後輩の俺と先輩の私   作:大和 天

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こんにちは大和 天です!

なんと10話目です!
皆さんが読んでくださるおかげでここまで続けてこれました!
これからも頑張ります!


そして今回は花火大会です!

まぁ、なんていうか、そのー……
まとめられたか不安です(笑)

てな訳で10話ですどうぞ!


彼は彼女に問いかける。

 

 

 

もう1時間くらいたっただろうか……

俺はスマホを目の前に置いて腕を組んで悩んでいた。

なぜ俺がこんなに悩まにゃならんのだ。

そうだ落ち着け、なにも悩むことはない。

簡潔に用件だけを伝えればそれでいいのだ。

 

 

『花火大会一緒に行きましょう。駅に6時集合で』

 

 

 

ふっ、完璧だ。

送信っと。

 

はっはっは、これで適当に荷物持ちすれば終わりだ。行きたくないけど。

 

すると俺のケータイが鳴る。

昨日箱買いしたMAXコーヒーを発送しましたってアマゾンからメールが来たのかとメールを開くと先輩からだった。

 

はいはい、おっけー!って来たんだろ、と思いながらメールを開く。

 

 

 

『やり直し。』

 

 

 

 

なん……だと………?

八幡ちゃんと誘ったよね?

やり直しって何ですか?

ていうか誘えって言ったの先輩の方ですよね?

 

すると続けざまにメールが来る。

 

 

 

『だいたいメールで誘うなんてありえないよねー?』

 

 

 

やかましい!

ぼっちなめんな!

電話出てくれなかったらつらいでしょうが!

 

でも仕方ない、電話するか……

だってしなかったら小町にバラされて小町に嫌われちゃうからな。

こ、これは小町に嫌われないために電話するんだからねっ!

 

 

俺は数少ない連絡先から電話をかける。

そろそろマイハニー♡から先輩の名前に変えとかないとな。

でも1回変えたのに戻ってたんだよなー……

小町だなきっと。

 

 

プルルルル、とたっぷり10コールしてやっと先輩が出た。

 

「や!比企谷くんじゃん!どしたのー?」

 

「………はぁー」

 

「どーしたのため息なんかついて」

 

「何にもないです。で、花火大会なんですけど…」

 

「花火大会がどーしたのー?」

 

 

くそっ!分かってるくせに!

この人やだよぉ〜

 

 

「えっと、そのー……その日空いてますかね?」

 

「うーん、私いろんな人に誘われてるんだよね〜」

 

「なら俺は行かなくてもいいですね。よかったです。それじゃ」

 

プッと電話を切る。

よかったー!これで家から出なくてすむ。

さぁ寝よっと!

そう言ってベッドに入るとまたケータイが鳴る。

 

 

 

『駅 5時 きなさい』

 

 

 

怖い怖い!絶対怒られるやつだよこれ。

やはり行くしかないのか……

辛いなぁー、召使い……

 

 

仕方ない、後で小町に有る事無い事吹き込まれる前にメールを返しておくか……

でもただ普通に返すのも癪だ。

たまには言い返してもいいだろう。

 

 

『人に言っておいて先輩はメールでだなんてありえないですよねー』

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんごめん」

 

「………はぁー」

 

「ごめんってば」

 

「今何時か聞いてもいいですか?」

 

「え、えーと……6時、かな?」

 

「だいたい先輩から5時に集合って言っておいて6時に来るってどういうことですか」

 

「いやぁ〜、浴衣に手間取っちゃってね」

 

「へいへい、分かりましたよ。行きましょうか」

 

そう言って先輩を促すが先輩はちっともそこを動かない。

ましてや少し涙目で膨れっ面をしてこっちをみている。

 

そこでやっと気づく。

「え、ええと……浴衣、悪くないですね」

 

すると先輩は少しだけ笑顔になる。

素直に似合ってるって言えばいいのに〜、などと言いながら駅の中に向かって歩きはじめる。

機嫌が直って良かったです。はい。

 

 

 

電車に乗ると周りの人が先輩をジロジロ見ている。

この人無駄に可愛いからな……

知り合いに会ったらかわいそうだし離れて乗るか、と先輩から少し離れたところのつり革を掴む。

すると先輩は俺の横のつり革をつかむ。

ちょっと、離れた意味ないじゃないですか。

 

「なんで離れるの?」

 

「いや、先輩が俺と一緒にいるところ見られたら先輩が困るんじゃないかと思いまして」

 

「えー、困んないよー。友達いないし」

 

「あ、そうですか」

 

そこまで言われてしまうと離れている理由がなくなってしまう。

「そうそう!だから気にするきゃっ!」

 

 

 

すると電車がガクンと揺れ先輩がぶつかってくる。

ごめん、と先輩は赤くなりながら俺の袖を掴む。

ちょっと?なんで袖掴むの?

俺じゃなかったら勘違いして振られるまである。

 

 

 

結局袖を掴まれたまま目的の駅に着き、周りの人にながされながら電車から吐き出され、そのまま改札を出る。

 

 

改札を出た後袖を離されたのが少しだけ寂しかったです。まる。

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

俺は周りをキョロキョロしながら屋台を見て回る。

なぜならここにきている人を探すためだ。

 

結論を言おう。

 

 

 

 

先輩が迷子になりました。

 

 

 

 

全く何やってるんだあの人は…

俺より年上だなんてまったく思えない。

小町だって迷子になんかならないのに。

 

しかしあれだ、早くしないと花火が始まってしまう。

俺としてもさすがにここまできて花火を見れないのは少し残念である。

 

しかし人が多いせいか電話も繋がらずまったく手がかりがない。

 

落ち着け落ち着け、先輩が行きそうなところは……

 

ダメだわからん。

 

 

それなら先輩の好きなものは……

 

 

 

そこで気づいてしまう。

先輩と出会って3ヶ月もたつのに俺は先輩のことをほとんど知らないということに……

 

しかもそれをもどかしく感じる自分がいるということに……

 

 

 

しかし今はそんなことを考えている時間はない。

ボッチの俺には後でいくらでも思考できる時間があるからな。

もう悟りを開けるまである。

 

 

 

 

 

 

結局先輩が見つからないまま時間だけが過ぎていく。

まるで砂時計だ。

上の砂である時間が減るにつれ下の砂である焦りが蓄積していく。

 

1回入り口まで戻ろうかと思い振り返ったその時急に手首を掴まれる。

はっ、と振り返るとそこにいたのは先輩だった。

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

「………ごめん」

 

俯いたままの先輩はぽそりと言う。

 

 

 

「探しましたよ。どこいってたんですか。もう花火始ま………」

 

 

 

今目に入ったもののせいで言葉が途切れる。

 

 

 

 

 

「その足…どうしたんですか?」

 

 

先輩の足はボロボロだった。

きっと下駄を脱いで走り回ったのだろう……

俺を探すために……

 

 

 

すると急に先輩は掴んでいた俺の手をグイッと引っ張り顔を俺の胸へと埋める。

 

 

普段ならこんなことされたらテンパってきょどりまくるところなのだが不思議と落ち着いていた。

 

 

 

 

嗚咽を漏らす先輩に俺はどう接すればいいかわからなかった……

 

 

 

 

 

 

何分たったかわからないがそろそろ周りの目が気になり始めたので先輩に離れてもらおうと声をかけようとしたその時、ヒューという音がして上空で破裂音がする。

それに続き何発もの花火が打ち上がる。

気づくと先輩は顔を上げ、花火を見ていた。

 

 

今なら聞けるかもしれない。

俺の疑問を。

 

 

 

「……先輩」

 

目をうっすらと赤くした先輩が俺を見る。

その顔は空からの光を受けて悲しそうにも嬉しそうにも見えた。

 

聞こう。

今しかない。

 

 

 

 

 

「先輩の欲しいものはなんですか」

 

 

 

 

 

何も答えないぎこちなく微笑んだ先輩の頬を左目から流れた涙がひと粒つたっていく。

 

 

その時の先輩の顔を俺は一生忘れることはないだろう。

 

 

 

 

 

 

やがて直視できなくなり誤魔化すように空を見上げる。

 

 

 

 

 

するとふわっと何かが手に当たる。

見ると先輩の指が俺の小指を握っていた。

 

 

 

 

 

 

俺の手は小町専用だが今日くらいは貸してやってもいいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

結局歩けなかった先輩を俺がおぶることになり駅から先輩の家までおくるはめになった。

 

 

 

途中重たいと言ったら本気で殴られました。てへっ☆

 

 

 

 

 

あともう少しで先輩の家というところで後ろから話しかけられる。

 

 

「比企谷くんの欲しいものはなにかな?」

 

「先輩が教えてくれたら教えてあげてもいいですね」

 

「えー、けちー!」

 

そう言いながらも先輩は笑っていた。

 

 

 

 

 

家に着くと先輩はありがと、と言いながら俺の背中からおりる。

振り返ると笑顔の先輩がそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「比企谷くん、今日のこと誰かに話したら殴るからね?」

 

ちょっと!これまで見た中で1番の笑顔でそんなこと言わないで!

怖いから!

 

 

「いやいや、怖いですよ。しかもだいたい話す友達なんていませんから大丈夫ですよ」

 

「かわいそうに……」

 

ちょっと!先輩も友達いないって言ってませんでした⁉︎

そんなまじでかわいそうな目で見ないで!

 

 

 

俺が地味にダメージを受けていると扉の前まで行った先輩が振り返り、胸の前で小さく手を振る。

 

 

 

「またね」

 

 

 

バタン、と扉の閉まる音がする。

 

 

 

「またね、か……」

 

 

 

そう呟くと俺は今通ってきた道に向かって歩き始めた。

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?

なんかまとまってない気がするよぉ(。-_-。)

なにかアトバイスございましたらぜひください!
よろしくお願いします!

評価や感想、誤字脱字やご指摘お待ちしております!

読んでくださりありがとうございました(*^^*)

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