ペルソナカグラ FESTIVAL VERSUS -少年少女達の真実- 作:ゆめうつつ
どうかお付き合いお願いします。
……まただ、またこの
夢の中という精神の世界で、結城理はこの光景を見せられていた。
『ま■一つ、試練■やっ■くる……』
『試練だって?』
それは、遠い/近くの記憶。“向こう側”という、此処ではない世界の自分ではない自分、■■■という名の自分の記憶。
これは“向こう側”で実際に在った事なのだろう。だが、在ったとしても今自分が居る“こちら側”の世界では存在しない筈の出来事の筈だ。
ならば、この記憶には何の意味が有る? ■■■がこの記憶を
『君■“ヤツら”と■■う事さ』
……ああ、そうか。この言葉は、この記憶は、警告なのだ。“こちら側”の世界は、何故か“向こう側”に似た歴史を歩み始めている事を、理は改めて認識した。
同じ時代に生き、同じ魂を持ち、同じ能力に覚醒した結城理と■■■。しかし歩む世界は、根本的に違っている。忍の世界とシャドウの世界、交わる筈が無かった世界は今、一つとなりつつある。
……何故だ? どうしてこの世界は――――、……分からないことを考えても仕方がない。
『試練■向き合■■は、準備が■要だ。■も時間は無限■ゃない。……もち■■君なら、分■ってると思■け■ね』
……そんなこと、十分過ぎるほどに分かっている。揺蕩い流れる時間を、止める事など出来はしない。過去を取り戻すことも、決して出来はしない。
だが、未来は変えられる。迫り来る驚異を知り、力を蓄える事ならば出来る。■■■やこの人物が言いたいのは、そういう事なのだろうか。
『じゃ、■れ■過ぎた■また■■■■■■――――』
……時間の様だ。記憶の光景にノイズが掛かり、それ以降を知ることは叶わない。それでも、警告は確かに受け取った。
この警告は、未来を知るスキル《デジャヴュの少年》として昇華した。そして、■■■が何故この記憶を見せたのかが、理解出来たような気がする。
■■■、“向こう側”に居るもう一人の自分。
……そう、きっとキミは――――
◆
2009年 5月9日 夜 『満月』――――
時刻は深夜零時前、理は自室で音楽を聴いていた。首に下げたMPプレイヤーから繋がる、耳に賭けた銀色のイヤホン。そこから流れる音楽が、彼の精神を安定させる。
理が『試練』が訪れるという警告と思しき夢を見てから、幾ばくかの時間が経った。その夢を見てから彼の精神に平穏が訪れたという事はなく、常にピリピリとした警戒心を募らせていた。
そして今日、その警戒心が最大の警鐘を鳴らしている。朝目覚めてからの間、常にその緊張が解けることはなく、周囲の人間をドン引きさせていたのだが仕様がない事だろう。
勿論、飛鳥達も何事かと理を問い詰めたのだが、彼は「……嫌な予感がするから、夜は待機しておいて」と伝え、それっきりである。何ともにべも無いことだ。
しかし飛鳥達は、理のその言葉に従って忍寮で待機していた。それというのも、彼が持つ危機察知能力が常識を逸しているからだ。特に、『死』に関連する察知能力は最早未来予知染みている。
例えば、相変わらず彼女達との模擬戦では負け越しが続く理であるが、その戦闘訓練の合間での殺気・殺意を伴った攻撃においては驚異的な回避能力を見せているなどだ。
その理が『嫌な予感がする』と言うのだから、飛鳥達は不安を覚えながらも彼の言葉を受け入れたのである。彼女達は固唾を飲んで、午前零時の時を指し示め様とする時計の針を見つめているのだった。
そして、午前零時が訪れる。世界は、当たり前の様に『影時間』へと堕ちた――――
(……やっぱりか)
電源の落ちたMPプレイヤーを握りしめながら、理は己の見たデジャヴュの警告が杞憂にならなかったことに、溜息を吐いた。誰だって嫌な予感など外れて欲しいモノだ。
当然と言えば当然だが、影時間になってすかさず彼女達は出撃を決意した様であり、飛鳥など慌ただしく理の自室へと転がる様にして飛び込んできた。
「結城くんッ! また影時間が――――」
「……分かってるよ。当たって欲しくなかったけど、そうはいかないみたいだ」
そう言って頭痛を堪えるように顔に手を当てる理を、飛鳥は心配そうな目付きで見守る。
彼女は勿論、ここ数日の間警戒心を募らせていた彼の様子を知っていた。心労からか顔を青白くさせ、元より少ない食欲をさらに磨り減らす理を介護しようとさえ思っていたのだ。今目の前に居る彼は、それこそ死にそうにさえ見える。
「だ、大丈夫なの……?」
「あんまり……。けど、無視だって出来ないだろ?」
既に理の知覚は、この影時間を生み出した元凶ともいうべき強大な存在を感じ取っている。それは、およそ一月前の4月9日、彼らが相対した『
ペルソナ能力に目覚めていない飛鳥はその気配を察知できない様であり、理の言葉に訝しんでいたが、彼が不調を押して出撃するという意思は理解した様である。無論、彼女にそれを止めることは出来なかった。
「安心して結城くんっ、私達がちゃんとフォローするからねっ!」
これから死地へと赴く事など思えない程に、飛鳥は笑う。彼女だって不安は有るだろう。それを理に悟らせない様に気丈に振舞うのだが、人の機微に疎い彼にだってバレバレだった。
それでも、その屈託のない笑顔は不調の理を安心させる為の配慮であり、頼られた事への嬉しさでもあるのだ。その心遣いを、理は好ましく思う。だからこそ理は、斑鳩は、葛城は、柳生は、雲雀は、飛鳥を信頼するのだ。
「……俺は、飛鳥が仲間で良かったよ」
「ふえっ?!」
突如理から告げられた賛辞に、飛鳥は狼狽する。顔をを赤くし、わたわたと慌てながらも、褒められたことを素直に受け取ったのか、彼に向けて「あ、ありがと……」と小さく呟く。
理もまた飛鳥の礼を受け取ったようであり、相変わらず表情を変えないまでも、眼を閉じてその言葉を反芻しているのであった。
……飛鳥との絆が深まった気がした――――
◆
理が大型シャドウの存在を感知した地点は、彼らが通う半蔵学院にほど近い、浅草駅の列車内であった。尤も、丁度駅に停まっているという事など無く、彼らはその列車に近づく為線路を歩く羽目となったのだが。
影時間は全ての機械類が停止するとはいえ、線路を歩くというのは中々にスリリングである。不気味に光を放つ満月に照らされながら、理達は目的の列車に近づくのだった。
「これ……だよね? パッと見じゃ、特に何も無いようだけど……」
「……シャドウの反応はこの列車からだ。けど、動く気配が無いな」
静止している列車を確認するように、飛鳥は理へと問いかける。このメンバーの中で感知能力に秀でているのは雲雀だが、それでもシャドウに関する知覚ならば理に分があった。
理は開いているドアから内部を睨みつけるようにして、この列車内に潜むシャドウの存在を感じ取っている様だ。どうやら、この大型シャドウは『待ち』の戦法を取るらしい。さりとて、無視することも出来ない。
これほど強大なシャドウを放置した場合、もし暴れ出したりなどしたら周囲への被害は計り知れないからだ。依然として大型シャドウは動きを見せていないが、それが一層不気味だった。
「しかし、こうしても居られません。幸い、ドアが開いています。そこから侵入して、内部のシャドウを討伐するようにしましょう」
「へへっ、腕が鳴るぜ! 忍具も、ペルソナも、その他諸々もな!」
葛城が意気込みをするように、腕をぶんぶんと回す。彼女だけでなく、全員がこれからのシャドウ討伐に恐れなど抱いていない様であった。
前回の『魔術師』戦と違って、今回は斑鳩と葛城、二人のペルソナ使いという戦力が増えている。以前の様に、手こずる事無く戦えるのだと思っているのかもしれない。
念のために理はもう一度、油断だけはするなと伝え、列車内に乗り込むのだった。飛鳥が率先してドア下の梯子を上る。……が――――
「あ」
「「「あっ」」」
「え、なに? ……はっ?!」
……飛鳥の今の服装は、忍転身を終えた忍装束姿である。紅いスカーフと、ベージュ色のカーディガン、緑のチェック柄のミニスカートという伊手達だ。
もう一度言おう、
「…………み、見たの、結城くん……?」
「……虹色ストライプとか、随分派手だな、としか。どうでもいいけど」
「いっそ恥じらってよ!?」
顔色をこれ以上ない程に赤くした飛鳥は、急いで列車に乗り込むと、車内から理を罵った。相変わらずデリカシーの無い男である為、パンツを見たことなど対して気にも留めていないらしい。それはそれで、少女としての矜持を刺激するようでもあるが。
ふと、彼の持つ未来視のスキル《デジャヴュの少年》が発動する。“向こう側”に居た■■■のかつての経験を、デジャヴュとして警告してくれるスキルなのだが――――
『ノ■かない■よ……』
……今さら警告されても、役に立たなかった。
次いで、理が列車に乗り込む。男が乗り込む様子など、見ていて楽しいものではないだろう。斑鳩達の反応は特に見受けられない。
しかし、斑鳩が乗り込もうとした時、葛城が反応して見せた。曰く「おっぱいもいいが、尻も捨てがたい!」とのことである。
当然、斑鳩に叱責を受け、葛城は列車に乗り込む順番を最後から二番目に回された。斑鳩は最後の番であり、葛城のお目付け役である。何とも馬鹿馬鹿しい事に、全員が呆れ果てる他なかった。
三番目に、雲雀が乗り込む。その際には下から柳生が押し上げながら補助しており、彼女の臀部を幸せそうな顔で触っていたが、理は見なかったことにした。
四番目には柳生が乗り込むが、今度は雲雀が引っ張り上げる様に補助する。彼女はやっぱり表情をトロけさせていた。というか当たり前だが、身体能力が突出している忍である彼女らにこの様な補助は必要無い筈だ。しかし最早それにツッコむ気力など理には存在しない。
戦う前から気疲れを覚え始め、一刻も早くシャドウを討伐して休息を取りたいという彼の本音を、一体誰が責められよう。兎に角、迅速にシャドウ討伐を行えるよう、理は葛城の乗車を手助けしようとする。
……そして、それは突然に起こったのだ――――
『あ■……、ち■っ■待って』
やはり突然に発動する《デジャヴュの少年》。デジャヴュの中に現れた少女は、今の理達と同じく列車内に乗り込んでおり、しかし困惑の感情を見せている。
デジャヴュの光景は当然の様にノイズが掛かっており、その全貌を窺い知ることは出来ない。それでも、少女の困惑は理に伝わり、警告を成す。
『こ■■駅でも■いとこ■停まって■■にドア全開■ておかし――――』
「ッ、不味い! 早く乗り込めっ!!!」
「は? え?」
突如として鬼気迫る表情で乗車を促す理に、葛城は混乱することしか出来ない。その一瞬が、命とりだった。
ぷしゅう、と空気の抜けるような音が響く。誰もが聞いたことのある、列車のドアを開閉させる空気圧の音だ。当然、この場においてその音が響くことは、彼らにとって悪手でしかなかった。
「チッ!」
「げっ?! ギャーーーッ!!!」
車内にいた理達と、車外に居た葛城と斑鳩を隔てる様にしてドアが閉じる。その際に葛城は指を挟んだようであり、この様な状況でなければ笑いを誘ったかもしれない。
だが、そんな悠長なことを言っている暇など無かった。当の葛城自身は……、まぁ大丈夫だろう。葛城なのだし。
「なっ?! 分断されただと!?」
「罠か……。しょうがない、気は進まないけど、このドアぶち抜くよ」
「公共施設破壊だけど、この状況じゃね……」
シャドウの計略により分断された理達であるが、所詮はただの列車である。ドアを破壊して、合流することにした。流石に全員が破壊を躊躇ったが、状況が状況である。
ガラスの向こうで斑鳩も難しい顔をしていたが、ゆっくりと頷いているので合流を優先したのだろう。理は腰に下げた鞘から片手剣を引き抜き、振り抜こうとして――――
「……え? 何この反応……周りから、凄く嫌な感じが…………!」
「雲雀、どうした?」
「……これはっ!?」
雲雀、そして理は、全身に纏わりつく様なシャドウの気配を察知し、まるで胃袋に飲み込まれてしまったという錯覚に陥る。彼らはそれが、間違いではなかった事をすぐさま知るのだった。
がたん、ごとん――――ゆっくりと響いてきた音は、この影時間においては有り得ない筈のモノだ。
……列車が、動き出したのだ――――!
「な、何? 動かないんじゃなかったの?」
「……この列車は、シャドウの支配下にあるみたいだ。く……、もっと早く気付くべきだったな……」
「だ、大丈夫なのっ?」
不安そうに尋ねてくる雲雀だが、勿論そんな筈はない。理は眼を閉じ、精神を集中させることで、意図的に《デジャヴュの少年》から情報を引き出そうとする。そして得られた情報は、最悪以外の何物でもなかった。
『……マ■イな。こ■■ま加速し■いけ■、あと■分で1つ前■■車に衝突す■!』
「……っ、急ぐよ。このままだと、次の列車に衝突することになる」
「「「衝突ッ!?」」」
彼女達は驚愕を露わにする。忍である彼女達でさえ、列車事故では生き残れる保証が無いのだろう。いや、脱出するぐらいならば出来るだろうが、今この列車内には象徴化した乗客が多数居る。
彼らを見捨てて脱出することなど、善忍である彼女達が考え付く筈もなかった。
「……驚くのは後にしてくれ、時間が惜しい。列車を止めるぞ!」
理が立てた作戦はこうだ。この列車を操る親玉“大型シャドウ”が居ると思しき前方車両まで、強行突破する。その際には縦列に並び、柳生、飛鳥、雲雀、理の順番で隊列を取るのだ。
柳生は《氷結弾》の銃撃による攻撃で雑魚シャドウの足止めを行い、飛鳥は接近するシャドウの迎撃。雲雀は感知能力による前方からのシャドウの出現、接近の察知であり、理は後方の警戒を行う。彼の《心眼》ならば、目視せずともシャドウの存在を感知できた。
「脚を止めるな、雑魚は足止め優先で止めを差さなくてもいい、怪我をしたら俺が《
「「「了解!」」」
なお、斑鳩と葛城の援護は期待出来そうにない。線路上に取り残されたままの二人を、理がちらりと視界に収めた際には、多数のシャドウに襲われていたのだ。
ペルソナ能力を使える今の二人ならば負けこそしないだろうが、今もなお加速を続ける列車に追いつけと言うのは酷な話だった。
「行くぞ!」
理の掛け声と共に、全員が一斉に走り出す。残り時間は一刻の猶予もない。いや、その残り時間さえ不明瞭だ。“向こう側”とは、現場が違うのだから。
TimeLimit ??:??――――
「柳生ちゃんっ、飛鳥ちゃんっ! 前方1、右から2!」
「前方はオレがやる、飛鳥っ!」
「うん、右の奴は任せて! 皆に近づけさせないから!」
雲雀の指示に合わせて、柳生の番傘から発射された氷の弾丸がシャドウ『囁くティアラ』を貫き、『凍結』させる。彼女はペルソナ能力を持たない為倒すには到らないようだが、『凍結』の状態異常により、動きを止めるには十分だった。
其処へ既に二体のシャドウを屠っていた飛鳥の剣撃が襲い掛かり、消滅させる。この間5秒も経っておらず、足を一瞬たりとも止めて居ない。忍少女3人による、完璧なコンビネーションである。
「出てくるなよっ!」
先を急ぐ彼らの背後から数体のシャドウが襲い掛かってくる。だが、隊列後方の理はそれに見向きもせず、ペルソナを召喚することもなく、後ろ手に放った最低威力の《
理は《ディア》系統や《アギ》の様な下級魔法ならば、ペルソナを召喚することなく発動できる。そもそも忘れがちかもしれないが、彼はペルソナに覚醒する以前からこれらの魔法を扱うことが出来ていたのだ。
それらの能力を持ってして、単独で十年近くシャドウ討伐を行っていた彼に、奇襲など成功する筈が無い。彼女達が安心して戦えるののも、
「前方1っ! ……あ、ちょっと固そうな奴だよっ!」
彼らの行く先を塞ぐ様に現れたのは、天秤型のシャドウ『炎と氷のバランサー』。初めてみるタイプのシャドウだが、見るからに『火炎属性』と『氷結属性』に耐性を持っているであろう。これでは、柳生の《氷結弾》も理の《アギ》や《紅蓮刀》も通用しない。
理はすぐさま召喚器を取り出し、こめかみに押し付けて銃爪を引く。
「……邪魔っ」
召喚された《オルフェウス》の《突撃》により、『炎と氷のバランサー』は呆気無く潰されてしまう。先を急いでいる彼ら、というか理の前に出た不幸である。その容赦の無さに飛鳥達ですら引き気味であった。
「「「(……おっかない)」」」
苛立つのは理解できるが、普段の彼との性格にギャップが有り過ぎるのだ。バトルジャンキーである葛城を敬遠する節の有る理だが、今の彼もそれと大差無いことを理解できているのだろうか?
もしも、今の彼の前でミスなど起こそうものなら――――、どちらにせよこの討伐戦を失敗すれば死ぬことに変わりは無いのだが。飛鳥達はより一層気を引き締めて、歩みを進めることを決心した。
理はそんな彼女らの気を知ることも無く、背後から机型のシャドウ『笑うテーブル』から投擲された杖や剣を、《心眼》によってやはり見向きすることなく背面に回した片手剣で叩き落していた。……彼のおっかなさが、さらに増した瞬間であった。
◆
TimeLimit ??:??――――
「……ここだ」
約二分の時間をかけて、理達は前方車両のドア前までに到達した。ドアを通して強力な存在感を誰もが感じ取っており、この先に“大型シャドウ”が居ることをひしひしと思い知らされる。
勿論突入する前に、強行突破の為此処に来るまでに負っていたダメージを理の《ディア》で回復し、万全の状態とした。しかし、体力面は兎も角、精神面はそうはいかない。特に、精神力によってペルソナを扱う理は、最も疲弊していた。
それでも、彼らが悠長に休んでいる暇など無いのだ。飛鳥達は不安を覚えながらも、理に従い前方車両に続くドアの前に立った。
「……俺も列車も長くは持たない。短期決戦で行くよ」
「「「……了解」」」
そして、理達はこの列車を支配する“大型シャドウ”と相対する――――!
床面に腰を降ろし、それでもなお天井に頭が届くほどの巨躯であり、左右の半身はそれぞれ白と黒に分けられ、乳房には
この存在こそが、暴走する列車を支配し、理達を死に至らしめんとする残酷なる大型シャドウ『
ドクン――――、と理の心臓が跳ねる。かつて『魔術師』と相対した時も味わった、あの大型シャドウを無意識に求めてしまうという、不思議な感覚だ。
しかし、それに気を取られている場合ではない。頭を振ってその欲求を振り払い、片手剣を握りなおす。飛鳥達も『女教皇』も、共に臨戦態勢であった。
「……来る」
理の短い呟きと共に、壁面に沿う聖典の頭髪が撓る様にして四方八方から理達に向かってくる。理への攻撃を最優先とした『魔術師』とは違い、メンバー全員に万遍なく攻撃を仕掛けてくるあたり、シャドウ達も学習している様だ。
既に隊列を変更し、前衛には理と飛鳥が立つが、流石にこの多重攻撃は捌ききれない。二人はいくつかの髪の聖典を切り裂くが、捌けなかった頭髪が柳生と雲雀に襲い掛かった。
「左だよっ、柳生ちゃんっ!」
「ああ!」
しかし、それをすかさず雲雀がフォローする。頭髪による攻撃を逸早く察知・伝達することで迎撃を可能とした。柳生はすかさずその方向に刃の仕込まれた番傘を投げて、『女教皇』の頭髪を切り裂く。
これにより『女教皇』の第一打は何とか防ぐことが出来たのだった。理はすぐさま作戦を立案し、全員に通達する。
「飛鳥は俺と一緒に奴の攻撃を防いで! 柳生は隙ができたら銃弾を撃ちこんで、アイツの動きを止めるんだ! 雲雀はその補助!
一瞬でも良い、奴が『凍結』したら、すぐさま俺の《オルフェウス》で畳みかける!」
「うん!」
「任せろ!」
「わかったよっ!」
理は大声で作戦を通達すると、今度は《オルフェウス》を召喚し《
《タルンダ》により弱体化した攻撃力では、《オルフェウス》の竪琴による《突撃》で難無く打ち払うことが出来た。これにより『女教皇』は体勢を崩し、決定的な隙を晒す。無論、それを見逃す彼らではない。
「柳生ちゃん、今っ!」
「仕留めるっ!」
雲雀の指示に合わせ、柳生は番傘の仕込み銃を『女教皇』に向け、銃爪を弾いた。そこから放たれた《氷結弾》が、『女教皇』の眉間に吸い込まれるようにして向かっていく。
――――だが、次の瞬間信じられないことが起こった。ぱきん、とガラスが砕けるような音が響く。
「…………な、に?」
『女教皇』の額に打ち込まれ、その顔面を凍結させる筈であった《氷結弾》は、着弾と同時に運動ベクトルを180度反転し、狙撃手である柳生へと襲い掛かったのだ。《氷結弾》は彼女の胸部の辺りに着弾し、全身を『凍結』させて崩れ落ちる。
その信じがたい光景に誰もが息を呑む。再起動が速かったのは理だったが、彼もまたこの光景を受け入れ難くあるようだ。
「『氷結属性』の『反射』耐性だって?!」
それでも『女教皇』が何を起こしたのかを理解できるだけの理性は残されていた。いや、この光景は彼の判断ミスから来た惨劇だ。その彼がこの光景を否定するなど、有ってはならないのだから。
あえてミスの原因を上げるとすれば、結城理には、そしてこのメンバーには、“向こう側”の■■■と違い、敵性存在を《
尤も、そんな無い物強請りを今更したところで起こった出来事は変えられない。今理に出来るのは、ダウンした柳生のフォローをするよう、作戦を変更することである。
「ぐ……っ、一旦全員で防御優先! 柳生が戦線復帰したら、さっきと同じ作戦で――――」
「待、て……! そんな余裕は無いぞ…………!」
「ッ!?」
息も絶え絶えに、柳生は何とか声を絞り出す。足元の覚束無いその身体を、半錯乱気味の雲雀に支えられながらだ。雲雀は、《氷結弾》を放つ合図を出したのが自分である為、柳生の今の状態を自分の所為だと責めているのかもしれない。
彼女が放った《氷結弾》は彼女自身の命を脅かすほどの威力は無かったものの、全身を『凍結』させられ、動くこともままならないでいた。
そして、この戦場において“動けない”という事がどれほど致命的であるかなど考えるまでも無い。だが柳生は、自身の安全よりも『女教皇』の討伐を優先させた。誰もが、その言葉の真意を察する。
「そんなっ?! もう次の列車が!?」
窓の向こう側に見えた景色、大きなカーブを曲がった先の路線の上には、停車している列車車両が有った。その景色を見た理は、この車両が走る速度と次の列車までの車間距離を目測し、衝突までの残り時間を逆算する。
(あと30秒……!)
TimeLimit 00:30――――
だが状況は、そんな風に焦る彼らを嘲笑うかのように悪化していく。
理達はふと肌寒さを感じ、服越しに腕を擦る。次いで、吐く息が白くなっていることに気が付いた。空気中にキラキラと光り輝く粒子が舞っており、それが所謂ダイヤモンドダストであることに違和感を覚えた頃にはもう遅かった。
『女教皇』から放たれていた《
悴んで取り落としそうな召喚器を必死に握りしめ、《オルフェウス》を何とか召喚し《アギ》を暖代わりとするが、焼け石に水だ。理の《アギ》では『女教皇』の《マハブフ》を相殺できない。『魔』のステータスが違いすぎるのだ。
最早冷気は車内全体に及び、壁や床までを『凍結』させ、空気中を舞う氷雪が視界を阻害する。理達は、完全に手詰まりだった。……手詰まりで、在るべきだった――――
「……私が行くよ。結城くん、援護をお願い!」
「飛鳥ッ?! 何を――――」
突然の飛鳥の特攻宣言に理は息を呑むが、今はその驚嘆の時間さえ惜しい。飛鳥もまた、彼の了承の言葉さえ聞くことも無く『女教皇』へ向けて突貫していった。理にはその光景がスローモーションに見える。
《デジャヴュの少年》を通じて見る光景にも、同じ様にして『女教皇』へと突撃する■■の姿があり、■■■はその背に手を伸ばしていた。
馬鹿な、と理は思う。飛鳥/■■を貶したのではない、特攻するべきならば自分である筈だという想いからだ。彼女はシャドウへの攻撃手段を得てるとはいえ、耐性面は一般人と変わりない。『女教皇』の《マハブフ》を真正面から受ければ即死する可能性すらあるのだ。そんな彼女一人が突撃したところで、如何事態が好転するというのか。
……嗚呼、かつての■■■もこのような想いに駆られたというのか。今の彼にとって、結城理/■■■が何故手を伸ばすか等、分かりきったことだ。
『“仲間”な■だよ!』
ドクン――――と、再び心臓が高鳴る。しかしそれは『女教皇』へと抱く渇望の欲求ではなく、結城理の新たな力の目覚めだ。
そう、“仲間”であるからこそ、結城理/■■■はその背に手を伸ばす。得た絆を失いたくないからこそ、その能力を振るう。今この場で、力の足りない結城理ならばそれは叶わぬ筈であった。
『そ■■りとう■う“力”を手■入れた■■いだね。■れもちょ■■変■った“力”み■いだ』
理の視点は、再び《デジャヴュの少年》の中へと移る。
『■■でも変■れるけ■、何■■属さな■“力”、それ■やが■“切り札”に■■る力■。……君■在り方し■■でね』
それは、結城理/■■■が持つ真の“力”。デジャヴュの中に居る誰かは、その使い方を示していた。
理は言わば、数字の
『貴■は御一人で、■数のペルソナを持■、そ■を使い分け■■とが■来る■です』
視点は変わり、今度は神秘的な青い部屋の中へと移る。その言葉を紡ぐのはやはり誰かは分からないが、この人物も理の力の使い方を教えてくれていた。
思い起こされるのは、あの『魔術師』や『女教皇』へと抱く渇望。しかしそれは、誰かは分からない言葉で漸く気付く事が出来た。
結城理はその“ナニか”を求め、打ち倒すことで、欠けていた“ナニか”が満たされた様な感覚を味わったのだ。それは先刻の戦いで手に入れた、『
『宿るペルソナは――――』
――――そう、そのアルカナは示した。強い意志と努力こそが、唯一夢を掴む可能性であるのだから。
「……っ、飛鳥!」
「えっ?! 結城く――――」
意識を現実へと戻した理は、今にも『女教皇』へと飛び掛からんとしていた飛鳥の肩を掴み、引き寄せる。
突撃を邪魔された飛鳥は、しかし自身を引き寄せる理の腕にドギマギしながら、どういう事だと彼に詰め寄ろうとして、その眼に宿る意志の強さに沈黙させられた。
理はそんな飛鳥の反応に構う事無く、召喚器をこめかみに押し付けて、銃爪を弾いた。
そして、飛鳥達は驚愕へと陥る事になる――――
「――――《ジャックフロスト》ッ!」
召喚されたのは、彼本来のペルソナ《オルフェウス》ではなく、イングランドの冬と霜と氷の妖精《ジャックフロスト》。
その見た目は、雪だるまの身体に青い帽子を被り、ひょうきんな顔をした可愛らしい小人である。しかし、この妖精が召喚されたことによる戦況の変化は絶大だった。
召喚された《ジャックフロスト》は『女教皇』の眼前へと飛んでいき、《マハブフ》を受け止め、吸い込んでいく。
「これは、氷が……!?」
それこそが《ジャックフロスト》の持つ特性、『氷結属性』の魔法を全て無効化してしまう『氷結無効』の耐性であった。これにより、『女教皇』の《マハブフ》を無効化し、飛鳥達の盾となったのだ。
「……でも、これじゃあ防ぐだけで精一杯。攻撃なんて――――」
理はそんな風に焦る飛鳥を宥める様に、ゆっくりと話しかける。
「大丈夫だよ、飛鳥」
「結城くん、でも……」
次の瞬間、列車の天井が爆ぜたかと思えば、そこから飛び出してくる二つの影が有った。その正体は――――
「お待たせしました!」
「済まねぇ、ちょっと遅れた! 皆大丈夫か!?」
その二人は、線路上に取り残され、多数のシャドウに襲われていた筈の斑鳩と葛城であった。どうやら、シャドウを殲滅した後、走ってこの列車へと追い付いたらしい。現状ではやや場違いだが、つくづく忍とは規格外だと認識する理である。
「俺達は一人なんかじゃない。“仲間”が居る、……そうだろう?」
「……ぷっ、あははっ♪ そうだね!」
飛鳥はそう言って少しだけ笑い、すぐさま臨戦態勢を取った。しかし、それを理、斑鳩、葛城の三人が押し留める。
今この場はペルソナ使いである3人が担うべき場面であり、彼女には柳生と雲雀のフォローを頼んだのだ。飛鳥も素直に従い、彼らの後ろへと回った。
「時間が無い、速攻で終わらせるよ」
「ええ。あのペルソナは何だと聞きたい場面ではありますが……」
「話は終わってからだな」
話は手短に、理、斑鳩、葛城は臨戦態勢を取る。そして、一秒の間を置ける事も無く『女教皇』へと突撃していく――――!
TimeLimit 00:23――――
「《ジャックフロスト》、《
まず理が唱えたのは、味方全員に『氷結耐性』を付与する魔法だった。これは『女教皇』の《ブフ》《マハブフ》対策であるが、もう一つの理由が存在する。
「ペルソナチェンジ! 《ジャックランタン》!」
「ッ、また違うペルソナを?!」
理が新たに召喚したペルソナは、同じくイングランドに伝わる火の妖精《ジャックランタン》。カボチャの頭に小さな黒いマント、そして火の付いたランタンを持つという風貌だ。
《ジャックランタン》は本来ならば『氷結属性』を弱点とするペルソナであるが、先の《ジャックフロスト》が唱えた《氷の壁》により、その弱点を突かれるという事は無かった。
「《
そして理が更に唱えたのは、対象の命中率・回避率を弱化させる《スクンダ》だ。これにより『女教皇』は動きが鈍くなり、斑鳩と葛城の攻撃を避けられなくなった。
「《ヴィゾヴニル》! 切り裂きなさい、《パワースラッシュ》!」
「《ティアマト》! 打ち砕け、《アサルトダイブ》!」
二人はここ数日のシャドウ討伐を通じて強化された物理スキルを持って、『女教皇』に畳みかける。強力な物理スキルの二連打により、大きなダメージを受けたようだが、それでも『女教皇』は倒れない。
理は更なるダメ押しの為に、新たなペルソナ、そしてスキルを発動する。
「《カハク》! 《
「これって……!」
召喚された《カハク》は中国に伝わる木の精霊。小柄な体躯にチャイナドレスを纏う少女であり、《ジャックランタン》と同じく氷結弱点のペルソナだ。唱えたスキルは、対象の防御力を弱化させる魔法だった。
『魔術師』アルカナのペルソナは火炎魔法や補助魔法に優れたペルソナが多いが、同時に氷結属性を弱点とするペルソナも多い。《氷の壁》は、その弱点を補うのに最適なスキルであった。
そして、その様子を見ていた飛鳥達は、結城理が持つ真の力に気付く。ありとあらゆるペルソナを持ち、付け替え、使役するという“力”。何物でもなく、何物でもある存在、《ワイルド》。それこそが、理の“力”であったのだ。
《カハク》を還した理は、再びペルソナを付け替えて、今度は己自身である《オルフェウス》へとチェンジする。それは、今の彼らが持てる最大の魔法スキルを唱える合図であった。
「斑鳩先輩、葛城、合わせろッ! これで決める!」
「ええ!」
「おう!」
TimeLimit 00:11――――
理に呼ばれた斑鳩と葛城は、すぐさま彼の横に並び立ち、己のペルソナを召喚する。
「《ヴィゾヴニル》、《アギラオ》!」
「《ティアマト》、《ガルーラ》!」
「《オルフェウス》、《アギラオ》!」
彼らが唱えたのは、強化されて中級の威力となった魔法スキルの三連打。『火炎』、『疾風』、そして再び『火炎』の魔法が組み合わさることにより、極限まで増大された灼熱の衝撃波が『女教皇』へと襲い掛かる――――!
「「「――――《メガブレイズ》!!!」」」
その威力は凄まじく、速度超過により激しく揺れる列車をさらに揺るがすほどの衝撃を齎し、後方の飛鳥達は思わず目を瞑った。そして、彼女達が再び眼を開けた時には、『女教皇』の姿は何処にも無いのだった。
この合体魔法により、『女教皇』の討伐に成功する。だが理の知覚は、《デジャヴュの少年》は、未だ警鐘を鳴らす――――!
『ブレー■かけな■と、す■■はっ!!!』
「やっ――――」
「いや、まだだ!」
歓喜の声を漏らした飛鳥を押し止めるように理は叫び、全力で運転室へと駆け出した。彼女達が一体何を、と思う暇も有ればこそ、再び列車が激しく揺れ出し、今度はギャリギャリと鉄を思い切り擦りあわせるような耳障りな音が響く。
「っ、そうでした! この列車はもうすぐ次の列車に衝突しそうなんでした!」
「ってことは、結城のヤツブレーキを掛けたのか!? だけど――――」
『女教皇』の討伐に時間が掛かりすぎ、今更ブレーキをかけても制動距離が足りないのだった。それは勿論運転席に立つ理も把握しており、激突が避けられないことを悟る。
「此処までか……ッ!」
だが――――
「フン、諦めるとはお前らしくもないな、結城」
「柳生……?」
運転席に入ってきたのは、先程『氷結反射』でダメージを負い、『凍結』させられた柳生であった。今はその『凍結』も解除され、雲雀に支えられながらでありながらも、己の足で立っている。
戦況から一歩引いており、感知能力に秀でている雲雀が傍にいた彼女は、理とほぼ同時に列車が止まらないことを察知したらしい。顔色は優れないが、それでも彼女の瞳には絶望は無い。
「何とか出来るのか?」
「ああ。オレ達の“力”は何もペルソナだけじゃないんだ。よく見ておけ結城、これが“忍”の力だ!!!」
TimeLimit 00:05――――
柳生は意識を集中させ、顔の前で印を切る。途端に彼女の周りから、荒れ狂う暴風雨のような絶大な力が溢れ出す。そして柳生は、その“力”を解放する!
「《秘伝忍法》! 束縛せよ、《
「……イカ!?」
理が目撃したのは、常識では考えられない程の巨大さを誇るイカであった。いや、深海ならばこれと同じ大きさであろうダイオウイカなども存在するであろうが、言うまでも無くここは陸の上である。
柳生が呼び出したと思しきイカ? は、その10本の触手のうち特に長い触碗の2本を列車に巻き付け、残る8本を地面に擦りつける。その摩擦力で列車に急ブレーキがかかり、徐々に減速していった。
理は其処で漸く、以前読んだ忍の書物の中に、『秘伝動物』と呼ばれる忍が使役する超常の存在が居ることを思い出した。
「ペルソナじゃないのか?」
現時点での柳生はペルソナ能力に目覚めておらず、この大イカがペルソナではないことは確かだ。書物にも“自然の力を動物の姿として具現化する”という記述がある為、この大イカは柳生が使役する『秘伝動物』なのだろう。
何れにせよ、柳生とこの大イカの活躍で、列車は衝突する直前で停止するのだった。誰もが安堵の溜息を吐き、その場にどっかりと腰を降ろした。
そして理は、その強大な存在に興味を惹かれ、引いては“忍”という存在と能力にも関心を寄せる。
今までは飛鳥達が担うだけの力であり、その性能を把握するだけに留まっていた理だったが、こうして眼の前でその力を見せ付けられた以上、更なる情報を得る必要がある。
「……俺にも使えたりするのか?」
理はそんな僅かな期待を抱きながら、崩れ落ちていた仲間達を助け起こし、帰り支度に就く。
影時間の中の『満月』は、そんな彼らを怪しく照らし、線路の上に6人の影を伸ばすのであった。
時間の都合とはいえ、僅か20秒ほどで倒されたプリーステスェ……。まぁ、原作ペルソナ3と比べ戦力が整っているので当然ではありますが。理も10年ほど修行を積んでいるので比較的レベルが高めです。現時点で20レベル前後かな?
ラストの柳生の秘伝動物召喚はライドウのオマージュ。この作品での『秘伝動物』の扱いは、もう少しお待ちください。
新アルカナ、新スキル紹介。
『死神』:デジャヴュの少年 ■■■
備考:“向こう側”に居るもう一人の結城理。予知スキル《デジャヴュの少年》を通じて理に警告を齎す。なお、絆を深めることでそのスキルが強化される。
また、今回の話で『愚者』と飛鳥のコミュアルカナ『???』のランクが上昇。
《デジャヴュの少年》
ペルソナ能力ではない、結城理自身が持つスキル。“向こう側”に居るもう一人の自分■■■の体験をデジャヴュを通じて知るスキル。“こちら側”も“向こう側”と同じ歴史を歩み始めており、シャドウに関する警告として有用な予知スキルである。
しかし、その情報精度は甘く、情報を獲得するにもラグが有る模様。また、『死神』のコミュアルカナを高めることで精度が上昇する。理は、■■■がこのスキルを通じて自身に警告を齎すことを疑問に思っており、彼の想像が正しければ、■■■は――――
《ワイルド》
結城理が持つ特異体質であり、ありとあらゆるペルソナを付け替え、自在にスキル、耐性、ステータスを変更できる。しかし、使えるペルソナ、アルカナを増やすためには大型シャドウを討伐する必要がある。現時点で彼が保有するアルカナは、『愚者』『魔術師』『女教皇』の3つである。
なお、この能力は本来、■■■の様に身体に■■を■■され■ことによ■■■変■であ■、こ■結城理■■来■醒■■■■■■■■■――――
次回は所謂強化イベント回。忍の力に興味を持った理は、飛鳥達に自分も忍術を使えないかと相談し――――
つまり新章『―MAKOTO―』が始まります。……いやいや、嘘ですよ。確かに作者はあの忍者漫画で一番好きなキャラが我○羅で、中の人も同じですが、理を完全に忍よりにする気はこれっぽっちもありませんので。……ほんのちょっとだけですってば(ボソッ