ここに一生遊んで暮らせるだけの金と日常的な生活をしていては一生手に入らない非現実的な力を手に入れる権利があったとする。
その非現実的な力はどんな能力かをこちらは知らない。全能の力かもしれないし手に入れたその瞬間自分が死ぬ能力かもしれない。
その中のどちらか1つを選べと言われたら一体どうする?
大半の奴らはここで金を選ぶかもしれんが、俺は能力を選ぶ。
それが何であれ能力を選ぶ。
餓えに餓え、渇きに渇く程俺はそういう力を欲している。それさえあればどうでもいい。
その先の結末が何だろうが――な。
「ワシは神じゃ」
真っ白な空間にしたり顔の糞爺が立っていやがった。
此処から先の展開なんざ嫌でも予想がつく。
まあ、そんなことはどうでも良くてチート能力プリーズ。
「手違いでお主を殺してしまってのぉ。不祥事を隠蔽するために願いを三つ叶え転生してもらうことにした」
「じゃあ聖遺物くれよ、俺だけの聖遺物。エイヴィヒカイト的な意味で」
「適応能力が振り切ってるのう。こちら側としては勝手に人様を殺しやがって的な展開を期待していたのじゃが」
「そんな物ココ最近じゃあ、踏み台転生者の転生シーン位しか見当たらねえよ、茶番が見たいなら他当たれ。」
悪戯好きな餓鬼みたいな表情で視線を送ってくる爺。
こんな型通りのプロローグなんざこのご時世幾らでもある。
「何というかお主、身も蓋も無いのう。その方が見ている側としては面白いのじゃろうが」
随分手馴れた態度を取っているお前も確信犯だろうが、そんな事を思わざるを得ない台詞だった。
「後の二つは人間の形して男だったら別に良いさ。そうじゃない場合は願い使って種族人間性別男にするだけだし」
どうせチート能力があるんなら何でも良いしな、聖遺物に関しては完全に俺の趣味と言わざるをえないが。
今神様シリーズファンを敵に回しそうな事を考えた訳だが、気にしないことにした。
「転生する世界は――」
少し気になることがあったんで爺が言葉を話す前に俺は遮るように質問した。
「ああ、その前に質問があるんだが。」
「何じゃ?座の有無かの?」
今俺が考えていたことを先回りするように答えを言った爺にイエスと返事をした。
こういうのを見て神なんだと実感するが。
座――神様シリーズにおいて太極座とか王冠とか底だとか言われるが、様は願いを叶える為の装置だ。
其処に着いた者は全能になる、簡単な話超凄い代物だと思っておいていい。
「今転生する世界に作っておいた」
「座って科学の産物じゃねえのか?お前の不思議パワーってそういうことも可能なのかよ」
設定上そうだった気がする。過剰な文明の発達と天文学並の確立から誕生した筈だろ、どこぞのコズミック級の変質者が魔改造して可笑しなことなったが。
それなら、観測者とかもいるんかねぇ、居た所でどうでもいいが。
「ならばお主の目にはワシは何に見える」
「ご都合主義の神」
「つまりそういう事じゃよ、座と同じようにただの舞台装置ということじゃ」
妙な設定を唐突に聞かされて、しかし全然耳に入っていなかった。
突然そんなどうでもいい話をされても困る。ああ、ねむ。
「転生する世界についてどうでも良いみたいじゃし、さっさと転生させるか」
盛大に欠伸をかます俺を尻目に「ふんふんふんふん、ふぅんふんっ!」なんつー妙な掛け声を叫ぶ爺。
唐突に暗転する意識が、それもまたどうでもいいという思考に俺を誘った。
後書き
何げにこれが処女作だったりします、黄金ニートです。
最初書き始めたときは、相手の痛い所をついて容赦なく詰る感じの主人公にしたかったんですが、いつの間にかラノベ主人公を拗らせた感じのキャラになってしまいました。
今は、非常に淡白で感情移入し難い性格ですがせっかく神様シリーズの能力を使うので徐々に狂人というか変態っぷりを見せていくつもりです。
文章力、ボギャブラリに乏しい私ですが、出来るだけ雰囲気だけでも感じ取ってくれたら幸いです。