桜井和生と暗殺教室   作:トランサミン>ω</

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この作品の死神編は殆どオリジナル展開です!ご了承くださいませ。
今回ついに、謎が明らかに?


正体の時間

あの一件があってからイリーナは学校に来ていない、既に3日が経過していた。

 

 

「もう3日だぜ…」

 

 

「余計なことしちゃったかな…」

 

 

自分たちの行動が彼女を傷つけたのではないかと心配している。

 

 

「肝心の烏間先生は放課後まで1日いねぇしなー」

 

 

そう、前原の言う通り烏間は仕事の関係で放課後まで防衛省に戻っている。

 

 

「でも仕方ないだろ?殺し屋との面接と…」

 

 

「和生くんにお客さんが来てるんだよね?」

 

 

磯貝の言葉に渚が続く。

 

 

「あぁ、だから和生も烏間先生について防衛省に行ってるらしい」

 

 

彼らが言うように和生も烏間と同様に防衛省に足を運んでいる。

 

 

「はやみ〜ん?桜井ちゃんがいない寂しい〜?」ニヤニヤ

 

 

「そ、そんなことないわよっ!」

 

 

「えぇー?はやみんの事だから『和生がいなきゃ学校に来ても…』とか思ってたんじゃないの?」ニヤニヤ

 

 

「べ、別にそんなこと思ってなんかないわよ!…ちょっとだけしか」

 

 

「はやみんかわいい〜」

 

 

速水をからかっていた中村だが、速水の反応があまりに可愛らしかったので速水を抱き締めた。

 

 

「ちょ、ちょっと莉桜っ…///」

 

 

2人のやり取りにクラスの雰囲気がやや明るくなる。

しかしやはりイリーナと烏間の先生2人が学校に来ていないため必然的に座学が一日続く。

殺せんせーの授業は面白いかつわかりやすいのだが、皆イリーナの一件を引きずっているため全然頭に入ってきていなかった。

放課後になり殺せんせーはブラジルにサッカーの試合を観戦しに行った。

教室に残っていた生徒たちはイリーナと自分たちの関係がどうなるのかを案じていた。

 

 

「ビッチ先生大丈夫かな…」

 

 

「携帯もつながらないし…」

 

 

「まさか…こんなんでバイバイとかないよな…?」

 

 

「そんな事ないよ。彼女にはまだやってもらうことがある」

 

 

「だよねー!何だかんだいたら楽しいもん」

 

 

千葉の言葉に男が返し、それに岡野が言葉を返す。

 

 

「そう、君たちと彼女の間には充分な絆が出来ている。それは下調べで確認済みだ。僕はそれを利用させて貰うだけ」

 

 

男は平然と教卓の前に立ち、花束を置いた。

次の瞬間に生徒たちは驚愕した、平然と自然に教室に溶け込んできた男性は、渚たちが花束を購入した花屋の男だったからだ。

生徒たちが自分に注目したのを確認した男は話し始めた。

 

 

「僕は『死神』と呼ばれる殺し屋です。今から君たちに授業をしたいと思います」

 

 

死神と名乗った男に生徒たちは開いた口が塞がらない。

 

 

「花はその美しさで人間の警戒心を打ち消し、心を開きます。渚君、君たちに言ったようにね」

 

 

男が1輪の花を取り出すと律に1通のメールが届いた。

 

 

「でも、花が本来美しく、芳しく進化してきた目的は。律さん、送った画像を表示して」

 

 

俺が指示すると律は素直にメールに添付された画像を表示する。

律の画面に映し出されたのは…

 

 

「虫をおびき寄せるためです」

 

 

体を縛られ箱に詰められたボロボロのイリーナの姿だった。

その姿を見せられた生徒たちはさらに驚愕する。

 

 

「手短に言います。彼女の命を守りたければ、先生達には決して言わず君達全員で僕が指定する場所に来なさい。来たくなければ来なくてもいいよ?だけどその時は彼女の方を君たちに届けます。全員平等に行き渡るように小分けにして。そして次の『花』は君たちのうちの誰かにします」

 

 

この言葉を聞いた時渚は確信していた。

この花屋の男がロヴロが言っていた『死神』なのだと、恐ろしいことを平然と口にしているというのに、それが嘘ではないとわかるのに、なぜか心が安心していたからだ。

そして奥田もカルマの言葉を思い出していた。

『警戒できない、怖くないって実は一番怖いんだなって思った』

そんな時寺坂、吉田、村松の3人が死神に詰め寄った。

 

 

「…おうおう兄ちゃん。好き勝手くっちゃべってくれてっけどよ?俺らにあの高飛車ビッチを助ける義理なんてねーんだぜ?俺らへの危害もちらつかせちゃいるが、そんなのは烏間の先公やタコが許さねーよ。第一、ココでボコられること考えなかったのか?」

 

 

寺坂の言葉に反応した生徒たちが男を取り囲む。

 

 

「残念、寺坂君。それは全て間違っている。君たちは自分たちで思っている以上に彼女が好きだ。話し合ったとしても見捨てるという結論は出せないだろうね」

 

 

優れた殺し屋ほど万に通ずる。

生徒たちの思考を読むなどお手の物だった。

 

 

「そして、人間が死神を刈り取ることなどできはしない。畏れるなかれ、死神が人を刈り取るのみだ」

 

 

死神がそう言って花束を投げると彼の姿は忽然と消えた。

その場に残されたのは指定された場所の地図と散らばった花弁のみだ。

 

 

「くっそ!花束に盗聴器が仕掛けてあったのかよ!」

 

 

前原が発見した盗聴器を床に叩きつける。

生徒たちは指定された地図に書かれたメッセージを読む。

 

 

「今夜18時までにクラス全員で地図の場所に来てください。先生方や親御さんにはもちろん…外部のものに知られたらビッチ先生の命はない…か」

 

 

「シロの時と同じだな。俺らを人質にして殺せんせーを誘き出すのが目的だろう」

 

 

「しょーがないんじゃない?私等大金稼ぎの1等地にいるわけだし。世界一の殺し屋もそーするのが必然よ」

 

 

千葉と狭間の考察は概ねあっているだろう。

しかしここで問題が発生する。

 

 

「和生は…烏間先生と一緒にいるんだよな?」

 

 

「「「あっ」」」

 

 

磯貝の一言でクラス全員が声を上げる。

一瞬の沈黙のあと、竹林が口を開いた。

 

 

「死神としては桜井がいない事よりも烏間先生に知られる方がやっかいだろう。ここは桜井抜きで行って死神に事情を説明するべきだ」

 

 

「…」

 

 

竹林の言葉に渚が俯いた。

 

 

「これ?使うか?」

 

 

寺坂が取り出したのは超体育着。

 

 

「守るために使うって決めたんだしね。今着ないでいつ着るってのさ」

 

 

「だな、あんなビッチ先生でも世話になってるし」

 

 

中村、岡島が超体育着を手に取る。

 

 

「最高の殺し屋だか知らねーがよ。そう簡単に計画通りにさせるかよ」

 

 

E組の生徒たちによる死神への反撃が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教室に死神がやって来ている頃烏間にはロヴロから連絡が入っていた。

死神が動き出したという事、生徒たちに危険が迫っていることを告げられた。

しかしまだ仕事中時間が無くあまり話すことが出来なかった。

それもその仕事というのが極秘任務らしく指定された部屋に向かう途中に厳重な警備がしかれている。

烏間は和生を連れて指定されたに向かっているのだが、部屋に通される時持ち物のチェックを受けていた。

 

 

「烏間先生…何事ですか?」

 

 

「すまないが俺も聞かされていないんだ。恐らくは上層部の人間しか知らない極秘情報なのだろう」

 

 

「それが俺に関係あるんですか?」

 

 

「その様だな」

 

 

準備が整い、烏間が扉を開けるとその部屋には30代後半と思われる茶髪の男性がいた。

和生が入室するのを確認するとその人物は立ち上がり深々と頭を下げた。

 

 

「カズキ様。再びお会いすることが出来て光栄です」

 

 

「はい?」

 

 

和生は自分が様付けで呼ばれたことに首を傾げながらも烏間の誘導で席についた。

全員が席についたところで烏間が口を開く。

 

 

「貴方は一体何者なんだ?こんなに厳重な警備、そして桜井君のことを様付けで呼ぶ理由を聞かせて欲しい」

 

 

「はい、私の名は『レグルス』。カズキ様の眷属に属するものです。今回はある事をカズキ様にお伝えするために参りました」

 

 

「えっと…俺はイマイチ状況が理解できてないんだけど…」

 

 

「申し訳ありません。度々ご無礼を…」

 

 

「度々って…初対面ですよね?」

 

 

和生がそう言うと男はタオルを取り出して頭に巻いた。

 

 

「これでわかるか?兄ちゃん」

 

 

「あ、あぁ!たい焼き屋のおじさん!?」

 

 

「はい、そうです。先程のように無礼な口調で話しかけてしまったことを深くお詫び申し上げます」

 

 

「え?いや、無礼とか言われても…たい焼きは美味しかったし…先ず俺に無礼ってなんなんですか?」

 

 

和生の言葉に烏間も同意見のようで頷いている。

 

 

「では…先ずカズキ様の素性を話さなければなりませんね」

 

 

「えっと…お願いします」

 

 

「はい、単刀直入に申し上げますと…カズキ様のお名前は桜井和生であり、桜井和生ではありません」

 

 

「え…」

 

 

「あなたの本当の名前は『カズキ・エルレンシア』。英国王家、エルレンシア王家の御氏族になられます」

 

 

レグルスの言葉に烏間が反応する。

 

 

「英国王家だと!?それは麻友さんが最後の仕事で護衛を務めた…」

 

 

「はい、マユ様はその任務後にルウシェ様…カズキ様の妹様を庇ってお亡くなりになりました」

 

 

「ま、待ってくださいよ!じゃあ母さんは俺の母親じゃなかったって言いたいんですか!?」

 

 

「いえ、違います。マユ様は列記としたカズキ様とルウシェ様の母親です。そして貴方の父親は…英国王子『デュナミス・エルレンシア』です」

 

 

「それって…」

 

 

「はい、烏間様。マユ様は長期の任務で英国に滞在されていましたね?」

 

 

「ああ、そのはずだ」

 

 

「その時に王子とマユ様は恋に落ちた…いえ、最初は王子の一方的な愛情でした。マユ様はあくまでも任務対象であり、自分との身分の違いを訴えておりました。ですが王子から注がれる愛に惹かれてしまったらしいのです。二人の間には子供が出来ましたが公には出来ないためにマユ様の故郷である日本に送られたのです。それがカズキ様です」

 

 

「いや…ちょっと待ってよ…わけわかんないよ…俺が王子の子ども?ふざけないでよ…」

 

 

和生は俯いてしまったのだが、レグルスは話を続ける。

 

 

「すぐには受け止められないのはわかっていますが…全て事実です。カズキ様、生活する中で世界が凍りついたように感じることはありませんでしたか?」

 

 

「…っ」

 

 

「やはりありましたか。それは『蒼魔凍』と呼ばれる我国の王族にのみ扱える秘技です。貴方の血が王族のそれである事を証明するものなのです」

 

 

「桜井君、大丈夫か?」

 

 

「烏間先生…大丈夫です…」

 

 

和生は自分に入ってくる莫大な情報と自分の正体に愕然とする。

それでも話を聞かなければならないと踏ん張っているようだ。

 

 

「そしてここからが本題です。その後も任務で何度か英国を訪れていたマユ様には2人目の子供が出来ました。それがルウシェ様です。しかしルウシェ様は公に公表されました」

 

 

「な、何故ですか?」

 

 

「それはある人物の陰謀です。王子には妻がいないのにも関わらず娘がいる。そのニュースは世界を飛びました。ですがルウシェ様は養子であるとされ大事にはならずに住んだのですが…去年のことです。マユ様が再び王子の元を訪れた時にそれは起こりました。ルウシェ様の命が狙われたのです。子供がいなければ王座は血縁者の子孫になります。それを狙った者達がルウシェ様を狙って殺し屋を雇い、暗殺を計画しました。そしてそれは決行されルウシェ様を庇ってマユ様は…」

 

 

「母さんがそんなことを…」

 

 

「はい、そしてその時の殺し屋の1人が現在カズキ様を狙っております。さらには貴方の級友たちをも」

 

 

「なっ!?」

 

 

「生徒達をか!?」

 

 

これには驚いたようで烏間も声を荒らげた。

 

 

「そこで今回の件をお伝えさせていただいた次第であります。そしてこれを…カズキ様にお渡しするべく」

 

 

レグルスが取り出したのは異形の銃と弾丸。

片手で持てるサイズではあるが拳銃とは比べ物にならないサイズで弾丸はまるで杭の様な形をしている。

 

 

「これは?」

 

 

和生がその銃の正体を聞く。

 

 

「この銃の名は『ヴラド』。王族にのみ使用が許された武器です。王族以外が扱えばたちまちその血を喰らい尽くすという恐ろしい銃ですが、カズキ様ならば存分に扱えるかと」

 

 

「これで…俺は…どうすれば」

 

 

「簡単です。守ってください。ご自身をご友人を、そして英国で貴方を案じている家族を」

 

 

「そう…ですか…」

 

 

「1度には語りきれませんので今日はここまでにしましょう。烏間様、これからもカズキ様をお願いします」

 

 

「わかっている、まかせてくれ。桜井君、校舎に行こうまだ生徒たちもいるはずだ」

 

 

「はい…」

 

 

和生はヴラドと弾丸が入ったケースを受け取ると、烏間と共に校舎へと帰ることにした。

校舎に向かうタクシーの中で和生は烏間に問いかけた。

 

 

「俺が王族だったなんて…皆は受け入れてくれますかね?」

 

 

「どうだろうな。だが、君たちの絆というのはそれだけで壊れるものではないと思うぞ」

 

 

校舎の近くまで来たところで2人はタクシーから降りる。

烏間が和生と並んで歩いていると花屋の男性の足元に花が落ちているのに気付いた。

烏間はそれを拾って男に手渡した。

 

 

「商品、踏みそうだぞ?」

 

 

「あ、これは有難い!お礼に一輪どうぞ」

 

 

「…最近見た花だ」

 

 

「ガーベラです。わりと繊細な花でしてね。あなたは野に咲く花の方かお好きでしょうが…手元の花は水をやらねばすぐ枯れてしまいますよ」

 

 

「?せいぜい長持ちさせるさ。ありがとう」

 

 

意味深な発言をする店員に別れを告げて烏間は和生のもとに戻る。

一方男とはと言うと。

 

 

「接近してみて改めて超人的なチカラを感じた。だが我敵になるレベルではない。彼も花束に加えようか。それとあの坊や。あの先生といるってことはあとから花束に加えることになるな。いや…彼に摘み取られるか…」

 

 

烏間と和生が校舎に戻るまであと数十分。

その頃ほかの生徒たちは地図に記された場所に向かっていた




和生くんの正体!驚きですよね!
ですが彼の超人的な能力、そして家の大きさ、優れた容姿にこれで納得がいったのでは?
そして次回からはいよいよ死神との闘いが始まります。
様々なことが交錯する死神編!どうぞこれからも宜しくお願いします!
感想などお待ちしております!
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