田舎にあるとある一軒家、その村ではある祟りが流行っていた。
その声が聞こえた時振り返ってはいけない
が言い伝えであり唯一の対処法であった。

それを知らなかった少年は・・・

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今まで見てくださった方、今回が初めての方も見てくださりありがとうございます。
今回はぞっとするような夏にふさわしい感じのホラーにしました。
短いですがよろしくお願いします。


それは背後からの叫び

小さな声が頭の中を過る

 

「おい」

 

「おい!」

 

「お~い」

 

「おい」

 

「おい?」

 

「おい!」

 

「おっおい」

 

「おいおいおいおい」

 

「おい!」

 

「おい~」

 

「おいおいおい」

 

そして声は次第に大きくなり、最後に全ての声が合わさったかのように

「おい!」

 

僕は最後の声で目が覚めた。

目をあけるとそこはいつもと変わらない自分の部屋、自分の家、外を見てもいつもと何も変わっていなかった。階段の下から自分の名前を呼ぶ母の声、外でうるさく吠えている犬のポチ、いつもと変わらない日曜日の朝。布団をどけて上体を起こし伸びをする。すると

 

「折れてしまえ」

 

ゾクッとするように背筋が凍った感覚を覚える。今、何かに見られている。今、何かに声をかけられている。今、背中を何者かに触られている。そんな感覚だった

 

「この手、いらないだろ」

 

悪魔のささやきだった。

 

「振り返ってはいけない、振り向いたらその時お前の首はないと思ったほうがいい」

 

その声が聞こえた日から僕は首に違和感を覚えた。

起きる、動くたびに首が重く感じ稀にだが支えきれない時があった。

そんな不安を解消すべく近くの病院へ母と二人で立ち入った。

 

「お医者さん、うちの子は大丈夫でしょうか?」

「お母さん、少し落ち着いてください」

「これが落ち着いていられますか」

 

少しの沈黙があり母の様子は少しずつだが慌ただしくなった。

僕はそれをただ横から見ているだけであった

そして医者のおじさんがようやく口を開いてこう言い放った

 

「息子さんは病気ではありません、祟りです」

「え?」

 

二人して言葉を失った。僕はただ言葉の意味がわからなかっただけだったが母は汗をかきながら口を開けていた。

 

「お母さん?」

 

僕は少し母のことを心配し、おかしなものを見るような目で母の顏をのぞき込む

すると

 

「奥さん?どうなされました?」

 

医者のおじさんもつい言葉を発した。

母はずっと動かぬ口を開けたまま目を見開いてお医者さんを見ていた。

 

医者は母の様子をうかがう

すると

 

「お母さん、亡くなっていらっしゃる」

「え?・・・」

 

今度は僕が言葉を発しなくなった。さすがに亡くなったという言葉は理解できた。

最近よく友達の親戚や親族が亡くなっているからだ

 

僕たちの住んでいる村には不思議な祟り話が昔からあった。

それはただ普通に過ごしていてもなるしその人と接触したりしてもなる、治療法も調べようとした学者は何万にも及ぶがその学者、関係者も調べた翌朝には遺体として発見されているらしい。

ただこの祟りにはいくつかおかしな点がある。

 

1つ目にいつどこでなるかがわからないこと、たとえ祟りになった人と何日も、何年も付き合っていても症状が現れるのはバラバラだ。なので予防法もなければいつ死ぬかというのもわからない

 

2つ目はなったとしても人によっては感じない人がいること。

年齢が若い人ほど感じやすいが30を超えるとビクリともしないのだ、それが恐怖でショック死を起こす者まで現れたという。

 

多分母はショック死だと思う。口が空き缶一本分入る大きさまで開いているし、目はまるで飛び出た眼のようになっていた。

 

その晩母の通夜は行われた。僕は思った。

 

「この通夜に参加している人もいつか呪われ祟られ母と同じようになるのだ」と

 

少年はうろたえなかった。理由は簡単、わからないからだ。

祟りとはなんだ?呪われるとはなんだ、死ぬとはどういうことなのか。が

小さいほど痛みや苦痛は感じやすいがそういう知識はあまりないようで、考えることがない。つまり死ぬ確率は低いということだ。

 

通夜が終わり布団にもぐる。

明日からは父と2人暮らしになる。別に母がいなくなって父と二人で大丈夫かという疑問はなかった。元々仲が悪いというわけでもなくいつも一言か二言は喋るし、時々休みの日などにはキャッチボールやサッカーなどをするほどだ。だから困らない

 

が、ただ祟りがこの先どう人を祟っていくかが恐怖であり心配である。自分はどうなる?親はどうなる?友達はどうなる?

 

と布団の中で一晩中考えていた。

 

朝、少年は起きる

不思議なことに首の感覚が元に戻っていた。恐る恐る首を回したり体操をしてみた、何もない 何も起こらなかった。その時少年は大丈夫と自分に言い聞かせていたがのちに恐怖に陥ることになる。

 

布団をいつものようにどかし立とうとする、が、立てない。

少年は少しゾッとした。

背中にまたあの感触が蘇る。あの手だ、またあの手だ。あの手が僕の背中を撫でている。僕の背中を人差し指でくすぐるかのごとく背筋にそって指を下していく。

冷や汗をかきその場にずっと座っていた。

そしてまたあの声が聞こえた。

 

「おい」

 

「お~い」

 

「おい!」

 

「おいお」

 

「おい」

 

「 おい 」

 

「…おい」

 

声は全て女の声であることがわかった。そしてそれは前回と違い同一人物であることがわかった。

そうわかった瞬間耳がちぎれる音がした。

 

ビシャッ

 

右耳がやられた。右の頬に滴る血、自分の血を恐る恐る手をつかい見る。

 

「あああああああああああああああああああああ」

 

少年は叫んだ。出したこともないような甲高い声が家中に響き渡り階段を勢いよく駆け上がる父の足であろう音が聞こえた。

そして少年は助かったと思い、ドアの方へと振り返ろうとした。瞬間に

 

グシャッ

 

首から大量の血が部屋中に散った。

父が部屋に着いてドアを開けた時には遅かった。

少年は首から上がない状態で布団に寝転がっていた

父は自分の眼鏡を手で握り涙をこらえながら割った。

 

「またあいつの仕業か・・・」

 

そして父の脳裏で女が言葉を放った。

 

「振り向くな」

 

 


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