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「「「―――」」」
『穴』を広げて現れた黒竜に対し、彼等の行動は迅速だった。
「【我が身に翼を。
グリファスも黒竜に向かって疾走しながら詠唱を終え、魔法を発動しようとした、その時。
『―――』
黒竜の剛腕が、
『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっ!!??』
全てが、薙ぎ払われる。
「ッ!?」
明らかに射程外だったグリファスもその衝撃に殴り飛ばされ、何
「グリファス!?」
「が、ぁ……っ!?」
後方からの悲鳴に応える余裕も無かった。
魔力の暴発だけは起こさず、どうにか起き上がったグリファスが見たのは―――、
死屍累々と転がる、
「おい、嘘だろう……?」
端正な顔立ちを歪めるグリファスは杖を突いて立ち上がる。
「ジャック、シルバ、ガラン、ミランダ……?」
後方で呻いたのは、詠唱を行っていた
後方で詠唱を行っていた者達は無事だったが―――歴戦の戦士達が、一撃で叩き潰された。
その事実が、彼等を絶望の淵に叩き落す。
その時だった。
「勝手に、殺すな……」
「!」
未だに輝きを放つ聖剣を地面に突き立て、血まみれのジャックが起き上がる。
「っ……クソがぁ!!」
「死ぬかと思ったわ、本当……」
「まだ、死ぬ訳には行かないからな……」
「走馬灯が見えたよ、本当……」
彼に応える様に、倒れていた面々も血反吐を吐いて立ち上がる。
消し飛ばされたアリアの風が、彼等を致命傷から守っていた。
「―――【
その瞳を濡らす
「―――【フィングニル】……!!」
魔法名を紡いだグリファスが虹色の翼を生み出した。それと同時、
「詠唱を始めろ。お前等の砲撃でアレを撃ち抜け!」
「―――レイラ、頼んだ」
ジャックとグリファスの言葉が飛び、魔導士達が頷き合う中―――戦士達は、黒竜に立ち向かう。
『―――』
立ち上がった彼等を目の前に、黒竜は
「っ―――」
罅割れた銀杖を持つグリファスは―――飛んだ。
『!?』
三次元的な挙動を展開し、一気に眼前に肉薄された黒竜の狙いが、ぶれる。
『オォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』
グリファスに放たれた黒炎は躱され、真上の蒼穹を貫いた。
返す刀で振るわれた銀杖が黒竜の横っ面を張るが―――その直後にグリファスは薙ぎ払われる。
決河の勢いで吹き飛ばされるが
「……っ!!」
攻撃を受け止めた左腕が、千切れかけていた。
「グリファス!?」
「大丈夫だ……!!」
ジャックに叫び返し、彼は黒竜の無力化に専念した。
「!」
詠唱する者達を守る為、彼等は目視すら厳しい猛攻を必死に躱して、いなし、受け流す。
黒竜の一撃一撃はどこまでも強力だが、特筆するべきはやはり黒炎の砲撃だった。
迂闊に放たれるだけでもその流れ弾は砦を街を破壊する。それを避ける為、グリファスは常に黒竜の周りを飛び回り、砲撃を真上に誘導していた。
だが―――そんな無茶は、そう長く続けられない。
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!??」
突如伸びた黒竜の腕が、グリファスを叩き落とした。
全身が悲鳴を上げる中、姿勢を制御する事もできずに『穴』に落ちる。
それでも強引に体を捻り、所々が崩落を起こしていた『始まりの道』に墜落する。
「っ……!!」
悶え苦しむ暇も無かった。
『―――アァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』
邪魔な虫けらを確実に潰そうと、真上から黒竜が追って来ていたからだ。
「―――っ」
醜悪な悪竜を見上げ、グリファスは翼の出力を跳ね上げる。
その直後、黒竜がそのままの勢いで腕を振り下ろし―――
その一撃でもって、
今作では、黒竜を無双させます。