後輩の俺と先輩の私   作:大和 天

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こんにちは大和 天です!

先に謝っておく事があります
いろはすみたいになりましたごめんなさい(。-_-。)

誰も知りたいと思わないと思いますが一応鹿波先輩のイメージははるのんとめぐりんを足して二で割った感じです

それと今回は以前挿絵を見てみたいと言ってくださった方がいらっしゃったので先輩を書いてみました!
まぁ、ぶっちゃけ下手くそなので見なくてもいいです笑
後書きに載せています!

では18話ですどうぞ!


彼と彼女は入れ替わる。

午前8時30分。

夏も終わりに近づき過ごしやすい気候になってきたがまだ少し暑い。

今日はいい天気で雲も少なく、スポーツなどをするならもってこいの日である。

 

なぜ俺が朝からこんなことを思っているかというと理由なんてひとつしかない。

 

 

 

 

 

先輩、また遅刻ですか……

 

あの人が待ち合わせ時間に来ないのは今に始まった事ではないが流石に一度くらいはぴったりに来て欲しい。

自分から誘ってくるくせに。

今のところ全部遅刻だからねあの人。

 

 

俺の108つある特技のうちの一つであるボーッとするを使い始めてもうすぐ30分たつ。

さっききたメールからしてもうすぐ来るだろう。

あぁ、はやく帰ってプリキュアみたいなー……

 

そんなことを考えていると後ろから最近聞き慣れた声がする。

 

 

「こ、こんにちは比企谷先輩!」

 

そうだった。

たぶん先輩なりの考えで俺の敬語をやめさせるためになぜだか今日1日は先輩と後輩の立場を入れ替えて少しでも親密になろうということらしい。

そしてどうやらそのことを忘れていつも通りに話してしまうと相手がひとつ命令できるとのことだ。

因みに強制参加なんだそうだ。

なにその理不尽なゲーム。

 

そんなゲームに参加させられたのだから嫌味のひとつくらい許されるだろう。

 

 

「後30分早く来てそれを言って欲しかったですね、鹿波さん」

 

「ごめんなさ〜い」

 

 

先輩は悪びれる様子もなく、テヘッと手をグーにして頭に当てる。

はいあざといあざとい。

 

そんなあざとい先輩が思い出したように俺に話しかける。

 

 

「それで今日はどこに行くんですか〜?」

 

え、俺が考えるの?

八幡そんなの聞いてない。

こういう時にはなんでもあるところに行くのが無難である。

俺が何時ぞやに行った大型ショッピングモールを提案するとあっさりとOKが出た。

 

 

なーんだ!全然大丈夫じゃん!緊張して損しちゃったぜっ☆

などと考えていると先輩が恐ろしい言葉を言い放った。

 

 

 

 

「えーっと、もちろん今日の代金はは当然ぜーんぶっ比企谷先輩の奢りなんですよねー?きゃーっ!かっこいー!おっとこまえー!」

 

 

なん……だと………?

 

そういうことだったのか!

今までは俺が後輩だったためなんとか割り勘で済んでいたが年上の男子ならやはりお代は男が持つしかなくなるだろう。

この人こんなことまで考えてたの?

ハチマンモウダレモシンジラレナイ。

 

 

 

「……くっ、やってくれましたね先輩」

 

 

するとなぜか先輩の顔が満面の笑みに変わる。

 

 

 

「はい、罰ゲーム」

 

「………あ」

 

 

僕もう帰りたいな……

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

どんな酷いことを命令されるかと考えていたが以外とあっけないものだった。

 

『今日は私が満足するまで付き合うこと』

 

まぁもっとひどいことも考えていたのでそれに比べればマシだった。

ちなみにそのことを先輩に言うとグーでお腹を殴られた。

 

 

ショッピングモールに入ってみると日曜日なだけはあってやはり人が多く、喧騒に包まれている。

ちょんちょんと腕を突かれたので見てみると絶賛後輩中の先輩が少し困り顔で立っていた。

いや、後輩中ってなんだよ。

 

 

「あ、あの、比企谷先輩」

 

「なんだ?」

 

「あーと、そのー、手、繋いでもいいですか?」

 

「………え?」

 

 

間の抜けた声が思わず出てしまう。

先輩は恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしてあたふたと続ける。

 

 

「ほ、ほら!比企谷先輩が迷子になったら探すのたいへんじゃないですかー?」

 

「いやいや、それは鹿波さんの方だからね?」

 

「ここは私に従っておけばいいんですよ先輩っ!」

 

 

確かに先輩とは一度迷子になってお互い探し回った事があった。

流石にここでは電話も通じるだろうがやはり探すとなると面倒である。

仕方なしに了承すると先輩はやったー!と嬉しそうにしていた。

大体俺と手を繋ぐ事のどこに喜びを感じるところがあるのだろうか。

小学生の時のキャンプファイアの時だって結局1人でエアオクラホマミキサー……

 

 

と、自分の黒歴史の教科書を読み返しているとあれ?目から汗が……

ていうか俺の教科書だけ人の5倍くらい分厚いのは気のせいですかね?

 

 

そんなことを考えていると俺の手がなにか柔らかくて温かいものに包まれた。

 

「それじゃいこっか」

 

 

先輩はそう言うと俺の手を引っ張ってズンズンと歩いていく。

 

「手、柔らかいですね。小町程じゃないですけど」

 

「うるさいよ!」

 

 

だって冗談くらい言ってないと緊張で手汗が出て今後先輩からヒキガエル君って呼ばれそうなんだもん!

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

その後は先輩に連れまわされゲームセンターで俺の奢りで景品を取らされ、補正で目が綺麗になるかも!とプリクラを俺の奢りで撮らされ、ウインドウショッピングに付き合わされ、午後に見ることになった映画のチケットを奢らせられた。

あ、本当に俺が奢らせられるんですね。八幡冗談と思ってた……

 

 

 

お昼までまだ少し時間があるということで何して時間を潰すかということになり、先輩がこんな話を持ちかかてきた。

 

 

「それじゃあ、お昼ご飯をかけて勝負しようよ!」

 

「そーですね、せん……鹿波さんって苦手なゲームとかあるんですか?」

 

あっぶねー、先輩って言いかけた。

先輩にジト目で見られるが気にしないようにしていると先輩がやっと問いかけに答える。

 

「そーですねー、あ!私実はまだボーリングやったことないんですよねー」

 

「よし、ボーリングで決定。異論は認めませんからね」

 

えー!と言う先輩を黙らせるために今日唯一与えられた先輩の特権をフルに使って競技をボーリングに決める。

これ以上お金が減ったら今月何もできなくなるからな。

 

 

靴を履き替え、ボーリング玉を持ってくると椅子に座る。

念には念を入れて先輩からにしておいた。

ちょっとそこ!大人気ないとか言わないの!

 

 

先輩が戻ってきたのでお先にどうぞと促す。

トテトテとレーンの前に歩いて行く。

 

すると助走もつけずにいきなり腕をぐわっと振り上げるとものすごいスピードでボールを放った。

 

 

バコーンという音と共にピンが全滅し、頭上の電光掲示板にストライクの表示が出る。

 

帰ってきた先輩はふぅ〜と息を吐きながら俺の横に座る。

 

 

「えーっと、初めてなんですよね?」

 

それを聞いて驚いた顔をしていた先輩は次第にニヤニヤしだす。

 

 

「そ〜ですねぇ〜」

 

 

この人勝った気でいやがる……

だが俺も負ける気はない。

小町の相手をさせられ大人げもなく完膚なきまでに叩きのめしギャン泣きさせたことだってある。

小町かわいかったな……

 

だからこんなボーリング素人に負けるはずがないのだ。

 

そうして俺の残り少ないお小遣いをかけたボーリングバトルが幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

結果はまぁ、俺が過去最高得点を叩き出したとだけ言っておこう。

 

 

「いや〜、人のおごりで食べるご飯は美味しいねぇ〜」

 

「ははは、そりゃよかった」

 

乾いた声しか出ない。

なんなの全部ストライクかスペアって。

そんなの聞いてない!

 

 

そんな馬鹿げた点数を叩き出した先輩は目の前で美味しそうにパスタを食べている。

女子って本当にパスタ好きだよね。あとアボカドとエビね。

 

 

ごちそうさま〜、とニヤニヤしながら言われた俺は伝票を掴むとレジで支払いを済ませる。

 

映画館に向かって歩いていると先輩がポツリと呟く。

 

 

「もうすぐ体育祭だね」

 

「そうですね」

 

「八幡先輩体実やればー?」

 

 

えっと、いつから呼び方八幡先輩になったんですかね?それといつからタメ語にもどったんですか?

 

 

「やりませんよそんな面倒くさいこと。俺のモットーは働かない、ですから」

 

ちなみに夢は専業主夫だと伝えると無理だと一蹴されました。まる。

 

 

 

 

 

シアター内に入り席に座ると間も無く場内が暗闇に包まれる。

 

今回見る映画は先輩にしては珍しくアニメーションの映画で俺も見てみたいと思っていた映画だった。

 

 

クライマックスで思わず涙が出そうになり、横を見てみると先輩の頬を一筋の雫が流れていた。

 

その姿はなぜだか俺には手の届かない何かなのではないかと思ってしまう。

 

 

 

 

思わず見惚れていると、はっと先輩が気づき横腹を殴られた。

今日殴られてばっかりなんですけど……

 

 

 

映画館を出た後、適当なコーヒー店に入り映画の話や文化祭の話をした。

実は先輩はアニメ映画が好きならしく、思った以上に話が盛り上がり、オススメの映画いくつか教えてもらった。

 

 

それじゃあ帰ろうかということになりしっかり代金を払わさせられた後、店を出て帰路についた。

 

 

 

「満足しましたか?」

 

そんな質問を投げかけると先輩はうーんとあごに手を当てて考えるふりをする。

 

 

「まぁ、ぼちぼちでおまんでんがな」

 

え?なにそのエセ関西弁?

見た目は子供の探偵さんなの?

しかもぼちぼちなのかよ……

 

 

 

「まぁ、満足してもらえたならよかったです」

 

「じゃあ比企谷先輩はどうだったんですかー?」

 

そんなことを言いながら上目遣いで俺に視線を投げかける。

言葉に詰まりながらもなんとか声を絞り出す。

 

 

「まぁ……ぼちぼちですね」

 

 

先輩はぼちぼちかよー、などといあながらもなぜだか嬉しそうで見ていてこっちまで思わず口がほころぶ。

 

 

そんな俺に先輩がとびっきりの笑顔で言う。

 

 

 

 

 

「なんだか顔気持ち悪いですよ?特に目が」

 

 

 

「……デフォルトでおまんでんがな」

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

だんだんと肌寒くなっていく夜空の下、先輩を無事家の前まで送り届けるという護衛任務を見事遂行し、こんな任務余裕だってばよ!と心の中で叫んでいると目の前を歩いていた先輩がくるりと振り返る。

 

 

「ふぅ〜、とうちゃーく!ありがとね!」

「いえいえ。楽しんでもらえたなら良かったです」

 

 

心が温まると同時に懐が寒くなりましたよまったく。

 

するとにこにこした先輩が口を開く。

 

 

 

「私とデートできて楽しかった?」

 

「まぁそうですね。お財布が軽くなったの以外は」

 

先輩はそういうこと言わないの!と言いながらあははと笑っている。

 

 

 

 

 

いつからだろう。人といることが心地よく感じるようになったのは。

他人なんて今まで俺を蔑み邪険にし、時には危害まで加えてくるようなものだとばかり思っていた。

 

 

ただ勘違いしてはよくない。

彼女は、鹿波香奈はきっと万人にこうなのだ。

だからしっかりと自分に問い直さねばならない。

 

俺などただの都合のいい人だ。

特別な感情などない。

 

 

そう思わないと俺が彼女に中学時代にに捨て去った感情を再び抱きそうになるから……

 

 

 

 

 

 

 

ガコン、と音がする。

 

いつの間にか下を向いていた頭を上にあげてみると先輩が門を開けて中に入って行くところだった。

 

 

「今日はミスコンで優勝した大人気の先輩とデートできてよかったね比企谷くん。ほんじゃ、またね〜」

 

 

そう言って玄関の方に近づいていく先輩を思わず呼び止めてしまう。

 

ていうか先輩ミスコン優勝できたのやっぱり嬉しかったんですね。

 

不思議そうな顔をしている先輩にいいことを教えてあげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「知ってましたか?あれって1日有効なんですよ?」

 

 

「……なにが?」

 

 

 

 

 

そして俺は簡潔に一言で教えてあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「罰ゲームですよ鹿波さん」

 

 

多分のその時の先輩の顔を俺は忘れないだろう。

 

 




いかがだったでしょうか?

最近自分の文章力がないことを改めて実感します
もっとがんばらねば!


それと先輩のイメージはこれをもっと可愛くした感じです笑

【挿絵表示】


感想書いてくださる方がいらっしゃいましたらあんまり絵には触れないでねっ☆

感想や評価、ご指摘等お待ちしております!

読んでいただきありがとうございました(*^^*)

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