蚊の一生を描いたものとなっています。以下本文

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蚊の気持ちになって考えた作品となっています。蚊の気持ちになってみてくださいね


蚊のとぶ夏

今年の夏は暑いな

俺はそう言いながらもおやじが仕事をしにいくような感覚で飛んでいた

俺は「蚊」だ

 

今日もぶんぶん飛んでいる。

母は戦争で死んだ。

といっても戦争中ナチスドイツのヒットラーという男がソ連のスターリングラードからの反撃を受けて怒り狂っていたとき机に腕を振り下ろした時に死んだのだ

そんな簡単に死んでしまうのかと思った人は多いだろう、何故だと思う?それは弱いからだ

弱い体だけに弱いからだ。

人間の手にかかれば人差し指1本でも殺せるしまだ産まれたばかりの赤ん坊にだって運悪いと押しつぶされてしまう。だが、俺はそれを苦とは思わない。仕方ないんだ、弱い生き物が長生きすることなんて

もちろん生きる希望なんて持たなければ長生きはできない。が、それ以前に恵まれていない体を手に入れてしまったのだ、仕方ない、あきらめるしかないのだ

 

父は今仕事に出かけている。仕事といってもいつも通り人間の血を吸ってそこから菌をほかの人間に移すというブラックな会社なのだが蚊の仕事は大抵それしかない、そして蚊という生き物は生き物の中でそういう部類に入る生き物なんだ。人間にとってはゴキブリと一緒にブラックリストに入っていること間違いなしであろう。

 

当の俺は何をしているかって?今は木に止まって横になっているだけだ。

今は人間時間でいうなら日曜日の昼ぐらいだろう

体が小さいからあまりお腹もすかないしすいたとしても少し食べれば1週間は食べなくても大丈夫なのだ。

 

そういう面では人間に生まれなくて正解だと思っている。食べ物にもあまり困らないし住んでいるところから税金などのものも発生しない。蚊同士の争い事などもないし最高だ。

だからこそ人間に嫌われているのかもしれない。人間が今言ったことを考えながら授業中寝ているのだろう

 

蚊よりすばしっこいハエという生き物がいる。あいつらの速さと来たらまるで新幹線のようだ。そう例えると俺ら蚊は電車だ。ガタンゴトン~というようなゆっくりとした早さで飛んでいる。だから簡単につぶされてしまう

しかしハエはどうだ?簡単につぶせるか?ましてやハエなんざ人の近くにはあまりいかないからつぶされることも少ないだろう。そして音がない

 

俺達蚊は音が鳴る。どうにかしてほしいものだ。なぜ人間は進化ということをしているのに対して俺達はしていないのだろうか。不平等だ、そして嫌われる原因になる。最悪じゃないか

 

ぶ~ん

 

木に止まって一休みをしようと思った。

 

「ふ~やはり飛ぶのにも体力をつかうな~」

 

そういいながら人間が生活しているのを眺めていた

そこへ友達のPが現れた

 

「よう、また休んでるのか?」

「だってすることないしさ」

 

Pは俺が小さい頃から遊び相手になってくれていた蚊だ、今は働きに出ている。

 

「お前いつ就職するんだよ」

「いつだっていいだろ~俺の勝手だよ」

「そんなこと言ってるとまたおやじさんに叱られるぞ」

「ふーんだ」

 

プイっと拗ねた真似をする。

少し困った顏を見せてPは飛んでいってしまった

 

「暇だな~」

 

空を見上げ声を漏らす

 

ガサッ ガササッ

 

「ん?」

 

嫌な音がした。それはいつも俺の仲間を食べにくる虫

 

キィィィィイイイベロベロベロ

 

舌を舐める音、間違いない 奴だ。

 

「久しぶりだな、ゲへへ」

 

そう、皆さん知っての通りカメレオンだ

 

「今日はお前を食べに来たぞ~ゲへへ」

 

やばい、どうしよう

 

「逃げないのか?珍しい」

 

やばいやばいやばいやばいやばいやばい

俺は今羽を休めているのだ、すぐには飛べない。

 

「もしかして飛べないのか?」

「!?」

 

バレた、まずい

 

「ならどうしようもないな?食べられろ!」

 

舌が俺の体に伸びてくる

 

 

 

 




静かな死であった。おしまい

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