ペルソナカグラ FESTIVAL VERSUS -少年少女達の真実- 作:ゆめうつつ
やや短いのは今回の話を前後編に分けた為。後編のシーンがまだ全然書けていないとかそんな事は無いですよHAHAHA!
2009年 5月17日 昼間――――
『いつの世も人の道は、光と闇に別れ、戦乱の世と変わらず裏の世界に生きるは“
現代も然り。時代を経て忍の雇主は、政治家や企業に変わった――――
私欲を満たすための道具として忍を雇う者もいるため、忍の世に変革が訪れた。
国家に所属する忍を『善忍』、違法行為を犯す忍を『悪忍』と区別される事になった。
その立場の違いから同じ忍であるにもかかわらず、『善忍』と『悪忍』は戦う運命にある。
そこにどんな理由や事情があろうとも、戦いから逃れることはできない――――』
忍についてそう記されていた書物をぱたりと閉じ、結城理はため息を一つ吐く。場所は、半蔵学院忍学科の資料室。理はうず高く積もった書物の中で、そういった資料を読み漁っていた。
5月9日に現れた大型シャドウ『
その結果は上々、等と言える筈が無い。『女教皇』が列車を暴走させたお蔭で、列車は大幅にオーバーラン、うち一つの車両は天井に大穴が開いた。つまりは、人的被害こそゼロであったが、経済被害が途轍もない事になったのだ。一応、忍学科から、正確にはその上位組織から鳳凰財閥を通じ、鉄道会社に補填金が支払われてはいるのだが。
そもそも先日の『女教皇』の襲撃のみならず、常日頃の雑魚シャドウ討伐の際にも、街中には幾ばくかの被害が発生している。忍が扱う《忍結界》とは違い、シャドウの《影結界》《影時間》内での破損は現実世界にも影響を及ぼすからだ。物品、建造物、影人間と化した被害者のケアまでも秘密裏に補填し、その経理を任されている鳳凰財閥は今目が回るほどの忙しさだと、村雨は死にそうな顔で語った。ついで、有り難いお小言も貰っていたりする。
「お前ら……、頼むからもうちょっと上手くやれんのか…………?」
悲痛な顔で訴えてくる村雨から目を逸らし、理及び斑鳩はその功績を称え、煽てあげることで何とか彼を労う。小一時間も唆せば、彼もいつもの調子を取り戻していた。チョロい。
まぁ、シャドウの被害にあうこの街が混乱せずにいられるのは、間違いなく彼らのお蔭なのだ。鳳凰財閥とて表向きは普通の企業であり、忍という裏稼業に関われる人材は左程多くない。それ故に村雨も駆り出されているのだ。彼のそういった愚痴に付き合うことぐらい、甘受するべきであろう。理は大型シャドウを倒したことによって、暫くはシャドウの被害が減るであろうことを伝え、村雨及び鳳凰財閥に感謝を捧げるのだった。
しかし、それにしたって被害が完全にゼロになる訳でもない。鳳凰財閥と忍組織のサポートはあくまで金銭面のみだ。理は戦闘面におけるサポートの限界を、『女教皇』戦で感じ始めていた。
シャドウの存在の感知、周りの状況の把握、戦闘時における解析能力。それらを補う後方支援の能力者が、今のメンバーには欠けている。シャドウとの戦闘という絶対的な死地において、これらのサポート面は必要不可欠であるのだ。そして理は“忍”という存在にその可能性を見出し、今現在こうして忍の書物に目を通しているのだった。
「……そこはまず私達に話を聞くところじゃないの?」
「……俺は取説とかを読み込んでから実地に入るタイプだよ、飛鳥」
飛鳥を補助に置き、分からない箇所を彼女に質問し、纏めた情報を手元のノートに書き込む。時には彼女達の授業にも参加し、理は忍というモノに理解を深めていく。それがここ数日の、結城理の過ごし方であった。
◆
理が忍に興味を持ったという事に、彼女達は初め難色を示した。彼自身の戦力を増強することは歓迎すべき事だが、それ以前の問題が有る。
有体にいえば、彼は詰め込み過ぎなのだ。学園生活やシャドウの討伐だけではなく、最近の理は部活動も始め――しかも運動部と文化部の掛け持ちだ――、生徒会にも通っているという。
何故そこまであちこち通うのかと飛鳥達が問い質せば、「……何となく?」という答えしか返ってこない。其処は幾らなんでも何となくで済ませてはいけないと思うのだが。
兎に角、流石にこれ以上彼に何かをやらせようものなら、本気でパンクしかねない。忍の事は、忍である私達に任せてく欲しいと、飛鳥達は理を思い留まらせようと説得したのだが、彼は頑として聞き入れなかった。
前述の通り、理は“忍”に戦闘時のサポート面として期待を寄せている。そしてそれが、これからの戦闘に絶対的に必要であることもだ。現場リーダーとして、その知識を得ることは不可欠であると。
そう反論されてしまえば、彼女達も強く言うことは出来ない。取り敢えずまずは、理に基礎的な知識を身に付けさせ、彼がどのような反応を示すのかを観察するのだった。複雑怪奇な忍の世界の内情を知れば、彼もそうそう手を出すことも無いだろうという期待からである。
「忍の階級は、下から順に下忍、中忍、上忍、隠密、特上忍、最上忍、天上忍、極上忍――――」
……だというのに、理はあっさりと忍の知識を吸収していく。ぶつぶつと呟きながら、凄まじい速度でペンをノートに走らせているその様子に、隣で見ている飛鳥はドン引きだった。
飛鳥の頭の出来はどちらかといえば、余り宜しく無い方である。始めの内は彼の質問疑問などに応えていたのだが、時間が経つにつれその頻度も低くなり、今では彼へと資料をせっせと運ぶ侍女扱いだ。
(まぁ、これはこれで悪くないけどね♪)
資料を運び終えて、飛鳥は理の隣にすとんと座る。その端正な顔を横から覗き込むというのは、中々に役得だと彼女は思った。
飛鳥はにこにことした顔で理の横顔を見つめているが、彼はそれに気付かない程集中しているのだ。
「特殊ランクに、餓忍、絶忍、轟忍、虚忍、影忍、殲忍、卍忍、朧忍、秘忍。そして頂点に『カグラ』がある、と。
……そういえば、クラスに似たような苗字の子が居たっけ。厄介な病気に罹患して、治療の為に姉妹で離島に引っ越したらしいけど、大丈夫かな?」
時折そんな独り言を交えつつ、理は忍の知識を深めていく。飛鳥はそれを眺めている。穏やかな時間が、ゆっくりと流れていった。
飛鳥は思う。書物に向ける理の真剣な眼差しは、全ては自分達と共に戦う為に有るのだと。そうして、飛鳥の胸の中に不思議な感情が渦巻く。
……嗚呼、やっぱり私は結城くんの事が、■■しいと――――
「――――アインシュタインの有名な理論は一般相対性理論で、赤道付近にいる人達は自転によって大体時速1700キロで移動している。
石鹸はアルカリ性で、吉村冬彦の随筆は万華鏡――――」
「…………うん?」
ち ょ っ と 待 て !?
「ゆ、結城くん……? 今は忍に関する勉強中じゃ?」
「そうだけど、明日から中間試験だから、ちゃんとした勉強もやっておかないと」
「うえっ!?
「……そんな変な事かな? 大丈夫、飛鳥?
「言葉の意味は分からないけど、変なのは結城くんの方だよぉ……」
飛鳥は驚愕したまま、未だ何処がオカシイのかと首を傾げたままの理を一瞥し、きっとこの少年は脳みそが二つくらいあるのだと結論付けて、これ以降のツッコミを諦めた。
理はそんな彼女の様子に訝しんでいたようだが、暫くすれば興味を失くし、再び勉強に取り掛かる。彼は今度はカオス理論なる言葉まで呟いていたが、飛鳥は最後まで耳を塞いで聞かなかったことにするのだった。
◆
2009年 5月25日 放課後――――
中間試験を終え、結果発表の日。理は当然の様に、学年トップの成績を収めていた。周囲から向けられる視線は、称賛やら尊敬やら、或いは呆れといったモノだ。
無論、忍学科の面々からも祝福された。教師である霧夜からはちょっとしたお小遣いを、クラス委員の斑鳩からは弁当を――そちらは丁重にお断りしたので、別の機会に報酬を貰うという形になった。
そうして、試験後の諸々の諸事情を終え、今の理は修練場を訪れている。忍についての学習を修了し、いよいよ実地訓練に入るのだ。
「……で、まずは滝行からなんですね」
「ええ。わたくしたち忍が扱う『忍法』は、自然との一体こそが重要になります。滝に打たれることで、精神統一と共に、自然に向き合うのです」
今、理達は修練場の一角にある滝壺を訪れていた。彼の言う通り、滝行を行う為である。それに伴い、服装も何時もの半蔵学院の制服に変わり、白装束に身を包んでいた。
それは無論斑鳩達もであり、見麗しい少女達が薄手の長襦袢のみという姿は酷く艶めかしい。尤も、理は左程興味を示さず、何人かの少女は落胆した様であったが。
「自然との一体……。『秘伝忍法』を使う為には、自然の力を動物として具現化する、でしたね」
「その通りです。その具現化された動物を、私達は『召喚動物』或いは『秘伝動物』と呼びます」
理と斑鳩は忍法に関しての情報を再確認しながら、滝壺に向かって歩んでいく。飛鳥達もその後に続いたが、その表情は何処か優れない。単純に、冷たい滝壺の中に身を沈めるという事に気が進まないのだろう。
そんな飛鳥達を、斑鳩は修行の為だと説得しながら、滝の真下にその身を置く。理もそれに倣い、彼女の隣で滝行を始めることにした。冷たい水流が、全身を激しく打ち据える――――
「……でも、俺は忍法の素質は殆ど無いという事でしたが?」
理の言う通り、忍学科が彼の忍としての素質を調べた際、彼にはその才能が殆ど無いであろう事が分かっている。資料を調べた理にも理解できていたが、忍としての素質はその殆どが家系によって決まるのだ。この半蔵学院忍学科に居る彼女達も、才能の大小は有れど皆例外なく忍の家系である。寧ろ、ペルソナ能力以外は一般人であった理に僅かでも素質が有っただけでも僥倖なのだ。もしかしたら彼は、何処か有名な忍の分家筋であるのかもしれない。
無論、才能が皆無であることを理も理解し、受け入れている。無理なら無理ですっぱり諦めるが、出来るところまではしたいのだった。
「まぁ、通常の忍法でも多かれ少なかれ自然の力を使うので、『秘伝忍法』とまではいかずとも、ある程度の忍法ならば使えるようになるのでは?」
「適当ですね……。そりゃあ、俺だって身体能力強化の忍法くらいは使えるようにはなりたいですけど」
理にしては珍しくも愚痴りながら、斑鳩に自身の想いを吐露する。今までのシャドウとの戦闘において彼女達忍の圧倒的な身体能力が、戦闘時に理との足並みを揃えることを難しくしていたのだ。
それが顕著に表れたのは、やはり5月9日の『女教皇』戦であろう。『女教皇』の居る場所へと向かうときに理の足が速ければ、或いは戦闘時に忍の技を持って手古摺る事が無ければ、あそこまで飛鳥達を危険に晒すことは無かったのだから。
「欲張りだねぇ……。ペルソナ能力だけじゃ、まだ足りないってのか?」
「足りてはいるけど、もっと万全にしたいっていうのが本音だよ。それを言うなら葛城や斑鳩先輩は、もうペルソナと忍法の2つの能力を持ってるよね? それがちょっと、羨ましいってのもあるな」
「む……」
同じく滝に打たれている葛城は、呆れたように理に声を掛ける。かつて自身が力に溺れそうになった故の忠告でもあるのだろう。無論、理とてその危惧を抱かれることは想定済みであるし、それでも彼は力を欲するのだ。
「……結城さん、無茶だけはしないで下さい。貴方は他の何物にも代えられない、わたくし達の戦略の要、そして大切な仲間なのですから」
「そうだぜ。お前が居たから、アタイ達は此処まで来れたんだ。アタイ達に出来るフォローならなんだってするから、そう気負うんじゃねぇよ」
「……ええ、ありがとうございます」
理は斑鳩と葛城の二人からそんな言葉を掛けられ、気恥ずかしくも礼を告げるのだった。
……斑鳩と葛城からの確かな信頼を感じる。二人との仲が深まった気がした――――
しばらくして、理達は滝行を終える。激しい水流に打たれつつ滝壺に身を沈めていた為、全身を程よく解すことが出来た。滝行には、こういったマッサージ効果もあるようだ。
全員が水を吸った白装束の裾を絞りつつ陸に上がり、その寒さに震える。飛鳥や雲雀などは、ガタガタと全身を震わせて、身を温めようとしていた。
「「さ、ささ、寒い~~~っ!!!」」
「……火、要る?」
「止めて下さい、これも修行の一環です」
理は見かねて《
因みに、そういう斑鳩も唇を青くしており、彼女はやせ我慢をしているのだろう。柳生は無言だが、やはりを身を震わせている。というか飛鳥達より酷いので、寒がりなのかもしれない。
葛城は……、白装束が水に濡れたことにより、くっきりと浮かび上がる少女達の身体のラインをガン見していた。ある意味、最も酷い。
「何言ってんだ、普通此処は見るところだろォ!? 結城、お前も男ならもうちょっとがっつくべきだぜ!」
「いや、どうでもいいので」
「「「チッ!」」」
何やら舌打ちが多数聞こえたが、理は無視することにした。そうでなくとも、男性が女性の半裸姿を凝視するなど、マナー違反もいいところである。そういった良識を、彼は当然備えていた。
確かに葛城の言う通り、今の彼女達は水に濡れ、白装束がぴっちりと肌に張り付き、しっとりとした色気を漂わせている。短めの白装束から肌蹴た裾から垣間見える肌や手足、濡れた髪が顔に張り付いて、何時もとは違った印象を見せているのだ。
さらには、濡れて透けた装束は少女達の豊満な身体を投影し、身に着けている下着の色や形さえ判別することが出来る。しかもそれが、計5人という状況なのだ。これでは、大した反応を見せない理の方に問題が有ると言われても仕方が無いだろう。
……それどころか、寧ろ――――
「「「(結城(くん)(さん)、エロいなぁ……)」」」
同じく水に濡れた状態となっている理に対して、そういったヨコシマな感情を抱いている少女達が居るほどだ。“水も滴る良い男”という言葉がこの上なく似合うのが、今の理の姿である。
理はその何だかよく分からない悪感情を向けられた事により、水の冷たさとはまた別の悪寒を感じ、身震いするのだった。
◆
そんなこんなで、漸く本格的な忍法修行に入る。水から上がり、身体を拭いて、いつもの服に着替えて人心地が付いた理達は、主に3グループに分かれて彼の忍法修行を行うことにした。
基礎的な『忍法』を身に付ける為の修行には斑鳩・葛城を、『秘伝動物』召喚の忍法には柳生・雲雀を、そして彼女達“忍”の力の要である『忍転身』には飛鳥が就く事となった。
理は二人の師事を受け、四苦八苦しながらも忍法を身に付けようとしている――――
「……飲み込みは早いですね。既に自然エネルギーの取り込みは出来るようになりましたか」
「まぁ、ペルソナのお蔭で“力”の流れ方は大体分かります。自分の内から出すか、外から取り込むかの違いですから、コツを掴めばある程度は」
そもそも斑鳩と葛城が基礎技術の師事を担当しているのは、この二人が理と同じくペルソナ能力を有しているからだ。未だその全容が分かっていないペルソナ能力が、彼女達の忍法にどのような影響を及ぼすのかさえ定かではない。二人曰く、以前と変わり無いという事なのだが。
そうして暫く経てば、理は取り込んだ自然エネルギーを活用する忍法を行使できるようになり、当初の予定であった身体能力強化の忍法を習得する。
理は習得した『力』を強化するスキルを《力のチャクラ》、『速』を強化するスキルを《速のチャクラ》、『耐』を強化するスキルを《耐のチャクラ》と名付け、今後とも活用するようにするのだった。
「けどなぁ、結城はそこで頭打ちか。センスは有るだけに、素質が無いってのは勿体ないねぇ……」
……尤も、各スキルにおける能力の補正値はお察しレベルであり、無いよりはマシという程度なのだが。葛城もその部分を嘆くように理を憐れむのだが、しかし彼はさして気にする風でもなく、けろりとしてこうのたまった。
「こればっかりは如何しようも無いよ。大事なのは、如何にこの能力を使うかだ」
「お前がそう言うんならいいけどさ……」
そうもどかしそうにぶつぶつ呟く葛城は、上昇志向を持たない理に不満気なのだろう。斑鳩はそんな彼女を窘め、改めて理に向き合う。
理は地べたの上に胡坐を掻いて座り込み、両手は忍法の印を結んでいたが、斑鳩から話しかけられた為、印を解いて少しだけ体勢を楽にした。
「それで、結城さんは取り敢えず身体強化の忍法を習得できましたが……。他に必要そうなものは有りますか?」
「そうですね……」
理は少しだけ考え込むそぶりをして、次いで斑鳩をじっと見つめる。その銀灰色の双眸に見詰められ、僅かに胸の高鳴りを覚えるが、それを圧し留めて訊ねる。
「な、なんでしょう?」
「斑鳩先輩……飛燕って、何処に仕舞ってます?」
「え?」
「いや、斑鳩先輩は戦うとき、飛燕を何処からともなく呼び出すので。あの武器を出し入れする? 忍法が使えたらな、と」
ペルソナを付け替えることの出来る《ワイルド》に覚醒した理は、様々なポジションに就く事が可能となった。前線に立っての近距離及びペルソナ攻撃、後衛からの支援魔法や遠距離武器での攻撃などだ。あえて言えばそれらを両立する中衛が、今の彼のポジションかもしれない。
その為に、状況に応じて武器を使い分ける必要も出てくるだろうと感じて、理は斑鳩にその忍法を使えないかと尋ねたのだ。斑鳩は何故かわたわたとしながらも、理の質問に答える。
「そう……ですね。確かに武器引き寄せの忍法は有用でしょうけど……それなりに難しいですよ?」
そう斑鳩は忠告するが、理にとって難しさなど二の次である。大事なのは、有用か無用か、その二つだけだ。
兎に角理はその忍法をどうやって修得すればいいのかを斑鳩に尋ねようとして、其処に葛城が待ったをかけた。
「なぁオイ、今思ったけどさ、結城はいろんなペルソナを召喚できるんだから、ペルソナを“武器だけ”で召喚するとかできないのか?」
「……武器だけを?」
そう葛城に問われて、ふと考え込んでみる。彼女の問い掛けは予想外で、かつ今まで想像だにしなかったことだ。余程柔軟な思考を持っているのだろう。
理は忍法修行もそっちのけて、精神を集中して自己の内側たるペルソナへと問い掛けて、葛城の提案が実行できないかを試すのであった。そして――――
「……出来る出来ないで言えば、出来る……と思う」
「おお、マジか! って、思う?」
「何と言うか……、非物質存在のペルソナを、物質である武器にするのが少し手間が掛かりそうなんだ」
ペルソナには元より物理的な干渉能力が有るが、それでも彼らはこの世の
■■■の記憶の中にもあった、ペルソナを武器や防具へと変換する
「今はまだ、使えそうにないかな」
「そうかー……、残念だな……」
「まぁ、精進あるのみですね。今は取り敢えず、結城さんが忍法を覚えるのを優先しましょう」
その後、理は二人から様々な忍法を再び師事される。
天空を掛ける戦闘法《
しかしやはり、理にはそれらの忍法が使えない。そろそろ斑鳩と葛城の視線に憐れみが混じってきたように感じられるが、やっぱり理は気にした風でもない。その神経の図太さだけは、最早見習うべきであろう。
斑鳩はもう自分の指導に問題が有るのではと落胆しており、葛城は投げやり気味に理に問い掛けてくる。
「……お前、もういっそ忍者のペルソナとか居ねぇの?」
「あー……多分居る、かな?」
理はシャドウとの戦闘を通じて、打ち倒すことにより、心の海よりその恩恵や成長の証として新たなペルソナを獲得する。その中で『愚者』のペルソナに、そういった気配が感じられるのだ。
「で、使えますか?」
「まだ無理」
「「ですよねー」」
結城理が“忍”として大成するには、まだまだ暫く掛かるようである。
修行するも才能無し――――それが今作における理のスタンスです。元からペルソナ能力一強の状態なのに、この上忍の才能まであったら飛鳥達の立場が有りませんので、忍方面に関しては出しゃばらなくさせて頂きました。合掌。
ただし閃乱カグラらしく、最低でも『忍転身』『命駆』『覚醒形態』の3つは出したいですね。
なお、理は『有名な忍の分家筋』という記述がありますが、本編に絡むことは有りません。ぶっちゃけ、只の中の人ネタです。某スタイリッシュバッサリゲー2作目に登場する忍者がCV石田さんなので、そこから拝借。因みに、ペルソナ2に登場する『愚者』最強ペルソナもこの忍者だったり。何だこの偶然……。
今回登場したスキル
・《力のチャクラ》
・《速のチャクラ》
・《耐のチャクラ》
それぞれ、『力』『速』『耐』を強化するスキル。出典はライドウシリーズより。
ただしその上昇率は僅かに“3”。ステータスの最大値は40なので、ホントに無いよりマシである。なお、地味に《速のチャクラ》はオリジナルスキルだったり。(本家のゲームがアクション戦闘の為、『速』のステータスが存在しない)
・《
理が■■■の記憶の中で見た、ペルソナを武器、防具といったアイテムに変換するスキル。現状では使用できない。
後、理が某カグラっぽい名前の少女とクラスメイトだったと発言していますが、この子は勿論どこぞのおっぱいがマーベラスなゲームの
次回は修行回後編。柳生と雲雀、飛鳥と一緒に修行します。どうぞ、期待しないでお待ちくださいませ。