蠱毒な少年   作:巳傘ナコ

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ボツ話 七班の絆の第一歩 ~きかない事も大切な事~

「「す、す、水遁・水膜球!!」」

 

見事二人の忍に大ダメージを与えはしたが鬼兄弟の異名を持つ二人の忍を仕留めきるには至らなかった。

二人の口から出され、合わさった膨大な水は球体となり、それに飛び込む事で消化し、ダメージを最小限に抑えたからだ。

 

「良くやったナルト」

 

下忍三人のみなら次に繋がる有効手だったが、カカシが居る現状では隙を作るだけの悪手以外のなにものでもなかった。

カカシは二人の背後に回り込み、指先に小さな雷玉を作り水球に触れた。

 

「「グ、バナガアヤザマグエェェ!!」」

 

結果は言わずもがな二人は感電し、あっさりとカカシ達に捕らえられた。

 

「せ、先生さんは勿論だが小僧も超スゴイな···」

 

「ナルト「だからな···」ですから···」

 

「誰一人怪我無く済んだのは良いけど対応早すぎでしょナルト···コイツらのターゲットが誰か見定められなかったじゃない」

 

ターゲットと言う言葉にビクンと反応したタズナをカカシもナルトも見逃さなかった。

そんなやり取りを続け、タズナが自身の口から語るのを待つが語るより先に鬼兄弟二人が目を覚ました。

 

「ぬ、抜け忍とはいえ俺達だって忍だ····」

「何をされようと情報は吐かねぇぞ!!」

 

そう言った直後に二人は舌を噛んで自害しようとし、カカシは再び気絶させようと掌に雷のチャクラを集め、サクラとタズナは恐怖から目を瞑り、あっさりと死を選ぶ二人にサスケは唖然としたが二人の自害はあっさり失敗してしまった···忍の闇と恐れられた老人の弟子の手によって。

 

「二人とも死ぬなら一瞬で行動しないと駄目だってばね!!」

 

二人の口に布を突っ込むことであっさりと自害を阻止したナルトは何故か敵にプンスカ怒っていた。

 

「死ぬのに一々前フリ要らないし、舌噛むなんて素人中の素人か死にたくない奴しか選ばない方法だってば···だから実力劣る俺なんかに止められるんだってばね!」

 

普通なら命の尊さを説くとか、説得して会改心させるような場面で始まった自害方法へのダメ出し。

 

((((何言ってるのこの子っ!?))))

 

敵味方関係なくナルトを覗く全員の心が1つになった瞬間だった。

 

「最後の手段奪われた忍の末路は勿論分かってるってばね?」

 

ゴソゴソバックを漁り、ナルトが取り出したのは【問】と書かれた巻物でそれを開くと中には無数の項目があり、カカシと鬼兄弟は書かれた文字を見た瞬間に顔を青くした。

 

「うずまきナルト流尋問の始まり始まり~!」

 

巻物にチャクラを流すと次から次へと出てくる拷問道具

悲鳴をあげようにも詰め込まれた布が邪魔してうめき声しか出ない敵に「うるさい!」と一喝したナルトが真っ先に手に取ったのは黒い手拭いと2つの小瓶だった。

 

「そこの拷問とは一味違うから覚悟してってばね♪」

 

黒手拭いで二人の目を隠し視界を奪い、小瓶の中身を二人の口に詰め込んだ布に染み込ませる。

 

「ちなみに毒じゃないからご安心! これは人間の痛覚をシャットダウン···所謂超強力な麻酔だってばね!」

 

完全にナルトの独壇場ができあがっていた。

嬉々として【拷問】を語るナルトにサスケとサクラの体は小刻みに震え、カカシはナルトの危険度を見定めようと傍観に撤し、タズナはこれから起こる惨劇に目を背けた。

 

「麻酔が完全に効いた今、二人はこれから起こる痛みは感じない···けど、麻酔が薄れるにつれて痛みがどんどん強くなっていく。」

 

最初こそ明るかったナルトの口調が喋るにつれて酷く冷淡になっていく。

聴覚に頼るしか現状を把握できない二人はサスケとサクラ以上にガクガク震えていた。

 

「まずは忍の命、手と足から捌くってばね!」

 

[ゴキン! グッギン! バギンッ!]

 

「逃げられないようにしたら、次は肉切りタイーム!」

 

「プッスゥ! ザシュッ! クチャクチャ···」

 

二人の忍の耳に入るは

聞き慣れた骨をへし折る音

殺り慣れた肉を裂き断つ音

 

「ンッッーー!ングッ!!」

 

痛みを感じない筈の悲鳴は静かな森に良く響いた。

 

 

 

side:種明かし

 

響く悲鳴をBGMに行われるクッキングはシュール以外の何物でもなかった···と語る担当含めた七班。

なぜならナルトが拷問と称して行っていたのは例えや比喩などではなく純粋に夕食の仕度だった。

 

肉を捌く音は巻物から出した様々な肉を捌く音

骨を折る音はキャベツや白菜の芯をへし折る音

 

それ以外のリアルな音はナルトが声帯を弄って出した声真似と実際に自身の肩や間接を外した音

 

先程敵に飲ませた小瓶には手で隠れて見えなかったが調味料の名前が書かれていた。

 

~30分後~

 

料理が完成したと同時に鬼兄弟はギブアップした。

聴覚以外の全てを封じられた二人は闇の中で聞こえてくる痛々しい音に精神を削られ堪えられなくなったのだ。

 

視界を奪われていた二人は知らないが、口を塞がれていた二人が30分という尋問にはしては短い時間で自白のチャンスを貰えたのはサクラがナルトを止めたのが大きな理由だ。

 

 

 

side:サクラ

 

「も、もういいよナルト!もういい!」

 

鬼兄弟と呼ばれた二人の反応以上に自身を躊躇なく痛め付けるナルトを見てられなかった····

 

「きっと話すよ! だからもう終わりにしよっ!!」

 

痛みすら感じてない様なナルトが私には怪物に見えた。

 

本当は今すぐ逃げ出したかった····

それでも逃げ出さなかったのは【能面】と呼ばれたナルトの目が泣いてるように見えたから。

 

気づいたら抱きしめてた。

 

「私達はチームでしょ!」

 

「ナルトが一人でやることない!」

 

「こういうのはカカシ先生に任せようよ!!」

 

ナルトの返事なんて聞こえない。

ただひたすらに止めていた。

 

泣きじゃくる私はきっと酷い顔をしていたはずだ··

そんな私にナルトは一言だけ呟いた。

 

「··········ごめん」

 

外した間接を戻すナルトの手当てしようと触れたとき私は気づいてしまった···

ダボッとしたジャージの下が所々歪に膨れているのを···

 

隣でナルトを押さえているサスケ君も何か見つけたのか青ざめた顔をしていた。

 

 

 

side:サスケ

 

異様な光景が前にあった。

 

躊躇わないナルト

 

痛がらないナルト

 

俺達が知らないナルトがそこには居た。

 

何故か悔しかった。 

この悔しさがどこから来るのか分からないが気づいたらナルトの腕を掴み、サクラと一緒にナルトの動きを無理矢理止めていた。

 

「止めろナルト!」

 

サクラと一緒に力ずくでナルトを引っ張り、二人から引き離した。

ナルトからボソッと聞こえた謝罪に何故かたまらなく胸が痛くなった···

 

そして俺は見てしまった···

袖口や襟元から見えたナルトの体に無数の痣があるのを···

 

視線に気づき隣を見れば泣き止んだ筈のサクラがまたボロボロ泣いていた···

 

 

 

side:ナルト

 

いつまでも経っても離れない二人

じーちゃん仕込みの尋問術は下忍成り立ての二人にはキツすぎたみたいだ。

 

里を出る前に数人に捕まり、殴られた傷が痛むからそろそろ放し欲しい···

 

「そろそろ二人とも離して欲しいって····「「馬鹿ナルトちょっと来い!!」来なさい!」

 

先程まで泣いていた顔としかめていた顔が鬼のような形相になっていた。

 

「「カカシ」先生後は任せました!」

 

背後でカカシ先生が何か言っているが二人は止まらずにそばの林に俺を放り込んで一言

 

「脱げ」

「脱ぎなさい」

 

はっ?

脱げって何を?

ってか現状脱ぐものなんて服位だから服だよな?

けど二人が俺の服なんて脱がせたいわけもないし····

 

悩んでいる俺に痺れを切らしたのか二人に押し倒された

 

「か、カカシ先生ぇー!!ふ、二人がご乱心だってばね!!」

 

「「手当てだ!」よ!」

 

みるみる内に服を脱がされた俺は現在パンツ一枚···

九尾チャクラで薄くなり始めてるとはいえ無数の打撲痕を二人に見られたのは正直キツイ···

前よりは二人を信じては居るけど弱味を見せるほど信頼しちゃいない。

 

もし、今二人が襲ってきたら逃げ切れるだろうか···

そんなことを考えていると傷を見てフリーズしていた二人が動き始めた。

 

「このウスラトンカチが!!」

「大馬鹿ナルト!!」

 

ゴッチーーン!!

 

「いッてぇぇぇ!?」

 

握り拳を作った二人はハァーーと拳に息を吐き掛ける。

昔、焦りから無理して修行し、体動かなくなった時に見舞いに来た人達が皆してやっていた動作。

次の瞬間襲ってきた痛みは彼等に負けず劣らず強烈だった。

 

「サスケ君、包帯と湿布取って!」

「ああ···化膿止めになる薬草はコイツだよな?」

「ええ。」

「包帯には腫れ止めを染み込ませたからそのまま使え」

「わかった!」

 

不機嫌オーラ丸出しの二人の手当て

直ぐに効き目が出るわけでも無いのに、心なしか痛みが和らいだ気がした。

 

「この傷については聞かないでおいてやる···」

 

「だけどもう少し私達を信用しなさい!」

 

「分かったってばね!」

 

普段ならそんな簡単に信じたりしない···

それなのにあんな返事が出たのは何でだろう···

今の俺には明確な理由は分からない···けど、なんとなく二人には嫌われたくない気がしたからかも知れない。

 

 

 

 

sideサクラ+サスケ

 

「分かったってばね!」

 

そう返事をしたナルト本人は気づいてるだろうか

【能面】が剥がれ、年相応のヤンチャな笑顔が浮かんでいることを···

 

((か、可愛い!!))

 

「さ、サスケ君!」

 

「任せろサクラ!!」

 

サスケは思い切り力んだ。

 

(開眼しろ! 今開眼しないでいつ開く! 俺の写輪眼は今、この瞬間の為にあるんだ!)

 

強引な開眼が成功し、瞳が赤くなり【写輪眼】を開眼したサスケにキョトンとするナルトを目に焼き付けていくサスケ。

 

「受けとれサクラッ!」

 

そのまま今度はサクラを見つめ、焼き付けたナルトの笑顔をサクラにも焼き付けていく。

貴重な瞬間と信頼の第一歩を獲得した二人は固く握手を交わした。

 

(何が起きたか分からないけど、【写輪眼】の使い方は絶対違うってばね····)

 

 




モチベーションあげるのにだいぶ時間喰ったナコです!

手直しはいくらでも可能なので一先ず乗せちゃいます!
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