目の前には木製の大きな扉がある。
純白のウエディングドレスに身を包んだヴィータ。髪の毛を下ろし、普段はしない化粧や口紅を塗った彼女は、ただ真っ直ぐにその扉を見つめていた。
この扉の向こうにどのような光景が待っているか彼女は知らない。
だがこの先にある未来を彼女は確かに確信していた。
「行こう、ヴィータお姉ちゃん」
「行こうか、ヴィータ」
ベールガールのミズホとヴィータの付き添いであるはやてがそう声を上げる。ヴィータは小さく頷くと、目の前の扉がゆっくりと開かれていった。
バージンロードに一歩足を踏み入れる。そしてヴィータは周りの光景に目を向けた。
親族であること。親友であること。そんなことは関係ない。
聖王教会直属のこの広大な式場には、ヴィータ、そしてカイズに関わりのあるものが全員揃っていた。
はやての腕に手を絡め、少女にベールガールをしてもらい、ヴィータは一歩、また一歩と赤い絨毯の上を歩いていく。
教会内は静まり返っていた。だがそんなことを忘れるほど、皆の笑顔がその場を盛り上げてくれていた。
ずっと一緒にいてくれた家族。
ずっと歩んできた仲間。
もし自分が違う歩みをしていたら出会わなかったかもしれない新たな友達。
みんな、みんな、ヴィータの幸せをただ祝福していたのだ。
はやてと少女の足が所定の位置で止まる。自分達が行けるのはここまでだ。そう目で語りかけてもらうと、ヴィータは一人で歩き進んだ。
純白とは正反対の黒のタキシードに身を包んだカイズ。彼の隣につくと、お互い柔らかい笑みを見せあった。
そんな二人の前に一人の金髪の女性が立つ。今回はやてと共に、式場探しに協力してくれた聖王教会所属のカリム・グラシアだ。
彼女は持っていた本を開くと、まずカイズに問いかけた。
「カイズさん、あなたはヴィータさんを妻とすることを望みますか」
「はい、望みます」
「順境にあっても逆境にあっても、病気のときも健康のときも、夫として生涯、愛と忠実を尽くすことを誓いますか」
「はい、誓います」
カイズの望み、そして誓いが約束される。カリムはヴィータのほうを向くと、再び問いかける。
「ヴィータさん、あなたはカイズさんを夫とすることを望みますか」
「はい、望みます」
「順境にあっても逆境にあっても、病気のときも健康のときも、妻として生涯、愛と忠実を尽くすことを誓いますか」
「はい、誓います」
「わたしは、お二人の結婚が成立したことを宣言いたします。お二人が今わたしたち一同の前でかわされた誓約を神が固めてくださり、祝福で満たしてくださいますように。――それでは誓いの口づけを」
カリムの言葉に従い、ヴィータとカイズはお互いを見つめ合う。
ずっと夢見ていたこの瞬間。
数々の困難に見舞われ、来ないかもと何度も頭を過ったこの瞬間。
ヴィータの頭には、これまでのカイズとの出来事が次から次へと浮かび上がってくる。
だがそんな考えに彼女は心で首を振った。
今は過去を懐かしんでいる時間だって勿体ない。
だってこれから先、ヴィータとカイズには今まで以上の幸せが待っている。
過去を振り返らなくても、二人の幸福は約束されているのだから。
カイズはヴィータのベールを上げると、その顔を覗き込む。
「ヴィータさん、俺、絶対に――――」
「なあ、あたしたちもう夫婦になるんだぞ。だから、さっ」
ヴィータが何を言いたかったのかすぐにわかったのだろう。カイズは大きく息を吸い込むと、緊張の面持ちのまま再び声を上げる。
「絶対に幸せに。……いや、これからも二人で一緒に幸せになっていこう。ヴィータ」
「うん。二人で一緒に幸せになろうね。カイズ」
カイズはヴィータの腰に手を回すと、そのまま彼女を抱きかかえる。
そして二人は幸せな未来を確信したまま、ゆっくりと口づけを交わしていった。
二人の祝福するように教会の鐘が鳴り響く。
そして二人のために集まった人たちは、みなその場で拍手をすると次々に祝福の声をかけていった。
短く、それでいて深い口づけを終えると、ヴィータはお日様のような笑顔を浮かべた。
「カイズ、大好き」
各式も様式も関係ない。二人は互いの目を覗き込むともう一度口づけを交わす。
そんな二人を祝福する声は止むことなく。
まるで二人の永遠の幸せを指し示しているかのように、ずっとずっと続いていくのだった。
ヴィータとカイズ君に永遠の幸あれ
そんなこんなで、白翼です。
………………ふぅー
今は完全に体から力が抜けてる感じです。
いやー、目標である10月2日の白翼の誕生日前にあげられてよかったあああああ!!
そんなわけで一応区切りとしての、ヴィータちゃんは男友達が少ないは今回で終了と言う形になります。
いろいろと書きたいことはありますが、一個ずつ行きましょう。
まずは今回の一気更新による終了ですが、これは前回のヴィータちゃん8歳を書いたあたりで、しばらくして決意しました。
初めはヴィータちゃんに小学生の服を着せて、合法ロリやーってやろうと思ってたのですが、カイズ君と同じ気持ちになってしまったというか。
あのヴィータちゃんはヴィータではあるけど、ヴィータさんではない。何か可愛そうな想いもするのですが、それが正直な気持ちでした。
それが終わった後は、カイズ君の教導実習、ヴィータちゃんがカイズ君の両親に挨拶に行きそこで結構きつめないざこざが起きるなど、いくらでも続けられるなと思ってました。
そう、いくらでも続け『られる』と思ってしまったのです。
それが自分で理解できてしまった時に、このままではこの作品はドンドンと薄いものになってしまう。書けるだけで書きたいものではない。そう思ってしまったんです。
だからヴィータちゃんが大好きだという想いがしっかりと残っているうちに、ヴィータちゃんが好きだからこそ今回は終わらせる決意を固めていったわけです。
思えばこの作品とは相当長い付き合いになりました。
にじふぁんから始まり、そこで二次作品が規制になり、このハーメルンへ。
初めこそにじふぁんでのけじめをつけるために更新させていただき、運がいいことに皆さまの目におとめいただきました。
そしてあれよあれよと、ヴィータちゃんでしたかったことはやりたいだけやらせていただきました。
終わってみれば35万字ほど続いたこの作品。
まさか文庫三冊分ほどの文字数を、ヴィータちゃんオンリーで。しかも恋のライバルもいない、何より付き合った状態から始まってここまで続けられるとは思っていませんでした。
ここまで続けられたのは、社交辞令でなく、本当に皆さまのおかげだと思っています。
お気に入りが増えるたび、感想がもらえるたび、WEB拍手をもらうたび、本当に私は嬉しかったです。
目標にしていたお気に入り1000件には届きませんでしたけど、白翼の更新具合と何よりヴィータちゃんオンリーでやっていたことを考えれば、これでも身に余る光栄です。
あともしよかったら推薦文とか書いていただける英雄がいると非常にありまがいです!!(クワッ
あと評価もいただけたら幸いです!!
今回の作品でヴィータちゃんというキャラクターの1ファンとして爪痕を残すことができたのなら、それは創作者冥利に尽きるとも思います。
今回でヴィータちゃんは男友達が少ないは一応完結ですが、この作品を完結済み作品にするつもりままだありません。
ヴィータちゃんで書きたいことはまだありますし、結婚したからこそできるネタもあるわけですし。
友人に「物語を完結したからといって、書いちゃいけない道理なんてない」と言われて結構目からうろこでした。
でもそういう自由なところも二次創作なんですよねと、同時に思ったりもしました。
なのでヴィータちゃんのその後の物語などは、またEXの型番などでやっていきたいと思っています。
あー、あとこっからは告知です。
リリカルマジカル16
2013年10月14日(祝、月)
大田区産業プラザPiO大展示ホール
に出店予定です。今回持っていくのはEXを含めたヴィータちゃんは男友達が少ない文庫バージョンです。
ものすごい厚みのわりには、1冊500円なのでもしお見えになる人がいましたら、来ていただけたらこれ幸いです。
ちなみにまだ机の配置は決まってないようです(笑)
次は何を書くかな~
今のところは先日最終回を迎えました『戦姫絶唱シンフォギアG』辺りを書きたいなーっと思っています。
それより前に、にじふぁんの頃の作品をここであげ直したいなー思ったり、思わなかったりでもありますね。
投稿用は書いたけど、一次もまだやりたいしなw
でもとりあえずは、しばらくは休んで右手中指に走る激痛を少し和らげていきたいと思います。
まあそれらの情報はこちらの活動報告やホームページ、ツイッターなどで告知をしたいと思うので、もしよろしかったらそちらもお願いしまーす。
白翼
@hakuyoku123
HP イノセントウイングス
http://sky.geocities.jp/hakuyoku123/
それでは皆さま長いようで短い間本当にありがとうございました!
またお会いできる日を楽しみにしてますねー
ヴィータちゃんよ永遠に!!
ではは~ ノシ