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これからもコツコツと更新を頑張っていきたいと思いますので、暖かく見守って頂けると幸いです。
では、続きです……どうぞ。
「………いってきまーす…」
時刻は早朝。
ずいぶんと小さな声でそう言って、そろりそろりと一軒の家から出てきたのは、我らが音ノ木坂中学校の生徒会長、織部正也その人である。
そしてそのままゆっくりと玄関の戸を閉め、自転車置き場から自転車を押して取り出す会長。
「よっし、今日こそは出すぜ新記録っ!」
そう意気揚々と言って自転車に跨り、会長は勢いよくペダルを踏み込んで自転車を走らせる。
彼の一日はここから始まる。
ここで現在の詳しい時刻を報告します。
午前2時40分―――随分と早い一日の始まりです。
■ ■ ■ ■ ■
午前三時、会長は新聞の配達所の中に居た。
その中で会長は、到着した新聞の中に広告を入れ込む作業をしながら、気さくそうな中年の男性と会話を交わしているようでした。
「おお~! 今日も元気そうだね正也君、おはようっ!」
「どうもっす! いえいえ、こっちは若さと元気だけが取り柄っすから!」
「あっはっはっ! 確かに若いけど、自分で言うかいそれ! いいねぇ~青春してるねぇ~!」
「ありがとうございます! では、俺はこれで……行ってきます!」
会長はそう言うと、配達する分の新聞を持って外に出て、新聞の束を自転車の前かごに折り目が付かないように突っ込む。
「よっし……今日こそ目指せ、一時間以内配達完了!」
そのまま会長は、家を出た時と同じようにぺダルを思いっきり踏み込むと、そのまま自転車で勢いよく出発し、その姿はあっという間に見えなくなってしまいました。
ちなみにその後、約一時間と十分後、会長は若干テンションが落ち込んだ様子で帰還した。
「次こそは……次こそは一時間切ってみせる……!」
それでも充分早いと素人目には思えるが、それでも会長の向上心は高い。
まだまだ上を目指す事の出来るその精神こそが、音中の生徒会の会長としての威厳の表れなのか……
そしてアルバイトを終え、自転車を漕ぎながら家路につく会長。
先程の失敗は引きずらず、次の予定に頭を切り替えるその姿はまさにカッコ……
「なぁ、凛……いつまでそれやってるの?」
会長はそう言うと自転車を止めて突然こちらを振り向き、呆れたような顔でそう言っ……にゃっ!? バレてる!?
ああ……凛の正也先輩への追跡取材は、失敗しちゃったみたいだにゃ……
■ ■ ■ ■ ■
はい、皆様お久しぶりです。
俺の名前は織部正也、『カッコいい男』志望の元気な男子中学三年生です。
今現在俺は、普段の放課後の生徒会業務を後回しにして、凛を生徒会室に呼び出して尋問を執り行っています。
「で、なんで俺の事を付けてたんですか凛サン?」
「そ、それは……その……」
――まぁ、いつもなら笑ってクールにカッコよく後輩のお茶目を(出来る限り)許してしまう俺だけど―――流石に今回は堪忍袋の緒が切れそうで困っています。
原因は勿論、今目の前で俺の質問に対し、答えにくそうな様子をしているこの猫型ロボットならぬ、猫型後輩の最近の行動にあって……
「あはは……正ちゃーん、そんな怖そうにしたら凛ちゃんが可愛そうだよー」
「きっと、凛ちゃんにも事情があったんじゃないかな?」
――と、ここで凛を擁護する二人の幼馴染の声が上がる。
オレンジ色に近い茶髪をサイドポニーにした少女の名は
老舗の和菓子屋『穂むら』の長女で、いつも元気で明るいクラスの人気者。
そして、自他共に認めるおっちょこちょいな性格を持ち、俺達四人組の中でよくトラブルの種を生み出す張本人である。
そして、ベージュ色の髪の前髪辺りに、ちょこんとトサカっぽいくせっ毛があるのが特徴的な少女の名は
ほんわかした雰囲気の少女で、かつて所属していた手芸部では誇れるエース部員とまで称されたほどの裁縫技術と、オシャレのセンスを持っている。
また武司曰く、ことりは容姿や仕草において『男好みの可愛らしさ』を持っているらしく、校内では密かにファンクラブがあるとかないとか……
「穂乃果先輩……! ことり先輩……!」
二人の自分を擁護する発言に感動した様子でそう言う凛。
しかし、いくら気心知れた幼馴染と言えどそれに従う訳にはいかない、だって……
「いやいや穂乃果、ことり……だって昨日からずっとだぞ!? 凛がメモ片手にずっとこそこそと俺の後をついてくんのは!」
そう、昨日の凛の行動は不可思議極まりないものだった。
学校で歩いている時に俺をつけ回し、放課後で帰っている途中も俺をつけ回し、そしてついには今日の早朝にバイトに行く俺を出待ち……これは流石にツッコむなと言う方が無理である。
「そ、それは……実は凛、正也先輩の後をつけ回すのが趣味だったり……?」
「わぁ……苦し紛れの言い訳にしては酷いのが来たぞ~? それ自分がストーカーですって言ってるみたいなもんだからな!?」
「じ、じゃあ、正也先輩に聞きたいことがあったからずっと後を追ってた……っていうのはどうかにゃ?」
「おい、そこ聞いちゃダメな所だよな?」
「うう……!」
凛は苦しい言い訳を続けたが、ついに万策尽きたかのように俯いてしまった。
このまま凛の苦し紛れの言い訳を聞き続けるのも良いが、でもこれ以上このやり取りを続けるのも無駄なような気がして、俺は凛がそんなことをする“心当たり”について凛に聞いてみることにした。
「なぁ……正直に言ってみ、
「……にゃ!? そ、そそそそそんな事ないにゃ!」
……はい、当たりー
俺は思わず深いため息をつく。
「……あんのパパラッチ……生徒会出禁にしたら今度は凛を使ってくるか……どうせアイツの実家のラーメン屋の無料券辺りで釣られたろ凛?」
「わーん! なんでわかるのーー!?」
凛はそう言うと頭を抱えた。
うん、本当に予想通りで何よりです。
「おお……彩ちゃんすごい! そこまでして穂乃果たちの事を記事にしたいんだね! 正ちゃん、インタビュー受けてあげても……」
「よし穂乃果、記事にされたいんなら行って来い、さーて明日の
「えええ!? やだよ! 正ちゃんがインタビュー受けてくれるんじゃないの!?」
「もう懲り懲りだよ……覚えてるだろ? この生徒会が出来た時に、真面目にアイツのインタビューに答えただけで、次の日の音中新聞の見出しが
『発足! ハーレム生徒会!』
だからな!? あの話をどう聞いたらそんな記事が書けるんだよアイツは……!」
「あ、あの時は恥ずかしくてことりは困っちゃったな……」
ことりはそう言うと、困ったように笑った―――その時。
「ふふふ……バレてしまったようですね! 自称、音中新聞部のエース記者! 特ダネ求めてここに見参です!」
明るめの茶髪に、セミロングの髪型をした活発そうな少女が、待ってましたとでも言うようにデジカメ片手に生徒会室のドアを開け放つ。
そう、このいきなり現れた少女の名こそ、
彼女は、凛と同じクラスメイトで、自他ともに認める噂好き。そして、日々生徒からネタになりそうな事柄を聞いては、それを事実の何倍以上にも脚色して記事にし、部室前に張り出すという一風変わった趣味を持っている。
そんな彼女の書く『音中新聞』は、事実を淡々と述べる普通の校内新聞よりも娯楽性に富み、その内容は意外にも生徒間に好評だったりする。
天は一番文才を与えてはいけない人種に文才を与えてしまったのではないかと、俺はそんな彼女を見ながら常に思うのだった。
「ごめん彩ちゃん! 凛、追跡取材に失敗しちゃったにゃ……」
そう言って凛は彩にメモ帳らしきものを渡しながら謝った。
「良いんですよ凛さん、会長相手に一日密着取材できただけでも十分収穫です! これは約束の品ですよ……」
「わぁぁ……こんなに良いの!? 彩ちゃんありがとうにゃ!」
「……で、何しに来たの?」
俺はそんな彼女に引き攣った笑みを浮かべながらそう言った。
出来る事ならもう今凛から受け取ったそのメモ帳を持って即刻帰って頂きたいが、要件も尋ねずに帰すのは流石に悪いと思うので、俺は冷静に対応する事にした。
でもまぁ、来た目的に関しては若干予想が既にできてるんだけどな……
「ふふふふふ……三日前の“二次研の乱”についてのインタビューに決まってるじゃないですか! こんな特ダネ、記者魂に燃える私が見逃すはずありません!」
「あー……あの件ね……」
やっぱりね、聞いてくると思ったよ……しかし、この件について聞かれても俺の返す言葉は決まっている。
「悪いけど、あの件に関してはコメントはできませんので諦めて下さい」
そっけなく俺は御手洗にそう返す。
“二次研の乱”と生徒の間で噂されているらしい先日の一件、二次元文化歴史研究部と衝突した日から三日が経ち、生徒会は騒動の後処理が大体終わって丁度ようやく一息つけたところだったのでインタビューに答えることは出来た。
というか、御手洗はそんなタイミングを狙ってきたのだろう……無駄に計算高い奴だ。
しかし、コイツみたいなのに事件のあらましを喋り、それを面白おかしく記事にされたら、実際に被害に遭った人たちの心境としては堪ったものではないだろう。
以上の点から、俺は鉄の意志であの件に関してはノーコメントを貫くことに決めていた。
さて、インタビューして返ってきたのがこんな答えなら、彩は当然文句を言うに決まって――
「はい、わかりました! じゃあ仕方ないですね、音中新聞の今回のネタは他の物を使う事にします」
――そうだったな、そういえば彩はこういう奴だった。
書く記事の内容は、事実を極大までに誇張して面白可笑しく書く彼女であるが、記事に書かれた本人達が“本当に嫌がる”記事は絶対に書かないという、確固とした主義を彼女は持っている。
それこそが彼女の書く音中新聞の、本当の人気の秘密なのかもしれない。
―――あ、でも『発足! ハーレム生徒会!』は俺許せないわ、あの後どんだけ誤解解くのに苦労したか……
絶対いつか覚えてろよ彩……!
「ま、という訳で今回の記事は、任期満了が近づく生徒会の今についての特集を組みたいと思いますので、是非ともインタビューにご協力下さい!」
俺の殺気が若干籠った目線を華麗にスル―し、穂乃果に対してマイクを向けるようなジェスチャーをしながらそう言う御手洗。
「えええ……私!? 正ちゃんじゃないの!?」
「どうやら会長はインタビューに応じてくれそうにないですからね……
なのでっ! この生徒会のナンバー2である穂乃果先輩に聞いてるんです!」
「え、ええっと……あはははは……」
そう言うと困ったように笑う穂乃果、うっすらその額には冷や汗をかいているのがわかる。
おそらく下手な事を言えないプレッシャーがあるんだろう、ここで下手な事を言えば即明日の音中新聞の見出しが確定するからだ。
ああ……もうわかったよ彩。
それに、お前には“借り”があったのを思い出したしな。
「おい、もういいから……インタビューやるんなら受けるよ彩。
それに、お前には借りがあったからな」
「――
彩はそう言うと、嬉しそうにニッコリと微笑んだ。
俺としては一年前に、“ことりが巻き込まれたとあるトラブル”の一件で、彩に作ってしまった恩を返したつもりだったんだけど、こんなに喜ばれるとは。
うーん……ムカつく奴なのに、こういう笑顔は可愛いんだから、妙に憎み切れないんだよなぁ……やっぱり可愛い女の子ってのは、ズルいと思う。
「まぁ、せっかくインタビューに付きあうんだから……ちゃんとした記事書いてくれよ、本当に……!」
「もっちろんですとも! 私にお任せくださいよ、会長!」
――――こうして、彩による生徒会へのインタビューは始まった。
■ ■ ■ ■ ■
【質問1】
ところで今、海未先輩は居ないのですか?
「―――って、一番初めにする質問がそれなの!?」
もっと基本的な質問内容が飛んでくると思った俺は、思わずツッコんでしまった。
「記者として、気になった事に対する質問は欠かさない方なんです私! 授業中に分からなかった所も、必ずその日のうちに先生に質問してますし!」
「案外、真面目な学生やってるんだなお前……」
「正也先輩、彩ちゃんはこう見えてもクラス内で成績はトップなんだにゃー」
「……マジかよ…」
凛の彩に対する補足説明を聞き、思わずげんなりしまう。
こっちなんか、毎日睡眠時間削って授業の復習してようやく成績上の方かな…? ってレベルなんだぞ……
「まぁ彩の成績の話はいい、そうだな、海未は今……」
「海未ちゃんは……今日はたしか、剣道部の方に行くって言ってたよね穂乃果ちゃん」
「うん、海未ちゃんは後輩の子に頼まれたから、今日は剣道部の練習を見に行くんだって言ってたよ」
「そうなんですか……海未先輩は真面目で後輩想いなんですね、ありがとうございます! 納得できました!」
俺が質問に答える前に、ことりと穂乃果が答えてしまった。
いや……まぁ、良いんだけどね。手間がかからなくて良いし、うん。
【質問2】
何故、先輩方は生徒会をやろうと思ったのですか?
「お、真面目な質問内容」
「当然です、なんの為のインタビューだと思ってるんですか?」
「ま、そりゃそうだな……」
俺は彩に当然の反論を返され肩をすくめた。
そう言えば……もうあの時から一年が経とうとしてるんだな。
俺は、会長になると決めたはいいが、立候補者がおらず肝心の他の生徒会のメンバーが集まらなくて困っていた去年の今頃を思い出す。
――――じゃあ穂乃果達でやろう! 生徒会!
その時、穂乃果がそう言ったから今の生徒会の形がある。
本当に今から思い出しても、生徒会をやろうと決意してくれた穂乃果達には感謝してもしきれない思いが俺にはあった。
「私は、穂乃果ちゃんにやろうって誘われたからかな…?多分海未ちゃんもそうかも」
「正ちゃんが困ってたからね、当然だよ!」
自慢げにそう言う穂乃果を見て、俺は少し悪戯心が湧く。
「へ~成績が良い方のことりと海未はともかく、穂乃果は内申点上げておくためじゃ無かったんだ、意外だな~」
「ううっ……! た、確かにそんな気持ちも無かったとは言えないかもだけどぉ……!」
俺のからかいに、痛い所を突かれたというような顔をする穂乃果。
「でも本当にありがとう穂乃果―――今まで助かったよ」
俺はそんな穂乃果に、改めて感謝の想いを笑顔と共に伝えた。
「うっ……うん!どういたしまして正ちゃん!」
穂乃果は素直に礼を言われると思ってなかったのか、少し顔を赤くしながらそう返す。
「むふふふふ……イチャイチャするのはインタビューの後にしてもらえませんかお二方~?」
「「してないっ!!」」
俺と穂乃果はニヤニヤしている御手洗に同時に言い返した。
本当に中学生ってすぐにこういう発想に行きつくよな本当に……え?俺も中学生だって?俺はそんな決めつけで判断しないからセーフだよセーフ!
【質問3】
では、何故正也先輩は生徒会長になろうと思ったのですか?
「……前のインタビューで俺言わなかったかそれ?」
「え? 言ってましたっけ? すいません、私クッソつまんない話はすぐに忘れちゃう方でして♡」
そう言って語尾にハートマークがつくレベルでニッコリと微笑む彩。
やっばい……殴りたいこの笑顔。
「……オーケーオーケー、もう一回言うぞ?今度こそ忘れるなよ?
俺はこの学校の生徒全員に頼りにされるような、立派でカッコいい生徒会長に「……zzz」って、寝るなよ早ええよ!!」
「だってぇ……前に聞いた話なんですもん、眠たくなっちゃいまして……」
忘れてるんじゃなかったのかよ……コイツ殴りたい、いやマジで。
インタビュアーとしての態度ってそれで良いのかって小一時間ぐらい問い詰めたいレベル。
俺がそんな事を考えている時、俺の生徒会長になった理由を聞いていた穂乃果が、何故か少し不機嫌そうな顔をしながらとんでもない発言をしてくれた。
「―――正ちゃん、素直に『
「ちょっ!? 穂乃果ぁぁーーーっっ!!??」
俺は思わず叫んでしまう。
やめてくれ! その発言取り下げて! せっかく俺がこのパパラッチに食いつかれないように“そっちの理由”隠してたのにっ!
「絢瀬先輩……? ああ! 先代の生徒会長の
金髪美人のクォーター! 文武両道! 才色兼備! その美貌とクールで真面目な人柄が、男性のみならず女性までも虜にしたというあのお方っ!
穂乃果先輩! 是非! その話の詳細をお願いします!!」
ほらほら、このパパラッチさんノリノリになってきたよ!?
聞いてもないのに絢瀬先輩の事を喋りだしたし!
ヤバいヤバい……この話題はダメだ……特に明日の音中新聞の記事的ににダメだ!
しかし、無情にも穂乃果はその口を閉じてはくれない。
「正ちゃんはね、去年から先生に頼まれて生徒会に入ってたんだけど、その時に絢瀬先輩の魅力にもうメロメロになっちゃって……そして『俺! 絢瀬先輩の後を継ぐ!』って言って、生徒会長に立候補しちゃったんだよね……」
「穂乃果っ!? お、俺別にメロメロになってないから! ただ尊敬できる人ってだけで、そんなんじゃないって俺何回も言ってるよな!?」
「でも、その割にはあの頃の正ちゃん『絢瀬先輩が!絢瀬先輩が!』って毎日毎日言ってたよね~……」
「え……そ、そうだったの正也先輩…?」
「ことりまでっ!? もうやめてくれ! これ以上その話されたら彩がどんな記事書くか分かったもんじゃないぞ!? 後、凛もこの話に乗っかるな!」
――そしてことり、笑顔でそんな事言ってるけどその笑顔は不機嫌な時の笑顔だって、俺分かってる。
前からこうだ、俺が絢瀬先輩の事を話題に出すと、何故か穂乃果とことりと海未の三人は不機嫌になってしまう。
だから俺が話題を避けるようになっても、今回みたいに機会があるごとに勝手に掘り返されて、自動的に不機嫌になっていくと言う悪循環のスパイラル……どうしろというのか。
昔から気心の知れた仲であるが、こういう所だけはいまだに理解ができなかったりする。
「よっし!
『生徒会誕生の理由――今明かされる会長の
に決定ですね! ありがとうございました皆様~~!!」
「まてぇぇぇぇぇーーーーーーっっ!!!」
俺は意気揚々と生徒室を出ようとする彩の前に立ち、必死でブロックする。
行かせてたまるかぁ! お前の書こうとしてるその記事は、俺の今まで築いてきたつもりのカッコいいイメージを無惨にも粉々にしちゃうんだよぉぉぉーーーー!!!
俺と彩の必死の攻防戦が始まろうとしたその時、突然生徒会室の引き戸が勢いよく開いた。
「よーっす! お前ら、武司様のご来訪だ! ―――って、何だよこの状況?」
開いた扉から武司が大きな声と共に現れた。
睨みあう俺と彩を尻目に、穂乃果は武司に声をかける。
「あ、
「おっす、穂乃果! いや、今回は俺が用って訳じゃないんだけどよ……」
そう言って武司は自分の後ろに目を向ける。そこには一人の女子生徒がいるようだった。
「あれ? お客さまですね……まさか! 依頼人の方っ!? これはもしかしてスクープの予感!? こうしてはいられません……取材続行です!」
彩はそう言うと、元居た立ち位置に戻っていく。
よかった……どうやら俺は命拾いしたらしい
「た、助かった……ナイスタイミング武司!」
「はぁ? 何がナイスタイミングだよ正也、俺はただ生徒会室の前にオロオロとたむろってたコイツを引っ張ってきただけだぜ?」
そう言うと武司は、自分の後ろに居る女子生徒を指で指し示す。
「あ、あの……生徒会の皆さんに用があって来ました……」
すると、そう言いながら武司の後ろからおずおずと眼鏡をかけた少女……っていうか先日の一件で知り合った小泉さんが現れる。
―――――どうやら今日の生徒会は千客万来のようだ。
―――――――――――――――――――
『おまけ2 生徒会発足時インタビュー』
彩「はい!生徒会発足ということでインタビューに参りました御手洗です!」
正也「おお!インタビュー……それって俺が期待されてるってことだよな?オッケー!何でも聞いてくれ!」
~インタビュー中~
彩「……え?生徒会の他の皆さんって、全員正也先輩の幼馴染なんですか?」
正也「ああ!全員とっても大切な俺の親友なんだ。生徒会やるって言ってくれた時はうれしかったなぁ……って悪い、俺が生徒会長になった理由聞いてたよな?」
彩「ほうほうほう……成る程成る程……!いいですよ!そのまま続けて下さい」
正也「了解!俺は生徒会長になって、この学校の生徒全員に頼りにされるような……」
彩「……ブツブツ……成る程…ハーレム……見出しとしてはインパクトありますね…これで決定です」
正也「……なぁ?話聞いてる?」
彩「大丈夫ですよ!そのまま続けてください!」
正也「そうか、なら良いんだ…で、続きなんだけど……」
正也は知らない、この翌日『発足!ハーレム生徒会!』という非常に迷惑な記事が張り出されることを……
(おまけ2 完)
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
長くなりそう……というか内容的に色々多くなりそうな気がでしたので、今回もまた前回と同様に、前編と後編に分けさせて頂きました。
次回の後編もまた良ければ見ていただけると嬉しいです。
ちなみに、0章と1章を繋ぐ物語である一年前の物語。
正也君が彩ちゃんのインタビューを受ける事になったきっかけである、ことりちゃんが引き起こしたとあるトラブルの内容が気になる方は、その内容を
【個人話―ことり】Behind you(←クリックでジャンプ)
にて語っていますので、もし良ければ是非どうぞです。
では誤字脱字、意見や感想などがございましたら、是非ともお気軽に感想欄によろしくお願いします。