なんだか八幡の誕生日回はイマイチみたいだったっぽいですね…
すみません(。-_-。)
今回は気を取り直して文化祭編です!
では12話ですどうぞ!
クラスがざわざわと騒がしくなる。
そりゃそうだ。
俺みたいなやつを先輩みたいな人が知っていたらざわざわくらいするだろう。
しかし意識して聞いてみると思ったこととは違うことが聞こえてくる。
「ヒキガヤってだれ?」
「ほらあそこのやつじゃね?」
「あのヌボーってしてるやつ?」
俺ってマジで認識されてなかったの?
あれ?なんだか目から汗が……
どうやらみんなは俺の名前に反応して俺を見たわけではなく先輩の目線の先を見ていたらしい。
八幡そんなに見られると恥ずかしいな☆
「あっはっはっは!」
突然の笑い声にみんなが振り向くと先輩がお腹を抱えて笑っていた。
「比企谷くん…クラスの人に覚えられてないなんて……さすが比企谷くん……」
ちょっと先輩?さすがの俺でも泣いちゃうよ?
すると先輩は少し頬を染めてうつむき、「よかった」と言っていた。
それはあれかな?この学校に自分以上のボッチがいたからですか?ハハハ、マジ笑えない。
しかしまぁ俺はボッチに誇りを持っているのでむしろそれは褒め言葉まである。
先輩は頑張ってくださ〜い、と言いながら教室を出て行った。
静まりかえった教室のこの空気どうしてくれるんですか先輩!
と、そこでLHR終了のチャイムが鳴る。
するとみんなガヤガヤといつものようにおしゃべりをし始めた。
クラスの人から何か言われるかと思っていたが特別何かあるわけでもなく1日が終わった。
ただその日の放課後から男子からの当たりが強くなり、仕事を大量に押し付けられました。まる。
× × ×
今日もベストプレイスでパンをモシャモシャと食べ終わり、食後の一杯を堪能している。
何を飲んでるかって?それはもちろん千葉のソウルドリンクMAXコーヒーしかない。
マッカンマジ神。ノーベル平和賞もらってもいいレベルである。
5限目までまだ時間もあるし昼寝でもしようかと横になると頭上から声が掛かる。
「やぁ比企谷くん!」
見上げると先輩がいた。
「あれ?先輩文実はいいんですか?」
「あー、今日はお休みなんだ〜。だから寂しそうにお昼を食べてる比企谷くんのために来てあげたの!」
「いや、俺もう食べ終わりましたけど……」
「え?」
先輩の驚いた顔がみるみる不貞腐れていく。
俺の横に座ると自分の弁当箱を開け、ガツガツと食べ始める。
先輩?なんでやけ食いしてるの?
「先に食べちゃうことないじゃん」
「いやいや、いきなり来て何言ってるんですか」
「ぶぅー!」
「それあざといですよ」
先輩はプイッと横を向く。
それもあざといんだけどな……
言ったら怒りそうだしな……
俺はちょっと飲み物買ってきますとその場を後にして自動販売機のところまで行く。
怒っているときは時間を置くのが一番だ。
そして飲み物を2本買って先輩のところへ帰る。
「どうぞ」
「お、気がきくねぇ〜!」
いつの間にか不貞腐れがなおった先輩がそう言って俺から缶を受け取りプシュッと開ける。
「あっま!」
「いやいや、美味いでしょ?」
「あ〜、これ比企谷くんの好きなやつだったんだ。甘すぎでしょ」
「俺の人生は苦いですからね。コーヒーくらいは甘くていいと思います。」
「なにそれ!」
そう言って先輩はケラケラと笑っている。
俺結構本気でそう思ってるんだけどな……
すると先輩は真面目な顔になり少しお話していい?と言って話し始めた。
「去年の文実の実行委員長がすごい人でね、去年の文化祭が過去最高に盛り上がったの。だから去年に負けないようにしようってみんな頑張ってるんだけどイマイチ何かに欠けるんだよね。だからどうしたらいいかわかんない……わかんないの………」
そう言って先輩は俯く。
さぞかしたくさんの人に激励の言葉を受け、勝手に期待され、自分達を追い込んでしまったのだろう。
副実行委員長としての責任もある。
それなら俺はなんて言葉をかければいいのだろう。
「先輩、社会は厳しいですからね。自分には自分で甘くしないと」
すると先輩は顔を上げると俺の顔を見て急に笑い出す。
「あはは!こういう時は普通優しい言葉をかけるんだよ!そんなんだから比企谷くんは友達出来ないんだよ」
ちっ、外してしまったようだ。
俺のスーパーハチマン君がBGMと共にボッシュートされた。
ていうか最後のはふつうに悪口だよね?八幡泣いちゃう。
でも、と先輩が口を開く。
「でも、ありがと」
そう言って全然は俺に普段あまり見せないあざとくない笑顔でそう言う。
やめてっ!先輩そんな顔で俺を見ないでっ!惚れちゃうからっ!
先輩は立ち上がるととびっきりのあざとさを振りまいて、次に会うのは文化祭当日だぜっ☆という意味のわからない宣戦布告をしながら横ピースをして帰っていった。
なんなのあの人……
俺も先輩のおかげでいい感じに時間が潰れたから教室に帰るか、と2本目のマッカンを飲み干し腰をあげる。
するとパタパタと足音が聞こえ、少し顔を赤くした先輩が飛び出してきた。
「お弁当箱忘れてた!」
次会うのは文化祭当日じゃなかったですかね?
× × ×
「さて、帰るか」
俺は席を立つと腰を伸ばす。
時計を見るとすでに19時をまわっていた。
なぜ俺がこんな時間まで学校に残っているかというと明日はいよいよ文化祭当日なのである。
先輩が教室に来た後から俺は社畜のように働かされた。
毎日俺の愛しい放課後という家でダラダラできる時間を文化祭の準備の時間に当てさせられるなんてもう先輩のせいとしか言いようがない。
結局今日も最後まで残されたのは俺だけだった。
俺のクラスはお化け屋敷をするらしく俺は1人黙々と窓から光が入らないように塞ぎ、通路を作り、音源のチェックもした。
もう俺は十分社畜として働いたので今後の人生では1秒たりとも働きたくない。
専業主夫に俺はなるっ!と心に深く刻み込んだ。
教室の扉を閉め、鍵を職員室に返すと下駄箱に向かう。
やっと帰れる。
愛しの小町が待ってくれている…はず………
下駄箱に着き、俺の靴箱を開けると靴の上に紙が乗っていた。
こういう時は絶対にゴミか冷やかしの紙である。
ソースは俺。
中学の時に俺だけ教室で貰えなかったお土産であると思われるゴミが俺の靴箱にたっぷりつめこまれていた。
そして靴箱に入っていた紙をラブレターと思って書いてあった場所に行ってみたときは3時間待ってみたが誰もこなかった。
やばいつられていろいろ思い出してきた。早く小町の元へ帰ろう。
だが一応見ておいても損はない。
ピラッと紙をめくってみるとそれは何かのチラシのようだった。
『この紙を持って来てくれた方になんとメイドさんをご指名できる権利をさしあげま〜す!!!
追伸
来なかったら…… 三神美香』
思わず声が出てしまった。
「はぁ⁉︎」
いかがだったでしょうか?
いつか来るであろうと思っていた低評価をつけられて少しヘコんでいました笑
でもまだ自分が未熟なだけなのでこれから挽回できるように頑張りたいと思います!
感想や評価、誤字脱字やご指導ご指摘などなどおまちしております!
読んでいただきありがとうございました(*^^*)