桜井和生と暗殺教室   作:トランサミン>ω</

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今回は和生くんの帰郷を書いていきたいと思います。
それでは今回はカズキくんとルウシェちゃんの微笑ましい兄妹愛をお楽しみください。
拙い文ではありますが最後まで読んでいただけると嬉しいです。


帰省の時間

「ここがイギリスかぁ…」

 

 

自分の父親が治める地に足を着いた和生は目を細めた。

 

 

「お兄様は海外に出られるのは初めてですか?」

 

 

「うん、ずっと日本にいたからね」

 

 

「ですがカズキ様がお産まれになったのはこの地ですから、実際はここが故郷なのですよ?」

 

 

和生とルウシェの会話にカノープスが補足した。

 

 

「でもこっちに居た記憶が無いので何とも言えないですよ」

 

 

「ではお兄様がこちらにいる間は私がお兄様にたくさんの思い出を作って差し上げますねっ」ニコッ

 

 

「ありがとうね」

 

 

「ん〜♪」

 

 

和生がルウシェの頭を撫でるとルウシェは嬉しそうに目を細める。

そんな様にカノープスも微笑みながら今後の行動について話し始めた。

 

 

「ふふっ、それはいい事ですが先にやることがありますので忘れないでくださいね?今日はまずデュナミス様との会談の後、ヴラドとの契約をしなければならないのですから」

 

 

「わかっています!ではお兄様、カノープス参りましょう」

 

 

「うん。カノープスさん、車お願いします」

 

 

「かしこまりました」

 

 

空港を後にした和生達はカノープスの運転する車でロンドン街中を走っていく。

日本とは相反する街並みに和生は落ち着かなくなっていたのだが、ルウシェがニコニコと見つめてくるため平静を装っていた。

 

 

「着きましたよ」

 

 

「なっ…お、大きすぎやしません?」

 

 

「何をおっしゃっているのですか?この国を治める一族の住む場所なのですからこれくらいは当然です」

 

 

「あ、あはは…」

 

 

「お兄様ぁ…大丈夫ですか?」

 

 

街外れの一角に聳え立つ豪邸に和生は苦笑するしかなかった。

 

 

「さぁ、参りましょう。私とルウシェ様がいらっしゃいますので何の問題もありませんから」

 

 

「さぁ?お兄様!早く来てください!」

 

 

「わ!ちょっと待ってよ!」

 

 

ルウシェが和生の手を取って走り出す、カノープスも2人を追って歩き出した。

厳重な警備が施された敷地内にはスーツ姿の人々が至るところに配備されている。

 

 

「なんか凄いところに来ちゃったなぁ…」

 

 

和生はルウシェに引っ張られるままに家に入ってしまった。

ルウシェはノンストップで扉を開け家の中を進んでいく。

 

 

「ルウシェ!家に入るんだから靴を脱がないと!」

 

 

「ふふっ、お兄様?それは日本固有の文化ですよ?」

 

 

「そ、そうなの!?」

 

 

「お兄様はやっぱり面白いです!」

 

 

「あ、あはは…」

 

 

和生がルウシェを止めようとしてもすべて失敗に終わる。

ルウシェ…本当に(色々な意味で)恐ろしい子だ。

そして、数分走った所でルウシェが一つの大きな扉の前で止まった。

 

 

「さぁお兄様、いよいよお父様との対面ですよ?」

 

 

「ルウシェ様?お屋敷の中は走ってはイケナイと何度言えばわかるのですか?」

 

 

「か、カノープスさん!?」

 

 

後ろから突如現れたカノープスに和生がビクッとする。

 

 

「カノープス!今日くらいは良いではないですか!早くお兄様をお父様に会わせて差し上げたいのです」

 

 

「仕方ありませんね…今日だけは目を瞑りましょう」

 

 

「ふふっ、ありがとう。ではお兄様入りますよ?」

 

 

ルウシェはそう言って扉を3度ノックする。

 

コンコンコン

 

 

『何用だ?』

 

 

「お父様!ルウシェです。今日はお父様に合わせたい人を日本から連れて帰ってきました!」

 

 

『…入れ』

 

 

「ありがとうございます。では行きましょう、失礼します」ガチャ

 

 

「し、失礼します…」

 

 

「ではお2人とも、ごゆっくり」パタン

 

 

2人が入室したのを確認するとカノープスは扉を閉めた。

ルウシェと共に入室した和生が目にしたのはRPGゲームの城内の様な場所…では無く。

確かにRPGゲームのそれとは似ているがそこまで広くは無く、幾つもの本棚とたった一つだけ机があり、そこには美しいブロンドヘアーの男性が座っていた。

 

 

「ルウシェ…よく帰ったな、私は嬉しいぞ。それで会わせたい人物とは誰だ?まさか日本で見知らぬ男と…」

 

 

「お兄様!私はそんな事は一切していません!会わせたい人はお兄様の事です!」

 

 

「お兄様だと…?まさか…か、カズキか!?」

 

 

「は、初めまして。父…さん…?」

 

 

「あぁ…あぁぁぁっ…!カ、カズキ!」

 

 

「え?えっ!?」

 

 

ブロンドヘアーの男性は和生を見て立ち上がると駆け寄ってきて和生を抱きしめた。

 

 

「良く…良く戻ってきてくれた…!」ポロポロ

 

 

「え、えっと…とりあえずただいま…でいいのかな…?」

 

 

「あぁ!お前を見ればわかる!紛うことなき私とマユの子どもだ!」ダキッ

 

 

「く、苦し…い…」

 

 

「お父様!お兄様の顔色が悪くなっています!離してあげてください!」

 

 

「あ、あぁ…すまなかった。つい自分を抑えることが出来なかった。私は英国王子、デュナミス・エルレンシアだ。おかえり、我が息子よ」

 

 

「な、なんか実感沸かないけど…父さんなんだよね?テレビで見たことはあったけど…実際会ってみると…」

 

 

「な、なんだ?」

 

 

「普通の人だなって。何だか嬉しいや」

 

 

「そ、そうか!そうだカズキ!今日はこの後どうするんだ?する事がないなら私に日本での生活を教えて欲しいのだが…」

 

 

「えっと…今日はヴラドとの契約をするってルウシェと約束してるんだ。だからまた今度にしてくれないかな?」

 

 

「はい、お父様。ですので『王の祭壇』へと向かう許可を頂けませんか?」

 

 

「ふむ、ヴラドとの契約を…。しかしカズキ、お前はいいのか?」

 

 

「何が?」

 

 

「契約を結べばお前はエルレンシア家の人間であるということを認めるのと同じだ」

 

 

「あ…うん。俺は桜井和生であると同時にカズキ・エルレンシアだからさ?大丈夫だよ」

 

 

「そうか…うむ、私とマユの子だ。お前ならやってのけるだろう。ルウシェ、許可する」

 

 

「ありがとうございます!ではお兄様、カノープスを待たせていますからすぐに参りましょう!」

 

 

「うん、じゃあまた後でね父さん」

 

 

「健闘を祈っているぞ」

 

 

和生とルウシェはそう言って部屋を後にする。

そして和生たちは扉の前で待っていたカノープスと合流した。

 

 

「カズキ様、宜しかったのですか?すぐに父親であるとお認めになられていたようですが」

 

 

「はい、ルウシェと初めて会ったときもそうだったんですけど…なんか体の血がざわついたと言うか…この人が父親なんだってわかっちゃいました」

 

 

「それはエルレンシア家の血が感応しているのですよ。それ程までに王家の血を受け継いでいるという事は契約を行っても大丈夫でしょう」

 

 

カノープスに連れられて和生とルウシェは再び車に乗り込む。

そして森の奥深くまで連れていかれた。

そこで待っていたのは見るからにボロボロの小屋。

カノープスは何の躊躇もなくその小屋に入っていく。

和生もルウシェに手を引かれてあとを追った。

 

 

「なんだここ…」

 

 

和生が小屋入ると中には地下へと続く長い階段。

そしてその奥にはまるで古代の遺跡のような建造物が並んでいた。

10体の石像が中心を向いて円の形に並んでいる。

 

 

「お兄様、これを」

 

 

「ヴラド…だね?」

 

 

「はい」

 

 

和生はルウシェからヴラドが納められたホルスターを受け取った。

 

 

「では王族ではない私は外でお待ちしています」

 

 

「はい、いざという場合は私が責任をもって押さえ込みますので」

 

 

「ご武運を」

 

 

カノープスはその言葉を残して去っていった。

彼女を見送った後、ルウシェは和生の方へ振り返り笑顔でこう言った。

 

 

「お兄様、ヴラドを中央にある祭壇置いて来て下さい」

 

 

「うん、わかった」

 

 

和生はルウシェの言う通りに円の中央にある祭壇へと向かい、ヴラドをホルスターから引き抜いてそこに置いた。

 

 

「これでいい?」

 

 

「はい!ではお兄様、目を閉じてヴラドを呼び出してください。契約が始まります」

 

 

「うん…」

 

 

和生は瞼を閉じてヴラドの名を呼んだ。

 

 

「ヴラド…っ!?あがぁ!?」

 

 

次の瞬間、和生の体に激痛が走る。

和生は痛みに顔をしかめながらも倒れまいと必死に踏ん張る。

すると脳内に厳かな声が響いてきた。

 

 

『主よ…我輩との契約を真の物にしようというのか』

 

 

「ぐっ…はぁ…はぁ…そうだよ…!」

 

 

『ならば汝の気高さを再び余に示してみよ』

 

 

「…」バタリ

 

 

和生の視界はその声を最後に血のような真っ赤な色に塗り潰された。

 

 

「お兄様、私は信じていますから…!」

 

 

ルウシェは倒れ込む彼の姿を目を逸らさず、じっと見守っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ここは…』

 

 

和生が意識を取り戻すとそこは真っ白な空間だった。

そして背後から戦いの最中、脳内へと語りかけてきていた厳かな声が聞こえてくる。

 

 

『ふん、血を継ぎし者の前に現れるのは久々の事だ』

 

 

『お前がヴラドか…』

 

 

『如何にも』

 

 

振り返った和生の目に映ったのは2メートルはゆうに超える長身の男。

美しい白髪が逆だっており、漆黒のマントに身を包んでいる。

 

 

『ヴラドⅢ世…吸血鬼の王様って事だね?』

 

 

『余の事を知っていたか、主よ』

 

 

『まぁね。少しくらいは調べさせてもらったよ』

 

 

『そうか。では主よ、契約を始めようぞ』

 

 

『いいよ。それで、具体的に何をやるの?』

 

 

『汝はただ余の問いに答えるだけで良い』

 

 

『わかったよ』

 

 

『第一に、汝の望みは何だ?』

 

 

『それは前にも言ったけど皆を守ることだよ。クラスの皆を、ルウシェを、そして凛香を守ることが俺の望みさ』

 

 

『そうであったな。では第二に、汝は己が命を守るためならば大切なものを捨てることが出来るか?』

 

 

『愚問だね。本当に大切なものなら命なんか惜しくないよ』

 

 

『ふん、では第三に、汝は余を…いや…私を殺せる?』

 

 

『その姿は…!?』

 

 

ヴラドが3つ目の問いを投げ掛けると共に姿を変える。

 

 

『和生、殺せる…?』

 

 

その姿は速水凛香そのモノであった。




今回はここまで!最後まで読んで頂いてありがとうございます!
次回は契約について書いていきます!
契約編終了後、渚の話を、そして和生とルウシェのイギリス旅行を書こうと思います!
今後とも応援よろしくお願いします!


そして、私が執筆している『ラブライブ!皆で輝かせる夢』の方も宜しかったらご覧になってください。
感想などお待ちしています!
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