神ウラノス。
オラリオの創設神とも呼ばれる、最初に下界へ降臨した神々の中の一柱だ。
彼はこの地に最初の『神の
彼の尽力によってモンスターの侵攻を防ぐ事に成功し、オラリオの原型となる要塞都市は完成に至ったのだ。
そして時が過ぎ、オラリオがある程度安定した頃に【ウラノス・ファミリア】は彼の手により解体された。その後彼は当時のグリファスと共に派閥を再編成し、都市の管理機関ギルドは発足した。
無駄な
現在はギルドの地下、祭壇でダンジョンを抑え込む為に日々『祈祷』を行っている。
そんな
「何の用だ、グリファス」
「あぁ、一〇〇〇年前からの
眼を細めるグリファスは、かつての主神向かって単刀直入に尋ねた。
「……一体お前は、何を企んでいる?」
いきなり企てられたモンスターフィリア。あの様な催しを目の前の老神が提案したと言うのは明らかに異常だった。
眼を細める彼の言葉に、ウラノスはゆっくりと口を開いた。
「アレは……『
「―――っ」
その言葉で、全てを察してしまった。
いつからかダンジョン各地で見つかる様になった、
「ヒトと、モンスターの友和……とうとう、やるつもりなのか……?」
「
「……」
ギルドの守護神としての地位を揺るがしかねない発言だった。
だがグリファスはもう何も言わない。
『俺ハ、覚エテイルゾ。オ前ノ事ヲ―――』
もう知っているからだ。
『―――やはり、ヒトと分かり合う事はできないのでしょうカ』
その絶望を。
『俺っちは―――前に見たあの空を、見てみたい』
その切望を。
「―――」
そこまで考えて嘆息したグリファスは、思考を切り換える様に首を振る。
「……まぁ、突然あの催しを始めようとした理由は良く分かった。もう帰るとするよ」
とんだ無駄骨だった、とぼやく
「―――いけそうか?」
「……」
そして、不意に投げかけられた
何の事かは、聞かなくても分かった。
傍らのフェルズが耳(?)を澄ませるのに気付きながら、振り向きもせずに告げる。
「まぁ、
感情の込もっていない声音で、彼は断言した。
「三大
「アレを撃破するのに求められるのは、全てを消し飛ばす『英雄の一撃』だ」
「数百年見てきたが、最盛期の今でも【ヘラ・ファミリア】に―――いや、【ゼウス・ファミリア】にも、存在しない」
「だから―――
そう。
彼は、いや、レイラを含めた二人は一〇〇〇年間ずっと探してきていた。
時代を担う英雄を。
黒竜の片眼を潰した
だが、二つの【ファミリア】にはそれが存在しない。だから黒竜には勝てない、と。
容赦無く彼は断じた。
そしてその旨は、依頼の話を聞いた時に己の
黒竜討伐におけるどうしようもない程の
『おいおい、お前は何を見てきた?』
『大丈夫。貴方の言う通りこの子達は二つの【ファミリア】黄金世代なんだから。黒竜も倒せるわよ』
『貴方もいるんだ、必ずやれます』
『魔石ぶっ壊せば終わりだろ?私が叩き斬って吠え面かかせてやる』
『ね?』
「……っ」
そこまで思い返し、冷酷な表情が崩れそうになる。
結局、始まる前から諦めているのは自分だけなのだ。
若い彼等は未来を見据え、世界に巣食う怪物を討たんとしていると言うのに。
「……どう足掻こうと、黒竜は倒せない。だが―――」
「生き残る事はできる、だろう?」
一瞬の沈黙があった。
ややあって、表情を崩した老人は苦笑する。
「……神にはお見通し、と言う訳か。Lv.7になってからは多少誤魔化せる様になったのだがな」
「今のは下界の者―――いや、お前を知る者ならば容易に察しただろう」
そう告げる
これは、
「―――必ず、生きて帰ってこい」
「まだ、やる事が幾らでもあるからな」
笑みを返しながら、グリファスは今度こそその場を立ち去る。
静かになった祭壇に、周囲の
原作で新要素が出ると、どうしても絡めたくなってしまう。これが吉となるか凶となるか……何だかハラハラします。