがハマルに詰めようとするが、
「く、来るなぁっッ!!!!クリスタルウォール!!!!」
見えない壁に吹きとばされ腰を強かに打ち付けていた。
「あ、アクベンスさん?いったい何が?」
「
エレンの疑問をくらった張本人が答えた。
「おいちち。すっかり忘れてたぜ。スバル。この壁砕けるか?」
アクベンスの言葉にスバルは首を横に振る。
「出来る出来ないではなく、やらない。ハマル自身が外に出るのを嫌がってるんだ無理に外に連れ出す必要はあるまい。」
スバルの言葉に俺も同意するとアクベンスはしたうち一つしてこの場を去った。
○ ○ ○
みんなにハマルを引き合わせて、数日経過したある日父様に呼び出され執務室のドアをたたいた。
「父様。御呼びだと伺いました。」
「カウスか?入りなさい。」
その言葉に俺は「失礼します。」と一言言ってからドアを開ける。部屋の中にいた、父様、スバル、シエスタ、デネボラ、スピカ、アクベンスがこちらを見た。
「来たか。ここより北に行った地に村があるのは知っているな?」
その問いに俺は首を縦に振る。
「その村のそばに川にかかっていた橋が昨日の大雨で壊れてしまったのだ。その橋の修復をしてほしいと陳情が来ているのだ。」
?しかし、それだけなら俺とシエスタかデネボラのどちらかだけでいいと思うのだが?スバルに橋の修復は難しいと思うし、何より盲人のスピカに修復作業は無理だと思うのだが?
「また、その村の付近でオーガ鬼の目撃情報も入っている。」
「わかりました。アウストラリス子爵。しかし、一つお願いがあります。このメンバーにハマルも加えていただきたいのです。」
「ウム。わかった。がんばってほしい。」
その言葉に一礼して地下室に向かった。
「しかし、若。あのハマルが素直に来てくれるでしょうか?」
まず、無理だろうな。ま、そんな時はそんなときで打つ手があるから。
○ ○ ○
…案の定、「イヤだーー!!」
ハマルの魂の叫び声があたりに響き渡った。…しょうがない。
「ここは、実力行使しかないかな?」
「ヒィッ!クリスタルウォール!」
俺とハマルの間に念力の壁が出来る。そこまでイヤなのか。時間が経過するとともにハマル側の空気が薄く、逆にこちらの空気が濃くなっていく。
「さ、寒い。」
寒さに凍えながら、金髪の幼女がつぶやいていた。クリスタルウォールのせいで空気が少なくなっていくせいで熱が伝わらないのだ。
「きゅ~。」
その呟きを残して目を回して白を基調とした服を着た幼女が倒れてしまった。
「んじゃ、行くか。」
俺はその幼女を抱え上げ、目的地へと向かった。