精進して頑張ります!!
「最後に確認をする」
夜が明け、主力メンバーの集まった天幕の中でグリファスは告げた。
「装備、物資の確認後は少数精鋭で『穴』に潜る。恐らく―――いや、必ずいるだろうモンスターを
「『穴』に潜るのは私、ジャック、シルバ、ガラン、ミランダ、ディルムッド、レイラ、アリシアだ」
最後に名を呼ばれた
「他の者は部隊を複数に分け、予定通りに行動する。私達が『穴』に潜る間は総指揮をクレスが
「ああ」
「ディルムッド、フィアナ騎士団の方は……」
「もう指示は出しておいた。彼等が足を引っ張るような事は無いと思う」
「むしろ俺の
「おいおい、洒落になんねぇぞ」
ガランの軽口を皮切りに弛緩した空気が流れる中、ジャックは笑みを浮かべた。
「そんじゃ解散。各自準備をしておいてくれ」
「……」
『穴』の周りで待機し、選抜された者達が潜っている間に出て来るモンスターを食い止める事になっている一隊が見守る中、一足早く『穴』の側に来ていたジャックは手の中にある一振りの剣を弄んでいた。
エクスカリバー。
過去、クレスが全魔力を込めて作り上げた黄金の聖剣だ。柄の部分には真紅の宝石がはめ込まれ、美しい輝きを放っている。
「ジャック……早いな、もういたのか?」
「グリファスか……」
白銀の杖を持って歩み寄る
彼の瞳には、今もうっすらと光を放つ『穴』が映っていた。
「あの中……何があるんだろうなあ?」
「さあな。想像もつかん」
「だろうな。クレスやアリシアも知らねぇみたいだし」
「神々は、何も……?」
「らしいな。まあ『穴』の場所を教えてくれただけでも万々歳だろ」
「それもそうだな」
「……なあ、グリファス」
「?」
「こう、なんだ。興奮しないか?」
「なんだと?」
「―――この『穴』の中にはどんな光景が広がっているのかは誰も知らない。それこそ物知りな
「―――――ふっ。そうか……そうだな」
ジャックの言葉に目を見開いたグリファスは微笑み、肯定するように頷く。二人で笑みを分かち合った。
彼等は振り向き、やって来る仲間達に気付く。
「おぉ、来たか」
「早いな、何を話してたんだ?」
「ちょっとな」
ガランの問いを適当に
今まで多くの死線を乗り越え、共に戦い続けた彼等には今更大層な演説をする必要は無い。
ただ、その一言があれば十分だった。
「―――――行こう」
『おぉ!』
その直後。
多くの謎を抱える『穴』、その中に戦士達は飛び込んだ。
『ギィ!?』『アァアアアア!?』
10Mもの高さを落下する一瞬の刹那、空を飛ぶ数体のモンスターをジャックが斬り刻んだ。
血まみれになって落下する
「―――!来るぞ、地面だ!」
危なげ無く着地する彼等の目に入ったのは―――どこまでも横幅の広い一本道と、多種多様のモンスター達だった。
発光する天井、広大な空間。
彼等の脳裏に、『地下迷宮《ダンジョン》』という言葉が浮かんだ。
「なっ……地下に、こんな空間が……!?」
「あんだけの怪物共が出て来たんだ、この位は当然だろ」
「やはり雑魚が多いな。複数無視できない個体もいるが―――ジャック?」
ガランとシルバが言い合う一方、グリファスは黙り込むジャックに視線を投げる。
「……この道―――『始まりの道』ってのはどうだ?」
「……そのままじゃないか」
「じゃあ他にあんのかよ」
「―――いいや………」
「それで行こう」
直後、戦士達とモンスターの群れは激突した。
感想の返信で戦闘回とか言っちゃったのに次回に持ち越ししてしまった…
じ、次回こそ、ダンジョンダンジョンします!間違いなく!
夏休み突入!仕事をする親からのジェラシーが凄い事になってるwww