批評、感想ぜひぜひお願いします。
プロローグ
『オォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』
度重なる咆哮が轟いた。
荒野に築き上げられた陣営。
その前方で争うのは、多くもの
「えぇい、くそ! よりにもよって大将がいない間に大所帯で来たか!」
「前衛、大型は死んでも抑えろ!突破されたら一気に潰されるぞ!?」
「アイツ等が戻るまで死守しろ!」
「魔導師達は詠唱急げ!」
「ええい、私に指示を出すな!」
「とっとと口を動かせやぁ!?」
罵声と怒号の飛び交う戦場。多種多様のモンスターを前に奮戦していく集団は、徐々に怪物たちを押し返していく。
「シルバ、左翼支援!崩れるぞ!?」
「なにぃ!?」
「ぐぉお、危ねぇえええ!?」
「くそったれ、
「弓兵部隊、撃て!」
『ギャア!?』
指揮を執るヒューマンの指示と同時、放たれた矢が次々と半人半鳥のモンスターを射抜いていく中。
付近のモンスターまで巻き込んで放たれた炎弾が、前衛の一角を吹き飛ばした。
『うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?』
「不味い!?『飛竜』だ!」
「嘘だろ…!?」
「ぐぁああああああああああああああ!?」
『アァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』
動揺が広がる中、大きい翼を広げるイル・ワイヴァーンは次々と獲物を襲う。
かろうじて致命傷を避けていくが、その凄まじい猛攻に総崩れを起こしかけたその時。
『――ガッッ!?』
10
『―――――――』
息絶える直前、竜の瞳が捉えたのは――可視化できる程に凄まじい紅い魔力と、それを
「――――くたばれ、怪物が」
今もその身体にめり込ませている右足を振るい、真下のモンスター達を竜の巨体でもって叩き潰した。
『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?』
細身のエルフが実行した力技にその場の誰もが顔をひきつらせる中。
「あまり独り占めすんな、グリファス!」
「本来魔力はあんな使い方をしないはずなんですがねぇ…」
「グリファス様ですから」
「ははっ、頼もしい物だ」
彼に続いて現れたヒューマンの戦士が、美しい精霊とエルフの少女が、
「ジャック! 遅っっせぇんだよ!」
「うるっせえなあクレス! 1週間凌ぐ事もできなかったのか!?」
「あぁ!?全軍の武器を用意すんのにどんだけ俺が魔力使ってると思ってんだ!埋めてやろうか!?」
駆けつけて来たヒューマンと指揮を
「前衛引けぇ!?でかいの来るぞぉ!」
後方で奏でられ続けて来た詠唱がとうとう完成する。先頭で戦い続けていた者達が瞬く間に散った、その直後。
炎、吹雪、雷―――多種多様でありながら確かな威力を秘める無数の魔法が、残存するモンスターを消し飛ばした。
「……」
瞑目した
ヒューマンの
時は古代。後に降臨する事になる神も、その恩恵も、今は存在しない。
ただの人間が、己を
後に、誰もが憧れる英雄となって名を轟かせる事となる戦士達は、戦い続ける。
今、ここで紐解かれる――『
毎日のように作品を更新する猛者は本当に憧れます。