Fate/ Thunderbird   作:ジンネマン

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遅くなりました。
今回はぎこちなく出来ているかもしれませんがすいません。
なにか疑問等があったら遠慮なくどうぞ。
え? 遅れた理由? いやいや決してFGOやっていて遅れた訳ではありませんよ……
ん? なにやら聞き覚えのある機関音が……


闇・胎動

「「えーーーーーっ!」」

 

「あれ? 説明してなかったけ?」

 

「ちょっと士郎見知らぬと……でもなしに怪し……くわないし……変な人……は事実だけども失礼だし……兎に角いきなりテスラさを泊めるってどういうことよ!? しかも暫くっていつ決めたの!?」

 

「そうですよ先輩! 会って間もない人を家に泊めるなんて非常識です! しかも暫くってどれくらい居座るかもわからないのに」

 

 ――藤ねえも桜も少し言い過ぎじゃないか? 特に桜。

 マスターも心なし目が下に向いてる、さすがにマスターも落ち込んで……

 

「――私は英国紳士として振る舞ったのになぜ理解されない?」

 

 ――撤回! これっぽっちも落ち込んでない。

 ――あと、こんな英国紳士いますか!

 

「え~と、ほらマスターはじいさんの知り合いだし、わざわざ訪ねてきてくれた人を無下に扱うのも悪し……ねぇ藤ねえもそう思わない?」

 

「切継さんに外国人の知り合いなんて……いてもおかしくないか、切継さんはよく外国に行っていたし知り合いが訪ねてきてもおかしくないか……」

 

 ――よし! 藤ねえが陥落寸前だ、あとは桜を落とせば問題解決――

 

「なに説得され掛かってるんですか藤村先生! この人本当に先輩のおじいさんのしりあいなんですか!?」

 

 ――うぅ桜は強敵だ、どうやって説得したものか……

 

「――昔衛宮の者には世話になった。

 そして一族に何かあったら頼むと言われた」

 

「――え?」「ちぃ!」「は?」

 

 ――マスターがうまいフォローをしてくれた……いやまて、そう言えば前にマスターは『私は嘘をつかない』みたいなことを言っていた気がする……気のせいかな?

 あと桜、舌打ちしなかった?

 

「そっかでも切継さんの直接的な知り合いというわけではいのか、でも衛宮の家って他にもあるだろうし士郎の家のこととは限らないんじゃない?」

 

「そうですよ! 他の衛宮さんの家のことかもしれませんし、先輩もよく考えてください!」

 

「いやでも……間違っているとは限らないし……」

 

「そうだ間違ってはいない。私が頼まれたのは士郎の衛宮の家であっている。

 それに二人ともここまで反対するのは士朗が心配だからだろ、ならばそれこそ問題はない

 

  士郎は私が守る

 

 だから二人は安心してくれ」

 

「「……………………」」「――――――――」

 

「――な、なにいっているんだですか? 藤村先生も何か言ってください!」

 

「士郎をよろしくお願いします」

 

「「え?」」

 

「――藤村先生何を」

 

「大丈夫だよ桜ちゃん。この人は大丈夫だから」

 

「藤ねえ――ありがとう」

 

「藤村先生がそう言うなら……」

 

「よし! それじゃあ今日はテスラさんの歓迎会よ!

 士郎御馳走たんまり用意しなさい!」

 

「藤ねえほどほどにね……」

 

 ――バイトの時間増やそうかな……

 

「士郎御馳走は楽しみにしている」

 

「はい! がんばります!」

 

 ――もう自棄だ今日は奮発してしおう。

 

「………………」

 

「桜も行こう。

 今日はもともと桜のお詫のための御馳走なんだから楽しみにしていてくれ」

 

「はぃ。先輩ありがとうございます」

 

 桜は小さい返事をし、再び歩き出した。

 帰宅途中に今晩使う食材を買う。

 

 

 

 ――食材の消費速度が以前の比ではない、本気で今後の家計を考えねばならない。

 そう思案する士郎を放置して藤村大河とニコラ・テスラはと言うと。

 

「しろーお姉ちゃんお肉が食べたーい。

 あ! 今日は高いお肉が特売だって、買って買って」

 

「藤ねえ社会人なんだから自分で買いなさい」

 

「士郎私はフーゼレークが食べたい」

 

「今日図書室で本を借りてきたからやってみるよ」

 

「先輩私も手伝いまっしょうか?」

 

「桜大丈夫だよ。今日は俺に任せてくれ」

 

 などなど買い物だけでお祭り騒ぎだった。

 なおいつもの一週間分の量を買ったが、多分三日程度で消費されるだろう。

 荷物は一人では持ち切れないのでマスターと藤ねえに持ってもらった。

 そのまま家に着き、着替えてから早速調理にかかる。

 ご飯は炊き込みご飯にして、おかずはマスターのリクエストにこたえてフーゼレーク。

 他にも揚げ出汁豆腐、豚の生姜焼き、ベーコンサラダは不評だったのでかつおのタタキ風サラダ、肉じゃが、デザートに冷蔵庫で乾燥させた饅頭を上げて砂糖または藤ねえの持ってきたミカンで作ったジャムを添えて今晩料理は完成する。

 うん。こんな量を一人で作るのは骨が折れた。

 ――あとで朝の下ごしらえをしないと……当分は寝不足かな……

 

「おおーーーごちそうだーーーー!」

 

「藤ねえ並べるのぐらいは手伝って」

 

「すいません先輩片づけは手伝いますね」

 

「ああお願いするよ桜」

 

 料理を作り終えて配膳をしていると和服に着替えたマスターが居間に入ってきた。

 藤ねえは和服を着たマスターをぽかんと見ている。

 

「どうした大河? 何か変なところがあるか?」

 

「――いえ、よく、似合って、います」

 

 珍しく藤ねえがどもる。

 心なし頬を紅く染めているのは気のいか?

 藤ねえが小声で聞いてくる。

 

「ねぇ士郎、なんでテスラさんが切嗣さんの和服着てるの?」

 

「なんでってマスターが着る服がないかって言うからじいさんのヤツを貸したんだ。

 いいじゃないか似合ってるんだから」

 

「そりゃ似合ってはいるけど――」

 

「大河この服を私が着るのが気にかかるか?」

 

 ちゃっかり聞こえていたようだ、耳ざといことだ。

 

「いえ、そうではないんだけど、その服を着ていた人の事を少し思い出していたんです。

 でも……ずっと箪笥にしまって…ん…いたその服を……士郎が出したこと……はてきっといいことだから……」

 

 しゃべっている内に涙ぐむ藤ねえをみて複雑な気持ちになる。

 藤ねえはずっと気にしていたんだ、葬式の日に涙を流さなかった俺の事を――ずっと。

 

「ごめんね――さあご飯食べよ」

 

「ああそうだね食べよう」

 

 努めて明るく言う。

 せっかくのごちそうだ美味しく食べたい。

 

「士郎私はどこに座るんだ?」

 

「ああ待ってマスター」

 

 配膳を終えてマスターが席に着くとみんなで手を合わせて。

 

「「「「いただきます」」」」

 

 賑やかな食事が始まった。

 藤ねえが我先にとおかずを狩りにかかる。

 それを俺が注意して聞かないところにマスターがやんわり(おかずを取られまいと威嚇)注意すると藤ねえはおとなしく食べる。

 桜はそんなやり取りをみて笑いをこらえている。

 マスターがいる食事はいつもと違って――いつもより明るく楽しい。

 ただ、

 

「どのおかずも旨いが特にサシミサラダは絶品だな。だがフーゼレークがいまいちだな、もう少し味の濃いといい。励めよ」

 

 この小言さえなければ。

 藤ねえと桜が苦笑いをしている。

 

「でも先輩このフーゼレーク? 初めて作ったわりには言うほど悪くないですよ」

 

 つかさず桜がフォローしてくれる。優しい後輩をもって幸せだな。

 

「そっかな? テスラさんの言うとおりいまいちだと思うよ」

 

 こちらの大虎は今度どうしてくれようか。と思案する。

 

 

 

 食事を終え居間でゆったりお茶を飲んでいるマスターと藤ねえ。

 俺は桜と片付けに没頭している。なにぶん量が多い。

 ただ料理はみんな完食されたのは若干引いた。お釜のご飯が一粒も残らなかった。これは由々しき事態だ。

 片付けが終わる頃には時計は九時を回っている。作る時間も片付ける時間も遅かったから当然であった。

 

「藤ねえーもう遅いから桜送っていて」

 

「却下。私はしばらく桜ちゃん送ってあげれないから」

 

「ん? 藤ねえ何か用事でもあるのか?」

 

「いんやないよ。

 ただ今日から私もここに泊まるっていうだけ」

 

 

 

「…………は?」

 

 ――今何を言ったこの大虎は。

 藤ねえの中では既に確定事項のように、というか確定事項だと言っている。

 

「――藤ねえ、それはどういうこと?」

 

「どうもこうも言ったままよ。あ、桜ちゃんもどう? お家の方には私から連絡しておくから大丈夫よ。

 桜ちゃんもこの家の人同然なんだからテスラさんのこと気になるわよね?」

 

「あ――は、はい! 私も泊まります! 藤村先生今日はたのもしいです」

 

 ――え~と、なんで桜はそんなに(りき)んでいるのかな桜さん。

 

「よし! そうと決まれば早速準備よ! 奥の座敷を使いましょう! 布団はいっぱいあるし、浴衣も十分にある! テスラさん今日は色々聞かせてもらうわよ。

 あ、もちろん寝るときは別の部屋で寝てね」

 

「…………」

 

 マスターがどうしたものか、と視線を投げかけてくる。

 

「――すまんマスター、ここは藤ねえの言うことをきいてくれ。俺じゃあどうにもならない。

 ここで断るとマスターを家に住むという話を破棄されかねない。そうなれば俺たちは、野外で野宿する選択肢しか残されない」

 

「ふむ。わかった。

 ここは拠点として優秀だし、冬の夜に野宿は士郎の体に悪い、何より旨い食事にありつけないのはいかんからな」

 

 ――なんだろう、食事の辺りの語気が一番強かったのは気のせいかな?

 

「はいそこ! こそこそと何を話してるの!

 という訳でテスラさんと士郎、お風呂のあとでじっくり話をしましょう」

 

「ああわかった。では大河と桜は先に風呂に入るといい。レディーファーストだ」

 

「あら、レディーだなんてテレる////」

 

「アレ? 桜以外にレディーなんていた」

 

 言い切る前に脇腹に拳がめり込んだ。その拳は剣道の足運びて繰り出されたとは思えない重さだった。この拳で瓦が何枚割れるかわからないくらいに。

 

 

 

「ごふ! 藤ねえ……痛い」

 

「あらー士郎どうしたの踞っちゃって?」

 

 ――この大虎は。

 

「――士郎、女性に失礼だろう。

 男子たるもの常に紳士であらねばならん」

 

 微妙な空気が居間を支配する。ここにいるものはみんな同じ事を考えただろう。

 ――マスター ――テスラさん×2

 ――みたいな英国紳士いますか! と、

 

 

 

 そんなやり取りが終わり、みんなが風呂を出たあと奥の座敷で四人で話に花を咲かす。もといマスターと俺に尋問が始まる。

 

 ――ただ湯上がりから時間がたっているとはいえ浴衣姿の桜無防備過ぎないか!

 ――帯も苦しいせいか緩めで胸がチラチラして……しかも緊張しているせいか肌が微妙に汗ばんでいて……こちらに桜の汗のとシャンプーの臭いで……ヤバイかも。

 

 ――マスターも最後に風呂をあがったせいか一番シャンプーの臭いがする。

 ――湯上がりなのに汗ばんでいたり、着崩したりしていなけど、しゃんときっちり着こなした浴衣姿は普段(といっても昨日会ったばかりだが)違った感じで心臓に悪い。

 ――藤ねえ? いつも通りでいいのでは?

 

 話を聞いてみるとマスターが知っている衛宮の人間とは"衛宮 矩賢"(のりたか)という切継(じいさん)の父親に当たる人らしい。

 マスターのことを訝しむ桜だか藤ねえの「ま、外国人って見た目年齢わかりづらいし」の一言で片がついた。

 他にもマスターの趣味や……想い人はいないかだとか色々話の花を咲かせて深夜零時近くなると解散になった。

 

 ただ部屋を出るときに藤ねえが。

 

「ちょっと待って、テスラさんは士郎の部屋で一緒に寝るの?」

 

「――藤ねえ、なに言ってるんだいきなり」

 

「いやね、なんかよくわからないけど二人を同じ部屋に寝かせていいものかと、むしろダメだと言われた気がするんだよね。

 ガイア的な何かに」

 

「なにっ、て、別に、男同士、なんだから、問題、あぁあ有るわけ無いだろ」

 

「なんでどもるの?」

 

「どもってなんか無い……」

 

「安心しろ大河、若人も夜は色々あるだろう。

 たから私は士郎の隣の部屋で就寝するから問題ない」

 

「そっか、隣の部屋なら問題ないはね、ねぇ桜ちゃん?」

 

 それまで沈黙を守っていた桜が何か腑に落ちない表情で返答する。

 

「いいんではないでしょうか」

 

「じゃあ問題ないわね。テスラさん士郎おやすみ」

 

「ああおやすみ大河、桜」「おやすみ藤ねえ、桜」「おやすみなさい先輩、テスラさん」

 

 客間をあとにする。

 あとは少し土蔵で日課の鍛練をしてから夜の巡回をするだけなのだか、部屋に向かう道中マスターがそれを止める。

 

「士郎、今日の巡回はよそう」

 

「なんで?」

 

「今日は大河と桜がいる。怪しまれるのは避けたいだろ?

 それに昨日の今日で士朗も疲れたろうからゆっくり休むといい、子供はよく寝て育つものだ。

 時間は少々遅いが思春期なら許容範囲内だろう」

 

「む! また子供扱いする。マスター俺は子供じゃない!」

 

「何をいう四半世紀も生きていないならまだまだ子供だ。とにかく早く寝なさい。ゼリービーンズをあげるから」

 

「だから子供扱いしないで……もういいあとゼリービーンズはいらない。

 鍛練だけしたら寝るから、それでいい?」

 

「ふーむ。私としてはすぐに寝てほしいが、日々の鍛練は大切だ。励めよ士郎。

 そして終わったら早く寝るといい。わかったな」

 

「ハイハイわかりました」

 

 ぞんざいに返事をすると土蔵に向かう。

 その背中をマスターは、

 

「士郎ハイは二度言わない。

 まったく反抗期か? 思春期だから仕方ないとはいえ若人の考えることはわからん」

 

 なんてぶつくさ言うと部屋に向かう。

 その後鍛練を終えてそのまま寝そうになるのを堪えて自分の部屋に着くと布団が敷いてあった。

 マスターが敷いてくれたと思うとなんか凄く嬉しかった。

 そのまま倒れ込み、意識を手放した。

 

 

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

 

 

 そこは闇よりも深い深淵の底、そこは暗黒宇宙よりも尚暗き空間、世界の外側にある黒く黒くなによりも昏い場所。

 そこは生命が一瞬の刹那さえ介在できない深淵の底、そこはあらゆる物質さえ存在できない空間、黒く黒く何者もの許さない黒い場所。

 

 そこにいられるのは尋常の範囲外、超常の存在。

 人より古く、星よりも古く、なによりも古き存在。

 決して人では到達できない存在、到達してはいけない領域の存在。

三界の果てより飛来した月の王。遍く者。すべての者を嘲笑う存在。

 

 ふと、それは懐かしい声を耳にする。懐かしい名前を耳にする。

 この世界では、決して出合うことの無い、異界の者がいる。

 そして、それは微睡みのなかに、小さく、けれど確かに、その名を呼ぶ。

 

 

「二コラ・テスラ」

 

 




ヴァルター「なぜ遅れた?」

ジンネマン「え、いや、決してFGOに余所見をしていたわけでは……」

ヴァルター「余所見じたいを責めるつもりはない」

ジンネマン「え? 許してくれるんですか?」

ヴァルター「だが遅れたこと、速度を失した事は別問題だ」

ジンネマン「な!」

ヴァルター「括目せよ!! そして猛省せよ!! オルトロス音速四連ッ!」

ジンネマン「……では皆さま……良き青……そ…らを」
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