神々の降臨から、全てが変わった。
『古代』の末、神々しい光と共に下界に現れた彼等彼女等は己の眷属となった者に【
ある者は魔法を極め。
ある者は己をより高め。
ある者は無限の神秘を求め。
ある者は幾度に渡って
そして、その内の一人は心身を限界近くまで昇華させ、老いによる衰えをほぼ止めた。
そんな人間達は神々から授かった【ステイタス】を発揮してより早く作業を進め―――『穴』のあった場所には『蓋』ができた。
『穴』は白亜の塔と巨大な壁に閉ざされ、神ウラノスの『
壁の中には都市ができ、そこはいつしか『迷宮都市』オラリオと呼ばれる様になった。
今は大勢の
そして、今も迷宮に潜り、多種多様のモンスターと戦う者達は、『冒険者』と呼ばれる様になった。
「さてと……」
「グリファス、アレ、どうする?」
ようやっと日の光を浴びて息を吐く
「アレは
「【ロキ・ファミリア】か【フレイヤ・ファミリア】だと思ってたんだけど、
「【
「【ハデス・ファミリア】ねぇ……いい加減ぶっ潰さない?」
「……まぁ、今回主力の構成員は叩き潰した訳だからな。これを機にヤッておくか」
「同感」
「了解」
適当に今後の方針を決め、彼等は
迷宮都市、東のメインストリートをずっと行った場所。
オラリオの東端に、【ヘラ・ファミリア】ホーム『
主神の趣味を大いに反映した白亜の宮殿。
豪華さよりも美しさの目立つ豪邸を目にし、誰もが目を綻ばせる。
「お帰りなさい、団長」
「お疲れ様です」
「あぁ、今戻った」
ホーム正門に立つ二人の門番と言葉を交わし、グリファス達は我が家に足を踏み入れる。
その時だった。
玄関が内側から勢い良く開かれる。
『ぐ……ぐりふぁすぅぅぅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!』
咆哮があった。
全力で走る女神が、透明な液体を散らしながら部隊の一番前にいたグリファスの胸の中にダイブする。
「ご……っ!?」
ちょっと息が止まりそうになった
「へ、ヘラ……!?」
「お、おかえり……っ!」
「あ、あぁただいま……」
息も絶え絶えになりながらも主神を見たグリファスは―――主神の姿を見て、喉を詰まらせた。
腰まで伸びた美しい金色の髪、雪の様に白い肌。今も老人に縋り付く細い腕は触れればすぐに壊れてしまいそうで、纏う白いワンピースが華奢な印象をより際立たせていた。
美の女神にも劣らない美貌を持つ女神は顔を歪め、その碧眼から大粒の涙をボロボロと零して泣きじゃくっていた。
「うぅ、グリファス、グリファスぅぅ……!!」
「―――おい、ヘラ。どうした?」
この状況から導き出される答えを複数予想しながら、顔を強張らせるグリファスは問いかける。
絞り出す様にして、答えがあった。
「つ、ついさっきっ!ゼウスを見張っていたルーラがっ、知らない女の子を連れたゼウスをダイダロス通りで見失ったって……!!」
『………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………』
空白があった。
やがて事態を理解した面々は一気に殺意を膨らませる。
(((―――またか、クソジジィ)))
動きは速かった。
「アリア、お前はアッシュと共に【ゼウス・ファミリア】に向かって協力を得て来い。半年以上あの派閥にいる構成員なら事態を理解してくれる。この場にいる者は
異論は無かった。
既に
オラリオ最強派閥、【ヘラ・ファミリア】。
それは、200年以上浮気を続ける主神の夫、ゼウスの浮気を予防、制裁する為に結成された【ファミリア】だ。
ゼウスのクソ野郎。これはもうマジで酷い。
ヘラ・ファミリアに主人公を入れる為にギリシャ神話を調べたら本当にクソみたいなヤツだと分かった。いや、色欲魔にも程があるだろうって。
母親を犯す男なんざエロ同人でもn……珍しいぜ?(無いとは言えなかった……何故だし)
そして申し訳ありません。明日から旅行に行きます。再来週の月曜日までゆっくり更新お待ちください。