週末限定ではあるが二人がナルトを鍛えるようになり2年が過ぎた。
その間、ダンゾウは戦いの基本を、ヒルゼンは精神面の修行を行った。
ヒルゼンが精神面の修行に忍術以上に力を入れたのには訳がある。
それは不安定な精神はナルトの強みである『観察・思考・対応』を鈍らせ弱点に変え、更にはチャクラの質や練るスピード、術や体術の威力にも影響するからだ。
本日の修行内容はどうやら座禅らしい。
「あ、足痺れてきたってばね……」
「なんじゃ、もう限界なのか?」
「んなこと言ったって……じいちゃんは何で平気なの?」
「簡単なことじゃよ……痩せ我慢しとるだけじゃ…」
涼しい顔して会話するヒルゼンだが実はとっくの昔に限界がきていた。
しかし、鋭い観察眼を持つナルトにも表情や仕草からは全くそれが分からない。
「よいかナルト……忍に定まったルールはない。敵は1対1なんてフェアな戦いはせんし、此方が怪我してるからと待ってもくれん。」
「………うん。」
「じゃからこその『痩せ我慢』じゃ。窮地に陥いろうと、怪我をしていようとそれを敵に悟らせてはならん。」
ナルトはヒルゼンの話を聞きながら、暴力振るってくる里の住人達を思い出した。
彼等はナルトの怪我や容体などお構いなしに攻撃してきたからだ…
「儂の忍人生で学んだ三訓は『痩せ我慢・悪足掻き・無駄な努力はしてなんぼ』じゃ。」
「全部変だってばね……」
「ハハハ!そうじゃな…じゃがナルトには覚えてて欲しいんじゃ。
昔は儂も何をやってもダメじゃった……忍術は失敗、体術も才能無し。それでも儂は諦めきれなかった。
周りはそんな儂の修行を無駄な努力と言ったが、戦争が始まった時に『無駄な努力』が報われたんじゃよ。
儂の体は馬鹿の1つ覚えの様に修行続けるうちにタフになっとった。
じゃから数多の攻撃に曝されても儂が諦めない限り、この体は何度でも立ち上がった。
その時はまともに術も使えんかったが、ひたすら学んだおかげで印を見れば発動前に術を見抜き、対策を練れるようにもなった。」
「じいちゃんドベだったの!?……じいちゃんの体スゲェーってばね!」
「それからも周りが言う『無駄な努力』を続けて『プロフェッサー』と呼ばれるようになり、今じゃドベだった儂が火影じゃ。」
語られる物語に鼻息荒くしながら興奮するナルトを穏やかな笑顔浮かべながら撫でるヒルゼン。
その姿は誰が見ても幸せそうは祖父と孫にしか見えないだろう。
「人は『潔さ』に美学を見いだしたがる。じゃが、痩せ我慢して強がるのも、諦めずに格好悪く足掻くのも、報われないかもしれない努力をひたすら積み重ねるのも儂ら人間が持つ『権利』の1つじゃ。
権利を使わずに『潔く』死ぬも良いが、どうせならその『権利』使って足掻いて少しでも長く生きた方が良いじゃろ?」
「うん!俺も死ぬまでその『権利』使いまくってやるってばね!」
「うんうん……なら修行再開じゃな!」
「えぇぇー」
「何を聞いとったんじゃアホたれ!」
こうして二人の修行は続いた。
その後、ナルトは『権利』を死ぬその日まで使いまくったらしい……
どーもー!
今回は外伝第2話です!
プロローグど第1話に到るまでの修行風景の1コマです。
次回外伝第3話はダンゾウとの修行話になります!