桜井和生と暗殺教室   作:トランサミン>ω</

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遂に戦いの火蓋が切って落される。
そして強者たちの戦い方と弱者の戦い方にも注目ですね!


強者の時間

「どうする死神?生徒ごと溺死させると言うなら俺はここでお前を倒す」

 

 

「(ふーん、思ったより隙が無いな。武装もちゃんとしてるし、殺すのに時間がかかると計画が綻ぶ。ここはタコを優先するべきだな)ハダル、ここは引くよ」

 

 

「止むを得まい、行くぞ」

 

 

死神とハダルは操作室に向ってとてつもないスピードで走り出した。

 

 

「チッ…させるか!」

 

 

「烏間先生!追いましょう!」

 

 

烏間と和生も彼らを追って走り出す。

 

 

「2人とも!トランシーバーとアプリをONにして!!」

 

 

殺せんせーの指示通り2人は無線をONにして駆け抜けていく。

そんな彼らの姿を見てイリーナは首の爆弾を解除しながら殺せんせーたちに話し出す。

 

 

「彼らを倒そうなんて無謀ね。このタコですら簡単に捕らえた死神と桜井の親を殺したハダルよ?確かに烏間は人間離れしてるし、桜井も強いわ。だけど彼らはそれ以上よ」

 

 

「ビッチ先生…」

 

 

「俺らごと殺すってわかっててやったのかよ!」

 

 

「何でよ…仲間だと思ってたのに…」

 

 

前原と岡野の悲痛な叫びが響く。

 

 

「怖くなったんでしょ?プロだプロだ言ってたアンタがゆるーい学校生活で殺し屋の感覚忘れかけてて、俺ら殺してアピールしたいんだよ。私は冷酷な殺し屋よ〜ってね」

 

 

カルマが煽るようにそう言うとイリーナが外した爆弾を檻に投げつけた。

 

 

「私の何がわかるのよ…考えたことなかったのよ!自分がこんなフツーの世界で過ごせるなんて!弟や妹みたいな子と楽しくしたり、恋愛のことで悩んだり…そんなの違うの…私の世界はそんな眩しい世界じゃない」

 

 

イリーナが感情を顕にすると死神から連絡が入る。

 

 

『イリーナ手伝って欲しい。操作室に向かう途中に罠を仕込んだ。彼らが罠に手こずる間にハダルと挟み撃て、所詮この国の人間は殺される気構えなど出来てはいない、死と一緒に生きてきた君の弾は躱せないさ』

 

 

「…わかったわ」

 

 

イリーナも指示通り2人を追って階段を上っていく。

残された生徒たちには殺せんせーが話し始めた。

 

 

「流石は歴戦の殺し屋たちです。『味方だと思っていた人が敵だった』それは私が苦手とする環境の急激な変化です。イリーナ先生はそれを私に悟らせなかった。まだ君たちが勝てる相手ではない。死神が設置していた監視モニター…断片的にではありますが強者たちの戦いが覗けそうですよ」

 

 

殺せんせーが生徒たちに話している頃、烏間と和生は一つ目の扉に差し掛かっていた。

 

 

ガチャ、カリッ

 

 

「ドアノブに違和感がある。手こずると操作室に行かれてしまうな。桜井君、開けるぞ」

 

 

「はい、恐らくは爆薬でしょうから、レヴィアタンで対処します」

 

 

烏間が扉を開けると爆風が2人を包んだ。

モニターでその様子を見ていた生徒たちはその破壊力に驚いている。

しかし…

 

 

「思ったより強力だったな」

 

 

「ですね、でもこの超体育着のお陰で平気です」

 

 

2人は何事も無かったかのようにその場を通り過ぎていった。

それを見て生徒たちは黙り込む。

 

 

「…え?何が起こったの?」

 

 

「爆風に巻き込まれた2人が何事も無く進んでったぞ」

 

 

そんな生徒たちの疑問に殺せんせーが答える。

 

 

「2人は読んでいました、この短時間で仕掛けられるのはせいぜい爆薬程度。しかも威力はそこまでではないと考えられる。それを見越してあえて扉を開け、烏間先生は爆風と同時に後ろ受け身を取りました。ドアも盾になり烏間先生に爆風は届きませんでした。和生君もレヴィアタンの冷気で爆風を相殺したようですね」

 

 

生徒たちは思っていた。

 

 

「「「(冗談だろ!?あの短時間でそこまで!?)」」」

 

 

そんな彼らの気も知らず2人は走り続ける。

彼らが曲がり角に差し掛かるところで原が2人に声をかける。

 

 

「2人とも!その曲がり角は危ない!」

 

 

その言葉の通り2人がそこに差し掛かると銃を体に巻き付けたドーベルマンが彼らに一斉射撃を始めた。

 

 

「銃を撃てるように調教されたドーベルマン。あれだけの数を仕込むとは…死神の手腕ですねぇ」

 

 

「くっ…卑怯な…」

 

 

烏間がゆっくりと角に出る。

その時モニターに映った彼の顔は…恐ろしい笑顔だった。

 

 

「俺はな…犬が大好きなんだ。だから傷つけられない、お前らの主人には悪いが優しい通らせて貰うぞ」

 

 

「「「(え、笑顔ひとつで抜けおった!!)」」」

 

 

しかし生徒たちは犬の気持ちが分からなくもなかった。

何故なら、烏間が笑っている時の半分は人を襲っている時だからだ。

その後も2人は先に進み続ける。

鉄骨が飛んでくれば烏間が受け止め、火炎放射が飛んでくれば和生がレヴィアタンで打ち消す。

短時間でこれだけのトラップを仕掛けた死神とそれをことごとく無効化する烏間。

生徒たちが感じたのは人類最強決定戦なのでは!?という事だった。

 

 

「彼らは強い、それにこの牢屋もとてもツヨイ。では君たちはどうしますか?この場で彼らや檻よりも強くなるか?それとも無理だと土俵を降りるか?どちらも違いますよ。弱いなら弱いなりの戦い方がある、いつものように戦うんです」

 

 

「つってもなぁ…この状況でどーやりゃ…」

 

 

「出来るかもよ。死神に一泡吹かせること!全部うまく行けばだけどね」

 

 

三村が生徒たちにある提案をする。

その頃烏間と和生はというと。

 

 

「来たか…」

 

 

「烏間先生、迎え撃つしか無さそうですね」

 

 

「正直見くびっていたよ。まさかあんなにトラップを躱すとはね」

 

 

「レヴィアタン、絶対零度の剣か…良い武器だな」

 

 

現れたのは死神とハダル。

そして後ろから…

 

 

ズギュッ!

 

 

「ちゃんと当てなよ?イリーナ」

 

 

「ごめんね。次はちゃんとやるわ」

 

 

「…死ぬぞイリーナ」

 

 

「ビッチ先生、やめときなよ」

 

 

「アンタたちには理解出来ないだろうけど、彼らは分かってくれたわ。同じだって」

 

 

イリーナがそう言うと死神が話し始める。

 

 

「そうだね。昔話をしてあげたっけ?テロが絶えないスラムに生まれ、命なんてすぐ消えるあやふやな世界。信頼出来るのは金と己がスキルと『殺せば人は死ぬ』という事だけさ。だから分かってくれる。たとえ…僕が捨石に使ってもね?」

 

 

「捨石?どういうことさ!」

 

 

「桜井君、こういうことだよ?」

 

 

死神が端末を操作すると和生、烏間、イリーナの頭上にある天井が崩れた。

 

 

「いったぁ…烏間先生…?生きてます?」

 

 

「大丈夫だ…生きている」

 

 

「生きてるとは流石だね。だけど閉じ込めた。君たちだけなら抜けられたかもしれないけど。彼女はそんな君たちを惑わすためだけに雇った」

 

 

和生と烏間が後ろを見ると崩れた天井にイリーナの姿があった。

 

 

「可愛らしいくらい迷ってたよね彼女」

 

 

「その迷いは貴様らにも移っていた。それが敗因だ、それでは我々は行くとしよう。最後の仕上げだ。そして次はカズキ・エルレンシア。貴様だ」

 

 

そういって死神とハダルは去っていく。

 

 

『烏間先生!モニターに爆発が見えましたが2人とも無事ですか!?』

 

 

「ああ、俺達は平気だ」

 

 

「でも、ビッチ先生が下敷きになってる」

 

 

『『『!?』』』

 

 

「だが…かまっている暇はない。瓦礫をどうにかして奴らを追う」

 

 

「その方がいいかな。ビッチ先生には悪いけどね」

 

 

『ダメ!』

 

 

先に進もうとする2人を無線から倉橋が呼び止める。

 

 

『どーして助けないの!?』

 

 

「倉橋さん、彼女なりに結果を求めた結果だ。責めもしないし助けもしない。プロなら自己責任だ」

 

 

「俺は約束したから大切な人たちを守るって」

 

 

『プロとかどーでもいいよ!15の私がなんだけど…まだビッチ先生は20歳だよ!?桜井くん!ビッチ先生は大切な人じゃないの!?』

 

 

『うん、経験豊富な大人なのにちょっと抜けてるよね』

 

 

『たぶんだけど…安心のないところで育ったから…大人の欠片をいくつか拾い忘れちゃったんだよ』

 

 

倉橋と矢田の言葉に烏間と和生はハッとする。

 

 

『助けてあげて、2人とも。私たちをいつも助けてくれるみたいに』

 

 

「時間のロスで君らが死ぬぞ」

 

 

『大丈夫!奴らは目的を果たせずに戻ってきますよ!だから2人はそこにいて!』

 

 

そんな会話が行われている中、イリーナは薄れゆく意識の中で人生を振り返っていた。

初めて人を殺した時のこと、冷たい血の海のような日常が終われてよかったと感じていた。

陽の当たる世界で温もりを思い出してしまう前に。

しかし…

 

 

「さっさと出てこい。重いもんは背負ってやる」

 

 

「もう一回、起き上がって見ようよ?ビッチ先生」

 

 

烏間と和生が彼女の世界に再び光を射し込んだ。

その頃死神とハダルは動揺していた、監視カメラから見た牢屋の中が空っぽだったからだ。

彼らは再び彼らを捕らえるべく、踵を返した。

しかし生徒たちはまだ牢屋の中にいた。

カメラと爆弾の解析をし、菅谷が施した迷彩で壁に紛れていたのだ。

活躍したメンバーがラジコン盗撮の犯人たちということもあり、なかなか味のある作戦だった。

 

 

死神たちが戻ってくる頃、烏間がイリーナの応急処置をしていた。

 

 

「お前に嵌められてもなお、生徒達はお前の身を案じていた。それを聞いてプロの枠に拘っていた俺の方が小さく見えた。思いやりが足りていなかったな。済まなかった」

 

 

「えっ…」

 

 

「話はあとだ…戻ってきたようだな。イリーナ、お前が育った世界は違うかもしれん。だが、俺と生徒がいる教室にはお前が必要だ」

 

 

烏間がそう言うと瓦礫を死神が崩してやって来る。

 

 

「イリーナ、烏間たちは?」

 

 

「別の道を探しに行ったわ。酷いじゃない私ごとやるなんて」

 

 

「いやぁ、ごめんよ。でも僕らの世界は出し騙されだろ?文句があるなら次は確実に殺してあげるよ?」

 

 

「別にいいわ…私もね?すぐオトコを乗り替えるビッチだから♡」

 

 

「え…」

 

 

イリーナがそういって治療された腕を見せると背後から烏間が死神を捕らえた。

 

 

「小細工出来ないスッキリした場所に移ろう」

 

 

「正気か!?」

 

 

烏間はそのまま空中に身を投げた。

そして下へ落ちていった。

 

 

「思ったんだが、お前…そんなに大した殺し屋か?」

 

 

落下する中で烏間が死神に言ったのはこの一言だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビッチ先生、上手くいったね。先に下に降りててよ」

 

 

「桜井、アンタはこないわけ?」

 

 

「まぁ、行かせてくれそうにないしね」

 

 

カツン、カツンという足音とともにゆっくり現れたのはハダル。

巨大な鎌を構えて和生を見据えている。

 

 

「ビッチ先生!早く行って!」

 

 

「わ、わかったわ!死ぬんじゃないわよ!?」

 

 

「さっきまで俺らを殺そうとしてたのにやっぱビッチ先生はかわんないねw任せといてよ」

 

 

イリーナはそう言うと和生たちがもときた道を戻っていく。

 

 

「遺言は終わったか?」

 

 

「なんでお兄さんは出てこなかったの?あと、俺の遺言は愛する人に言うって決めてるから。さっきのは違うよ」

 

 

「ふん、あの男は死神ではないだろう。あの程度の実力ではな。更に言うなら俺の標的はお前だ。カズキ・エルレンシア」

 

 

「お兄さんはハダルだっけ?その名前で呼ぶの止めてくれない?俺は桜井和生だから」

 

 

和生はそう言いながらレヴィアタンを左手で構える。

刀身から放たれる冷気が和生の殺気を一層際立たされる。

 

 

「さぁ、母親のもとへ行く覚悟は出来ているか?」

 

 

「んー、確かに母さんには会いたいよ?でも今は守るべき人がいる。愛している人がいる。俺はまだこんな所で別れたくないよ。それにまだ、家族とも会ってないしね」

 

 

「ふん、戯言を」

 

 

「まぁ…母さんを奪ったお前に…負ける気は無いってことだよ。行くぞ!!」

 

 

和生はその言葉と共に、ハダルに斬りかかった。




一旦ここで切らせてもらいます。
感想など待ってますね!
出来るだけ早く、続きもかきますねっ!
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