いやー、一人暮らしを始めて1ヶ月が経ち、生活になれてきた頃に足の指にヒビが入るという不運な人生を送っている私ですが(笑)随分とこちらをサボってしまっていました。本当に申し訳ございません。
専門学校が医療系ということもあり、レポートなどが多くて更新が遅れますがその辺はご了承ください。
「駅前にあるわよ…A・T・M♡」
「「「「「急いでおろしてきやす!!!」」」」」
「(貢ぎコース確定した!?)」
椚ヶ丘中学校学園祭初日。
渚たちのもとに修学旅行で殺せんせーに手入れされた高校生たちがやってきたのだが、イリーナによって貢ぎコースに入らされ事なきを得ていた。
「あれって渚たちの知り合いだったんだね」
「あはは…知り合いというか…なんというか」
和生の言葉に渚は苦笑、お金をおろしに行った高校生たちを哀れみの目で見ていた。
「和生くん、僕たちの出番って明日だよね?」
「うん、まだ調整し終わってないからね。今日がリハーサルで明日が本番」
「そっか。頑張ろうね!」
「A組には負けらなんないからな!」
「張り切るのはいいけど。こっちも手伝えよな?」
「磯貝くん!」
「どんぐりつけ麺、好評だったって村松に伝えておいてよ」
「はいはい。それよりも渚、お客さんだ」
「えっ?」
「おーい、いるかー渚ー!?」
「この声って…」
「来てやったぞー!!」
「さくらちゃん!松方さんと園の皆も!」
やってきたのは渚たちがテスト前に手伝いに行っていたわかばパークの皆だ。
「悠馬、あの子たちは?」
「和生は知らなくて当然か。和生が入院してる時に俺らが手伝いに行ってたとこの子どもたちだよ」
「そっかそっか!それで渚はなんでそんなに仲いいの?」
「実はたまにまだ勉強教えに行ってるんだよ」
「ま、私専属のカテキョにお願いされたら来てやるしかないよねー」
そう言って渚にべったりのさくらは嬉しそうな顔をしている。
他の子どもたちも顔見知った生徒達のもとへ走っていく。
「でかした渚。とりあえず客数は稼げたな!」
「金持ち客じゃなくて悪かったな」ニカッ
「いやいや!じーさんたちには世話になってるしサービスするって!」
「たらしがいいこといってる〜」
「おんなのてきのくせに〜」
「てめーらそんな言葉どこで覚えやがった!?」
いいことを言ったはずの前原も子どもたちの前では無力。
純粋さとは恐ろしいものだ。
「おおっ!こりゃ絶品じゃ」
「こんだけおいしけりゃ売れてるでしょ!」
「…それが苦戦しててね。いいもの作っても…大勢の人に伝えるのが難しくって」
「ふーん…でも心配ないよ!渚たちは不思議な力をもってるじゃん!」
「…ああ、日頃の行いが正しければ必ず皆に伝わるわ」
「あはは、ありがとう!」
渚はさくらと松方さんにお礼を言うと校舎の中に戻って行った。
渚の言った通り、ここまでの客足の伸びしろは悪い。
やってきた事に自信はあれど、それが伝わらなければ意味が無いのだ。
「そーいや渚さ。聞いたよ、髪伸ばしてた理由。悪かったね、イヤイヤやってたんなら私がからかう時も傷付けてたでしょ?」
校舎に戻った渚を待っていたのは中村からの謝罪の言葉だった。
「あ…ぜ、全然大丈夫だよ!中村さんやカルマくんにいじられる分には」
「そっか。でももうあんまりいじらないようにするよ」
「そっか」
「おーい!」
「(こ…この軽薄な声は…!?)」ビクッ
校舎の外から渚を呼ぶ軽薄な声。
それに心当たりがある渚が振り向くとそこには…
「渚ちゃーん!遊びに来たぜー!!」
「げ!ユ、ユウジくん!?」
「…あー…南の島で渚を女と間違えて惚れたっていう」
そう、この少年は渚に惚れているのだ。
「ど、どうしてこの学校ってわかったの?」
「あれから島の宿泊者調べたんだよ!で!HPみたら丁度学園祭やってたからよ!」
「そっ…そっか!?って中村さん!?」ボソッ
渚が彼と話している間に中村は渚のズボンと自分のスカートを入れ替えていた。
「今回で最後。今回で最後」ニヤニヤ
「し、舌の根も乾かぬうちに!!」
「あいつ金持ちなんでしょ?この際手段選ばず客単価上げてかなきゃねぇ?行ってこい渚ちゃん!クラスの命運は君の接待に託された!」
「学園祭来てよかったなぁ〜。渚ちゃんに接客してもらえるなんて!しかも『見えないところでこっそり食べよう』なんて色々期待しちゃうなぁ〜?」
「(純粋に知り合いに見られたくないだけなんだけど…)」
渚がしょぼくれていると中村からのカンペが提示される。
『私のオススメ全部食べてほしいなっ♡』
「(うぐぐ…)ワ、ワタシノオススメゼンブタベテホシイナー」
「おうおう!渚ちゃんのオススメなら全部食べるぜ!」
2人がいる茂みの側では中村の恐ろしい策略が練られている。
「クックック。やっぱ金持ってるわあのボンボン。食いっぷりもいいからじゃんじゃん稼いでね〜渚ちゃん?」
そんな中村の思惑とは裏腹に渚は心配事で潰されてしまいそうだ。
「(僕の性別はもちろんだし、それ以外にもこの教室には秘密がいっぱいだ。ユウジくんには気が引けるけど…全ての秘密を怪しまれないように騙し通さなきゃ)」
そんな時2人の横の茂みが大きく揺れた。
「烏間先生!大きい雉が取れましたよ!」
「私とお兄様が協力すればこんなのは朝飯前ですっ!」
「「ブフッ!!」」
茂みから現れたのは腰にレヴィアタンと紅桜を携えた和生とルウシェであった。
「わぁ!凄いわね!つけ麺のタレで焼き鳥が作れる!!」
「レヴィアタンの冷気で鮮度も抜群というわけか…流石だな兄妹」
「「いやー!それほどでも!」」
ほのぼのとした雰囲気を漂わせる2人だが、彼らの腰には刺剣と刀が携えられているのだ。
一般人が驚かないわけがない。
「な、なんなんだよあの2人!物騒なもの持ってるぞ!?ケーサツに連絡したほうが…」
「わーっ!わーっ!ち、違うの…」チラッ
渚が助けを求めて中村が隠れている方を見ると再びカンペが。
彼はそれを一言一句変えずに喋った。
「あれはクラスメイトの桜井兄妹で、最近見たアニメにのめり込んじゃったらしくて持ってるだけなんだ」
「いやいや!中学生が雉なんて捕まえられねーよ!」
「あー見えて武道の達人なんだ」
「どうみても金髪だけど!?ま、まぁ…それは置いといて…渚ちゃん。し、正直俺の事とかどう想う…?」
「
烏間の声に2人が振り向くと今度は…
「フッ、あのタコに招かれてな」
「そうか、生きてて何よりだ」
「失礼かもしれないが、よく君が『死神』を倒せたものだ。如何に君が手練でも次元が違うと思っていたがな」
「俺1人じゃ無理だったろうな。あんたの弟子が心配してたぞ。行ってやれ」
「ああ」
今度はロヴロが現れた。
強面の外国人が突然現れたことにユウジは驚きを隠せない。
「な、なんだあの怖いオッサン…どーみても一般人じゃねーよ…」
「マイルド柳生。浅草演芸場の重鎮なんだ」
「お笑い芸人!?」
「さっきの会話もネタ合わせでさ?弟子がここでお笑い辞めて教師になってて…」
「ふーん…」
渚の言葉を聞いたユウジの表情が変化する。
先程までのヘラヘラした様子とは打って変わって疑いをかけるような目だ。
渚たちが話している間にE組の席はほぼ埋まっていた。
『殺せんせーを殺せなかった殺し屋たちで』
「わ、私たちわりとそういう人たちに縁があって…」
「渚ちゃんさぁ?嘘ついてるよな」
「…っ」ギク
「親父が大物芸能人だからさ。擦り寄ってくる奴らの顔はガキの頃から沢山見てきた。わかっちゃうんだよ。うわべとかごまかしの造り笑顔は。島のホテルで会った君は…そういう笑顔する子じゃなかったんだけどな」
「…凄いね。観察眼」
「すごくねーよ。イヤらしい環境が育てた望まぬ才能だ」
「…君の言う通りだよ。うそついてた。
「僕?」
「…けど、望まぬ才能でも。人の役に立てば自信になるって最近わかったんだ。だから今はそこまで嫌じゃない。…ごめんね?僕、男だよ」
「…………マタマタァ」
「ほんと」
「…………ゴジョウダンヲ」
「ほんとだってば。ウソついてる顔に見える?」
「…マジかよ」
「欠点や弱点でも裏返せば武器に出来る。この教室で学んできたのはそういう殺り方で、この出店もその殺り方で作られてる。今日ここにいる人たちは…皆がそれで集まってるんだ。
あ、で、でも騙してたんだしお金は!」
「いいよ、なんか…自分がアホらしく思えてきた。帰るわ」
悪いことをしてしまったな…そう思いながら渚は彼の後ろ姿を見送った。
翌日。
生徒たちは売上が伸びないことに落ち込みながら登校していた。
「はー…1日目の売上そこそこだったな」
「今日で最後か…」
「このペースじゃA組には勝てねーよ…」
そんな彼らの横をカメラを持った人たちが駆け抜けていった。
「テレビ局?」
「何を撮るつもりなんだろ?凛香かな?可愛いし」
「ばか!ふざけないの!」
「あはは、とは言ってもこの先にはE組しかないんだ…し?…って」
角を曲がり、校舎前の坂を見た彼らはこう叫んだ。
「「「「「「なんじゃこりゃ!?」」」」」」
「これ全部うちの出店待ち?」
「昨日の今日でこの差は一体何なの?」
「渚…この人たちの前でやるの…?」
「和生くん…覚悟を決めよう…」
驚く彼らの元に不破が走ってくる。
「大変大変!!ネットで口コミが爆発的に広がっててさ!」
『少し潜って情報の発信源を特定しました。表示します』
そう言って律が不破の携帯に示したのはユウジのブログであった。
どうやら彼はかなりの食通だったようで、そこから広まったようだ。
彼の心からの言葉に感銘を受けた人たちが、この場所に足を運んだというわけだ。
そして、学園祭はスパートに入る。
「よし、準備はおっけーだぜ!」
校舎の上に作られた特設ステージ。
その上には前原、磯貝、和生、千葉、渚の5人とイリーナと殺せんせーがいた。
「とは言っても1週間ちょっと練習しただけでこれかよ…」
「千葉くん…」
「和生…俺達は大丈夫なのか?」
「晒し者もいいとこだよね…」
「安心しなさいって!私が直々にねっとり指導してあげたのよ?」
「そうです!私もこの触手で指導したではありませんか!」
「「「「「触手でねっとりとか気持ち悪い!!」」」」」
「まぁまぁ、皆さん。案ずることはありません。いつものように殺す気でやればいいんです」
「そうそう。好きもんでも考えてなさいよ。なんかあんでしょ?」
「(女…)」
「(銃…)」
「(E組の皆…)」
「(凛香…今何してるかな…メイド姿もっとじっくり見とけばよかった)」
「(女装…って人の好きなもの勝手にねじ曲げないでよ!!)」
それぞれ思い思いのことを胸に秘めて彼らはそれぞれの獲物持って前を向く。
殺せんせーとイリーナはその様子を見ると、ステージを隠している黒幕を勢い良く引き剥がした。
ステージの黒幕が剥がされたことで席に座っている者、そして順番待ちしている者も皆視線をそちらへ向ける。
「皆さんこんにちは!今日は1日限定で俺たちがライブをやらせてもらいます!」
磯貝の挨拶で彼らは一列に並んだ。
「「「「「俺達!E-boysです!」」」」」
「「「「「「「「モロパクリじゃねーか!!!」」」」」」」」
「あんたたち、気にしたら負けよ」
「いやいやいや!girlをboyに変えただけじゃん!」
「ほらほら、進行が遅れてしまいますから。不破さん、メタイですよ」
「ぐぬぬぬぬ」
何か言いたそうな不破を殺せんせーが宥め、磯貝の挨拶が続く。
「俺たちは急遽やることになったのでまだまだ付け焼き刃ですけど!頑張るので応援おねがいします!まずはメンバーの紹介から!」
磯貝がそう言うとステージ上の全員が自分の楽器の位置に着く。
「1人目はドラム担当!E組で1番前髪が長い男!千葉龍之介!」
「よろしく」
「へぇ〜千葉くんはドラムなんだ」
「なんか雰囲気的に似合ってるよね」
倉橋と矢田が磯貝の紹介を聞いて納得したように頷いている。
「2人目は俺!ベースを担当する磯貝悠馬です!よろしくおねがいします!3人はE組1の女たらし!ギター担当の前原陽斗!」
「紹介文は気に入らねーけどな!よろしく!」
「4人目はE組きっての美少年!甘いものと彼女が大好きなキーボード担当桜井和生!」
「あはは、別に美少年じゃないんだけどね?よろしくおねがいします!」
「最後は性別不明!ボーカルの潮田渚!」
「男だよ!!ちゃんとついてるよ!よろしくね!」
「じゃあ聴いてください!『Myosotis』」
磯貝の掛け声と共に和生が伴奏を始め、それに合わせるように他の3人がリズムを刻む。
互いに主張しすぎることもなく、最高のハーモニーを奏でていく。
そんな中、渚が歌い始めた。
「Per Ardua Ad Astra Altiora Petamus Volente Deo ,Lucete Stellae.……」
5人のライブは見事成功。
取材に来ていたテレビ局が撮っていたこともあり、取材やら何やらから逃げるために彼らは校舎へ戻っていた。
そして客足が伸び。
在庫も無くなって来た頃、殺せんせーが口を開いた。
「ここら辺で打ち切りましょう」
「なんで?このままじゃな勝てないよ!」
「いいんですよ。これ以上は山の生態系を崩しかねません。植物も鳥も、魚も菌類も節足動物も哺乳類もあらゆる生物の『縁』が我々の恵みになっている。君たちがどれほど多くの『縁』に恵まれているかこの文化祭でわかりましか?」
「なーんだ。結局今日も授業が目的だったわけね」
「くっそ、勝ちたかったけどなー」
悔しがる彼らのもとに1人客がやってくる。
「あ、すみません!売り切れちゃって閉店なんです!ごめんなさい!」
「そうなの…すごい人気だったのね」
「…母さん」
やってきたのは渚の母親だ。
「はい、最後の山葡萄のジュース。美味しいよ」
「…ありがとう。ケーブルテレビで紹介されてたわ。凄いのねアンタのクラス。残りたがる理由もわかったわ」
「…うん」
「…渚。この前の後者のでの出来事ね?ここであんたが私を守って一瞬で不良をやっつけた時。背中を見て思い知ったわ…私の息子は私とは別人だって。私から卒業するって言ったのも虚勢じゃない。それだけの力をいつの間にか身につけてたんだって。でもさ…せめて成人までは一緒にいてよ。そっから先は好きに生きればいいわ。せっかくアンタの親に慣れたんだもん。もうしばらく心配させてよ」
「…うん!」
渚と母親が和解する様子を眺めていた殺せんせーはこう思う。
「(この世で出会った全ての『縁』が人を育てる教師になる。あなたが私にもくれた『縁』を…私は上手く繋げているでしょうか…)」
「渚くんの母親が謝っていた。火をつけようとしたと」
「過ぎたことですから」
「それと…彼女が俺に囁いて帰ったんだが…俺のヅラのことは黙っておくとはどういう事だ!?」
「にゃやぁ!?」
烏間はそう言うと対先生ナイフを振り抜いた。
殺せんせーは驚きながらもそれを交わして逃げていく。
山の上の校舎は暗殺教室。
全ての繋がりが生徒たちを育てる教材だ。
学園祭の結果はA組の勝利。
それに貢献した五英傑は理事長室に呼ばれていた。
「僕たちは勝利に満足しています。努力の全てのを注ぎ込みました」
「それにしては接戦だったが?」
「それだけ奴らに戦略があったということ」
「違うな。相手は飲食店だ。悪い噂を広めるのは簡単だし、食中毒なら命取りに出来る。君は害する努力を怠ったんだ」
理事長の言葉に浅野以外の4人は驚愕している。
「理事長、あなたの教育は矛盾している。どうやったか知らないが奴らはこの1年で飛躍的に力を伸ばしている。癪だが、僕自身もいい刺激を受け能力が伸びています。強敵や手し…いや、仲間との縁に恵まれてこそ強くなれている。弱い相手に勝ったところで強者にはなれない。それが僕の結論であり、あなたの教える道とは違う」
浅野がそういうと理事長は不敵に笑いこう言った。
「浅野君、少し外してくれ。君の友達と話がしたい」
「…?」
「出ていろ浅野君。3分ぐらい別にいいさ」
榊原に促されて退出した浅野が次に見たのは…
「「「「「E組殺すE組殺すE組殺す……」」」」」ブツブツブツ
変わり果てた友人達の姿だった。
「なっ…何を…」
「ちょっと憎悪を煽ってあげただけだよ。君の言う『縁』なんてこんなものさ。私が教える『強さ』とはそんな脆いものでは無い。期末テストは私が全て取り仕切る」
遂に理事長が動き出す。
次の戦いの舞台は期末テスト!!この1年の集大成をぶつける時だ。
今回はここまで。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
彼らに持たせた楽器はイメージでつけてみました(笑)
そして途中で出てきた好きなものですが、誰がどれを思っているのか簡単ですよね?(笑)
Myosytisは私の個人的に好きな曲なので聴いてみてほしいですね!私がやっている音ゲーの曲です!
久しぶりの投稿で至らぬ点もあるかと思いますがこれからも応援よろしくおねがいします!
感想などお待ちしていますね!