それは彼が3年生になる時の出来事
「自ら進んでE組に行きたいと言った生徒は君が初めてだよ」
「じゃあ俺は理事長先生の歴史に残る生徒になるわけですね」
「いい歴史ではないがね、まぁ明日からせいぜい足掻いてくれたまえ」
「それじゃあ、失礼しました」
理事長先生と編入の話を終えて理事長室から出てきた俺の名前は桜井和生(さくらいかずき)ついさっき特別クラスへの移動を頼んできた。
3年E組 通称エンドのE組。
成績の悪い生徒や素行不良者で構成されている落ちこぼれのクラス 授業は隔離校舎で行われ学食もなければ部活も出来ないしさらに本校舎の生徒や先生には見下される 最悪の場所。
自ら進んで行くような場所ではないのは確かだ。
だが俺はそんなE組にいる生徒たちが自分のと同じような生徒なのではないかと思えていた。
他にも彼は考えているようだが今は触れないでおこう。
「夜ご飯の買い物して帰らないと…」
彼はまだ知らないこの選択が彼の人生を大きく変えることを
「完全に迷った…」
昨日引越して来たばかりのカズキは椚ヶ丘のことを
ほぼ全くと言っていいほど知らない
奇跡的にスーパーにたどり着くことはできたものほど
帰り道がわからないことに気がついた
「君、大丈夫か?」
聞いたことのない声に振り向くと椚ヶ丘中の制服を着たとても爽やかそうな生徒が立っていた
「昨日引越して来たばかりなんだけど道に迷っちゃったみたいでさ…」
「この街は結構デカイから引越たばかりじゃ迷っても仕方ないよ、俺は磯貝悠馬、君は?」
「俺は桜井和生、明日から椚ヶ丘中学校3年E組に編入になったんだ」
「E組に編入!?、俺もE組なんだよ。よし!これも何かの縁だ、家まで送ってくよ」
「いいの?」
「もちろんだ!明日から俺たちの仲間だからな」
「(イケメンだ…)ありがとう!」
「いいっていいって!」
「お礼になるかわかんないけど夜ご飯ご馳走するよ」
「いや…俺の家兄弟多くてさ。だから送ってったらすぐ帰るよ」
「じゃあ磯貝くんの家で俺が作ればいいよね?」
「なんか悪いな…」
「助けてくれたお礼だって!」
カズキは磯貝に笑顔を向ける、その笑顔に磯貝が感じたものは
(何か抱えてそうな笑顔だ…)
「俺のことは悠馬でいいよ!それじゃあいくか桜井くん」
「俺もカズキでいいよ?それじゃあお願い」
カズキは磯貝の案内で彼の家にいき晩御飯を作ったカズキは料理が得意なので自信のあるロールキャベツを
磯貝に振舞った、磯貝の弟たちにも好評だったらしいそのこと帰り道に教えられた
「弟たちも喜んでたよありがとうカズキ」
「道に迷ってる知らない人を助けてくれる悠馬の優しさへのささやかなお礼だよ」
「カズキも十分優しいじゃないか」
「そうかな?あっ、良かったら友達になってよ」
「ん?俺たちもう友達だろ?」
「(笑顔が眩しい…)ありがとう!」
気がつくと椚ヶ丘中の前まで来ていた。
「ここまででいいよ、ありがとうね」
「そうか、じゃあ明日からよろしくな?」
「うん!また明日!」
2人は別れて互いの帰路についた家に帰ったカズキを待っていたのは黒いスーツを身にまとった男だった。