紅牙絶唱シンフォギア ~戦と恋の協奏歌~   作:エルミン

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第九話 奏でよ、決意の多重奏を

翼達が決意を固め、皆で結界内で特訓を行った日。その日、別の場所では・・・。

 

 

「遂に最終段階まで来わね、カナデ様の新しい肉体の再構築。我々がその日をどれだけ待ち望んだ事か・・・!」

 

「・・・・・・」

 

「美穂・・・カナデ様が天羽 奏の肉体を乗っ取ったあの日から、レティア・グラトリンがカナデ様を連れてきたあの日から・・・浅間家の使命は再び始まったのよ!」

 

「・・・・・・」

 

「浅間家は代々、始祖の吸命鬼の片割れ、女神様にお仕えする一族。その使命はどんなに時が経とうとも決して変わらないわ・・・。

 

これからは、母と娘の二人でカナデ様の為に尽くすのよ!」

 

「はいはい・・・・・・」

 

美穂は、目の前の女性・・・自分の母から耳にタコが出来るほど聞いた話に素っ気なく返事する。

 

すると、ベッドから起きたカナデが歩み寄る。しかし、どこか元気が無いようだ。美穂の母が血相を変えて駆け寄る。

 

「どうされたのですか、カナデ様!?お元気が無いようですが?」

 

「お腹・・・空いた・・・」

 

「新しい肉体の為に多くのライフエナジーが必要なのですね!?わかりました、私と美穂で適当に人間を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美穂・・・あなたのお母さん、ウザイから食べていい?」

 

「え?」

 

「どーぞ、お好きに」

 

「え?」

 

「いただきまーす」

 

こうして、美穂の母はカナデにライフエナジーを吸われ、体が砕け散り死んだ。

 

美穂に母への情など一切無かった。むしろ、うるさいのがいなくなって喜んでいる位だ。

 

食べ終えたカナデは、フラフラとベッドに戻ってぐっすり寝てしまう。

 

すると、零士が書類を持ってやって来た。

 

「おい、浅間。ちとやべぇぞ」

「は?何がよ」

 

「カナデが派手に暴れちまったせいでな、厄介な奴らに目を付けられた」

 

美穂が零士の持っていた紙・・・動き出した者の情報を見て、顔をひきつらせる。

 

「・・・・・・冗談でしょ?」

「だったらどんなに良かったか・・・・・・」

 

 

・"混迷個人"の二つ名を持つ共存反対派のファンガイア、「メコルスティ」

 

・多種族で構成された共存派の騎士団、「シャイラス騎士団」

 

・共存派にも共存反対派にも属さない謎の人物、「"D"」

 

 

 

メコルスティは、革命団とは別の共存反対派の組織に属し動いている。

 

実力も零士達に決して引けを取らず、()()()()()を有している。

 

 

シャイラス騎士団は、異種族同士の共存に賛成している多種族(人間を含む)によって構成されている騎士団。

 

一人一人が実力者だが、集団での戦闘能力は他の追随を許さない。

 

 

"D"は、本名も素顔も目的も・・・全てが謎に包まれている。共存については答えを出さず、独自に動く。

 

ただし、悪や下劣な者は許さないという人物であるため、善人の敵にはならないらしい。

 

 

美穂も零士も頭を抱える中、カナデは二人の苦悩など知らないとばかりに安らかな寝顔で寝ていた・・・。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

カナデとの戦いに敗北してから、数日が経過していた。

 

この間に、皆は結界内での特訓が終わった後に現実でも特訓を重ねていた。

 

クロードと未来も応援に来ており、皆にタオルや飲み物を配ったり・・・。

 

主に響&きりしらコンビに抱きつかれたり、装者達の特訓に貢献していた。(もちろん、先にお風呂で体を洗って綺麗にしておくことは忘れない)

 

 

「はぅ~・・・クロード君、ぬくぬくだぁ~」

「えへへ・・・響お姉ちゃん、元気になれた?」

 

「もちろんだよ、いつもありがとう~」

「良かったぁ・・・♪」

 

「響さんばっかりズルいデス!」

「私も・・・!」

 

「やだ!あと三分・・・否、三百年!」

「「長すぎるデス!」」

 

調も切歌の癖を真似ながらツッコむ。一方・・・。

 

 

「響・・・・・・クロード君を一人占めするなんて・・・・・・ウラヤマシイ・・・ネタマシイ・・・」

 

「おぉ・・・小日向の背後に般若が見える・・・」

 

「漫画やアニメみたいに、リアルに見えるなんてあり得るか!?」

 

「実際、見えているのだが」

「やべぇ・・・」

 

未来は翼とクリスのやり取りをスルーして、クロードを一人占めする響に嫉妬心を募らせていく。

 

一方。直人、マリア、セレナ三人は訓練を一足早く終えて他の皆のために、おにぎりをいくつも作っていた。

 

 

「こうしてみると、おにぎりってバリエーションが豊かだよね」

 

「そうね・・・余程変なものじゃない限りは、何でも合うって気がするもの」

 

「それがおにぎりの良い所だよね・・・・・・よし、これだけあれば大丈夫だろう」

 

三人で結構な数を作った為か、大きな皿に積んである。おにぎりの皿とペットボトルがいくつも入ったクーラーボックスを持って皆と合流。

 

皆でおにぎりを美味しくいただいた。

 

その後、太牙から連絡が入り、カナデが現れたことを知り自身も・・・そして他チェックメイトフォーの皆も戦力として加わる事を伝える。

 

更に、弦十郎からもイクサシステムを装者達に貸し与える事を決定したと伝えられる。

 

 

 

そして、翌日・・・・・・遂にカナデが現れた。

 

ガングニールのシンフォギア纏い、人気のない場所で他のメンバーを連れず一人だけで立っていた。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

カナデ無言で立っていたが、こちらに近づいてくる気配を察知して笑みを浮かべる。

 

「来たね・・・さぁ、ここまでおいで」

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ブラッディローズの音色が、カナデ出現を報せてくれた。

 

カナデが出現した位置までヘリで急行していた皆だが、地上からの攻撃がヘリに直撃。

 

皆はシンフォギアを纏ったりパラシュートを展開して着地。地上には、再生態のファンガイアが多く犇めいていた。

 

「では、この場は我々におまかせ下さい!」

「皆様の道は、我々が作ります」

「私も、出来る事をします」

 

チェックメイトフォーのルーク、矢嶋 豪介。ビショップ、芦山 聖。クイーン、登 深央。

 

三人チェックメイトフォーは、ファンガイアの姿に変わる。

 

 

豪介は、象の性質を持つビーストクラスの”エレファントファンガイア”に。

 

聖は、青い蝶の性質を持つインセクトクラスの”モルフォファンガイア”に。

 

深央は、真珠貝の性質を持つアクアクラスの”パーシェルファンガイア”に。

 

それぞれの戦う姿になった三人は戦闘を開始、他の皆は彼らに任せて先に進む。

 

そこからしばらく進むと、立ち塞がるのは零士と美穂。

 

零士は新調した銃を構え、美穂は八尺瓊勾玉のシンフォギアをすでに纏っている。

 

 

「ここは俺達の出番かな。さぁ、行って」

「ここは私とユウスケ君が引き受けます」

 

ユウスケと夏海が相手を買って出る。ユウスケは腹部に手をやり、変身するためのベルト、アークルを出現させポーズを取る。

 

「キバーラ」

「ウフフ、行くわよ〜」

 

夏海はキバーラを呼び出し、手に持って前に掲げる。

 

 

「「変身!」」

 

掛け声の後、ユウスケは超古代の戦士、仮面ライダークウガに。

 

夏海はキバとは別のキバの鎧を纏った仮面ライダーキバーラに変身した。

 

「おいおい、知らねぇ奴らが相手かよ・・・・・・いいぜ、やってやろうじゃん!俺赤いのな」

 

「あのキバに似てるのは私がやるわ。本当は立花 響とやりたかったけど・・・・・・」

 

お互いが戦闘を開始。他の皆はその先に進む。

 

 

 

もうすぐカナデのいる所へ着くが、そこにはファングライザーで鎧を纏ったウェルと、数体の再生態がいた。

 

「僕参上!英雄たる僕は何度でも蘇る!」

 

そんな事を宣うウェルの相手を務めるのは、後ろからトラックに乗ってやって来た男達。

 

 

「ほーん?ほんなら二度と復活出来へんようにボコったろか?」

「久々に、暴れるか・・・」

 

「僕、いっぱい頑張っちゃうよ!」

「がん、ばる、ぞい」

 

健吾、次狼、ラモン、力の四人だ。

 

「久々の”コレ”だ・・・・・・加減については期待しないでくれや」

 

健吾が取り出した物・・・・・・それは、イクサナックルとイクサベルトだった。

 

 

青空の会は啓介の持つ一号機、S.O.N.G.に渡した二号機とは別に優秀なエージェント用の三号機も開発していた。

 

健吾が持っているのは、嶋から認められた上で渡された三号機である。

 

健吾はベルトを装着し、自分の左足に右手のナックルを当てて読み込ませる。

 

 

《レ・ディ・イ》

 

電子音声の後、イクサナックルを上に上げて叫ぶ。

 

「変身!!」

 

《フィ・ス・ト・オ・ン》

 

イクサナックルをイクサベルトに装填。電子音声と共に、イクサナックル内のアーマーの映像が現れ、健吾の身体と重なった。

 

純白の鎧を身に纏い、健吾は仮面ライダーイクサへと変身した!

 

 

「健吾君、次狼さん達・・・頼んだよ!」

「頼まれたで!」

「フッ・・・・・・行け!」

 

直人の言葉に答え、戦い始める健吾達。他の皆は更に前に進む。

 

 

 

 

そして遂に、カナデのいる所に辿り着いた。大きく開けた空間。邪魔なものは何もない。

 

直人、大牙、士、響、翼、クリス、マリア、セレナ、調、切歌。

 

十人の戦士が、カナデの元に集った。

 

 

「いらっしゃい・・・待ってたよ。私の力を知って、それでも戦う事を選んだ勇者たち」

 

「・・・・・・・・・・・・辛くとも、悲しくとも、それを受け入れ・・・・・・私はここにいる!」

 

翼は弦十郎から預かった、イクサナックルとイクサベルトを取り出してベルトを装着。

 

ナックルを掌に当てて読み込ませ、右腕を動かして顔の左横まで持っていく。

 

そして・・・・・・。

 

 

「変身!!」

 

 

イクサナックルをイクサベルトに装填。電子音声と共に、イクサナックル内のアーマーの映像が現れ、翼の身体と重なった。

 

純白の鎧を身に纏い、翼は仮面ライダーイクサへと変身した!

 

更にアーマーがパージされ、自動的にライジングイクサへと強化変身!

 

イクサカリバーとアームドギアの二刀流を構え、他の装者達も構える。

 

 

「キバット、タツロット!」

「おう!」

「いつでも行けますよ!」

 

「サガーク!」

「○◇△□!(ガンバルヨ!)」

 

「ふん・・・」

 

「「「変身!!」」」

 

三人も仮面ライダーに変身。全員の戦う準備は整った。

 

 

 

直人達は決意している、必ず奏を救うと!

 

健吾達は決意している、直人達が戦えるように自分達も頑張ると!

 

豪介達は決意している、王達が己の決意を成就させるためなら自分の命もかけると!

 

零士達は決意している、カナデの願いを叶える手伝いをすると!

 

 

善悪問わず、様々な者の決意が入り混じり・・・決意の多重奏となる。それが最大に高まった時・・・。

 

「行くぞ!」

「来い!」

 

遂に、奏を救う為の戦いが始まった!




次回予告

カナデの力は、変わらず強大だ。それでも、だとしても・・・諦めたくない、と叫んで。

真っ直ぐに立ち向かい、諦めない心は果たして・・・。


第十話 激槍の神撃、激奏の心歌


心こそ、不可能を可能にする為の力を秘めた可能性。届けよう、諦めないで歌い続けて。


ーーーーーーーーーー


本当は戦闘シーンも書きたかったですが、キリが良かったので次回に回します。
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