「はぁぁ…アカデミー行きたくないってばよ…」
珍しく朝から憂鬱なナルト。
その理由はアカデミーで学べる基礎を全て学んだナルトは二人の老人とお節介な先生に今期で卒業して下忍になるよう言われたからだ。
確かにナルト自身、基礎は完璧にマスターしたと思っている。さらにそれらを改良して幾つかの新術開発に成功したため、そろそろ実戦で成果を確かめたいと考え、近いうちに卒業を考えては居た。
しかし今期は不味い…とにかく不味いのだ。
「チョウジは良いとして、うちはサスケに日向ヒナタ、犬塚キバに奈良シカマル、山中いのに油目シノ、他にも期待の星がずーらずら……何で里の名家や期待ある生徒がゾロゾロいる今期なんだってばね…」
チョウジと同じ班になれるのであれば少しは今期の卒業も前向きに考えるが、秋道家は『奈良・山中家と同じ班』と暗黙の了解で決まっている。
他のクラスメンバーと自分のスリーマンセルを想像したが結果は『ありえない』だった。
「こんな事になるならテンテン姉やリーさんと一緒に卒業して同じ班にして貰えば良かったってばね!!」
危なかっしいと何時も世話を焼いてくれた武器使いの少女とライバルの熱血少年を思い浮かべナルトは叫んだ。
後悔先に立たず、とはまさにこの事。
比べられるにしろ何にしろ、名家と同じ班になってしまえば目立つのは確実。
なんとか対策を練ろうと頭を悩ませナルトが辿り着いた答えとは…
「急に気分が…ゲホッ、ゲホッ、グハッ!今日はアカデミー休まなきゃ、ヤバイってばね!」
仮病だった。
再びベットに入り、二度寝しようとする。
だがそうなることを予測し、迎えにきたお節介な教師ことうみのイルカにより叩き起こされ、罰として卒業試験を合格しなければ一生ラーメンを奢らん!っと言われ泣く泣く合格するのは今から1時間ほど後の話である。
無事合格したナルトだが、校庭の隅にある古びたブランコに座って卒業を喜ぶクラスメイト達を恨めしそうに見ていた。
「俺のチームはうちはとその信者のサクラ……悪目立ちは間違いないってのに…」
「やあ、ナルト君!」
「ミズキ先生?」
そこに現れたのはイルカと一緒に試験を監督したミズキと呼ばれるアカデミー教師だった。
「イルカ先生は互いに足りない部分を補えるようにサスケ君と君を同じチームにしたんだ。それは誰が見ても正しい判断だと思う……けど僕は正しい判断が全て正しいとは限らないと思うんだ。」
「み、ミズキ先生~!出来ればイルカ先生に班決めやり直しをお願いしてほしいってばね……」
「流石の僕も一度決まったのを変えることは無理だ…けど、実は火影邸の倉庫に『林』の下に『示』って書かれた巻物があるんだけど、それは『再編成申請書』…簡単に言うと班を組み直してくださいって申請する書類なんだ。」
「じゃ、じゃあ!」
「それがあれば違う人と組めるよ!」
一人の我が儘で再編成…そんな馬鹿みたいな話を幼い頃から学び、膨大な知識を溜め込んできたナルトの頭は疑いもせずに信じた。
それほどまでに追い詰められていたナルトは『今晩森に持っていくから手続きよろしく!』と言ってニコニコしながら帰っていった……ミズキが嫌な笑みを浮かべ走り去る自分の背中を見てることにも気づかず。
「ヘッ、本当に馬鹿な餓鬼だ!」
だがミズキは知らなかった……指定された森とは『ナルト邸』がある森で、『化け狐が住まう森』とはナルトが育てた数多の怪物の住みかであり、ナルトの意志1つで難攻不落の大要塞に変わることを。
やっとミズキ登場!
彼にはさして思い入れ有りませんっ!!
次回、ナルトとミズキ~無事には出られん~
また見てね!